はじめに
このシナリオは
お手軽シナリオ作成の作成例として取り上げたサンプルシナリオです。
著作権完全にフリーですので、好きに使ってやってください。
別に報告もいらないので、自作発言(する程のものでもありませんし)、商用利用(する価値もないと思います)お好きにどうぞ。
また、作成例に用いたため展開はテンプレに近いです。
シナリオを作る側に優しいシナリオのため、多少の不備はご容赦願います。
また、以下の項目は視認性を重視するため丁寧語を省いておりますので、そちらもご理解くださいませ。
シナリオ概要
探索者達が家路につく、いつもと変わらぬ黄昏時。
しかし、世界には日常を理不尽に蹂躙する存在が潜んでいる。
たまたま『そこ』にいただけ、たったそれだけの理由で探索者達は非日常の世界へと誘われてしまう。
あなたたちは日常を取り戻すことができるのか。
シナリオの背景
精神病院である《葛原病院》の《院長》は、神話的存在に触れ正気を失っている。
その接触以来、《院長》は崇拝に近い感情を持って、神話的存在(『ユゴスよりのもの』こと《ミ=ゴ》)に対して献身的に協力をしている。
具体的に言えば、《ミ=ゴ》の人間の脳を使った研究の為に、特殊な脳(重度の精神病患者の脳)を集めているのだ。
患者と言う名の犠牲者は、なす術無く《ミ=ゴ》に脳を缶詰(《脳缶》)にされてしまい、その身体は脳死扱いとして始末されている。
これを面白がった《ミ=ゴ》が崇拝する『外なる神』《ニャルラトホテプ》は、間接的に《院長》に協力をする。
具体的には、その化身の姿を晒け出す事により、不特定多数の人間を狂気に陥れ、《葛原病院》送りにしていると言う訳だ。
もし、《葛原病院》に入院した探索者達が何もしないのであれば、適当な理由を付けて《脳缶》にされてしまうだろう。
運良く《葛原病院》から逃げ出すことができても、《ミ=ゴ》の凶行はこれからも続く上に、いつ《ニャルラトホテプ》の化身に出会すかと怯える毎日が待っている。
つまりこのシナリオの理想的な結末は、《ミ=ゴ》を無力化する事である。
それでは、それを踏まえた上でシナリオをご覧あれ。
シナリオチャート
【黄昏の黒】(導入) |
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↓ |
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【葛原病院】(動機) |
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↓ |
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【夜の探索】(探索) |
→ |
【エピローグ】(Bad1) |
↓ |
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【真相】(分岐) |
→ |
【逃走】(脱出) |
↓ |
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↓ |
【対峙】(戦闘) |
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【エピローグ】(Nomal) |
↓ |
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↓ |
→ |
↓ |
↓(勝利) |
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↓(敗北) |
【撃破】(勝利) |
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【エピローグ】(Bad2) |
↓ |
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【エピローグ】(Good) |
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シナリオ
以下の項目は、シナリオの大筋に関してまとめたものである。
台詞やNPCの態度なんかはPCの選択やRPによって大きく変わるので、最低限の描写に留めてある。
NPCのRPが苦手なKPは全体的に無口なRPにしてしまおう。
また、PLが探索を宣言するなら、データ集の探索対象を参照し、そこにない場合はアドリブか探索不可の旨を伝えてあげよう。
募集時の注意
セッション時間はテストプレイから計算してスレで3時間x3~4日程度
現代日本、クローズド、ロストの可能性あり
推奨人数:3人以上
推奨技能:目星、聞き耳、銃刀法に反しないなんらかの戦闘技能
SAN50以上推奨
継続探索者可
【黄昏の黒】
まずは【オープニング】でPC達には冒涜的な神話的存在を目撃してもらう。
精神病院に入院する理由付けなので、【黒い男】のSANチェックでしっかり発狂してもらえればそれでいい。
SANチェックの詳細はデータ集の《黒い男》を参照。
発狂した時のRPはPLに任せると導入から盛り上がるかもしれない。
この遭遇は交差点近くの人間全員が無差別に巻き込まれる。
なので、集団幻覚として扱われ、被害者達は念のため精神病院にかかると言う流れになる。
【警察の事情聴取】(フレーバーなのでカットして気が付けば精神病院でも可)を終えて、救急車による【葛原病院への搬送】で【葛原病院】にシーンを移そう。
【黄昏の黒】のチャート
【オープニング】 |
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↓ |
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【黒い男】 |
→ |
【警察の事情聴取】 |
↓ |
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↓ |
【葛原病院への搬送】 |
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【葛原病院への搬送】 |
↓ |
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↓ |
【葛原病院】へ |
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【葛原病院】へ |
【黄昏の黒】の解説
前述の通り這い寄る『アレ』のせいである。
舞台設定としては現代日本の大都市圏、帰宅時間が黄昏時になる事から残暑の頃に設定。
縁もゆかりもない人間が文字通り行き交う場所、人が集まる大きな交差点が遭遇の場所として適当であろう。
後は化身に(SANチェック的な意味で)大暴れしてもらえれば、インパクトのある導入になると思う。
【黄昏の黒】の描写や台詞
残暑厳しいとある日の夕方、すっかり黄昏に染まった街の片隅で、あなた達はそれぞれの仕事や用事を済ませ、家路を急いでいた。
あなた達は中々変わらない大通りの信号を、人によっては苛立ちながら待っている事だろう。
(PCのRP)
そんな時に、あなた達全員は視界の隅に何らかの違和感を覚える。
特別な理由が無い限りは、ついそちらを向いてしまう様な強い違和感だ。
(PCのRP)
視線を移した先にあるのは、1人の人間のようなシルエットであった。
そのシルエットは特別変わった大きさでもなく、何か特別なことをしているわけでもない。
(《黒い男》のアイコンに変更)
ただ1つだけ、『それ』は『黒』だった。
夕日がわざとらしい程の黄昏を演出する中、そのシルエット、いやその空間だけが、今まで見たこともないような『黒』そのものだ。
では、『日常』に紛れた明らかな『異常』を目にしたPCは全員5/5+1D4の《SANチェック》です。
(PCのSANチェック)
(ここで黒い男のSANチェックについて説明)
(PCの一時的発狂のRP)
(【事情聴取】もしくは【葛原病院への搬送】へ)
※PL達の雰囲気次第ではこのシーンを丸々カットしてもいい。
(モブ警察のアイコンに変更かアイコン解除)
「警察だ。君達はどうやら集団幻覚にあったようだ。」
「念のため、何を見たか聞かせてくれないか?」
(PLのRP)
(※質問に対しては『異口同音に「黒い何かを見た」事が共通している』点以外はアドリブで)
(一通り質疑応答が終わる)
「聴取にご協力感謝する。」
「これだけの規模の騒動だ。」
「忙しい人もいるかもしれないが、念の為精神病院で診てもらった方がいい。」
(なお、職場や学校への連絡は警察が引き受けると申し出るなど、PLが断るのであれば半ば強引に誘導を。)
(【葛原病院への搬送】へ)
(モブ救急隊員にアイコン変更。)
(目的地が《葛原病院》であることを告げ、PLを搬送できればそれ以外の役割はない。)
(何もアクションがなければ【葛原病院】へ)
【葛原病院】
このシーンは、脱出すべきクローズドサークルの導入である。
【病院へ搬入】から【担当医の診察】と【ナースの説明】でPL達に状況を把握してもらい、【病室の探索】以降で本格的な【夜の探索】と【逃走】への動機を与える事が目的だ。
PC達は《葛原病院》に搬入され、【担当医の診察】を受ける。
そして【ナースの説明】に病室への誘導と簡単な質疑応答をさせよう。
PC達が病室内に移動した後は、【病室の探索】をさせ、区切りのいいタイミングで【担当医の回診】イベントを起こそう。
そこまで漏れなく探索対象を調べられているのであれば、この時点で《葛原病院》への不信感は募っているはずだ。
そうでなくても、【モブ患者の『処置』】でその不信感を確たるものにしよう。
そして【夜の解錠】にて、PC達を夜の《葛原病院》に解き放ち、【夜の探索】へ向かわせるのだ。
もしここまでやって【夜の探索】をしないのであれば、申し訳ないが【エピローグ】(Bad)に進んでもらうしかない。
【葛原病院】のチャート
【病院へ搬入】 |
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↓ |
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【担当医の診察】 |
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↓ |
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【ナースの説明】 |
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↓ |
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【病室の探索】 |
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↓ |
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【担当医の回診】 |
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↓ |
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【モブ患者の『処置』】 |
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↓ |
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【夜の解錠】 |
→ |
↓ |
↓ |
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↓ |
【夜の探索】へ |
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【エピローグ】(Bad1)へ |
【葛原病院】の解説
《院長》の発狂までは病院としては小規模だが、重度の精神疾患の治療を専門にしていた。
しかし2年前からは、見境なしに精神病患者を受け入れている。
病院のキャパを明らかに超える患者数を扱っているが、重度の患者と神話的発狂の患者は数日で《脳缶》に、軽度の患者は外来で済ますなどしている。
《院長》は医師全員に診断結果を意図的に改竄するように指示し、《ナース》を含む信頼できてかつ有能なスタッフに《ミ=ゴ》の手伝いと後処理をさせていた。
《担当医》はミスリード要員であるため、この時点では信頼できない人物のRPを心がけよう。
ただし、精神科医としては有能な描写を挟むこと。
そうする事で合流後の説得力が段違いだからだ。
また、《ナース》の立ち位置は敵でも味方でもない。
彼女に協力を求めるなら、何も役には立たないし、彼女に《院長》の企みを突き付けても相手にされないだろう。
なぜなら既に彼女は正気を失っているのだから。
【モブ患者の『処置』】は具体的な描写よりも、なんとなくヤバいぞこの病院と言う印象を与えてみよう。
その後何気なく《ナース》を登場させ、日常茶飯事である事を強調させると異常さが際立つ。
そして【夜の解錠】で何かしらの協力者がいることを示唆するといい。
ここまでやって動かない探索者には、軽くだけ警告を入れてBad End送りにしてしまおうじゃないか。
【葛原病院】の描写や台詞
救急車の中であなた達は軽い問診などをされたが、特に何か治療を受けたわけではない。
問診が終わると、数分程で救急車のサイレンの音は止み、目的地に到着したとわかるだろう。
救急隊員に促されるように降車すると、目の前には病院の入り口である。
そこそこ年期の入った3F建ての建築物だと理解しても構わない。
では、ここで全員《目星》をどうぞ。
(PCの目星判定)
成功した場合、引き上げる救急隊員の視線が、どこか哀れむような、悲しいような物だと気付いてしまうだろう。
失敗した場合、特に何もわからない。
(モブ病院スタッフにアイコン変更か解除)
そして病院スタッフに促されるまま、あなた達は待合室へと通される。
(【担当医の診察】へ)
待合室には、PC以外にあの交差点で見た覚えがある人間が10人程度確認できる。
どうやら他の患者はいないようだ。
順番待ちの間、何かする事はありますか?
(PLの提案や希望)
(それに対するKPの対応)
では、待合室で待っていると……。
「(PC)さん、(PC)さん、(PC)さん、真ん中の診察室にどうぞー。」(PCの人数分全員呼び、ここでPCがまだばらばらなら合流させる)
とどこかやる気のない声が聞こえる。
(PC診察室に移動、ごねるようなら誘導する)
診察室の中には、冴えない風貌の40代くらいの男が座っていた。
(《担当医》のアイコンに変更)
「いやー、何か大変だったみたいですねー。」
「とりあえず皆さんお名前と何見たか教えてくれますかー?」
(この後はPLの反応を見て、のらりくらりと会話する。)
「じゃ、皆さん結構精神的に消耗してそうなんで、念のため2日くらい入院しときましょー。」
「後は2Fのスタッフステーションで色々聞いといてくださーい。」
「お疲れ様でしたー。」
(質問等がPLから出るのであれば、のらりくらりと内容の無い答えを返そう。)
(しかし、医療的な部分に関しては具体的なSANの減少を引き合いに出すなど、有能である描写を入れても良い。)
そしてあなたたちは促されるまま診察室を出ることだろう。
(何もアクションがなければ【ナースの説明】へ)
それでは2Fに移動する前に何かありますか?
(PCのアクションを処理)
それでは(階段でもEVでも)2Fに上がると目の前にスタッフステーションがあなた達を出迎える。
(PLが周囲を確認するのであれば、金網扉と鉄柵について言及する。)
(《ナース》のアイコンに変更)
「こんにちは!お見舞いの方ですか?」
スタッフステーションの前にいるあなた達を、活発そうな女性の看護師が出迎える。
(PCとの会話ではフツーに対応を。その後203に誘導。)
(スマホや武器を持っているPCは規則の名の元に取り上げてロッカー(扉と柵よりエレベーター側)に入れさせる。)
「ではこちらへどうぞ、病室にご案内しますね。」
ナースはスタッフステーションから出てくると、厳重に施錠されている金網扉を解錠します。
ナースに誘導され頑丈そうな金網の扉を進むと、飾りっ気の全く無い廊下があなた達を出迎えます。
(ナースの誘導に従わない場合は警告を入れてもいい)
「こちらです。お入りください。」
ナースは203の看板が掲げてある部屋の前で足を止め、あなた達に向き直ります。
(そのまま部屋に誘導)
「では、何か不明な点や必要なものがあれば、枕元のボタンでステーションと通話して下さい。」
「可能な限りで対応しますので。」
(ボタンは正常に繋がる)
(ボタンの件以外の設定はKPの自由で)
「それではごゆっくりどうぞ。」
そう言うとナースは部屋から出ていき、あなた達は大きな施錠音を耳にするだろう。
(ナースの足音が響く描写を入れてもいい)
(【病室の探索】へ)
ナースの足音が遠のくと病室に静けさが戻る。
室内は人数分のベッドとテレビと高さのあるテレビ台、それから共用のハンガーがある。
そして、ベッドの枕元にはそれぞれのステーションコールが確認できる。
(ここからPCに病室を探索させる)
(誰かのテレビ台にメモを仕込んでおき、メモを発見すれば探索を切り上げさせ【担当医の回診】へ)
ではあなた達が情報を共有し終わる頃……。
部屋の外から何か話し声のような音が聞こえてきた。
《聞き耳》をどうぞ。
(PCの判定)
成功の場合、電話をしているような以下の内容が聞こえる。
声の主は担当医だと判断して構わない。
「いや……、目は付けられている……。……院長か?まだ気付かれていない……。失敗は許されん……、お!?もう時間だ、またな。」
失敗の場合途切れ途切れで声が聞こえる。
声の主も不明瞭でわからない。
「…………目は付け…………院長…………。」
(電話の先は外部の《担当医》の身内)
(PCの反応やRP)
では声が止んでから少しの間があり、部屋をノックする音が聞こえ、続いて解錠する音が聞こえる。
(PCのRPがあれば)
(《担当医》のアイコンに変更)
すると、扉が開いて担当医が姿を現す。
「こんにちはー。回診ですよー。」
「具合はいかがですかー。」
(ここの会話は基本的にアドリブRP)
(紙の件を尋ねるPCがいれば、テキトーに流す)
「じゃあ治療していきましょうかねー。」
(PC1人ずつに《担当医》の《精神分析》、回復量は1D3)
(治療を拒むPCがいるなら無理強いはせず、回復はお預けです)
(RPがあれば)
「じゃあ終わりでーす。」
「くれぐれも無駄な用事で夜中にスタッフを起こさないようにねー。」
そう言って担当医は病室から退出し、室内には鍵を閉める音が響き渡った。
(PCが夜まで待つと判断したら場面移動、KPが能動的に時間を飛ばしてもよい)
(どちらにせよ陽が沈めば【モブ患者の『処置』】へ)
(アイコンを解除)
窓の外がすっかり暗くなった頃、扉の外が何やら騒がしい。
全員《聞き耳》をどうぞ。
(PCの判定)
成功の場合、少し遠くで男の叫び声が聞こえる。
なお、声に聞き覚えはない。
「近寄るな!なにしてんだ!お前らおかしいんだよおおお!!」
「なんで!俺なんもしてねえ!!殺す気か!?やめてくれ!ああああああああ!!」(迫真の死にたくないRP推奨)
《聞き耳》に成功した探索者は、得体の知れないこの病院に対しての漠然とした不安に包まれ、0/1の《SANチェック》。
失敗の場合、内容は聞こえないが異常なまでの迫力の叫び声が聞こえる
(PCの反応)
そして不気味なくらいの静寂の後、少ししてから部屋の扉がノックされる。
(《ナース》のアイコンに変更)
解錠の音が聞こえ扉が開くと、そこにはナースが立っていた。
「お騒がせしてすみません。ちょっと患者さんが暴れちゃって……。」
「ご迷惑おかけしました。もし皆さんも何かあれば、枕元のボタンでお知らせください。」
(ナースに会話を求めるなら、急いでる等の理由で断ろう)
(もしナースに対して《心理学》を成功させた場合、あれだけの叫び声の後に完全なる平静を保っていると開示し、0/1の《SANチェック》)
ナースは言い捨てるように扉を閉めると、施錠し足早に去っていった。
※もし、PCがトイレや風呂(処置室)に行くと宣言した場合、《ナース》の付き添いで廊下で叫び声を聞くことができる。
その場合、聞き耳判定要らずの上、206からの声だと確信が持てる。
その後、PC達はナースに203に追いやられ206の患者に対応する。
静寂後のノックからは同じ流れ。
(いずれにせよPCが深夜まで待つ判断をすれば、【夜の解錠】へ)
(アイコンを解除)
消灯時間のアナウンスから5分後、病室内の灯りは保安灯のみになった。
扉の外は不気味なくらい静かだ。
(PCのRPあれば)
30分程時間が経った頃、あなた達の何人かはうとうとし始めているかもしれない。
それは唐突に聞こえてきた。
「ガチャン」
そう、何度も聞いたはずの解錠音が前触れなく響き渡ったのである。
「カツンカツンカツン」
驚き冷めやらぬ間に、足早に靴の音が遠ざかっていく。
(PLのRP)
(もしもこのタイミングで、スタッフコールを押すのであれば警告を入れ、それでも強行するならスタッフに再施錠され【エピローグ】のBad1へ)
(また、PL達が部屋に留まるのであっても【エピローグ】のBad1へ)
(扉を開けるなら【夜の探索】へ)
【夜の探索】
院内探索……に見せ掛けて行ける場所は少ない。
基本的には《院長の手記》を見つけ、《担当医》が味方で《院長》が敵だと言う事を明確にできればいい。
【病室からの脱出】で上手く《担当医》の協力を仄めかす事ができれば、【真相】までは容易に進める。
《院長の手記》は判定なしで必ず見付けさせよう。
また、地図のほとんどの場所は探索できない。
特に1Fフロア、スタッフステーションへの侵入は再施錠の上、【エピローグ】のBad1へ直葬なので、警告はしっかりと入れようね!
【夜の探索】のチャート
【病室からの脱出】 |
↓ |
【各所の探索】 |
↓ |
【院長室の探索】 |
↓ |
【真相】へ |
【夜の探索】の解説
病室や金網扉、院長室の鍵などを開けてくれたのは、全て《担当医》。
PC達に何か感じるところがあったのか、《院長》の目もあるため遠回しに協力してくる。
直接自室を訪ねるよう言わないのは、先にPCが《院長》を敵だと認識しないと、自分自身も信用してもらえないと考えたため。
探索に関しては基本的に、データ集の探索対象の項目を参照すればいい。
また、隠し部屋へのエレベータは上から院長室(乗降可能)→処置室(乗降可能)→薬局(薬の積み降ろしのみ)→隠し部屋(乗降可能)となっている。
1Fの警備員は洗脳こそされていないが、忠実に仕事をこなすと警告を入れよう。
【夜の探索】の描写や台詞
あなた達が病室から出ようとするのであれば、扉はあっさりと開くだろう。
(もし解錠後すぐに出るなら、エレベーターが3Fに上がっていく所を確認させる。)
廊下に出ると、周囲に人の気配はない。
ここで《目星》をどうぞ。
(PCの判定)
成功した場合、扉のすぐ近くにメモ用紙が落ちている事に気が付く。
内容は以下の通りで、裏面には何もない。
『真実に近付くには院長室を調べよ。』
失敗の場合、何もわからない。
(PLのRPやアクションを待って場面移動)
(基本的にはページ下部の探索対象を参照。)
(3Fの各部屋以外は保安灯による視界が確保できている。)
院長室に入ると、電気こそ点いていないものの、中に人の気配が無いとは確信できる。
(電気を探して点けるのであれば以下の情報を開示)
室内には壁一面の本棚、地位ある人間が座るような作業机、応接用かと思われるソファセットが確認できる。
(《院長の手記》を読み込めば場面移動)
【真相】
このパートは《院長》の企みの概ねの答え合わせである。
【担当医の独白】と【院長との邂逅】により事件の全体像を知った上で、PL達には【選択】をしてもらう。
どちらにも進むことは可能であるが、PLの【選択】をKPはちゃんと尊重してあげよう。
ここまでのシナリオやRPを積み重ねを、KPによる誘導で覆すのは野暮と言う物だ。
【真相】のチャート
【担当医の独白】 |
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↓ |
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【院長との邂逅】 |
|
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↓ |
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【選択】 |
→ |
↓ |
↓ |
|
↓ |
【対峙】へ |
|
【逃走】へ |
【真相】の解説
《院長》はSAN0の悪党だけあって、《担当医》より1枚上手だ。
《院長》は《担当医》の工作やPC達の探索などを全て見越した上で動いていた。
それも《ミ=ゴ》に対する崇拝に近い絶大なる信頼があるからだ。
よって、全てを知った上でPCに【逃走】の選択肢を与えてくる。
その場合、《担当医》の未来は缶の中だろうが。
《担当医》も立ち向かう勇気こそ立派なものだが、いかんせん真っ当すぎる経歴の彼では、協力者1人作るのにも雑な仕掛け方になってしまう。
PC達が探索の判定に多めに成功したり、《担当医》との距離を縮めるRPをしているのであれば、【選択】の結果は概ね【対峙】へと向かうだろう。
しかし、セッション中の積み重ねにより、【逃走】を選んだとしても、誘導や余計なヒントを与えないように注意だ。
【真相】の描写や台詞
(この段階でもPLが《担当医》を疑っていたり、《担当医》の部屋を訪問しないのであれば、このシーンはスキップする)
(《担当医》の部屋の前にて、PCがノックをするのであればシーンスタートだ)
ノックの音に対して返事はなかったが、内側から鍵を開ける音が何よりの入室のサインになるだろう。
(PCのRPと入室)
(《担当医》のアイコンをセット)
部屋には、もう見慣れた顔である《担当医》が待っていた。
ただ、診察や回診の時の抜けた表情はそこにはなく、いい意味で年相応の締まった表情をしている。
「ようこそ。ここに来たと言う事は、ある程度は真相に辿り着けたようだな。」
「私の話せる事なら全て話す。何でも聞いてくれて構わない。」
(質疑応答タイム、言葉少な目に渋くRPしてみよう)
(内容としては、このページ全体の情報で《ニャルラトホテプ》関連と《ミ=ゴ》関連以外の事は開示して良い)
(《担当医》も《院長の手記》の内容までは把握しているものとする。)
(質疑応答の終了)
「質問はこんなものか。では、改めて私に協力してほしい。」
「隠し部屋の場所はわかっている。危険だとは思うが、同行してくれないだろうか?」
(PLの返事)
(同行するのであれば【院長との邂逅】へ)
(しないのであれば【逃走】へ)
(《担当医》の同行なしで《隠し部屋》へ進もうとした場合)
あなた達が、本棚の裏に隠されたエレベーターに乗り込もうとした時だった。
「少し、焦りすぎやせんかね?」
(《院長》のアイコンをセット)
あなた達が声のする方を向くと、そこには初老だがピンとした印象を与えるような男性が立っていた。
(PCが戦闘を試みるなら両手を上げ、抵抗の意思が無いことを示そう)
(もし、それでも危害を加えようなら、警告して、無視ならばスタッフと警備員を到着させ【エピローグ】のBad1直葬で)
(PCのRP、《ニャルラトホテプ》関係は知らないが、知ってる範囲なら質問には答えてあげよう)
「なに、儂は君たちをどうにかしようと来たわけではない。」
「ただ、忠告を、な。」
(PCのRP)
「そのエレベーターの先に行くのは大いに結構だが、君たちはそこで待つ大いなる存在には勝てない、決してな。」
「だから儂は君たちに生存の余地を与えようと思う。」
(PCのRP)
「この病院で見た事を全て忘れて、去れ。」
「警備員とは追いかけっこになるかもしれんが、玄関は内側から簡単に開く。」
「どうだ、悪い話ではあるまい?」
(このまま【選択】へ)
(《担当医》同行の上、《隠し部屋》へ進もうとした場合)
あなた達が部屋に入って、再び本棚をスライドさせようとした時である。
《聞き耳》を振るまでもなく、下手な《忍び足》のような足音が部屋のすぐ外で止まる。
(PCのRP)
あなた達が扉に警戒を向けると、驚くほどあっさりと足音の主は姿を現した。
(院長のアイコンをセット)
「気付かれてしまったか、まあ欺くつもりも無かったがな。そこの男の様に!」
声の主は初老だがピンとした印象を与えるような男性であり、その指は明確に担当医を指していた。
(PCのRP)
「まあいい、そんな小物はいつでも除ける。」
「そんな事より、私がここに来たのは忠告のためだ。」
(PCが戦闘しようとするなら同行無しの時の処理と同じ)
(以下も同行無しを参照し、【選択】に進む)
(流れで必要と感じれば、適宜《担当医》に喋らせましょう)
院長は選択肢を提示すると、そのまま応接ソファに深く腰掛け、あなた達の選択を待つ。
一方担当医は、明らかな動揺を顔に浮かべてあなた達の選択を見守っている。
(PCの決断)
(《隠し部屋》へ進む事をPCが選択した場合)
院長は何も言わず、口の端で笑いながらあなた達がエレベーターに乗る様子を眺めている。
一方の担当医は、覚悟を決めたのか、迷いの無い表情を浮かべているようだ。
そしてあなた達を乗せたエレベーターは、未知の何かが待ち受ける地下の闇へと向かう。
(【対峙】へ)
(《院長》の提案を飲んだ場合)
「流石はこの程度の協力者で、ここまで来ただけはある。」
「君達の選択は間違いなく利口だ。」
「それと、警備員は『真面目』なので、気を付けてくれ。」
「健闘を祈る。」
上機嫌で院長はあなた達に退出を促す。
そして、視線は担当医に向けられ、まるでゴミを見るような冷たい眼差しが確認できるだろう。
(《担当医》を連れていくかは任意)
(何もなければ【逃走】へ)
【対峙】
いよいよ黒幕である《ミ=ゴ》との戦闘である。
とは言え、《ミ=ゴ》が喋らないため、このパートでは《脳缶》や《ミ=ゴ》での《SANチェック》くらいしか他にやることはない。
しかも戦闘も勝ちイベント気味なので、何か盛り上げたければ、ダイスの女神にお願いでもしてみよう。
【対峙】のチャート
【隠し部屋へ】 |
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↓ |
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【ミ=ゴと戦闘】 |
→ |
↓ |
↓ |
|
↓ |
【勝利】 |
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【敗北】 |
↓ |
|
↓ |
【撃破】へ |
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【エピローグ】(Bad2)へ |
【対峙】の解説
おなじみ《ミ=ゴ》や《脳缶》が配置されているテンプレ地下室である。
この個体は研究ももちろんだが、《脳缶》を作る行為自体にも喜びを感じるちょっと変わった奴だ。
だから研究を邪魔されることはもちろん、《脳缶》を壊されたりすると激怒すること間違いなしだ。
しかしながら、怒ろうが戦おうが、所詮は非戦闘員。
不思議兵器もなければ、呪文も取得していないかわいい虫さんなのである。
部屋の機械もここに来てから謎のテクノロジーで作り上げたぞ、すごいね!
【対峙】の描写や台詞
隠し部屋へのエレベーターは貨物用である。
エレベーター側にドアはついておらず、院長のニヤケ面が見えなくなった頃に、担当医が口を開いた。
(《担当医》のアイコンをセット)
「私がいても足手まといだろうが、皆さんが未知の存在に精神をやられた時くらいは役に立てるかもしれない。」
「ただ、それ以上に皆さんだけを危険に晒すのは、この小さな良心が許してくれないんだ。」
(以下適切にキリのいいとこまでRP)
そして、ゆっくりと薄暗い地下にエレベーターは到着した。
その空間には保安灯の灯り以外は何もなく、ただ真正面に大きな扉があるだけだ。
(周囲へのアクションに対しては何もないと明言しよう)
(扉への《聞き耳》も扉が分厚すぎて何も聞こえないとする)
(PCが扉を開けようとするならイベント進行)
では、○○さんが扉に手をかけると、何もないはずの空間なのに、明確に『音』が聞こえ始める。
『音』はあなた達全員に聞こえ、やがてそれが威嚇する虫の羽音のような音である事が認識でき、それが扉の中から聞こえている事がなんとなく理解できる。
音源も無い空間には分厚い扉を貫通して聞こえる音に、0/1D2の《SANチェック》です。
(RP発狂精神分析等が済めば【ミ=ゴと戦闘】へ)
あなた達が勇気を振り絞り、扉を開けようとすると、重い扉は少しずつ開いてゆく。
そして扉の先が視認できたかと思えば、そこには得体の知れない怪物が部屋の中央に浮かんでいた。
(《ミ=ゴ》のアイコンをセット)
日常では決して存在し得ない冒涜的な存在を目にしたあなた達は、0/1D6の《SANチェック》です。
(PCの判定および発狂ロール)
怪物は明確にあなた達に対して敵意を向けている。
何もなければ戦闘開始です。
(《担当医》の行動は発狂者の《精神分析》>《投擲》による試験管アタック(探索者が劣勢の場合)>《医学》による治療)
(もし《担当医》が発狂した場合は、《脳缶》の山に突っ込ませて気絶させよう)
(《ミ=ゴ》の行動ははさみのみ、詳しくはルルブ参照)
(万が一PCが逃げようとするのであれば、不思議な力で逃げられなくすべき、処理面倒だし)
(その他、可能なタイミングで《脳缶》の山を崩し(詳しくは探索対象の項目参照)、《SANチェック》と《ミ=ゴ》の激怒を演出してやろう)
(そして、戦闘が終了すれば、それぞれ【勝利】と【敗北】へ)
その攻撃が決まった瞬間、怪物は一瞬小さく身体を振るわせた。
そして、その動きを最後に怪物が動くことは二度と無いだろう。
おめでとうございます、戦闘勝利です。
(勝利のRPタイム、アクションには適宜アドリブで対応を)
(エレベーターで院長室に戻るなら【撃破】へ)
怪物のハサミが、あなた達の最後の生き残りである○○さんを締め落とす。
(RPや提案がなければ【エピローグ】Bad2へ)
【撃破】
《院長》を発狂させるだけの簡単なお仕事。
後は気持ちよく勝ちRPを楽しんでもらって【エピローグ】にGO。
なお、お約束通りそのうち《ミ=ゴ》と謎の機械は跡形もなく消える。
【撃破】のチャート
【隠し部屋脱出】 |
↓ |
【院長の発狂】 |
↓ |
【エピローグ】(Good)へ |
【撃破】の解説
特に解説する事もなさそうだが、院長の発狂に関してはSAN0の精神を支えてくれていた《ミ=ゴ》の喪失が原因。
もう廃人同然なので、法が彼を裁くことは難しい。
《ミ=ゴ》は無事裁かれた(物理)からしゃーない。
【撃破】の描写や台詞
(勝ちRP、誰かが院長室に戻ることを提案するなら移動)
(しなかった場合は《担当医》に言わせる)
(《担当医》のアイコンをセット)
「あんな怪物を殺ってしまうとは……、人間の可能性とは大したもんだ。」
「さ、気に食わない余裕を浮かべてた奴を笑いに行こうかね。」
(PCのRP)
(どちらにせよ移動するのであれば【院長の発狂】へ)
(《院長》のアイコンをセット)
エレベーターから院長室に戻ると、行きと変わらず《院長》はソファに堂々と座っていた。
(PCの楽しい勝ち名乗りタイム!)
(それを聞いた《院長》に人数分の《心理学》ロールなどを振らせるといい演出)
(ここでKPの見せ場、楽しい楽しい発狂ロールだ!)
(全力で発狂させた《院長》は地下室に退場もらおう)
(《担当医》のアイコンをセット)
「終わった、か。後は警察に任せる他ないだろうな。」
(PCには気が済むまでRPしてもらおう、対応はアドリブでがんばれ)
(気が済んだかなと思ったら、【エピローグ】Goodへ)
【逃走】
警備員と鬼ごっこだ!
全員が悪い意味でヤバいDEXしていないと茶番です。
【逃走】のチャート
【逃走】の解説
警備員は真面目に仕事を遂行しようとしてるだけ。
彼に《院長》とのしがらみは無いので、もし危害を加えようものなら、どこからか目に光の無いスタッフが湧いてくるだろうね。
そう、塀の中より恐ろしい缶の中への片道切符と言う訳。
【逃走】の描写や台詞
(《院長》の提案に乗り、1Fの階段フロアにPCを誘導)
(2Fのロッカーの存在もアナウンスしよう)
1Fには相変わらず警備員が巡回している。
勇気ある逃走を選択したあなた達には、脱出の条件を開示しよう。
警備員のDEXは12、あなた達全員のDEXを足した値で《DEX対抗》だ!
(PCの判定)
(多分成功するので、その場合はフリーRPタイム)
(ただしちんたら何かをしようとするなら警告の上、容赦なく捕まえましょう)
(全員が余計な事をせず出口に向かうなら【エピローグ】Nomalへ)
(《DEX対抗》で失敗やファンブル、または余計なアクションをするのであれば、容赦なく【エピローグ】Bad1へ)
【エピローグ】
改編は自由。
Goodの場合は各PC別に3行ほどの描写を用意したら喜ばれるかも。
【Good End】
葛原病院に渦巻く企みは、あなた達の活躍により黒幕ごと打倒できた。
あの後は駆け付けた警備員やスタッフとひと悶着あるものの、駆け付けた警察によりその場が収められた。
だが、警察の現場検証の頃には不思議と地下室の怪物も機械も消えていて、そこには発狂した院長が残されていただけと言う。
あまりにもしつこく怪物の存在を主張した何人かが、再入院させられかけたのは、今となっては笑い話だろう。
しかし、黒幕が奪ったものは少なくない。
脳死扱いされた缶の中の命は戻らないし、発狂したスタッフ達も仕事がなくなり廃人状態と聞く。
明るい話題と言えば、担当医が独立し、まともな病院を開業した事くらいだろうか。
そして、日常に戻ったあなた達には、それが遠い過去のようにも感じられるだろう。
そんなある日、あなた達はたまたま例の交差点で長い赤信号に足止めされていた。
そんな時、どこからか全身が戦慄するような不気味な声が響く。
「缶には入らなかったか。中々やるじゃないか。」
あなた達が振り返るもそこには誰もいない。
また、視界の隅に『黒』が映ったことにあなた達は気付いてはならない。
気付こうとしても『脳』がシャットアウトしてしまうだろうがね。
だが、その声は一先ずの危機が去った事を、あなた達に理解させるだろう。
そして、少しだけクリアに見えた街は、今日も黄昏に染まる。
【Good End~黒と交わらぬ黄昏の街にて~】
【Nomal End】
警備員の猛追を振り絞ったあなた達は、何とか警察やそれぞれの家など、目的地に到着する事ができる。
しかし警察は証拠不十分で相手にしてくれない上、あんな思いをしたあなた達が、再び葛原病院を自主的に訪れる事もないだろう。
つまり、あなた達は助かったが、葛原病院の悪事や企みはこれからも続いていくのである。
そして何より、またあの『黒』を目撃してしまい、葛原病院に搬送されたのであれば、もう次は無いだろう。
だが、今は助かった事を喜ぼう。
少なくとも、あなた達は1度は日常に戻れるのだから。
【Nomal End~日常に潜む『黒』からの逃走へ~】
【Bad End1】
(探索時に見付かったのであれば、203号室に押し込められる。)
翌朝、目を覚ましたあなた達が見たのは、朝の日差しでも病室の天井でもない。
そこにはナースをはじめとした、感情を微塵も感じさせない無表情の病院スタッフが数人いた。
あなた達は異常な事態に、その身を起こそうとするだろう。
しかし、その時に気付いてしまう。
あなた達の四肢は、ベッドいや、処置室の台の上に頑丈なベルトで括り付けられていると言う事に。
ナースが聞き取れない程の声で何やら呟くと、次々とあなた達の首元に鋭い痛みが走る。
そう、それはあなた達の意識を奪うための強力な注射である。
あなた達は、何か言おうとするかもしれないし、抵抗しようとするかもしれない。
しかし、時が遅すぎたのだ。
次に目が覚める、いや、意識を取り戻す時には、あなたの意識は無機質で鈍く光る缶の中に、すっぽりと収まっている事だろう。
そして遅すぎる教訓として、『危機を感じたのであれば、速やかかつ繊細に進まねばならない。』と学ぶであろう。
しかし、文字通りそれは後の祭り。
そう、全ては遅すぎたのだ。
【Bad End1~動かぬ物と動き過ぎた者は缶の中へ~】
お疲れ様でした。
残念ですが、キャラロストです。
【Bad End2】
次々と怪物のハサミに落とされる仲間達。
やはり人間の身で怪物に立ち向かうのは愚かだったのか。
最後の一人が薄れゆく意識の中で感じたのは、感情の読めない怪物から明確に感じ取った『退屈』であった。
【Bad End2~無力な人間の絶望的な敗北~】
お疲れ様でした。
残念ですが、キャラロストです。
データ集
参照しやすいように個別に見出し化。
もし、ここに無いデータや設定は勝手に生やしてもらえれば。
人物、神話生物NPC
クローズドと言う舞台とわかりやすさを重視した背景もあり、登場人物は少なめ。
物足りないと思ったら勝手に生やして大丈夫。
ここにデータが無いのはモブと考えてもらえれば。
黒い男
目撃する事によりSANチェック5/5+1D4。
このSANチェックによる一時的狂気は、アイデアロールを自動成功として省略する。
狂気の内容は『幻覚あるいは妄想』に固定する。
みんな大好き《ニャルラトホテプ》の化身。
このシナリオの背景には色んな化身を使っているようだが、黄昏時に真っ黒な物体と言う構図が頭に浮かんだので採用。
探索者を発狂させるためだけの役割なので、ステータスは設定せず、戦闘やコミュニケーション(エピローグの一言以外)も想定していない。
担当医
STR |
CON |
POW |
DEX |
APP |
SIZ |
INT |
EDU |
SAN |
db |
6 |
9 |
13 |
11 |
8 |
13 |
16 |
19 |
65 |
0 |
《投擲》60《応急手当》50《精神分析》70《図書館》40《信用》50《説得》60《ラテン語》40《医学》70《化学》40《心理学》70《生物学》50《薬学》50
※武器として劇薬入り試験管(1D6+db)を3本所有
ミスリード要員兼病院内の唯一の味方。
表向きはやることなす事ダメダメのやる気なし精神科医。
《院長》はもちろん病院中の人間からの評判が悪い。
しかしその本質は、何も知らずに犠牲になる患者をなんとか助けたいお人好し。
脳死の多さに疑問を思い、不自然な指示を出す《院長》の周辺を嗅ぎ回るとビンゴ。
しかし何とか計画を止めようと思っても色々無力のため、こっそり嫌がらせ路線に。
《院長》からの(重度な精神疾患の患者は報告する)指示を無視して、ほどほどの診断を下すため、善悪で言えば何とも言えない。
PC達の素質を見抜き、《院長》の悪事を止める計画に巻き込もうとする。
PC達の診察時には思う存分クズっぽいRPをしてあげて、探索後の合流時には思いっきり有能っぽくRPしてあげると楽しい。
PC達が苦戦しそうなら試験管アタックで加勢してあげよう。
ナース
STR |
CON |
POW |
DEX |
APP |
SIZ |
INT |
EDU |
SAN |
db |
9 |
12 |
10 |
13 |
14 |
11 |
13 |
14 |
0 |
0 |
《応急手当》60《聞き耳》50《精神分析》40《目星》50《言いくるめ》60《説得》50《医学》40《化学》40《心理学》50《生物学》40《薬学》40
味方になるかなと思わせつつ、SAN0の為なんの役にも立たない人。
普通の看護師よりちょっとだけ優秀な看護師……、だった。
使える人材と判断された彼女は、《院長》の諸々の悪事の手伝いを半ば強引にさせられる。
その過程で彼女の良心と精神は限界を迎え無事発狂。
洗脳されているわけではないので、《院長》の内通者と言う訳では無いが、実質説明係のお仕事マシーン。
シナリオに華を添える目的で作ったが、色々設定を盛り込んだ結果、目のハイライトが消えたイラストに。
こいつを明らかに味方っぽくRPするKPはいい性格してると思う。
院長
STR |
CON |
POW |
DEX |
APP |
SIZ |
INT |
EDU |
SAN |
db |
7 |
8 |
15 |
13 |
13 |
12 |
17 |
20 |
0 |
0 |
《応急手当》40《精神分析》80《図書館》70《信用》90《説得》60《ラテン語》70《医学》80《オカルト》7《化学》50《経理》70《心理学》90《生物学》50《法律》50《薬学》60
2年程前に偶然《ミ=ゴ》と遭遇し、オカルトに造詣が深かったことからすぐに《ミ=ゴ》に崇拝に近い感情を抱く。
そのまま《ミ=ゴ》の協力者となり、病院の地下に専用の研究室を作ったり、数え切れない重度の精神疾患患者の脳を供給するなど、数多の悪事を働いた。
その過程でどんどん正気を失い、今ではすっかりSAN0に。
何人かのスタッフに無理矢理悪事を手伝わせ、仕事マシーンのような廃人にしている。(もちろん使えない廃人の脳は《ミ=ゴ》に供給した。)
《担当医》が自身を嗅ぎ回っていると薄々は気付いていたが、彼では計画の障害になり得ないと感じ、放置していた。
また、《ミ=ゴ》に絶大な信用を寄せているため、探索者達が《ミ=ゴ》と対峙しても瞬殺されると本気で信じていた。
だから、院長室でのやり取りでもすんなり探索者達を地下に行かせたのである。
《ミ=ゴ》撃破後は心の支えを失い、押さえ付けていた狂気が一気に噴出。
全ての罪が彼にのし掛かるも、恐らく彼の精神鑑定の結果は責任能力なしとなるだろう。
ミ=ゴ
STR |
CON |
POW |
DEX |
APP |
SIZ |
INT |
EDU |
SAN |
db |
ル |
ー |
ル |
ブ |
ッ |
ク |
見 |
よ |
う |
ね |
勝ちイベント戦闘を意識し、攻撃手段はハサミのみ、呪文なし。
目撃する事により、SANチェック0/1D6
ガッツリ《脳缶》作りたい宇宙人。
めっちゃ都合のいい協力者を見つけたラッキーマン。
とにかく変わった脳(重度の精神疾患)を《脳缶》にする事を目的にし、2年もの間幸せな研究生活を送る。
特別《ニャルラトホテプ》を信仰している訳ではないが、供給の多さから何となく手伝ってくれてありがとうくらいには感じている。
戦闘員と言うよりは研究員の為、戦闘能力は高くない。
後は例に倣って死んだらちょっとしてから消える。
探索対象
以下は探索したときに、情報を開示したり判定を行ったりできる対象である。
これ以外の探索申請に関しては、アドリブなり不可能である旨を伝えるなりして対応しよう。
交差点
判定が必要なものは存在しない。
発狂後周囲を見回すのであれば、発狂している人々(モブ)の描写を入れてもいいだろう。
葛原病院1F
待合室でPLが何かを探すのであれば、《目星》か《図書館》で判定。
成功したなら、待合室にある雑誌の中から、《葛原病院》に関する悪評のゴシップを発見する。
PLに次の2つの情報を開示しよう。
『重度の精神疾患の治療を専門にしている』
『2年程前から入院患者の脳死率が異常に高い』
もし地図を探すなら、案内板があると伝えて1Fのマップを開示しよう。
他の探索対象は基本的にない。
もちろん外へ出ようとするのであれば、モブ警備員かモブ看護師にやんわりと阻止させよう。
また、【夜の探索】では階段やエレベーターで降りようとした際に、警備員の存在をちらつかせ【逃走】以外で1Fに降りないようにさせる。
診察室
特に探索対象はない。
もし、診察室内の様子を聞かれたら、《担当医》の印象を悪くするために、だらしなさを強調してみるといいかもしれない。
葛原病院2F
ダイヤル式の大きめのロッカー。
【夜の探索】時に申請があれば、荷物を取り戻す事ができるが、スマホ等の連絡端末の充電は無くなっている。
【逃走】をPLが選択した場合は、存在をアナウンスしてあげよう。
金網扉と鉄柵は、人間の力では無理矢理突破できないと明言しておこう。
【夜の探索】の際は判定不要で5cm程開いている。
地図を探すなら1Fと同じく、案内板があると伝えて2Fのマップを開示しよう。
なお、このフロアのドアは全て施錠されており、トイレとエレベーター以外は自由に開閉することが出来ない。
【夜の探索】時には、スタッフステーションにいるモブスタッフには、大イビキで寝ておいてもらおう。
また、PCが他の病室や処置室を無理に解錠しようとするのであれば、警告を。
警告無視で侵入するなら、スタッフを駆け付けさせ、大人しく【エピローグ】のBad1に向かってもらおう。
病室
小さな引き出しが付いているテレビ台だ。
一番先にテレビ台を調べると宣言したPLの引き出しには、以下の内容のメモが入っている。
裏を見る申請がなければ《アイデア》判定で、成功なら裏を見せよう。
『(表)動かないなら未来はない。深夜の散歩で真実を掴め。』
『(裏)協力者の私を探せ』
(もし何らかの形で《担当医》の筆跡を知っているなら、《日本語》ロールに明確に《担当医》の筆跡だとわかる)
故障もなく、スタッフステーション直通で通話ができる。
もし【夜の探索】で鳴らすのであれば、警告を挟み、それでも鳴らすのであればスタッフにおしおきしてもらおう。
(再施錠されて、【エピローグ】のBad1直行)
特に気になる番組はやっていない。
地方局のニュースにチャンネルを合わせても、『黒い男』についての情報は一切なし。
頑丈な縦横に張り巡らせた鉄格子が嵌め込んである。
ここからの脱出は困難とわかる。
他に探索対象はない。
部屋全体に《目星》要求なら窓の情報でも開示を。
何かあるか聞かれても、アドリブで処理しきれない場合は無いと言い切ろう。
処置室
処置室の中でPCが部屋の大きさや構造に言及した場合、無条件で開示。
そうでなければ室内で《目星》判定を。
成功であれば、地図で言う下の方向についたてがあり、隙間から扉がある事が確認できる。
風呂やその他のオブジェクトには何もない。
例によってアドリブで処理できる範囲を越えないようにしよう。
【夜の探索】時に侵入するのであれば、《ナース》を配置しておきましょう。
もちろん【エピローグ】のBad1直行です。
葛原病院3F
唯一電気が点いている。
《聞き耳》に成功すれば、部屋の外にも聞こえるくらいの大きさで、パソコンのタイピング音が聞こえる。
『ご用の方はノックを』の貼り紙が扉に確認できる。
そしてPCがノックするのであれば、部屋は内側から解錠される。
ただ、《院長の手記》発見前にノックするのであれば、中から声が聞こえる。
『調べるべき場所が先だろ?』
《目星》を振るまでもなく、扉が数センチ開いてる事に気付く。
どの技能判定を要求されようが、内部に危険はないと明言して良い。
地図を探すなら1Fと同じく、案内板があると伝えて3Fのマップを開示しよう。
なお、このフロアのドアは、全てセキュリティ会社のマークが入った電子キーで施錠されており、トイレとエレベーター以外は自由に開閉することが出来ない。
院長室
本棚もしくは部屋全体に《目星》を成功させれば、本棚をスライドさせて動かす事ができる。
スライドさせた先には《処置室》と《隠し部屋》に繋がる貨物用エレベーターがある。
PLが引き出しを開けると宣言するのであれば、判定無しで黒い革表紙の手帳、《院長の手記》を発見できる。
《院長の手記》の読み込みには斜め読みと、熟読が選べる。
斜め読みの場合、《日本語》ロールに成功で5分、失敗で15分が経過する。(なお、時間はフレーバーなので実際は無意味な判定)
斜め読みに成功すると以下の情報が得られる。
『二年前に未知なる存在と接触』
『《隠し部屋》を作り未知なる存在に協力』
『近頃《担当医》が怪しい動きをしている』
熟読の場合判定無しで30分経過する。(なおフレーバー)
熟読に成功すると更に追加で以下の情報が得られる。
『二年前から新しい物になるにつれ文章が支離滅裂に』
『スタッフも何人か無理矢理協力させて廃人に』
『廃人ながらも仕事してくれるスタッフはありがたい』
『当たり前のように患者を殺した』
『100人以上は未知なるものに捧げた』
『《担当医》は驚異になり得ないから泳がせている』
また、この手帳が《院長》のものであると確信できる。
なお、他の引き出しには特別なものは入っていない。
空だと寂しいと感じるなら、文房具や雑貨などを描写しよう。
情報はないが、高級ソファなので座ると気持ちがいい。
電気を付けるのであれば、判定無しでドアのすぐ横に見つけることができる。
隠し部屋
扉に鍵はかかっていない。
周囲には保安灯のような灯りが等間隔に。
周囲には何もないが、扉の中から得体の知れない雰囲気は感じることができる。
《ミ=ゴ》の部屋に所狭しと積まれている。
調べても大きな缶詰としかわからないが、人が吹き飛ぶ、何らかのファンブル等があれば、遠慮なく崩してあげよう。
崩れたら、中から肌色ともピンクとも言えない肉片みたいなのがドロッと出てくる。
《アイデア》に成功すればそれが人の脳だとはっきり理解できるぞ。
中身に触れた上で《アイデア》成功なら1/1+1D4の《SANチェック》。
触れずに目撃した上で《アイデア》成功なら0/1D3の《SANチェック》。
1つでも《脳缶》が壊れたら《ミ=ゴ》を激昂させよう。(フレーバーなので描写のみ)
人間の技術を超えたヤバそうな機械ってことくらいしか理解できない。
《ミ=ゴ》が死んで消えたら一緒に消える。
《ミ=ゴ》は撃破したら例によって1時間ちょいで死体も消える。
画像データ
ここの画像はマップ以外著作権フリーじゃないので検索して画像元に確認してね。
面倒なら自分で探そう。
マップ
アイコン
おわりに
お手軽シナリオ作成の項目も同様でしたが、自分が頭の中で理解していることでも、他人に伝えようと文章化するのはとても手間と時間がかかる事だと思いました。
このシナリオ自体は、テンプレ色の強いありふれた内容ですが、シナリオの作成手順から見ていただけると、多少は価値のある資料になるのでは無いかと思います。
これらの項目が、シナリオを温めていていながらも完成できない人の目に留まり、1つでも多くのシナリオが日の目を見ることができれば、筆者としてこれ以上の喜びはありません。
では楽しいシナリオ作成ライフを!
最終更新:2019年10月24日 18:35