概要
当記事では
ユピトル学園主権連合体、セドルナ学区について解説する。セドルナ学区(通称、ルナ街)は、凍結惑星ブラムスティに存在する学区のひとつで約52万の人口を擁する。
セトルラーム共立連邦の大規模な出資を受けて建設され、現在は3つの主要な学園が存在する。近年は国内安全保障を掲げるユピトル中央(学生理事会)との合意により、関係団体における投資比率の占有制限措置を講じた。支援母体となったセトルラームと同じく、科学技術に立脚した都市開発を継続。数多くの発明品や優秀な人材を排出し、
タクトアーツの発展に大きく貢献している。学区内には帝国製の小型環状地下鉄や遠方学区とを結ぶ飛行船の発着場があり、本都市空洞内における一定高度の飛行を可能とした。
ロフィルナ問題を巡る紛争から、年々横暴な態度をエスカレートさせていくセトルラーム本国とは距離を取っているのが現状で、この傾向は今後も暫し続くものと見られる。
地理
ネルトヴィンリル星系・第1惑星ブラムスティに属する。ハピタブルゾーンの外側すれすれを公転しており、全球が凍りついている環境から、赤道域のホットスポット(大空洞)に拠点を設けた。山脈の反対方向に
ガルグ・ヴェルノ―学区(通称、ガルグ街)と接し、ともに都市計画を進めている。
過去大戦において主戦場となった経緯から、周辺に旧文明の廃墟を多数確認した。伝統的に協力関係を持つガルグ・ヴェルノ―学区とは主に鉄道路線を開通させ、双方の密な連携を可能としている。同時に違法集団の越境を防ぐためのバリケードも設置し、更なる要塞化を遂げた。主な活動領域が空洞内に限定される環境から、ヒート機能を兼ね備えた人工河川を繋ぎ外部との接続を保っている。都市計画の一環として大規模に拡張して久しく、空洞内部における一定高度の飛行を可能とした。
政治
概ね首都圏の体制に倣い、行政権を持つ学生自治会による統治制度を採用した。民主的な選挙を以て構成される連合議会が立法権を持ち、学生議員からなる上院と、その他の代議士によって構成される下院の二院制を取る。ユピトル中央と違って教職に限定せず、
序列に基づく選別制度も存在しない。司法権を持つ裁判所の人事については、時の政権与党を含む連合議会の過半数の支持と、市民投票に基づく総合的な合意プロセスを経て任命される仕組みを取っており、偏りが生じにくい体制となった。現状の勢力相関図としては、レミソルト大学が支援する共立連合党を中心に、コルナス・ハイスクールおよびエルク・スクール等が支援する学園社会党の連立体制となって久しく、包括的で中庸な政策を重んじる。一方、極度の左派革命路線を掲げる野党第一党の学生自治抵抗運動が存在し、ガルグ街のテロリストに親和的な運動を繰り返していることから、非合法化も含めて検討されるなど雲行きが怪しい面も見られた。いずれにせよ、現状は三大学園グループによる圧倒的優勢が続いており、治安も概ね良好な状態を保っているため、差し迫った脅威としては認識されていない。
社会
主に
セトルラームの出資を受けて発展してきた経緯があるものの、上述の問題を踏まえて現在は一定の距離を取る。社会全体の風潮としては理系の天下となって久しく、文系にとっては生きづらさを抱える要因とされた。抽象的な題材を扱う、哲学などの分野においてはセトルラーム本国よりも遅れており、必然的に
現象魔法が普及し難い状況となっている。そのため、他学区の教師を招くなどして不足分を補った。しかし、科学を是とする校風に変わりはなく、事実上、唯物論的志向の職業組合に忖度する傾向が強いという。その他、一般的な任意団体の動向についても似たような状況と見なされた。そうした問題を踏まえて、文系に属する科目の必修化も検討されている。
レミソルト大学
レミソルト級スイートクルーザーの慈善活動をはじめ、関連企業によるグループ事業が奏功し、円滑な経営状態を保つ。セドルナ学区の名門校。最先端テクノロジーの発展に貢献しているが、それ以上に、この世のものとは思えない数々の珍技術・珍製品を生み出した。
ガルグ・ヴェルノ―学区(ガルグ街)を含む多くの学区に売り込みをかけており、多くの投資を呼び込んだ。良くも悪くも自然科学を重んじる校風で、文系の学習環境を整えるよう強く求める意見もある。ユピトル中央から支給される地方交付金に続いて、第二の投資割合を占めるレミソルト・ルフィアも同様の立場を取ることから、近年、ようやく重い腰を上げ始めた。不良学生が一人も存在しない良好な治安を保っており、名門中の名門として広く知られた
聖ツォルマール・リンベルーク大学
にも引けを取らないブランド力を誇る。
コルナス・ハイスクール
一般的な高等学校として知られるが、名門とされる。
文明共立機構の
メレザ・レクネール常任最高議長は、かつて当校の理事長を歴任し、経済的圧力を強めるセトルラーム本国との関係を断ち切った。
ここで科学の基礎を学ぶ多くの生徒がレミソルト大学への進学を目指しているという。
エルク・スクール
エルク家の出資を受けて発足した。セドルナ学区における名門校の一つで、主に将来有望な投資家の子供が集う。
良くも悪くも一定の自由研究を認めることから、必然的に競争を尊ぶ校風が成立した。一般家庭向けの免除規定もあり、成績が良ければ誰でも無償で入学できる。
交通と軍事
科学を売りにしているだけあって、趣向を凝らした様々な乗り物が存在する。地上を歩道として定める一方、主にビルの中層から一定高度を走行エリアとし、大量の飛行車両が行き交う環境となった。政府経営による公共交通機関の他、民間企業が独自に提供する富裕層向けのタクシー事業が盛んである。常時、紛争状態にある
ガルグ街の治安状況から、風紀委員会による強度の規制線が敷かれた。対テロ活動の一環として、武装警察官からなる治安維持部隊が巡回している。更に完全武装の自警団(治安維持アライアンス)も存在し、ともに制圧任務を担うことから比較的良好な治安が保たれた。少し公道から外れると外国人が行方不明になることで有名な複合住宅街が広がるため、有志による救出作戦も度々実施される。そうした傾向は一部の郊外に限った話であり、通常の大通りにおいて、そのようなことは起こらない。
主要路線
エリア高速線
惑星内において複数の中核都市を結ぶ。乗客の殆どが富裕層で占められた。
基幹地下鉄
惑星内において複数の地方都市を結ぶ。長距離移動の要とされた。
航空高速線
星系内の主要航路を補う。コスト削減の観点から航行の際には複数の小ゲートを経由する。
星間高速線
星系間の主要航路を補う。通常は大型ゲートを起点に複数の小ゲートを経由する。
都市バス
特定エリア内における基幹交通を担う。地域内移動の要とされた。
国際関係
姉妹都市
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最終更新:2024年10月25日 02:11