概要
第1世代レミソルト級スイートクルーザー(正式名称:SAHC1レミソルト-HS838型ALTクルーザー)は、共立公暦838年、
トローネ・ヴィ・ユミル・イドラム三世皇帝の出資によるセトルラーム三大企業グループの共同造船事業を経て寄贈された。
アリウス・ヴィ・レミソルト公王所有のプライベートクルーザー。一般的には
ロイヤルヨットの通称でも知られる。また、貴賓向けのスイートルームとシティホテルに引けを取らないレベルの循環機構を兼ね備えた。アリウス公王の活動については通常、公式・非公式に関わらず複数の護衛艦を伴うものであるが、緊急時最低限の対応を可能とする軽度の武装も施された。加えて最新の
第三世代ルーゼリック・ワープドライブを搭載。軍用ほどではないにせよ、高機動の加速と回避性能を持つことから、イドラム皇家が有する
宮殿母艦ケルフィリア
のように半永久的な運用も視野に入れているものと見られる。メンタルヘルスの要となる
T.B.N.S最高クラスのネットワーク環境も構築され、空前絶後の利便性および快適性を実現した。直接的な戦闘能力こそ限られるものの、実態としては
正規軍にも引けを取らないレベルのシールド展開装置と対電子戦闘システムを整えており、タクトアーツを用いた認識戦にも対応できるという。個人所有のクルーザーとしては上位ランクに名を連ねて久しく、イドラム・レミソルト両家の友好関係を象徴する
巨大な贅沢品の一つとして認知された。
名称
当レミソルト級の命名にあたっては、
当時代における国際基準の定めに従って登録された。すなわち、
『S』=セトルラーム船籍となり、
『A=1000m以下の小型構造物』に該当、
『HC=800m級のクルーザー』であることを意味する。
数字の『1』は文字通りの
1号船であることを示した。共立公暦1000年、現時点における状況としては如何なる増産の計画も存在しない。唯一、
アリウス公王が所有する特注型となるからだ。『HS838』は共立公暦838年の就航を表し、この造船事業に関わった
連邦交易ネットワーク(A.L.社)を筆頭に、
レルナルト・セレーアム・ロンディア(L.S.R.社)、
トラゾルス・ルフィア(T.L社)の
セ連三大企業グループによる
『ALT』の文字列で締めくくる。以上の命名規則により、
SAHC1レミソルト-HS838型ALTクルーザーとなるわけだが、普段の呼称法としては些か長すぎるため、
レミソルト級スイートクルーザーの略称が定着した。持ち主のアリウスとしては、自分の船に自身のセカンドネームを用いるのは照れくさいという理由で
『アリアム・ソル号』の愛称で統一するよう通達しているという。
造船に至るまでの経緯
トローネ皇帝の重い槍と入札を巡る関係各所の闘争
時は共立公暦825年。偉大なる
ユミル・イドゥアム連合帝国の長
トローネ・ヴィ・ユミル・イドラム三世皇帝は、いつも通り
ヴァンス・フリートン大統領と
金満交流を謳歌し、
キラキラでウッキウキなブルジョワ生活を満喫していた!一方の
アリウス公王は
必要な時に必要な分だけ消費する清らかな生活を送っており、その涙ぐましい節約志向に心を痛めた
金満トローネは、自分専用の
宮殿母艦ケルフィリア
にアリウスを招待!!指導者の何たるかを熱く語って聞かせ、国際社会に舐められない生活に改めるよう説得したという!!しかし、贅沢な装いに興味がないアリウスはニコニコと受け流すだけで、一向に国家元首としての威厳を高めようとはしなかった!!!そのような振る舞いは積極財政を掲げるフリートン政権にとっても死活問題かもしれず、その危機感を焚き付けたいトローネは
荘厳で偉大でギラギラなアリウス専用ロイヤルヨットのプレゼントを決意したのである!!かくして、
暗黒宇宙皇帝絶壁幼女のうるさすぎる提案に強く共振した
成金ピエロ大統領は
『帝国の金で発注してくれ』と懇願!このクsすぎる願いを快く引き受けた絶壁幼女は、早速、セトルラームの経済界にロイヤルヨットの造船を打診!!そのありあまる
エキセントリック財力をもって
対立関係にある三大企業の熾烈な入札競争を誘発したのである!!この一連の
極悪商談の流れが独立系メディアに暴露され、世論がざわめきはじめると、王室のイメージに傷が付くことを恐れた連邦評議員はコンプラを守るよう成金大統領に説教をした!!!しかし、全く聞き入れられず、仕方なく三大企業とその元凶たる絶壁幼女間の仲裁に乗り出したのである!!
絶壁幼女の要求は
王室が王室としての威厳を誇れる立派なロイヤルヨットの建造である!!そして、三大企業それぞれに得意分野があり、そこに契約の妥協点を見出した連邦評議員は工程ごとに分担して仲良くやるよう三大企業を脅した!
社畜の汗と涙とスイートクルーザーの完成
そのようにして、同826年!通信や運航システムに関わる事業を連邦交易ネットワークが主導する流れとなった!加えて船体の建造をレルナルト・セレーアム・ロンディアが、居住設備についてはトラゾルス・ルフィアが担うことで合意に達し、そのために求められる+αの追加予算や物資をトローネ皇帝から頂く運びとなったわけである!!以上の経緯を辿って史上稀に見る一大プロジェクトが始動し、同838年!!ついに過去最高とも謳われるロイヤルヨットの完成へと至った!!!しかし、不必要な力の誇示を好まないアリウスの天誅を恐れた連邦評議員は、フリートン大統領に何とかするよう圧をかけ、新しきロイヤルヨットの名称をスイートクルーザーとする妙案を得たのである!!この一連の交渉の中で、体重を50キロ減らした連邦評議員はボロボロの体にムチを打ってトローネ皇帝のサプライズを報告し、冷血母公の異名で恐れられるアリウスおばさまの労いの抱擁をもって病院へと搬送された!そんな地獄絵図をよそに三大企業を団結へと至らしめたフリートン大統領の株は天を貫く勢いで上昇!!トローネ皇帝も予想以上の出来の良さに満足し、その喜びの勢いのままに両国間における通信技術研究協定の締結へと至ったのである!!!!……まじめな話、トローネ皇帝をはじめ、関係各所に無用な心労をかけた自分の至らなさをアリウスは猛省し、以後の生活態度を大幅に改めたという。それなりの装いと威厳をもってヘブン状態のフリートン大統領にスピリットナノチューブ合成素材の愛のムチを振るい、彼の金満体質も少しだけ改められる結末を迎えた。
……
スピリットナノチューブ合成素材のムチとは、
星間機構由来の生物化学物質(キメラ変異素材)に
ロフィルナ魂を込めた情熱の凶器とされる。
これでしばかれると地味に痛く自尊心も損なわれ、大抵のド畜生が改心する傾向にあるのだとか。知らんけど。(
ゾレイモス首相の談)
運営理念
就航から現在へと至るまでの間に、この船には
転移者星間戦争を経験した多くの異世界人が招待され、もてなされた。その一部はレミソルト・ルフィア所属の正職員として働いており、水面下におけるアリウス個人の外遊を支えているという。そのため、
共立英語アルファベットによる頭文字形式の船名が定着した。アリウスは国際社会において戦争犯罪を指摘される
ロフィルナ王国の象徴として、その政府の意向に逆らい、自ら転移者コミュニティとの融和を掲げた。王国政府と転移者の板挟みとなる中、多くの事業にコミットし、
闘争競技で得た資金を被害者団体に寄付する等の慈善活動を続けている。世界に名だたる
ロフィルナ連邦共同体の公王が自ら経営しているだけあって、必然的に多くの投資を呼び込み、それが新たな富を生み出した。一連の関連事業によって得られた原資を元に巨大な
救命サポート基金を創設。安定した生活基盤を持たない多くの特異難民(転移者)を救済し、係る外交問題について解決済みの立場を貫くセトルラーム政府(フリートン政権)の態度に一石を投じた。しかし、そうしたスイートクルーザーの活動を
偽善と見なす意見も散見され、妨害を試みる勢力も一定数存在することから、アリウス自身が権力行使の在り方に根深い苦悩を抱えているという。(側近の談)
船の仕様と構造
全長815m、全幅350m、全高320mの特徴として、正面から見た場合は菱型形状となる。また、左右対象かつ横に長い対角線の構造を描いており、数あるクルーザーの中でも特殊なフォルムとなった。船体上部の大部分が液状化を可能とする
クリスタラインベールで覆われ、そのドーム内に自然豊かな庭園が広がる。船体内部の構造としては、船首部分に位置するコマンドブリッジを中心に12のコムネットルーム(通信室)と、カーゴルーム(貨物室)、アーモリールーム(武器庫)などの重要設備が密集。これらを纏めて
コントロール・セクションと称し、それぞれ円形に繋がる仕様となった。広い回廊を通じて迅速に行き来でき、船体中部に広がる
ロイヤル・セクションでは、賓客向けに開放されたルミナリーホール(多目的会場)をはじめ、個別の対応に要するレセプションルーム(応接室)や、スイートルーム(貴賓室)、特別な式典の際に利用されるクイーンアリーナ(小玉座の間)等が整備されている。最も広い空間を占めているのがアリア・ガーデンと称される庭園広場であり、イドゥニア星内から持ち込まれた彩り豊かな生態系を確立させた。庭園の地下には
アリウス公王の私室や書斎を囲う形でアクアリウム(水槽)を備えた広大なスタッフルーム(職員室)が広がり、その更に外周をスタッフ個々人のプライベートエリア(乗組員居住区)で固めている。庭園の地下にこれらの設備が密集している理由は、主に安全性を考慮してのこと。コマンドブリッジが制圧された場合に第二の指揮所として活用することも想定し、全ての個室に武器を完備している。警備上の理由で、外部の訪問者は合理的理由が認められるケースを除き一切立ち入れない。船尾部分に位置する
ドライブ・セクションでは、主に広大なインスティテューション・ドック(機関部)で占められ、艦載機の修理や、その他の点検等に用いる仕様となった。このエリアにおいては、ロイヤル・セクションに直通するフライトデッキ(共用の発着スペース)も完備されている。
コントロール・セクション
コマンドブリッジ
船体前方の内部に位置する。完全自動化され、通常は無人の状態。手動操作に切り替える場合は一定数の人員が配置される。
コムネットルーム(通信室)
セトルラーム空軍で用いられる最新の通信設備を揃えた。用途に応じて各々12の部屋に分かれており、専門技能を持つ多くのスタッフが駐在する。
カーゴルーム(貨物室)
カーゴルームは主に1世紀分の生活用品を備蓄するための貨物スペースとして利用される。貨物ハッチ付近の天井から複数の小型移送レールが敷かれており、加えて4機のドローンも備えた。
在庫管理システムによる必要物資の選定を可能とし、ここから全てのセクションに自動供給している。庭園から直送される食品等の充実から、事実上、恒星間通常航行にも耐え得る機能を有した。
アーモリールーム(武器庫)
闘争競技における関連事業をはじめ、緊急時白兵戦となった際の武器弾薬・その他のサポートアイテムを備蓄している。
ロイヤル・セクション
ルミナリーホール(多目的会場)
主に通常の社交広場として用いられるエグゼクティブ・ラウンジの他、特別な賓客向けに整備されたエレガント・ラウンジの2つに分かれる。
ここで働くスタッフは全員、対人技術に優れたプロフェッショナルで構成され、レミソルト公家のブランドにふさわしい最上級の精鋭として認められた。
レセプションルーム(応接室)
スイートクルーザーにおいて、一握りとされるVIPの中でも最高クラスの賓客向けに整備された。
一際豪華でありつつも落ち着いた装飾を施しており、通常の想定では世界外交に関わる事案と向き合うために設計されている。
スイートルーム(貴賓室)
多目的会場の周辺を取り囲む形で配置されている。通常の客人から、王侯貴族に至るまで多くのニーズに対応する個室が整備された。
クールで落ち着いた雰囲気の内装が施され、一通りの娯楽用品とともに広々とした個人プールも完備している。
クイーンアリーナ(小玉座の間)
部屋の奥に
ロフィルナ王国から産出された宝石や希少樹木を削って作られた玉座がある。
レミソルトの名に恥じない相応の内装とセーフティーが施された。小規模な式典をはじめ、他国の使節団が訪れた際の外交行事にも対応できる。
アリア・ガーデン(庭園)
船体中央の上部スペースを広く取って作られた。庭園エリア。
ロフィルナ連邦圏内の珍しい植物が植えられている森と、小高い丘状になっている平原、それらを隔てるように流れる小さな川がある。小高い丘には椅子とテーブルが配置されており、お茶会が楽しめる。農業プラントとしての機能も兼ね備えていることから、食料には事欠かない。庭園地下にはアリウス個人が有する私室と書斎、アクアリウムを備えたスタッフルーム(職員室)が存在し、その更に外側をプライベートエリア(乗組員居住区)で囲っている。その性質上、通常の客人が立ち入ることはできず、厳重な警備体制のもとに固められた。
ドライブ・セクション
インスティテューション・ドック(機関部)
船体後方の内部に広がる。巨大なドックエリア。ワープドライブに最も近く、万一の危機対応を想定して整備された。
致命的な攻撃を受けた時の生存性を高めるため、非常に頑丈な建材を用いている。加えて、シールドエネルギーの半分が当機関部に割かれており、共用のフライトデッキも整備された。
ディメンション・スター・ラボラトリー(DSL-QIP制御区)
ドライブ・セクションにおいて無限の広がりを持たせた空間。以下に記載される特別なテクノロジーを用いており、限られた者だけがアクセスできる。
乗船禁止リスト
以下の人物は出禁を食らっており、招かれざる客人として登録されている。
ゼルキレス・ヴィ・ローズフィラート
同上。
メイディラングの大統領だが、フリートン以上に口が悪く礼儀に欠けているため。
同上。世界の敵となった
ロフィルナ王国の大宰相。もはや説明不要だろう。()
スイートクルーザーの完璧な防護システムを突き破って不法侵入し、
文明共立機構の
トップに粗相を働くなどした。
パルニウム
の波動に乗って恒星間を漂い意図せず不法侵入を果たしてしまう。そこに居合わせたパルノスの一味として捕らえられ、
ユピトルに強制送還された。
エピソード
お金持ちでも喧嘩をするの巻
ルミナリーホールにおいて多くの客人が見てる中、ヴァンス、ゼルキレス、コックスの三名が不毛な政策論争を繰り広げる。
そこに複数人のブルジョワジー(投資家)が加わって煽りまくる『お祭り騒動』に。全員が出禁を食らい永久追放された。残当。()
紳士大太公の意外な一面
エレガント・ラウンジに招待され、ハイテンションとなったクロキルシ大太公が
ユピトルの変態と鉢合わせてしまい、顔を赤らめる地獄絵図を描いてしまう。
クロキルシ大大公『いけませんぞ?お嬢さん。
皇帝陛下にも見られたことないのに』(イケボ)
エレイナ会長『えっと……あの……その……うッ!!』←イケオジのギャップ萌えに弱い人。
超光速!パルノス降臨★(2度目の暴挙)
ツンデレリゼルの嫉妬?
闇錨局長『ここには没収すべきものがたくさんあるようね?冷血母公さん?』
アリウス公王『まぁ?例の壺では足りないと?……あら大変!
ルスタスを呼ばなくては』
闇錨局長『怒るよ。冗談でも、その名を口に出さないで』
フラウ代表『お二方?上をご覧になってください。セトルラームを照らす星々が美しいです。その輝きの一つ一つに、大いなる叡智を感じませんか?まるで無数の世界に散りばめられたフリートン大統領の花片のよう~』
アリウス公王『……ええ、とても綺麗ね。フラウさん?あなたは、本当に……』(←満面の笑顔)
闇錨局長『言うな……もう、それ以上は何も言わなくて良い。茶をありがたく頂戴するわね』
スイートクルーザーの軌跡
- レミソルト級スイートクルーザー/シーズン1(後日掲載予定)
- レミソルト級スイートクルーザー/シーズン2(同上)
- レミソルト級スイートクルーザー/シーズン3(同上)
- レミソルト級スイートクルーザー/シーズン4(同上)
- レミソルト級スイートクルーザー/シーズン5(第三次ロフィルナ革命)
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最終更新:2024年10月23日 21:40