トーセンジョーダン - ウマムスタン連合共和国大統領府史料編纂局

概要

パシュトゥーン人。自称美容専門学校の学生。ネイルサロンの開業資金を貯めるため、迂闊な観光客を相手にガイド業をしている。妙に政治関係に詳しく、軍事訓練を受けた人物特有の歩き方をしていたり、バッグの中も明らかに化粧道具以外の重量物が含まれていたり(42-188)と荒事に慣れている雰囲気がある。

あまりにも学生離れしているが…？

その正体は未回収のウマムスタン、デュアランド・ラインによって分断されたパシュトゥーン人の独立運動を支援する非正規部隊である【カイバル部隊】からの脱走兵である。元々は孤児であり、部隊によって拾われ、食事と教育を与えられて、任務に取り組んでいたが、余暇で麓の街に訪れた際にネイルアートに関する雑誌に出会い、興味を持つ。また、同時に他人に強制されて戦い続ける状況に違和感を覚え、自分で自分の道を切り開きたいという思いから脱走を決断した。

現在の身分はMIAになったカイバル部隊の隊員の身分証を持ち逃げして、それをもとに結婚や養子縁組の手続きをおこなってロンダリングしたものであり、トーセンジョーダンという名も恐らく本名ではない。

カイバル部隊時代は地雷処理、雪が降り積もった高山地帯の戦闘、狙撃による暗殺、自動車や兵器の整備、医療関係では戦闘捜索救難(準パラレスキュー)などを行っていたらしい。(77.5-101)

また詳細は不明ながらワジリスタンにもいったことがあるようであり、(42-187)2023年のカルト教団殲滅作戦にも何かしらの形で関わっていたと思われる。

だが彼女には更なる秘密がある

真の正体は任務部隊の一員ハンジャル0049。上記のカイバル部隊は任務部隊の人員補充の一端を担っており、選抜試験での成績優秀者の上位数名を配置転換後にMIA扱いとして密かに『調整』を施していた。ジョーダンもその中の一人だったのである。ただ、ジョーダン自身には自分が任務部隊の一員であるという自覚はなかった。

任務部隊の足取りを調べていたアキュート大臣は直接的な情報の聞き取りが困難を極めたため、任務部隊のメンバーに一つ命令を無意識下に書き加えた。『聖地を守護せよ』すなわち、『初代カガン』と縁ある場所を目指すように仕向けていたのだ。ジョーダンが『仕組み』についてこだわっていたのもこのためである。

主な身分

ネタバレにつき格納

• カイバル部隊特技兵→任務部隊隊員→（脱走兵）→統一防衛隊予備役
• ウマムスタントレセン学園コーカンド校保健師

作中の動向

...

初登場。ネイルサロン開業の資金集めのため、迂闊な観光客（藤井記者）相手にガイド業を持ち掛けた。藤井記者に「ヤクシャンバシャーリはスパイの取り締まりが厳しく、観光客がカメラを所有しているだけで軍機保護法または国防保安法違反により拘束の恐れがある。」と教え、ガイドとして雇われることになり、藤井記者のカメラに偽装を施した。
直後、黒連盟が糸を引く大ウマムスタン主義者の街頭集会に遭遇。演説の内容に対して「騒いでいるだけで何もしていない。何かをやりたいならしっかりと目標を定めてそれに向かって粛々と努力すべき」と手厳しい指摘を行った。(37スレ)

藤井記者に同行してロベルト・シルクロード社のヤクシャンバシャーリ支社で行われるナリタブライアン最長老主催の秘密会合を目撃する。政財界の雲上人達が明らかに非公式に集まっている現場を不審に思うのだった。(38スレ)

藤井記者に同行して喫茶店のマスターにして情報屋であるクイーンベレーの元を訪れる。この際、南部訛であったことから自身がパシュトゥーン人であること、さらに裏があることをクイーンベレーに察せられ、剣呑な雰囲気に発展する。
クイーンベレーの話した内容や自身らが持つ情報からウマムスタンの暗部を考察し、自分たちが危険な状況に足を踏み入れていることを察するが今更逃れようにも藤井記者が捕まれば自分の名前が出ることが避けられない事態であることに気づき苦悩する。(40-42スレ)

”国内旅行”と称し、藤井記者を追ってバイコヌールを訪れるが、さすがにあからさますぎたことで、藤井記者に嘘であることはすぐにばれた。同行を許可する代わりに事情を話すことを求められたため、これまでの自身の身の上話をする。(49-50スレ)

アラル海のヴォズロジデニヤ島に船で接近し、イルドゥルム設計局が建造を進める『秘密兵器』を調べようとするが、突如哨戒艇の動きが変わったことで失敗する。その後、藤井記者は方針を転換し、『仕組み』のキーパーソンであろうキタサンブラック次席補佐官に調査対象を変更することにしたが、ジョーダンは何か少し頭に引っかかった気がした。(51スレ)

ネットニュースで『東部軍閥によるパカンダの集落への襲撃』を知る。ジョーダンは訝しんだが、藤井記者はテロリストの考えていることなんて、分かる訳ないと適当に流した。(60スレ)

テレビ放送によりパカンダ諸王国連合の部隊がザイールの国境を越えたことを知る。さらにシルバーセイル社系列のニュースサイトが公開する衛星映像により南部鉱山国も東部軍閥に対して攻撃を仕掛けていることを知る。(62スレ)

藤井記者に同行して古都コーカンドを訪れる。藤井記者に接近したコパノリッキーに対し、彼に害意を向けていることを察し接触を阻止。正体が暴かれ水球による攻撃を仕掛けてきたリッキーだが、ジョーダンはスタングレネードと手榴弾を囮にしてリッキーを欺き、藤井記者と共に逃亡する。(73-74スレ)

追跡を振り切るためにマザーリシャリーフにまで逃亡。藤井記者に対して自身の好戦的な行動が原因で本格的に狙われるようになった可能性に触れ謝罪する。(74スレ)

ヤクシャンバシャーリに移動。ほとぼりが冷めるまで国外に逃亡することにしたが、その直後に天変地異が起こりマザーリシャリーフ空港は一時閉鎖され、さらに大規模なシャマールの発生で鉄道は運休となる。ジョーダンは海路でバクー行きの連絡線に乗ることを提案したが、藤井記者がカラクム砂漠に向かう車列を発見したことで、レンタカーを借りて追跡を開始した。(75スレ)

車列を追って辿り着いた先はプリンスリーギフト氏族が管理する氏族直轄領域『キャンプ・メルブ』であった。外周で穴が空いたフェンスを発見しそこから侵入するも、入った先には重装甲猟兵姿の内務省国家保安総局局長キンイロリョテイが待ち構えていた。『調整に失敗した駒』の身柄引き渡し、収集した資料の全破棄、尋問への協力といった条件と共に投降を許可するリョテイだが、藤井記者は駒という単語に心覚えがなく困惑する。リョテイはジョーダンに対して『隠しコマンド』を唱えるが何も反応しなかった。緊迫した状況の中、ワンダーアキュート大臣が突如現れ、その場を収めたと思うと、さらに突然スズカガンからリョテイの携帯に着信が入り、スズカガンがリョテイを次期カガンに指名したことを知る。結果、機密保持のためリョテイによってその場の全員が拘束された。(76スレ)

『再調整』を施されたが上手くいかなかったようであり、最終的にボールドルーラー氏族が管理する施設で思想調査を受けた後、機密保持契約や電子監視装置の装着などに加えて、『統一防衛隊からの招集命令に必ず応じること』、『普段は予備役として活動すること』という条件でトレセン学園コーカンド校の保健師の仕事を紹介されていた。
保健師としてコーカンド校の生徒に触れ合ううちに、スポーツ医療方面にネイリストとして携われないかと考えるようになり、藤井記者の提案でスポーツネイルブランドの立ち上げに動くこととなる。(77.5スレ)

作中人物との関係

藤井泉助

カモにするべく近づいた観光客。
当初は面白そうだからと彼の取材に同行をしていたが、その過程でウマムスタンの様々な暗部に触れるうち、「この国の『仕組み』というものが見えてきそうな気がした」(50-68)ことで本格的に協力を決める。

クイーンベレー

情報屋
自身の裏を暴かれかけたために剣呑な雰囲気に発展する。

...

キンイロリョテイ

任務部隊の指揮官。
自身の統制から外れたジョーダンの存在を追っていた。