スカンダ

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スカンダ - (2025/01/03 (金) 11:28:46) のソース

** スカンダ
スカンダ(Skanda)は、[[ヒンドゥー教]]の軍神であり、戦闘や勝利を司る神として崇拝されています。
南インドでは特に「ムルガン(Murugan)」という名前で広く信仰されており、タミル文化において非常に重要な存在です。
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*** 概要
スカンダは[[ヒンドゥー教]]における軍神として、戦いや勝利を象徴する存在です。
その複雑な誕生譚や英雄的な活躍は、多くの人々に愛されてきました。特に南インドでは文化的・宗教的な象徴として深く根付いており、その影響は東南アジアや仏教にも広がっています。
**** スカンダの特徴
:家族関係|
- 父: [[シヴァ]](破壊と再生の神)
- 母: [[パールヴァティー]]([[シヴァ]]の妃)もしくは[[ガンガー]](ガンジス川の女神)とされる場合もある
- 兄弟: [[ガネーシャ]](知恵と障害除去の神)
:外見|
- 六つの顔と十二本の腕を持つ姿が一般的で、「シャンムガ(六つの顔を持つ者)」という異名を持つ
- 騎獣(ヴァーハナ)は孔雀で、[[悪魔]]や邪悪を踏みつける象徴とされる
:異名|
- 「カルティケーヤ」: 六すばる星(クリティカ星)の息子
- 「クマーラ」: 若い王子を意味する
- 「スブラフマニヤ」: 南インドで特に呼ばれる名前

**** スカンダの誕生と神話
:1. 誕生|
- スカンダは悪魔ターラカを倒すために神々によって生み出されました
- 彼は[[シヴァ]]と[[パールヴァティー]]のエネルギーから生まれたとも、火神アグニと聖なるガンジス川が関与しているとも伝えられます
- 神話によれば、火神アグニが聖仙たちの妻に恋心を抱いた際、そのエネルギーが黄金の山に注がれ、そこからスカンダが誕生したとされています
:2. 六面十二臂の理由|
- スカンダは6人兄弟として生まれましたが、母[[パールヴァティー]]が彼らを強く抱きしめたことで一体化し、六つの顔と十二本の腕を持つ姿になったという伝説があります
:3. 軍神としての活躍|
- スカンダは幼少期から非常に強力で、生後4日で悪魔ターラカを討伐しました
- その後、[[インドラ]]に代わり神々の軍勢の最高指揮官となりました
- また、[[インドラ]]との競争や確執も描かれており、互いに力を競い合うエピソードもあります
:4. 孔雀との関係|
- スカンダは孔雀を騎獣としており、この孔雀は悪魔スーラパドマとの戦いで得たものです
- 孔雀は勝利と美しさの象徴です

**** 信仰と現代
:南インドでの信仰|
- スカンダ(ムルガン)はタミル文化圏で特に重要視され、多くの寺院が彼に捧げられています
- 代表的な寺院として「パランガニ・ムルガン寺院」や「ティルチラーパッリ近郊のパランマライ」が挙げられます
:祭り|
- 毎年行われる「タイプースム」という祭りでは、多くの信者がスカンダへの献身を示し、苦行や祈りを捧げます
:東南アジアへの広がり|
- スリランカやマレーシア、シンガポールなどタミル人移民が多い地域でも盛んに信仰されています

**** [[仏教]]との関連
- [[仏教]]にも取り入れられ、「韋駄天」や「鳩摩羅天」として知られています
- 韋駄天は仏法守護の神として、日本でも寺院で祀られることがあります
** 関連ページ
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