星の智慧派

星の智慧派

星の智慧派(The Church of Starry Wisdom)は、H.P.ラヴクラフトクトゥルフ神話に登場する架空のカルト宗教の教団です。
この教団は、クトゥルフ神話の重要な神格であるニャルラトホテプを崇拝し、その活動や儀式が物語において恐怖や謎を引き起こす存在として描かれています。


概要

背景と特徴
設立者
  • 星の智慧派は、考古学者でオカルト研究者のイノック・ボウアン教授によって1844年に設立されました
  • 彼はエジプトで「輝くトラペゾヘドロン」という遺物を発見し、それを基に教団を創設しました
拠点
  • 教団はアメリカ・ロードアイランド州プロヴィデンスのフェデラル・ヒルにある廃教会堂を拠点として活動しました
  • この場所は地元住民から恐れられ、数々の噂と不安を引き起こしました
崇拝対象
  • 教団はニャルラトホテプ(特にその化身「闇をさまようもの」)を崇拝しています
  • ニャルラトホテプは知識と混沌を象徴する存在であり、教団は禁断の知識や力を得るために彼に仕えました
儀式
  • 教団の儀式では「輝くトラペゾヘドロン」という遺物が使用され、この遺物を通じてニャルラトホテプを召喚しました
  • 儀式は暗闇の中で行われることが多く、光がほとんどない環境で執り行われました
  • 人間の生贄が捧げられることもあり、これが教団の邪悪性を際立たせています
活動の全盛期
  • 教団は19世紀半ばに最盛期を迎え、一時期200人以上の信者を集めました。プロヴィデンス以外にも支部が設立されました
解散とその後
  • 教団は1877年に地元当局によって解散させられましたが、その後も地下活動を続けた形跡があります
  • ラヴクラフトの短編『闇をさまようもの』では、教団が崩壊した後もその遺物や影響が残り、新たな恐怖を引き起こす様子が描かれています

関連作品
星の智慧派は以下の作品で特に重要な役割を果たします:
『闇をさまようもの』(The Haunter of the Dark)
  • ラヴクラフトによる1935年の短編小説で、星の智慧派や「輝くトラペゾヘドロン」、ニャルラトホテプが中心的な要素として描かれます
  • 主人公ロバート・ブレイクが廃教会堂で発見した秘密が物語の核となっています
『アーカム計画』(The Shadow from the Steeple)
  • ロバート・ブロックによる続編的な作品で、星の智慧派やその遺産が再び取り上げられます

象徴性と影響
星の智慧派はクトゥルフ神話内で、人間が禁断の知識や力を追求することによる破滅的な結果を象徴しています。また、その神秘的かつ邪悪な性質は、多くの後続作品やゲームなどにも影響を与えています。

星の智慧派は、クトゥルフ神話における代表的なカルト教団として、ニャルラトホテプとの結びつきや「輝くトラペゾヘドロン」を通じて恐怖と謎を生み出す存在です。その活動や儀式は、人間が未知なる力への欲望によってどれほど危険な状況に陥るかというテーマを強調しています。

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最終更新:2025年01月03日 11:41