スカンダ
スカンダ(Skanda)は、
ヒンドゥー教の軍神であり、戦闘や勝利を司る神として崇拝されています。
南インドでは特に「ムルガン(Murugan)」という名前で広く信仰されており、タミル文化において非常に重要な存在です。
概要
スカンダは
ヒンドゥー教における軍神として、戦いや勝利を象徴する存在です。
その複雑な誕生譚や英雄的な活躍は、多くの人々に愛されてきました。特に南インドでは文化的・宗教的な象徴として深く根付いており、その影響は東南アジアや仏教にも広がっています。
スカンダの特徴
- 家族関係
- 外見
- 六つの顔と十二本の腕を持つ姿が一般的で、「シャンムガ(六つの顔を持つ者)」という異名を持つ
- 騎獣(ヴァーハナ)は孔雀で、悪魔や邪悪を踏みつける象徴とされる
- 異名
- 「カルティケーヤ」: 六すばる星(クリティカ星)の息子
- 「クマーラ」: 若い王子を意味する
- 「スブラフマニヤ」: 南インドで特に呼ばれる名前
スカンダの誕生と神話
- 1. 誕生
- スカンダは悪魔ターラカを倒すために神々によって生み出されました
- 彼はシヴァとパールヴァティーのエネルギーから生まれたとも、火神アグニと聖なるガンジス川が関与しているとも伝えられます
- 神話によれば、火神アグニが聖仙たちの妻に恋心を抱いた際、そのエネルギーが黄金の山に注がれ、そこからスカンダが誕生したとされています
- 2. 六面十二臂の理由
- スカンダは6人兄弟として生まれましたが、母パールヴァティーが彼らを強く抱きしめたことで一体化し、六つの顔と十二本の腕を持つ姿になったという伝説があります
- 3. 軍神としての活躍
- スカンダは幼少期から非常に強力で、生後4日で悪魔ターラカを討伐しました
- その後、インドラに代わり神々の軍勢の最高指揮官となりました
- また、インドラとの競争や確執も描かれており、互いに力を競い合うエピソードもあります
- 4. 孔雀との関係
- スカンダは孔雀を騎獣としており、この孔雀は悪魔スーラパドマとの戦いで得たものです
- 孔雀は勝利と美しさの象徴です
信仰と現代
- 南インドでの信仰
- スカンダ(ムルガン)はタミル文化圏で特に重要視され、多くの寺院が彼に捧げられています
- 代表的な寺院として「パランガニ・ムルガン寺院」や「ティルチラーパッリ近郊のパランマライ」が挙げられます
- 祭り
- 毎年行われる「タイプースム」という祭りでは、多くの信者がスカンダへの献身を示し、苦行や祈りを捧げます
- 東南アジアへの広がり
- スリランカやマレーシア、シンガポールなどタミル人移民が多い地域でも盛んに信仰されています
- 仏教にも取り入れられ、「韋駄天」や「鳩摩羅天」として知られています
- 韋駄天は仏法守護の神として、日本でも寺院で祀られることがあります
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最終更新:2025年01月03日 11:28