役割語

役割語は、特定の人物像(年齢、性別、職業、階層、時代背景など)を想起させる特定の言葉遣いで、主にフィクションで使用されます。
No 分類 役割語 説明 一人称 二人称
1 性差によるもの 男ことば 男性キャラクターが使う言葉遣い 「おい、おまえ、何やってんだよ」
「腹減ったぜ」
「おれ」
「ぼく」
「おまえ」「きみ」
「あんた」
女ことば 女性キャラクターが使う言葉遣い 「〜かしら」「〜してよ」
「あら」「まあ」「うふふ」
「あたし」
「あたい」
「あなた」
オネエことば 女性的な話し方をする
男性キャラクターに使われる
「あら、素敵ねーーー」
「おーほっほ」
「あたし」 「〇〇ちゃん」
「アンタ」
2 年齢・世代
によるもの
少年語 若い少年が使う言葉 「うん、そうだよ。ぼくだよ」
「わーい」「ねえ」
「ぼく」 「きみ」
老人語 「わしは知っとるんじゃ」など、
老人キャラクターが使う言葉遣い
「〜じゃ」「〜ぬ」「〜ん」
「〜しておる」
「わし」 「おぬし」
おばあさん語 年配の女性キャラクターが使う言葉遣い 「〜じゃ」「〜ぬ」「〜ん」
「~かね」「~おくれ」
「わし」 「おぬし」
幼児語 幼児や子供が使う言葉遣い 「ぼく、おなかすいたー!」
「ねんねするー!」
自分の名前 特になし
ギャル語 ギャルが使う独特な言語スタイル 「あーし、今日マジきゃぱいんだけど!」
(私、今日は本当にキャパオーバーなんだけど!)
「あたし」「あーし」 あだ名呼びなど、
フランクな呼び方
3 職業や社会的地位
によるもの
書生ことば 学生や若者が使う古風な言葉遣い 「~たまえ」「~べし」 「僕」「吾輩」 「きみ」「◯◯くん」
武士ことば 侍や武士キャラクターに使われる 「ござる」「かたじけない」
「お主」
「拙者」「自分」
「それがし」
「おぬし」「そなた」
警察官ことば 警察官のキャラクターに使われる 「こちら〇〇署」
「ご協力お願いします」
「本官」 「◯◯さん」
上司語 職場での上司を表現するために用いられる
特定の言葉遣い
「これをお願いできるかな?」
「申し訳ないけれど」
「わたし」 「きみ」
廓言葉
(くるわことば)
江戸時代に遊郭や遊里で遊女などが使用していた
特色のある言葉で「花魁言葉」とも呼ばれる
「おいでなんし」
「あちきは、ここで待っておりんす」
「わっち」「わちき」
「あちき」
「主(ぬし)」
「主 (ぬし) さん」
博士語 科学者や学者などの「博士」キャラクターが
使う特有の言葉遣い
「わしの言うことを聞くのじゃ」 「わし」 「きみ」「◯◯くん」
「〇〇さん」
ヤクザ言葉 ヤクザキャラが使う言葉や口調 「お前さん、何してくれとんじゃワレ!」 「オレ」「ワシ」 「テメェ」「オノレ」
4 地域や文化
によるもの
田舎ことば 地方出身者や農民を表現する際に使用される 「〜だべさ」「だっぺ」 「おら」 「おめえさん」
大阪弁 商人や道化役としてのイメージで使われる 「あのおっさん、また変なこと言うてるわ」 「わし」「うち」 「自分」
ヤンキー語 特有の挨拶「夜露死苦」や「ガンをつける」など
挑発的なニュアンスを持つ言葉が多くあります
「イキガリ見せてねぇで
いいからかかってこいや」
「オレ」「わし」 「ワレ」
「テメェ」
5 特定の
キャラクター
タイプ
によるもの
お嬢様ことば 上品で高貴な女性キャラクターが使う 「〜ですわ」「~ございます」
「〜ございますわ」「〜てよ」
「わたくし」 「◯◯さま」
奥様ことば 主婦や上流階級の女性が使う丁寧な言葉遣い 「~ざます」「おほほほほ」
「~かしら」「~わ」「~ね」
「わたくし」
「あたくし」
「あなた」
6 人間以外 宇宙人語 宇宙人を表現する言葉遣い 「ワレワレハウチュウジンダ」 「われわれ」 特になし
ロボット語 ロボットや機械音声を表現する言葉遣い 「〜を実行します」
「〜を確認しました」
「私」 「あなた」「マスター」
「ユーザー」
幽霊語 幽霊を表現する言葉遣い 「うらめしや〜」
「〜じゃ」「〜ぞ」
「私」 「あなた」
「おぬし」
  • これらの役割語は、フィクションにおいて登場人物の性格や背景を効率的に伝えるために使用されますが、一方でステレオタイプを助長する可能性もあるため注意が必要です
最終更新:2025年02月07日 08:38