ブレイク・スナイダー・ビート・シート
ブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)は、効果的な物語構成のためのテンプレートで、脚本家のブレイク・スナイダーが考案したものです。
このツールは、脚本執筆や物語創作に役立つ15の重要な「ビート」(物語の要素)を提示しています。
BS2の基本構造
BS2は以下の15のビートで構成されています。
分類 |
No |
ビート |
概要 |
補足 |
第一幕 |
1 |
オープニング・イメージ |
映画の第一印象、主人公の出発点 |
"オープニング・イメージ" と "ファイナル・イメージ" は真逆 (対照的) になっています |
2 |
テーマの提示 |
論点や主張の提示 |
「驕れる者は久しからず」など教訓めいたセリフ。本の表紙やニュース、ポスターなどで表現する方法もあります |
3 |
セットアップ |
登場人物の紹介 |
最も大切なのは「主人公に足りないもの」を見せることです |
4 |
きっかけ |
人生が変わる瞬間 |
主人公にとって世界の終わりのような「危機一髪」のシーンが必要です |
5 |
悩みのとき |
直面する問題を考える時間 |
重要なのは「何かしらの疑問を抱く」そして「答えを出す」こと |
6 |
ファースト・ターニングポイント |
何か大きな決心をする |
ここでは何か「大きな出来事」を発生させること |
第二幕 |
7 |
サブプロット |
場面転換・息抜き |
新しい人物や対照的キャラクターが登場して雰囲気が変わります |
8 |
お楽しみ |
お約束を果たす場 |
読者の「こういうのでいいんだよ」の期待に答えるシーン |
9 |
ミッドポイント |
主人公が絶好調または絶不調となる |
主人公の大活躍に反して危険な予兆が見えるシーン。ピンチのときはさらに状況が悪くなります |
10 |
迫り来る悪い奴ら |
悪役が総攻撃してくる |
主人公は悪い奴らに敗北し、手にしたものを奪われる |
11 |
すべてを失って |
失意のどん底で希望のかけらもなくなる |
「死の気配 (死を暗示させるもの)」があるとシーンが引き締まります |
12 |
心の暗闇 |
深く考え心の奥底を探る |
死の気配に対して悟りをひらき、答えを出します |
13 |
セカンド・ターニングポイント |
解決策が見つかる |
メインプロットとサブプロットが融合して解決策が見つかるのがベストです |
第三幕 |
14 |
フィナーレ |
悪い奴らが一層される |
主人公が勝利することで、新しい世界が生まれます |
15 |
ファイナル・イメージ |
本物の変化が起きる |
もし "ファイナル・イメージ" が作れない場合は第二幕の積み上げが足りない |
BS2の特徴
- 詳細な構成: 三幕構成をさらに細分化し、15のビートを提示することで、より具体的な物語の展開を計画できます
- ページ数指定: 各ビートが脚本の何ページ目に起こるべきかを指定しており、物語のペース配分に役立ちます
- 汎用性: 映画脚本だけでなく、小説や他の物語形式にも応用可能です
- 観客の期待に応える: 「お楽しみ」のビートなど、観客の期待に応える要素を意識的に組み込んでいます
BS2の利点
- 物語の構造を明確にし、執筆の指針となります
- 各ビートの配置を考えることで、物語のテンポや展開を最適化できます
- 物語の重要な要素を漏れなく盛り込むことができます
まとめ
BS2は、物語創作において強力なツールとなり得ますが、あくまでもガイドラインであり、柔軟に活用することが重要です。
作品の独自性や創造性を損なわないよう注意しながら、このテンプレートを参考にすることで、より魅力的な物語を構築することができるでしょう。
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最終更新:2024年12月17日 08:53