ジャンル分類

ジャンル分類



一般的な分類

ジャンル サブカテゴリ 概要 作品例
ドラマ ヒューマンドラマ 人間関係や社会問題を扱い、感情的な要素を重視した物語 『ショーシャンクの空に』
ホームドラマ 家族や家庭内の出来事をテーマにしたドラマ 『渡る世間は鬼ばかり』
『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』
人情もの 人々の絆や思いやり、情に厚い行動の物語 『春色梅児誉美』『銀二貫』
日常系 登場人物の平穏な日常生活を描いたり、明確な目標設定がない情景描写や会話が行われる物語 『あずまんが大王』
『よつばと!』
コメディ シチュエーション・コメディ 特定の状況や設定を舞台にして、固定されたキャラクターたちが日常の面白さを描く。
日本での人気ジャンル「日常系」や「ホームドラマ」に近いです
『フレンズ』
『ビッグバン★セオリー』
ロマンティック・コメディ 日本で言うラブコメディ
恋愛をテーマにしたコメディで、感情の起伏やハッピーエンドが特徴です
ブラック・コメディ タブーや暗いテーマをユーモラスに扱い、笑いと同時に考えさせられる要素があります
スラップスティック 身体的な動きやドタバタ劇を中心とした視覚的な笑いを提供します
パロディ 既存の作品や文化を模倣し、風刺的に扱うことで笑いを生み出します
サタイア 風刺。社会や政治を批判的に描き、笑いを通じて問題提起を行います
勘違い系コメディ 主人公や登場人物が意図せず周囲に誤解されることで物語が展開し、
そのズレが笑いや意外性を生むジャンル
ホラーコメディ ホラー要素とユーモアを組み合わせ、恐怖と笑いを同時に提供します
アクション・コメディ アクションシーンとユーモアが融合した作品で、テンポの良い展開が特徴です
アクション バトルもの 主人公やキャラクターたちが戦闘を通じて問題を解決する物語
能力バトル 特殊な能力を持つキャラクター同士の闘争を描くバトルものジャンル
心理・頭脳バトル 頭脳戦 主に知性や計算力を駆使した勝負が展開される物語 『DEATH NOTE』
心理戦 登場人物の心理や感情の読み合い、騙し合いが中心となる 『LIAR GAME』
デスゲーム 生死を賭けたゲームやサバイバルがテーマで、頭脳戦心理戦が絡むことが多い バトル・ロワイアル
バトル・ロワイアル 参加者同士が直接殺し合い、生き残りを目指す物語
ギャンブル系バトル ギャンブルを通じて知略や心理戦が繰り広げられる 『賭博黙示録カイジ』
『賭ケグルイ』
ホラー サイコホラー 心理的恐怖を扱う 『羊たちの沈黙』
スプラッターホラー 過激な暴力描写を含む
オカルトホラー 超自然的要素を扱う
サイコスリラー 心理的な緊張感や恐怖を重視したホラーのサブジャンル
サバイバルホラー
ミステリー 本格ミステリー 謎解きやトリックに重点を置いた作品。探偵役が活躍する古典的なスタイル
ハードボイルド 探偵や主人公がタフで現実的な世界観を持つ。暴力や犯罪が描かれることが多い 『新宿鮫』
サスペンス・ミステリー 緊張感や不安感を煽る要素が強く、予期せぬ展開が続く
警察小説 警察官が主人公となり、捜査過程を詳細に描く
社会派ミステリー 社会問題や倫理的テーマを扱い、現実世界との関連性が強い 『火車』『白夜行』
コージーミステリー 日常生活の中で起こる小さな謎を解く、軽いトーンの作品。
殺人などの重いテーマは少ない
「ミス・マープル」シリーズ
日常系ミステリー 日本独自の推理小説ジャンルで、日常生活の中で起こる
些細な謎や不思議な出来事を解き明かす物語
北村薫『空飛ぶ馬』
米澤穂信『氷菓』
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』
倒叙ミステリー 犯罪者視点で物語が進行し、犯行後の展開に焦点を当てる
青春・学園ミステリー 学生や若者を主人公にした作品。成長や友情がテーマとなることが多い
歴史ミステリー 過去の時代を舞台にした作品。歴史的背景と謎解きが組み合わさる
SFミステリー サイエンスフィクション要素を取り入れたミステリー。未来や異世界での謎解きが中心
法廷ミステリー 法廷での裁判過程を中心に描く。法律や司法制度に関する知識が求められることもある
特殊設定ミステリー 異世界やゾンビ、幽霊などの実在を前提としたミステリー 『七回死んだ男』
『屍人荘の殺人』
特殊部署ミステリー 実在しない警察の部署を舞台にしたミステリー
サスペンス 緊張感や不安感を持続させる物語
SF サイバーパンク 高度なテクノロジーとディストピア的な社会を描く創作ジャンル 『ニューロマンサー』
ハードSF 科学技術や理論に基づいたリアリスティックな描写が特徴。科学的な厳密さが重視されます
スペースオペラ 宇宙を舞台にした壮大な冒険物語 『スター・ウォーズ』
『スター・トレック』
スチームパンク 19世紀の蒸気機関技術を基にした代替歴史やファンタジー的な世界観を持つ
ソーラーパンク 持続可能な未来社会を描く、ポジティブなビジョンのSF
ディストピア 抑圧的で望ましくない社会を描く 『1984年』
『ハンガー・ゲーム』
アポカリプス, 終末世界
ポスト・アポカリプス
世界の終末やその後の世界を描く。文明崩壊後の生存者たちの物語
タイムトラベル 時間移動をテーマにした物語。
時間SFとも呼ばれ、過去や未来への旅を描きます
クライメイトフィクション
(Cli-Fi)
気候変動の影響を扱うSF。環境問題に焦点を当てた作品群
ファンタジー ハイ・ファンタジー 完全に架空の世界を舞台にし、魔法や神話的要素が豊富に含まれる 『ロード・オブ・ザ・リング』
ロー・ファンタジー 現実世界を舞台にし、そこにファンタジー要素が加わる 『ハリー・ポッター』
ダークファンタジー 重苦しい雰囲気や悲劇的な展開を持ち、
ホラー要素が強いこともある
『ベルセルク』
ヒロイック・ファンタジー 英雄的なキャラクターが冒険する物語 『コナン・ザ・バーバリアン』
エピック・ファンタジー 壮大なスケールの物語で、多くのキャラクターや複雑なプロットが展開される
アーバン・ファンタジー 現代の都市を舞台にし、魔法や超自然現象が絡むストーリー
学園ファンタジー 学園ものに魔法や架空の世界が加わった物語
異世界ファンタジー 異世界転生 主人公が現実世界で死んだ後、異世界で新たに生まれ変わる設定 『転生したらスライムだった件』
異世界転移 クロスワールドファンタジー。
主人公が何らかの方法で現実世界から異世界に移動する物語
『Re:ゼロから始める異世界生活』
異世界憑依 主人公の意識が異世界の人物に乗り移る設定。このジャンルは、成り代わりとも呼ばれます
逆転異世界 異世界から現実世界に戻ったり、現実と異世界を行き来する設定。
このサブジャンルは、異なる文化や価値観の衝突を描くことがあります
悪役令嬢もの 悪役令嬢に転生した主人公が、前世の記憶や知識を駆使して、
破滅や断罪といったバッドエンドを回避する物語のジャンル
『乙女ゲームの破滅フラグしかない
悪役令嬢に転生してしまった...』
ラブロマンス ラブコメディ 恋愛をテーマにしたコメディ要素の強い作品を指すジャンル
ラブコメミステリー ラブコメにミステリーの要素を組み合わせたジャンル
バディもの バディ・コップ 主に警察官や探偵がペアになり、犯罪を解決するストーリー。
アクションとコメディが融合した作品が多い
冒険バディ 2人の異なるキャラクターが一緒に冒険やクエストに出かける物語。
ロードムービーや冒険映画の要素を持つ
異種間バディ 人間と動物、または異なる種族や文化を持つキャラクターがペアになる作品
ファンタジー・バディ ファンタジーの世界観で、魔法や超自然的な要素を含むバディもの
犯罪/ギャング 犯罪組織や犯罪者を中心に据えた物語
歴史/時代劇 特定の歴史的時代を背景にした物語
スポーツ スポーツを題材にした物語
青春 若者の成長や経験を描く物語
ファミリー 家族向けの内容で、世代を超えて楽しめる物語

ブレイク・スナイダーによる分類

ブレイク・スナイダーの『SAVE THE CATの法則』では、より本質的な10のジャンル分類を提唱しています。
ジャンル 説明 相性が良いジャンルの要素 作品例
家のなかのモンスター 脱出不能な閉鎖空間に、か弱い主人公と恐ろしいモンスター
閉じ込められる。(モンスターは人間の醜い欲望から生まれる)
ホラー, SF, アクション,
サスペンス, ミステリー, ヒューマンドラマ
『ジョーズ』『エイリアン』『スクリーム』
『エクソシスト』『パニックルーム』
金の羊毛 何かを求めて旅に出て成長する。
重要なのは主人公が旅の前と後でどのように変化するか
アクション, 成長物語, 泥棒もの
行きて帰りし物語, 失ったものを取り戻す旅
『スターウォーズ』『オズの魔法使い』
『バックトゥーザ・フューチャー』
魔法のランプ 喉から手が出るほど欲しかった願いが叶うことで人生が大きく変わる。
(願いの代わりに致命的な呪いをかけられるバージョンもある)
ファンタジー, コメディ 『マスク』『ラブポーションNo.9』
『ライアーライアー』
難題に直面した平凡な奴 普通の人が突然の危機に直面する物語 アクション, サスペンス 『ダイ・ハード』『アルマゲドン』
人生の節目 人生の重要な転機を描く物語 ドラマ, 青春もの, 成長物語 『普通の人々』『アメリカン・パイ』
バディとの友情 対照的な二人の関係性の変化を描く物語 コメディ, バディもの, ラブロマンス 『レインマン』『トイ・ストーリー』
なぜやったのか? 謎解きや動機の探求を描く物語 ミステリー, サスペンス 『羊たちの沈黙』『シックス・センス』
バカの勝利 過小評価された主人公が勝利する物語 コメディ, スポーツもの 『デーヴ』『天国から落ちた男』
『フォレスト・ガンプ/一期一会』
組織のなかで 集団への忠誠と個人の価値観の葛藤を描く物語 ドラマ, サスペンス
スーパーヒーロー 特別な力を持つ主人公の物語 アクション, ファンタジー 『マーベル』シリーズ

ストーリー作家のネタ帳

No カテゴリ イメージ イベント 説明
#1 メインプロット
向けイベント
メリットがないのに優しくする 主人公はある日、傷つき苦しんでいる相手と出会い、助けて世話をするようになります。
一方、その相手は厄介者やお尋ね者として社会から疎外された存在です。
この出会いを通じて、主人公は思いやりや理解の重要性を学び、二人の関係が深まっていきます
無害な相手を恐れる 主人公は、本来無害なものや人物に対して非合理的な恐怖や苦手意識を抱いています。
しかし、皮肉にも主人公が恐れているそのものや人物から、好意を寄せられるという展開になります。
この設定は、主人公の内面的な成長や、恐怖心の克服、そして他者との関係性の変化を描くのに適しています。
また、コメディ要素を含んだ物語や、心理的な葛藤を描く作品にも応用できます
見下される 主人公は社会の競争に敗れ、落ちこぼれてしまいます。
しかし、彼は力を得て、戦いを通じて次第に成長し、勝ち上がっていくという物語です。
追放もの復讐劇無能者が英雄になる、といった構造と共通点があります
恨みを持つ 主人公は悪によって家族や愛する人、未来といった大切なものを失います。
その後、彼は悪に対抗する力を手に入れ、人々の幸せのために戦う決意をします
恨みを持つ (恋人が敵になる) 恨みを持つ」の派生バージョン。主人公と恋人役は互いに惹かれ合い、恋愛関係を築いていきます。
しかし、物語が進むにつれて恋人役が実は敵であることが明らかになります。
二人は深い愛情で結ばれているにもかかわらず、状況や立場の違いにより、互いに戦わざるを得なくなります。
この展開は、愛と義務の葛藤、信頼と裏切りのテーマを探求し、主人公たちの感情的な苦悩を描く物語となります。
恨みを持つ (敵に養われる) 恨みを持つ」の派生バージョン。
主人公は敵に助けられ、養育されます。その結果、主人公は敵に対して憎しみを抱きながらも、
同時に育ててくれた恩や愛情も感じるという複雑な感情を持つことになります。
この状況は、主人公の内面に深い葛藤を生み出します
罪を背負う 主人公は自分の行動が原因で周囲の人々に大きな苦しみを与えてしまいます。
その結果、彼は罪人として扱われることになり、苦しい生活を強いられることになります。
人間以外のものが意志を持つ 主人公は特別な出来事をきっかけに、通常ではコミュニケーションが不可能な相手と意思疎通できるようになります。
その結果、主人公は相手の抱える問題や願望に巻き込まれていくことになります。
この展開は、主人公に新たな視点や経験をもたらし、予期せぬ冒険への道を開くきっかけとなります。
サブプロット
場つなぎ向け
イベント
権威者に否定される 「スランプからの脱出」というテーマで主人公の成長と自己発見を描きます。
これは典型的な「英雄の旅 (ヒーローズ・ジャーニー)」のパターンを踏襲しています
助けたことで不調を抱える 主人公が相手を助けたことで不調を抱えるという展開を中心に、
主人公と対立する相手との関係性の変化を描くイベント
上機嫌になりすぎる 「上機嫌」の暴走によって引き起こされる具体的な問題をユーモラスに描きます。
思いがけない幸運によりキャラクターの意外な一面が見られると、印象的なイベントにできます
ハッタリをかます 主人公が自分や仲間に降りかかった脅威に対して、
実際にはできないことを勢いで言い放つことで危機を回避する展開を描きます
好きになる 主人公や他のキャラクターが誰かに対して好意を抱くことで展開する物語構造です。
恋愛物語では基本的なイベントですが、家族愛、友情、仲間意識、師弟愛など幅広い感情にも応用可能です。
嫌いになる 「嫌いになる」は主人公が好意を寄せる相手に対して、嫌悪感を持つことで起こるイベントです。
前提として主人公は相手とは良好な関係 (→好きになる) ですが、主人公が相手に対して身の丈以上の要求します。
相手はそれを拒否して関係がこじれますが、最終的には主人公が謝ることでもとの関係に戻ります
気が変わる あるキャラクターがこれまでの行動パターンとは真逆の行動を取り始めることで起こるイベントです。
キャラクターは「今までのやり方では目的を達成できない」と考え、意識的に行動を変えますが、
最終的には「やっぱり元のままのほうが良い」となり、キャラクターは本来の自分に戻ります
#2 メインプロット
向けのイベント
無能者が英雄になる ジョーゼフ・キャンベルの「英雄の旅 (ヒーローズ・ジャーニー)」の三幕構造(出立、試練、帰還)と類似する部分が
ありますが「無能者が英雄になる」特有の要素として、主人公の「無能」とされる才能がキーとなります。
この構造は「弱者から強者へ」「隠れた才能の開花」という普遍的テーマによって、
多くのジャンル・設定に応用可能です。そのため、多様な物語作りにおいて有効なフレームワークとなります
英雄が無能者になる 主人公が元の世界で圧倒的な才能や地位を持つ存在でありながら、新たな環境や状況において
それらが無力化されることで葛藤し、成長する過程を描いたものです。
この物語は、主人公の価値観の転換や人間的な成長をテーマとし、
最終的に両方の世界を橋渡しすることで問題解決を図るストーリーです
「二足のわらじ」を履く 主人公が「才能を発揮できない元の世界」と「才能を発揮できる新たな世界」の間で葛藤しながら、
両方の世界を両立させる過程を描いたものです。
この物語は、自己実現や二面性のテーマを中心に展開され、
最終的には主人公が自分の才能を活かしながら新しい人生を歩むという成長と解放が描かれます
サブプロット
場つなぎ向け
イベント
生まれて初めてする状況になる 未経験の主人公が初めての挑戦を通じて成長し、困難を乗り越える過程を描いたものです。
この物語は、読者を緊張感のある状況に引き込み、主人公が試練を乗り越えることでカタルシスを生み出します
無理にでも一緒にいざるを得ない状況になる
いないと思っている場所にいる
ひとりぼっちになる
相手が無防備な状況になる
「心象世界」を
用いるイベント
心象世界に入る
幻想の幸せに逃げる
「一人で過ごす世界」に触れる
その他のイベント 何をやっても無駄な状況になる
状況がわからない状況になる
相手に意外な反応をされる
キャラクター環境が変わる
#3 メインプロット
向けイベント
三角関係を持つ (願いが叶う) 主人公が「実現すべきでない関係性」を求め、その間違いに気づかずに関係性を成立させます。
最終的には間違った関係性に気づくことでそれを放棄し、本来必要としていた形に戻ります
三角関係を持つ (願いが敗れる) 三角関係を持つ (願いが敗れる)は三角関係を持つ (願いが叶う)の派生バージョンです。
主人公は「実現すべきでない関係性」を求めます。
その欲求は実現せず、またその間違いに気づくことで関係性を放棄し、あるべき形に戻ります
敵になる
打算でつながる
サブプロット
場つなぎ向け
イベント
上下関係を持つ
師弟関係になる
依存関係を失う
一方的に助けてもらう
息の合うパートナー関係になる
立場が入れ替わる
実力に差が出る
プロットを
補強するイベント
約束をする
願いを託される
悲劇に終止符を打つ
相手に恩を持つ
#4 悪意を持つ
駆け引きのイベント
敵の巣窟に入る
三つ巴になる
必殺技を頼りに敵と戦う
恋人役を奪われそうになる
特殊なゲームで勝利する
不必要な力を手に入れる
好意を持つ
駆け引きのイベント
弱みを握って支配する
相手の第約をする
相手の出生を隠す
相手の苦しみを肩代わりする
酒に酔う
ミステリー
イベント
謎を持つ事件に巻き込まれる
出生に謎を持つ
自分の苦しみを肩代わりしてもらう
「偽物の自分」が現れる

その他

  • ことわざ: 物語創作のテーマ(教訓)に使えそうなことわざをまとめたものです
最終更新:2025年02月23日 20:27