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密室トリック分類



基本要素

密室の構成要素

すべての入り口が施錠されている
  • ドアにカギがかかっている
足跡が1つしかない・足跡がまったくない
  • 雨のぬかるみ
  • 沼地
  • 砂浜
  • 入り口に植物が敷き詰められている
見張り番がいた
  • 誰も通っていないという証言がある
  • 扉の開閉音がしなかった
  • 床のきしむ音がなかった
  • 階段を上り下りする音が聞こえなかった
  • 防犯カメラに何も映っていなかった
ドアの前に立ちはだかるものがあった
  • 家具
    • 机やタンス、ベッドなど
  • 小物
    • 傾斜でドアの前に小物が集まった
    • カーペットごと動かして小物を集めた
  • 死体・身体的特徴
    • 容疑者が太っていて入り口を通れない
    • 死体がドアに立てかけてあった
誤認証言
  • 抵抗があり開かないように思わせた。カギ穴に接着剤を入れるなど
  • 犯人の演技で開かないフリをした
  • ドアチェーンを壊すフリをして
  • もとから壊れていた

密室を作る理由

  • 自殺に偽装する: (遺書を偽装する)
    • 自分に容疑がかからなくなる (=他殺でない)
    • 無理心中に見せかける
  • 時間稼ぎ
    • トリックが見破られるまでの時間稼ぎ
  • 最初に部屋に入る口実
    • ドアを破った勢いで、最初に部屋に転がり込むことができる

古典的分類の対応表とトリックの例

1. 犯行当時に密室内に犯人がいた

分類 説明
物理トリックで
ドアに鍵をかける
・仕掛けでカンヌキを落とす
・ドアチェーンを引っ掛ける
・テグスで窓の外から
クレッセント錠をかける
氷・雪・ドライアイスでカンヌキを固定して、それが溶けると密室になる
髪の毛が湿度によって伸びる性質を利用した
磁石でカンヌキを落とす
カセットテープでカンヌキを固定する
猿に命令してカギをかけた
心理トリックで
ドアに鍵をかける
犯人がカギを持っている 引っ越しをする前のカギをそのまま使っている
管理人が犯人。または管理になりすましてだまし取った
厳重に管理されているマスターキーを "何らかの方法" で手に入れた
(物理トリックやアリバイトリックなどの合せ技)
カギを "何らかの方法" で複製した (氷で合鍵を作る、など)
物理トリックで
密室化
外から部屋を密閉した ガムテープを隙間から吸い込んで目張りした
(→証拠:入り口のガムテープだけ破れていた)
外からドアの前に重いものを置いた 窓のスキマからコンクリートを流し込んだ
物理トリックで
密室の一部を開閉した
(秘密の通路)
ドアごと開く 蝶番を外してドアごと開ける
屋根ごと開く 屋根を開けることができる
窓の一部を開ける 瞬間接着剤で固定
鍵の移動 外からカギかけて
カギを中に戻した
部屋の "隙間" からカギを糸などで移動させた。
隙間には以下のものが考えられる
・ドアや窓の隙間、メールドロップ、換気扇、クーラー用の穴
カギを氷のボールにして、小さな穴から投げ込む。
カギを部屋に投げ込むには以下の道具が考えられる
・糸、硬質ゴム製の導管、物干し竿、氷玉にカギを入れて転がす
・パチンコで飛ばす、犬にくわえさせる、スチール製のメジャー
・ラジコンカー
テグスを使ってカギを外から入れる
・胸ポケットにテグスを通しておく
・テグスをドアの隙間から通す
・電子キーをドアの隙間から通す
・テグスを引っ張って、電子キーを胸ポケットに入れ、テグスを回収する
巻き尺を使ってカギを外から入れる
・巻き尺をドアの隙間から伸ばして、死体の手首に巻きつける
・カギを閉め、手提げ袋にカギを入れる
・手提げの紙袋を死体のところまで移動させる
・巻き尺を回収する
密室から
気づかれないように
脱出した
中に隠れていた ドアの裏、カーテン、クローゼット、冷蔵庫、洗濯機、保存庫
第一発見者の "死角" から脱出。
・死角は第一発見者を目眩ましして作るなど
・共犯者が死角を作る方法もある
警官隊の到着後、警官になりすまして脱出
人形になりすましていた
燃え盛るボイラーで焼身自殺した
見えない仕掛け ドアチェーンに細工をする チェーンの輪を1つこじ開けて外から輪を閉じる
チェーンを2つに切り離して外から別の輪で閉じる
(受け皿は瞬間接着剤で移動する)

2. 犯行当時に密室内に犯人はいなかった

分類 トリック
外部から被害者が
死ぬように追い込む
酸欠、毒ガス 酸素濃度を上げて火を使ったときに爆発するようにする
ドライアイスで酸欠にして殺す
塩素系ガスを密室に充満させて殺害する
酸欠、毒ガスと組み合わせ ドライアイスで酸欠にして、被害者は部屋の空気を入れかえようとするが、
フラフラと転落死してしまう。
窓から頭を出したタイミングで重いものを上からぶつける
時限発火装置 生石灰(乾燥剤)を水に濡らして発火させる
硫酸と「砂糖と塩酸カリ」を混ぜると発火する
日光で発火させる。拳銃を発射させる
物理装置 外からベッドを持ち上げて寝返りで転落死させる
クレーンでプレハブを傾けて転落死、毒殺させる
機械トリック 電磁石でナイフを固定しておき停電で落下
時計と銃をつないで、特定時刻に自動発射
エレベータの天井にナイフをロープでつなぐ
圧死 狭い部屋に救命用ゴムボートを入れて圧死させる
アドバルーンで窒息させる
やかんの蒸気の圧力で毒針を発射する
毒殺 製氷機に毒入りの氷を作っておく
助かろうとする行動で毒を口に含んでしまう
室外からの犯行を
室内の犯行に
見せかける
酸欠や毒ガスで
窓から頭を出させて
屋上から遠隔殺人する
重い石を頭にぶつける ("飛び降り自殺" したように見せかける)
ロープで首を吊る ("首吊り自殺" したように見せかける)
密室のスキマを利用 ドアの隙間 ドアノブを取り外してそのスキマから射殺
自動で閉まりかけのドアのスキマから射殺
・自動ドア
・車のパワーウィンドウ
入れない窓を利用 船の上で、ブーメランで隣の部屋から殺害
凶器を隙間から
投げ入れる
スキマから射殺した後、拳銃を部屋に投げ込む

3. 密室ではなかった (心理トリック)

分類 トリック
演技で偽装する ドアが開かないフリをする 「何か引っかかっている」と発言し、演技でドアが閉まっているように思わせる
探偵以外のすべての人物が共犯 密室だった全員がとウソの証言をする
目印を偽装 ガムテープの目張りを偽装 ガムテープの目張りを最初から破いておく。
他の人にはドアを開けたことでガムテープが破れたように見える
場所を偽装する 部屋の目印となるルームプレートをすり替えて、別の部屋へ誘導する
実際の犯行場所とは別の部屋を密室に見せかける。
(被害者が殺人現場を誤認する目印があった)
監視を偽装 警備員 警備員が共犯
監視カメラ 監視カメラに映り込んだ犯人の映像を偽装
監視カメラの時間を偽装して、死亡推定時刻を偽装
死亡を偽装する 死亡時刻をずらす 実際の死亡時刻と認識される死亡時刻をずらした
部屋から出た後、
密室を偽装する
接着剤で密室を作る 瞬間接着剤でドアを固定する
鍵穴にガムや接着剤を入れる
チェーンを接着剤で結合。チェーンは壊されていて密室ではなかった
後からドアを固定する ドアの奥に重たい荷物を置いて開かなくした
気圧差を使用してドアを開きにくくした
木製のドアが湿気で老朽化して、閉まりが悪くなって開かなくなった
秘密の通路 外側からカギを開けることが可能だった 外側に蝶番があった
最終更新:2025年01月26日 08:58