グレイフライアーズ・カークヤード
グレイフライアーズ・カークヤード(Greyfriars Kirkyard)は、スコットランドのエディンバラ旧市街にある歴史的な墓地で、隣接するグレイフライアーズ教会(Greyfriars Kirk)とともに、スコットランドの歴史や文化に深く関わる重要な場所です。
その美しい景観や歴史的背景、多くの伝説や物語から観光地としても人気があります。
概要
- 設立
- グレイフライアーズ・カークヤードは、1562年にスコットランド女王メアリー1世からエディンバラ市議会に寄贈された土地に設立されました
- 当時、エディンバラのハイストリートにあるセント・ジャイルズ教会の墓地が過密状態となり、新たな埋葬地が必要とされていました
- 教会の建設
- グレイフライアーズ教会は、宗教改革後初めてエディンバラで建てられた教会で、1620年のクリスマスの日に開業しました
- この教会はスコットランド宗教史において重要な役割を果たしており、1638年には「ナショナル・コヴナント」がここで署名されました
- これはスコットランドとイングランド間での宗教的・政治的対立を引き起こした一連の出来事の発端となりました
- 1. 17世紀の記念碑と墓石
- グレイフライアーズ・カークヤードには、17世紀スコットランドで最も優れた記念碑や墓石が数多く残されています
- 約238基の記念碑、112基の墓廟、300以上の壁面プレートがあり、その彫刻やデザインは非常に美しいとされています
- 2. グレイフライアーズ・ボビー
- この墓地で最も有名な物語は、「グレイフライアーズ・ボビー」という小さな犬の話です
- 主人であるジョン・グレイが1858年に亡くなると、このスカイテリアは14年間彼の墓を守り続けたと言われています
- この感動的な話はディズニー映画にもなり、ボビーを記念した像が近隣に建てられています
- 3. 心霊スポットとしての評判
- グレイフライアーズ・カークヤードは心霊現象が多い場所としても知られており「世界で最も呪われた墓地」と呼ばれることもあります
- 特に「マッケンジー・ポルターガイスト」という幽霊が有名で、多くの訪問者が奇妙な体験をしたと報告しています
- 4. ハリー・ポッターとの関連
- この墓地は「ハリー・ポッター」シリーズの作者J.K.ローリングにも影響を与えた場所として知られています
- 彼女がこの墓地を訪れた際、一部の登場人物名(例: トム・リドル)をここから着想したと言われています
- ナショナル・コヴナント署名
- 1638年、この場所で署名された「ナショナル・コヴナント」は、スコットランド宗教改革運動の象徴的な出来事でした
- この署名は後に起こる「三王国戦争」や「カヴェナンター戦争」の引き金となりました
- 1679年の捕虜収容所
- 墓地内南側は1679年、「カヴェナンター戦争」で捕虜となった約1200人を収容するため、一時的な監獄として使用されました
- この場所は非常に厳しい環境だったとされています
- 観光情報
- 墓地と教会は無料で訪問可能ですが、寄付が推奨されています。オーディオツアーなども提供されており、自分で散策しながら学ぶことができます
- 墓地内には緑豊かな庭園もあり、晴れた日にはピクニックを楽しむ人々もいます
グレイフライアーズ・カークヤードは、その歴史的価値、美しい景観、そして数々の伝説や物語によって、多くの観光客を魅了する場所です。スコットランド宗教史や文化に触れるだけでなく、心霊現象や文学的インスピレーションなど、多面的な魅力を持つスポットと言えるでしょう。
心霊スポットとしての評判
この場所には数多くの怪奇現象や恐ろしい伝説があり、特に「ジョージ・マッケンジー」の幽霊に関連する話が有名です。
- 1. 「ジョージ・マッケンジーの呪い」
- ジョージ・マッケンジー(通称「ブラッディ・マッケンジー」)は17世紀の法律家で、約1,000人のキリスト教徒(コヴナンターズ)を拷問し、処刑した人物です
- 彼の遺体は「ブラック霊廟」に安置されていましたが、1999年にホームレスが霊廟に侵入し封印を解いたことで、悪霊が解放されたとされています
- その後、訪問者が怪我をしたり、失神するなどの怪奇現象が頻発
- 引っかき傷や打撲傷、首を絞められる感覚を訴える人も多くいます
- 2. 「コヴナンターズ監獄」の怨念
- 墓地には「コヴナンターズ監獄」と呼ばれるエリアがあり、1679年に約1,200人のコヴナンターズ(宗教的反乱者)が劣悪な環境で収容され、多くが死亡しました
- この場所は「世界初の強制収容所」とも言われており、犠牲者たちの怨念が残っているとされています
- 3. ポルターガイスト現象
- 特にブラック霊廟周辺では、「マッケンジー・ポルターガイスト」と呼ばれる超常現象が頻発しています
- 訪問者が謎の傷を負ったり、気分が悪くなるなどの体験談が数百件報告されています
- 除霊を試みたエクソシストが失敗し、その後1週間以内に心臓発作で亡くなったという話もあります
- 4. 夜間ツアーとゴーストハント
- 墓地では夜間ツアーやゴーストハントイベントが行われており、多くの観光客が心霊体験を求めて訪れます
- ただし、心霊現象を目撃するリスクもあるため注意が必要です
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最終更新:2024年12月08日 23:36