お嬢様ことば
お嬢様ことばは
役割語の一種で、主に創作作品において
お嬢様キャラクターを表現するために使われる特有の言葉遣いです。
特徴
お嬢様ことばの特徴
- 1. 上品で丁寧な言葉遣い
- お嬢様ことばは、上品で丁寧な印象を与えるため、敬語や婉曲表現が多く使用されます
- 例えば「ですわ」「ますわ」「ございますわ」といった語尾が特徴的です
- 2. 古風な表現
- 「てよ」「だわ」などの古風な表現が含まれることがあり、これらは特に過去の時代設定や伝統的な家庭背景を持つキャラクターによく使われます
- 3. 役割語としての使用
- 小説や漫画では、お金持ちのお嬢様らしさを強調するための「役割語」として広く用いられています
- これにより、キャラクターの社会階層や性格を迅速に伝えることができます
二人称について
- 1. 「〇〇さま」の使用
- お嬢様ことばでは、相手を呼ぶ際に「〇〇さん」ではなく、「〇〇さま」と呼ぶことが特徴的です
- これは相手をより丁寧に敬う表現となります
- 2. 相手の立場や役割による呼称
- 例えば、家族に対しても「おとうさま」「おかあさま」「おねえさま」「おにいさま」のように「さま」をつけて呼びます
- 3. 敬称の使用
- 「貴公」「貴殿」などの敬称を使用することもあります
- これらは特に格式高い場面で用いられます
注意点としては以下のことがあります。
- 相手の名前や役割を使う
- 可能な限り、相手の名前や役割に「さま」をつけて呼ぶことが望ましいです。
- 状況に応じた適切な敬称の選択
- 相手との関係性や場面に応じて、適切な敬称を選ぶことが重要です。
- 「貴方(あなた)」「貴方様」はお嬢様ことばに該当しない
- 「あなた」は丁寧な言い方でないので、「〇〇さま」「貴公」「貴殿」を使用します
お嬢様ことばの歴史
- 1. 起源と発展
- お嬢様ことばは、江戸時代の女言葉や山の手の芸者言葉が起源とされており、明治時代から昭和初期にかけて女学校を通じて広まりました
- 当初は「乱れた日本語」として批判されることもありましたが、次第に上流階級の女性によって使われるようになりました
- 2. 文化的背景
- 戦後、日本国憲法による性別差別の撤廃とともに「ざます」などの女性言葉は権威を失いました
- 「です」などの丁寧語は市民権を得て広く使われるようになりました
作品例
時崎狂三『デート・ア・ライブ』
時崎狂三の「お嬢様ことば」の特徴は、彼女の
ミステリアスで優雅なキャラクター性を強調する重要な要素です。
- 1. 基本的な話し方
- ・語尾に「〜ですわ」を多用
- 狂三は会話の際に「〜ですわ」「〜ますわ」といった丁寧で上品な語尾を使用します
- これにより、彼女の優雅さやお嬢様らしい雰囲気が際立っています
- ・古風で格式高い言葉遣い
- 「昼食」を「昼餉(ひるげ)」、「お金」を「金子(きんす)」と呼ぶなど、古風で洗練された表現を好みます
- 長母音を「ァ」「ィ」「ゥ」などで発音する特徴もあり、例えば「デート」を「デェト」、「クッキー」を「クッキィ」と表現します
- 2. 慇懃無礼さと繰り返し
- ・慇懃無礼とも取れる話し方
- 丁寧で上品な口調ながらも、皮肉や挑発を含む場合があり、相手を翻弄するような会話術が特徴です
- ・感情が高ぶると繰り返す癖
- 感情が昂った際には、「〜ですわ、〜ですわ」のように同じ言葉を繰り返す傾向があります
- この癖は彼女の狂気的な一面ともリンクしており、ヤンデレ的な性質を強調しています
- 3. 狂気的な笑いとギャップ
- ・狂気的な笑い
- 興奮すると「きひひひひ」という独特の狂気的な笑い方を見せることがあり、お嬢様口調とのギャップが印象的です
- ・上品さと壊れた一面の対比
- 普段は落ち着いたお嬢様口調ですが、内面には壊れたヤンデレ気質や狂気が潜んでいます
- この二面性が彼女の魅力となっています
- 4. 人間関係における言葉遣い
- ・名前の呼び方
- 人名は基本的に漢字読みで呼びますが、主人公・五河士道だけはカタカナで「シドー」と呼びます
- 仲の悪い鳶一折紙についてはフルネームで呼ぶなど、相手によって微妙に言葉遣いや態度を変える点も特徴です
- 5. お嬢様ことばの演出効果
- 時崎狂三のお嬢様口調は、彼女の優雅さや神秘性を強調するだけでなく、その裏にある狂気や危うさとの対比によってキャラクター性をさらに際立たせています
- また、この上品さは彼女の外見(黒髪ロングやゴシック調の服装)ともマッチしており、一貫したキャラクターイメージを形成しています。
時崎狂三のお嬢様ことばは、彼女の
ミステリアスかつ危険な魅力を象徴する重要な要素であり、その独特な話し方が多くのファンに愛されています。
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最終更新:2025年01月19日 13:29