失望感

失望感

失望感とは、期待や希望がはずれてがっかりする気持ちを表す言葉です。


テーマとしての失望感

内面的葛藤としての失望感は、物語やキャラクター描写において重要なテーマとなることが多いです。
この感情は、キャラクターの成長や変化を促すきっかけとなり、物語に深みを与える役割を果たします。以下にその特徴や描かれ方を解説します。
1. 期待と現実のギャップ
  • 失望感は、何かに対して抱いた期待が裏切られたときに生じます
  • これには他者への期待、自分自身への期待、社会や環境への期待が含まれます
  • 例: カズオ・イシグロの『生きる』では、主人公が死を目前にして、自分の人生が空虚だったと気づく失望感から、残された時間で何か意味あることをしようと奮闘します
2. 孤独感無力感との結びつき
  • 失望感はしばしば孤独感無力感と結びつきます
  • 他者に理解されない孤独や、自分ではどうしようもない状況に直面することで深まります
  • 例: 映画『道』では、ジェルソミーナが他者との関係性における孤独と失望を抱えながらも、その中で自分の存在意義を模索します
3. 再起や新たな価値観への転換点
  • 失望感はキャラクターが成長する契機となることがあります
  • 絶望的な状況から立ち上がり、新しい価値観や目標を見出すことで物語が進展します
  • 例: 『秒速5センチメートル』では、主人公たちが互いへの想いが叶わないという失望を経験しながらも、それぞれの人生で前に進む姿が描かれています
失望感をテーマにした作品例
1. 『生きる』(黒澤明)
  • 主人公は自分の人生が無意味だったという失望感から、公園建設という具体的な目標を通じて自己実現を目指します
  • この過程で他者にも影響を与える姿が描かれています
2. 『エリカ38』
  • 主人公エリカは、父親の不倫現場を目撃したことで異性への信頼を失い、その失望感が彼女の価値観や行動に大きな影響を与えます
3. 『ぼくらの』
  • 少年少女たちが地球存亡のために戦う中で、希望と絶望の間で揺れる心情が描かれています
  • 彼らは自分たちの犠牲が本当に意味あるものなのかという問いに直面します

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最終更新:2024年12月09日 13:32