モンティ・ホール問題

モンティ・ホール問題

モンティ・ホール問題は、確率論に基づく有名な思考実験で、直感と数学的な論理が大きく対立する例として知られています。
この問題は、アメリカのテレビ番組「Let's Make a Deal」のゲーム形式に由来しています。


概要

モンティ・ホール問題の概要
  1. プレイヤーの前には3つのドアがあります
  2. 1つのドアの裏には「景品(例:車)」があり、残り2つのドアの裏には「外れ(例:ヤギ)」が隠されています
  3. プレイヤーはまず1つのドアを選びます
  4. 司会者(モンティ・ホール)は、プレイヤーが選ばなかったドアの中から必ず「外れ」のドアを1つ開けます
その後、プレイヤーは以下の2つの選択肢を与えられます:
  • 最初に選んだドアをそのまま選び続ける
  • 残ったもう1つのドアに変更する
このとき、「ドアを変更すべきか?」という問いが問題の核心です。
数学的な答え
結論として、プレイヤーは「ドアを変更するべき」です。理由は次の通りです:
最初に選んだドアが正解である確率
  • 1÷3=33.3%
最初に選ばなかった2つのドアに正解がある確率
  • 2÷3=66.7%

モンティが外れのドアを開けることで、残ったもう1つのドアには正解である確率がすべて集中します(つまり66.7%)
したがって、ドアを変更することで正解する確率は倍増します。
直感と論理の対立
多くの人は、この問題を直感的に「残った2つのドアには等しい確率(50%ずつ)で正解がある」と考えます。しかし、この直感は間違いです。モンティが「必ず外れのドアを開ける」というルールにより、ゲーム全体の確率構造が変化しているためです。この点が直感と論理が食い違う原因となっています。
モンティ・ホール問題から学べること
この問題は単なるパズル以上の意味があります。特に以下について考えるきっかけとなります:
確率と直感
  • 人間の直感は確率的な状況を誤解しやすい
情報更新
  • 新しい情報(モンティが外れのドアを開けたこと)によって確率分布が変わること
データ生成プロセスへの理解
  • データや結果だけでなく、それらがどのように生成されたかを考慮する重要性

モンティ・ホール問題は、数学や統計学だけでなく、意思決定や認知バイアスについても深く考えさせられる興味深い例です。

関連ページ

最終更新:2024年12月11日 22:54