アンラ・マンユ

アンラ・マンユ


アンラ・マンユ(Angra Mainyu、アフリマン)は、ゾロアスター教における悪神です。
この神は、善悪二元論世界観に基づき、善の神アフラ・マズダーに対抗する絶対悪として描かれています。


概要

ゾロアスター教における役割
創造と対抗
  • アンラ・マンユは、創造神スプンタ・マンユと出会い、善を選んだスプンタ・マンユに対して「悪」を選びました
  • 彼はアフラ・マズダーが創造した光の世界に対抗するため、冬や病気などの災難を生み出しました
象徴
  • 具体的な姿を持たず、現れる際にはヘビやトカゲのような爬虫類の姿を取ることがあるとされています
  • また、多くの悪魔を率いて人々の心に悪を植え付けようとします

神話と伝説
戦い
  • アンラ・マンユは、世界の終わりまでアフラ・マズダーと戦い続けるとされており、最終的には敗北すると予言されています
文化的影響
  • 古代ペルシャで信仰された多神教から派生したゾロアスター教の中で、アンラ・マンユは最古の悪神として知られています
  • この二元論的な世界観は、宗教的な敵対存在としての役割を果たしました

作品例

アンリマユ『Fate/Grand Order』

『Fate/stay night』におけるアンラ・マンユ(アンリマユ)は、直接的には登場しませんが、物語の背景において重要な役割を果たしています。
アンリマユは、聖杯戦争における「この世全ての悪」としての概念であり、聖杯の汚染源となっています。
1. 聖杯の汚染源
  • アンリマユは、第三次聖杯戦争においてアインツベルン家が召喚したサーヴァント「アヴェンジャー」の真名です
  • このサーヴァントは、すぐに敗北し、その魂が聖杯に取り込まれました
  • 彼の存在が聖杯を汚染し、「この世全ての悪」として機能することになり、以後の聖杯戦争に影響を与えました
2. 背景と起源
  • アンリマユはゾロアスター教における悪神アンラ・マンユを基にした存在ですが、『Fate』シリーズでは、ある村で生贄にされた平凡な青年がその名を押し付けられた結果として描かれています
  • 彼は「この世全ての悪」として扱われ、その結果として英霊の座に登録されました
3. 物語への影響
  • 聖杯がアンリマユによって汚染されたことで、聖杯戦争は本来の願望器としての機能を失い、呪われた力として描かれることになります
  • 『Fate/stay night』では、この汚染された聖杯が物語の重要な要素となり、主人公たちの行動に大きな影響を与えます

このように、『Fate/stay night』ではアンリマユ自身が登場するわけではありませんが、その存在が物語全体に深く関与しています。
アンリ・マユ『左門くんはサモナー』

『左門くんはサモナー』におけるアンラ・マンユ(アンリ・マユ)は、ゾロアスター教の悪神アンラ・マンユをモチーフにしたキャラクターですが、漫画内ではその設定が大きくアレンジされています。以下に、彼女の特徴や役割について説明します。
1. 外見と性格
  • 見た目は黒髪ツインテール、褐色肌、赤い瞳を持つ巨乳美少女として描かれています
  • 露出度の高い服を着ており、ツインテールのシュシュには蛇のデザインが施されています
  • 一人称は「余」で、古風かつ高貴な口調を使いますが、その性格は非常に俗っぽく、ピュアで乙女チックです
  • また「ぼっちコンプレックス」(Bコン)を抱え、友人や恋人を持つ「リア充」に強い嫉妬心を抱きつつも憧れを持つという、非常にこじれた性格をしています
2. 能力と象徴
  • 作中では「世のあらゆる災いを生んだ絶対悪にして、ゾロアスター最強の悪神」として紹介されますが、その恐ろしさとは裏腹にコミカルで人間臭い一面が強調されています
  • 特技として「大概のものに嫉妬できる」ことが挙げられており、ネガティブなものを好む一方で、声の大きい人物や明るい存在を嫌います
3. 左門召介との関係
  • 左門くんが初めて召喚した悪魔であり、その際の会話が左門くんの現在の性格形成に大きな影響を与えたとされています
  • 左門くんからは「本当に来てくれてありがとう」と純粋に感謝され、それが彼女にとって印象的な出来事となっています
アンラ・マンユとしての特徴
『左門くんはサモナー』版アンリ・マユは、ゾロアスター教で語られるアンラ・マンユ(アフリマン)の要素をベースにしながらも、大きくデフォルメされています
絶対悪としての存在
  • 物語上では「諸悪の根源」として描かれるものの、その恐ろしさはギャグ的な要素で緩和され、人間味あふれるキャラクターになっています
孤独と嫉妬
  • アンラ・マンユが象徴する「負」の感情(嫉妬や孤独)がキャラクター性に反映されており、それが彼女の行動原理となっています

『左門くんはサモナー』におけるアンリ・マユは、ゾロアスター教のアンラ・マンユという絶対悪を基にしながらも、ギャグ漫画らしいコミカルなアレンジが加えられています。彼女は「絶対悪」でありながらもピュアで乙女チックな一面を持ち、人間臭い弱さや孤独感から生まれる複雑なキャラクターとして描かれています。このギャップが彼女の魅力となり、物語全体にもユニークさを与えています。

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最終更新:2025年01月26日 18:26