ミイラ取りがミイラになる

ミイラ取りがミイラになる


この表現の由来は、古代エジプトやアラビアでミイラを取りに行った人が砂漠で遭難し、自らがミイラになってしまったという逸話に基づいています。


「騙し騙される」「裏切りの連鎖」の物語の構造

「ミイラ取りがミイラになる」をモチーフとした「騙し騙される」や「裏切りの連鎖」というテーマの構成は、主人公の意図と結果の皮肉な逆転により「破滅」の物語を作り出します。
また、この構造は観客や読者に予想外の展開を提供し、人間の行動の複雑さや意図せぬ結果の可能性を浮き彫りにする効果があります。
第一幕:設定
  • 主人公が、何らかの下心を持って他人を助ける決意をする
  • 助けられる相手の背景や状況が紹介されるが、その真の姿は隠されている
  • 主人公の行動の動機や、彼/彼女の性格的な弱点が示唆される
第二幕:展開
  • 主人公が相手を助ける行動を起こし、初めは計画通りに進む
  • 徐々に相手の本当の姿や意図が明らかになり始める
  • 主人公は自分の状況が危うくなっていることに気づき始めるが、後戻りできない
  • 相手が実は罪人であり、身代わりを求めていたことが判明する
第三幕:結末
  • 主人公は完全に罠にはまり、自分が相手の身代わりにされる立場に追い込まれる
  • 主人公の当初の下心が裏目に出て、自らの行動の結果に直面する
  • 最終的に、主人公は「ミイラ取りがミイラになる」状況に陥り、自らの意図とは正反対の結果を招いてしまう

作例

「ミイラ取りがミイラになる」構造を持ったアイデアの例です
1. 無実の罪の片棒を担ぐストーリー
  • 設定: 主人公は若手弁護士の山田。彼は名声を得るために、無実を訴える女性、鈴木の弁護を引き受ける。彼女は大企業の不正に巻き込まれたと主張している
  • 展開: 山田は鈴木を助けようと奔走するが、調査を進めるうちに、彼女が実際には不正を行った犯罪者であることに気づく。しかし、鈴木は巧妙に証拠を隠し、山田を巻き込んでいく
  • 結末: 最終的に、山田は鈴木の策略にはまり、自分が不正の片棒を担いでいたことが露見し、弁護士資格を失う。彼の下心が招いた破滅的な結末
2. 呪いに巻き込まれるストーリー
  • 設定: 主人公はオカルト好きな大学生の佐藤。友人から「呪われた家」の話を聞き、その家に住む呪われた少女、由美を助けようとする
  • 展開: 佐藤は興味本位で由美に接近し、呪いを解こうと試みる。しかし、次第に自分にも奇妙な現象が起こり始める
  • 結末: 呪いの真相を探る過程で、佐藤自身も呪われたことに気づく。最終的には由美と共に呪いから逃れられなくなり、自らも孤独な生活を送ることになる
3. 精神疾患に巻き込まれるストーリー
  • 設定: 主人公は心理学者の高橋。彼は新しい治療法を試すため、精神疾患に苦しむ患者、中村の治療を引き受ける
  • 展開: 高橋は中村の深層心理に踏み込みすぎ、中村のトラウマや妄想に共感しすぎてしまう
  • 結末: 治療が進むにつれ、高橋自身も現実と妄想の区別がつかなくなり、最終的には自らも精神的に不安定になってしまう
4. ギャンブル中毒に巻き込まれるストーリー
  • 設定: 主人公は金融アドバイザーの伊藤。彼はギャンブル中毒で借金まみれの友人、田村を助けようとする
  • 展開: 伊藤は田村を更生させようとカジノへ同行し、ギャンブル依存症について学び始める。しかし、自らもギャンブルで一攫千金を狙う誘惑に負けてしまう
  • 結末: 伊藤は次第にギャンブルに没頭し、自分自身も借金地獄へと堕ちていく。最終的には友人と共倒れとなり、全てを失う

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最終更新:2025年02月02日 17:04