インターネット依存症
インターネット依存症とは、インターネット(オンラインゲームやSNSなどを含む)の過剰使用によって、自分でコントロールができなくなり、日常生活や健康、
人間関係に支障をきたす状態を指します。
これは現代社会で増加している問題であり、特に若年層において深刻化しています。
概要
主な症状
インターネット依存症の症状は多岐にわたり、以下のような特徴があります:
- 1. コントロール不能
- インターネット使用時間を減らそうとしても失敗する
- 「あと少しだけ」というつもりが長時間続けてします
- 2. 生活への影響
- 学業や仕事、家庭生活をおろそかにする
- 睡眠不足や昼夜逆転が生じる
- 運動不足や視力低下など身体的健康への悪影響
- 3. 心理的依存
- ネットが使えないと不安やイライラを感じる(禁断症状)
- ネット以外の活動に興味を持てなくなる
- 4. 社会的問題
- 家族や友人とのコミュニケーションが減少
- 現実世界での人間関係よりもネット上の関係を優先する
- 5. 経済的問題
- 課金型ゲームやオンラインショッピングで多額の出費や借金を抱えるケースもある
原因
インターネット依存症の原因は複合的であり、以下が挙げられます:
- 1. 脳内報酬系の影響
- インターネット使用時に分泌されるドーパミン(快楽物質)が依存形成を助長します
- これにより、ネット使用が止められなくなる悪循環に陥ります
- 2. 心理的要因
- ストレス、不安、[]孤独感]]からの逃避手段としてネットに依存する
- 自己肯定感の低さや対人関係の苦手意識が背景にある場合もあります
- 3. 環境要因
- スマホやPCなどインターネット接続機器への容易なアクセス
- 家族内でのルール不足や親の管理が不十分な場合
診断基準
ICD-11(国際疾病分類)では、「ゲーム障害」として正式に認定されています。診断基準には以下が含まれます:
- ネット利用が生活の最優先事項になる。
- ネット利用を減らす試みが失敗する。
- ネット利用による心理的・社会的問題が1年以上継続している
治療法
インターネット依存症は専門的な治療を必要とする場合があります。以下が主な治療法です:
- 1. 認知行動療法(CBT)
- ネット使用のトリガーとなる状況や感情を特定し、それに対処するスキルを学びます
- 2. 生活リズムの再構築
- 規則正しい生活習慣を取り戻し、ネット以外の活動(趣味や運動)を増やします
- 3. 家族療法
- 家族全体で対応策を話し合い、一貫したルール設定とサポート体制を構築します
- 4. 専門医療機関での治療
- 外来診療、カウンセリング、デイケアプログラムなどが提供されており、重度の場合は入院治療も検討されます
- 5. ネット依存キャンプ
- 一時的にネットから離れる体験型プログラム
- 自然環境下でグループ活動を通じて新たなストレス対処法を学びます
予防策
- インターネット使用時間を明確に制限する
- 家族間でルールを共有し、一貫性ある対応を取る
- 子どもの場合は、ゲーム開始年齢を遅らせたり、他の活動(スポーツや読書)への興味を促進する
インターネット依存症は、現代社会特有の問題として注目されています。適切な診断と治療によって回復可能ですが、早期発見と予防が重要です。家族や専門家と連携しながら、ネットとの健全な付き合い方を模索することが求められます。
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最終更新:2025年01月05日 14:21