ヴァルキリー
ヴァルキリー(またはヴァルキュリヤ、ワルキューレ)は、
北欧神話に登場する女性的な戦士であり、「戦死者を選ぶ者」(古ノルド語で「valkyrja」)として知られています。(→
武装戦闘少女)
彼女たちは主神
オーディンに仕え、戦場での死者の運命を決定し、魂を
ヴァルハラへ導く役割を担っています。その存在は、北欧神話における運命、勇気、死後の
世界観と深く結びついています。
概要
ヴァルキリーは北欧神話において重要な存在であり、戦場と死後の世界を結ぶ役割を果たします。
彼女たちは運命や勇気の象徴として描かれる一方、人間との関わりや感情的な物語も多く含まれています。
ヴァルキリーの役割
- 1. 戦死者の選別と導き
- ヴァルキリーは戦場に現れ、戦士たちの中から勇敢に戦って死んだ者を選びます
- 選ばれた魂はオーディンの館「ヴァルハラ」に送られます。ここで彼らは「エインヘリャル」となり、ラグナロク(終末の日)に備えて訓練を行います
- 2. ヴァルハラでの役割
- ヴァルハラでは、ヴァルキリーはエインヘリャルに蜜酒(ミード)を振る舞い、宴を盛り上げる給仕役も務めます
- 3. 運命の織り手
- ヴァルキリーは戦士たちの運命を織る存在としても知られています
- 彼女たちはオーディンの意志に基づき、次の戦争で誰が勝つかや敗れるかを決定します
外見と能力
- 外見
- ヴァルキリーは美しく力強い女性として描かれ、鎧や兜を身につけ、槍や剣を持っています
- 馬に乗って空を駆ける姿や、白鳥やカラスと結びついた描写もあります
- 白鳥の羽衣を持つ乙女として描かれることもあり、この羽衣を奪われると人間界に留まらざるを得なくなるという伝承もあります (→羽衣伝説)
- 能力
- 戦場で生死を司るだけでなく、形態変化(白鳥など)や魔法的な力を持ちます。また、戦闘技術にも優れています
神話上のエピソード
- 1. ブリュンヒルド
- 有名なヴァルキリーの一人ブリュンヒルドは、『ヴォルスンガ・サガ』や『古エッダ』に登場します
- 彼女はオーディンの命令に背いたため、人間界へ追放され眠り続ける罰を受けますが、英雄シグルズによって目覚めさせられる物語が語られています
- 2. スヴァーヴァとヘルギ
- スヴァーヴァというヴァルキリーが英雄ヘルギと恋仲になり、彼を助けて戦いで勝利させたという物語があります
- このように、人間との恋愛関係が描かれることも多いです
- 象徴性と文化的影響
- ヴァルキリーは北欧文化において、「勇気」「名誉」「運命」の象徴として重要視されました
- 現代では文学や映画、ゲームなどで頻繁に取り上げられ、そのイメージは「強く美しい女性」や「守護者」として広がっています
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最終更新:2025年01月12日 16:07