白雪姫
白雪姫は、グリム兄弟による『グリム童話』に収録された有名な物語で、西洋の民話に基づいています。
この物語は、邪悪な継母や魔法の鏡、毒リンゴ、そして七人の小人など、象徴的な要素を持つファンタジーであり、多くの読者に愛されています。
概要
『白雪姫』は、美しさへの執着や
嫉妬心、
人間関係の善悪など普遍的な
テーマを扱った物語です。
そのシンプルながらも奥深いストーリー構造と象徴的なキャラクターたちは、多くの文化作品や解釈に影響を与え続けています。
白雪姫のあらすじ
- 1. 誕生と美しさ
- 冬の日、雪の降る窓辺で裁縫をしていた王妃が、指を針で刺して血を落とします
- その血を見て、「この雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪を持つ子が欲しい」と願います
- 願い通りに美しい娘が生まれ、「白雪姫」と名付けられます。しかし王妃は間もなく亡くなり、王は新しい王妃(継母)を迎えます
- 2. 継母の嫉妬
- 継母は魔法の鏡を持ち、「この世で一番美しいのは誰?」と尋ねる習慣があります
- 鏡は「あなたです」と答えていましたが、白雪姫が成長すると「白雪姫が一番美しい」と答えるようになります
- 嫉妬に狂った継母は白雪姫を殺そうと計画し、狩人に命じて彼女を森へ連れ出し殺すよう命じます
- 3. 七人の小人との生活
- 狩人は白雪姫を殺せず逃がし、彼女は森で迷った末に七人の小人が住む家にたどり着きます
- 小人たちは彼女を歓迎し、一緒に暮らすことになります
- 4. 継母の執念
- 継母は変装して白雪姫を殺そうと何度も試みます
- 最初は締め紐で彼女を窒息させようとします
- 次に毒入りの櫛で彼女を毒殺しようとします
- 最後に毒リンゴを使い、ついに白雪姫を昏睡状態に陥れます
- 5. 王子との出会いと目覚め
- ガラスの棺に入れられた白雪姫は、小人たちによって守られていました。そこへ通りかかった王子が彼女の美しさに魅了されます
- 王子が棺を運ぼうとした際、揺れによって喉につかえていた毒リンゴが外れ、白雪姫は目覚めます
- 二人は結婚し、邪悪な継母には厳しい罰が与えられます
物語の象徴的な要素
- 1. 魔法の鏡
- 真実しか語らない鏡は、美や自己認識への執着を象徴しています
- 2. 毒リンゴ
- 誘惑や裏切りの象徴として登場するアイテム。見た目は美しいものの、中身には危険が潜んでいます
- 3. 七人の小人
- 労働者や庶民階級を象徴するとも言われ、小さな家族的共同体として描かれています
- 4. ガラスの棺
- 純粋さや永遠性、美しさへの執着など、多くの解釈が可能です
テーマと教訓
- 嫉妬と欲望
- 継母の嫉妬心とその結果生じる破滅的な行動が物語全体を動かしています
- 純真無垢さ
- 白雪姫自身の純粋さや善良さが、小人たちや王子から愛される理由として描かれています
- 正義と因果応報
- 継母には最後に罰が下されることで、「悪事は必ず報われる」という教訓が示されています
文化的影響
- 1. ディズニー版『白雪姫』(1937年)
- 世界初の長編アニメーション映画として制作され、大成功を収めました
- この映画によって「白雪姫」の物語は世界中で広く知られるようになりました
- ディズニー版では、小人たちに個別の名前(例: ドック、グランピー)が付けられるなど、新たな要素も追加されています
- 2. 現代作品への影響
- 映画『スノーホワイト』(2012年)や『スノーホワイト/氷の王国』(2016年)など、多くのリメイクや再解釈作品があります
- 白雪姫というキャラクター自体が「純粋さ」や「美」の象徴として多くのフィクションで引用されています
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最終更新:2025年01月16日 12:25