インサイダー
脚本術における「インサイダー」という
キャラクターの役割は、物語の中で特定の情報や視点を提供し、
プロットを動かす重要な要素として機能します。
この役割は、観客や読者に対する情報の提示方法や物語の緊張感を高めるために用いられることが多いです。
概要
脚本術における「インサイダー」の特徴と役割
- 1. 情報提供者としての役割
- インサイダーは、物語の進行に必要な重要な情報を知っているキャラクターです
- 彼らが持つ情報は、主人公や他のキャラクターが目標を達成するための鍵となることが多く、プロットを推進する役割を果たします
- 2. 物語の緊張感を高める
- インサイダーはその情報を隠したり、小出しにしたりすることで、観客や読者に対して「何が起きるのか?」という疑問や期待感を生み出します
- この手法は、特にサスペンスやミステリー作品で効果的です
- 3. 複雑なキャラクター性
- インサイダーは単なる情報提供者ではなく、しばしば二重スパイや裏切り者として描かれることがあります
- このような設定は、物語における対立や葛藤を深め、キャラクター間の関係性を複雑化させます
- 4. 観客との視点の共有
- インサイダーは観客や読者と同じ視点に立つことが多く、その視点から物語を展開させることで、共感や没入感を高めます
- 例えば「真実を知っているが、それをどう伝えるべきか」というジレンマが描かれることもあります
脚本構造における位置づけ
- 1. プロットポイントでの活用
- インサイダーは「インサイティング・インシデント」(物語を動かすきっかけ)や「プロットポイント」(物語の転換点)で重要な役割を果たします
- 彼らが提供する情報がストーリー全体の流れを変えるきっかけとなることがあります
- 2. テーマとの関連
- インサイダーはしばしば物語のテーマと密接に結びついています
- 例えば「真実とは何か」「信頼とは何か」といったテーマがインサイダーの行動や選択によって掘り下げられることがあります
- :3. キャラクターアークへの影響
- 主人公や他のキャラクターの成長(キャラクターアーク)にも影響を与えます
- インサイダーとの関わりによって主人公が新たな視点を得たり、自分自身や他者について深く理解したりする展開がよく見られます
具体例
- 映画『JFK』では、「インサイダー」として内部情報を持つキャラクターが真相解明に寄与しつつも、緊張感と謎を維持します
- ミステリー作品では、「誰が味方で誰が敵なのか」という不確実性を生むためにインサイダー的なキャラクターが配置されることがあります(例:『容疑者Xの献身』)
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最終更新:2025年01月16日 12:11