提灯お化け
提灯お化け(ちょうちんおばけ)は、日本の
妖怪の一種で、古い提灯が妖怪化した存在です。
概要
提灯お化けの特徴
- 外見
- 古い提灯が上下に割れ、その割れた部分が口となり、長い舌を出している姿が一般的です
- 上半分には一つ目、または二つの目が描かれることが多く、場合によっては顔や手、体、翼が生えていることもあります
- 種類
- 提灯の形状もさまざまで、小田原提灯型や桶型など、地域や時代によって異なる描写が見られます
- 起源と歴史
- 提灯お化けは江戸時代以降に広まった妖怪で、草双紙やおもちゃ絵、お化けかるたなどにその姿が描かれています
- また、明治・大正時代以降も子供向けの妖怪関連書籍やお化け屋敷の演出などで親しまれてきました
- 鳥山石燕の『百器徒然袋』には「不落不落(ぶらぶら)」という名称で提灯型の妖怪が描かれており、これが提灯お化けの一例とされています
- 伝承と物語
- 提灯お化けは地域に根付いた具体的な伝承は少なく、「絵画上でのみ存在する妖怪」とされることもあります
- 山形県では古びた提灯がある神社に現れる話が伝わり、提灯を片付けると現れなくなったという昔話があります
- このように、「古い道具に魂が宿る」という付喪神(つくもがみ)の概念とも関連しています
- 一方で、水木しげるの著書では、人を驚かして魂を吸い取るという話も描かれていますが、このような物語は創作要素が強いとされています
- 文化的背景と影響
- 提灯お化けは傘化けと並ぶ器物妖怪の代表格であり、日本文化における「物への畏敬」や「古いものへの恐れ」を象徴しています
- また、歌舞伎『東海道四谷怪談』では、お岩の霊が提灯から現れる演出(「提灯抜け」)が使われており、この影響で「提灯お岩」という形でも知られています
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最終更新:2025年01月14日 08:55