ぬらりひょん
ぬらりひょんは、日本の
妖怪の一つで、時代や地域によって異なる特徴や伝承を持つ存在です。
概要
伝承と特徴
- 1. 江戸時代以前の起源
- ぬらりひょんのルーツには諸説あり、室町時代の禅画「瓢鮎図(ひょうねんず)」に関連付けられることがあります
- この絵は「瓢箪で鯰を押さえる」という捉えどころのなさを象徴しており、ぬらりひょんの性質と重なる部分があります
- 江戸時代には『百鬼夜行絵巻』や鳥山石燕の『画図百鬼夜行』などに描かれ、大きな禿げ頭の老人として登場します
- 着物や袈裟をまとった姿が一般的で、その素性や意図は不明とされています
- 2. 地域ごとの伝承
- 岡山県: 瀬戸内海で目撃された球状の妖怪として伝えられ、人間の頭ほどの大きさで、「ぬらり」と手をすり抜け、「ひょん」と浮かび上がる動作から名付けられたとされています。この伝承ではクラゲやタコが妖怪視された可能性も指摘されています
- 秋田県: 百鬼夜行に登場する妖怪として記録されていますが、具体的な描写は少ないです
- 3. 現代的な解釈
- 昭和・平成以降、ぬらりひょんは「家に勝手に上がり込み、自分の家のように振る舞う妖怪」として知られるようになりました。家人はその存在を不思議と思わず、追い出すこともできないという特徴が付与されています
- また、「妖怪の総大将」として扱われることもありますが、これは後世の創作や解釈によるもので、歴史的な根拠は薄いとされています
- 名前の由来
- 「ぬらり」は滑らかな様子、「ひょん」は奇妙さや意外性を表す言葉とされ、これらを組み合わせて「つかみどころがない」妖怪として命名されたと考えられています
- 文化的影響
- ぬらりひょんは多くの作品で取り上げられています
- 特に水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』では「日本妖怪の総大将」として登場し、その知名度を大きく広げました
- 他にも、『地獄先生ぬ〜べ〜』や『GANTZ』など、現代作品でもさまざまな形で再解釈されています
関連ページ
最終更新:2025年01月14日 09:13