巻き込まれ型ヒーロー

巻き込まれ型ヒーロー


「巻き込まれ型ヒーロー」とは、主人公が物語の冒頭で自分の意志とは関係なくトラブルや大きな出来事に巻き込まれるものの、その過程で内面的な成長を遂げ、最終的には積極的に状況を変える存在へと変化するキャラクターを指します。(→ポジティブなアーク)
このキャラクターアークのヒーローは、最初は受動的な立場にありますが、物語が進むにつれて能動的な行動を取るようになり、成長と変化を遂げます。


概要

ポジティブなアークにおける巻き込まれ型ヒーローは、「受動的」から「能動的」への変化が物語全体の中心となります。
最初は未熟で恐怖心や迷いを抱えた状態からスタートするものの、試練や困難によって内面的な成長を遂げ、自ら選択し行動する強い人物へと変化します。このタイプのヒーローは、「人間は困難によって成長できる」「自分自身で運命を切り開くことができる」という希望的なメッセージを伝える役割を担っています。
巻き込まれ型ヒーローの特徴
1. 受動的なスタート
  • 主人公は物語開始時点で、自分の意志とは無関係に事件やトラブルに巻き込まれます
  • 最初は状況に流されるだけで、自分から行動を起こすことができない受動的な立場にいます
  • 例: 普通の日常生活を送っていたところ、突然異世界に召喚される、あるいは大事件に巻き込まれる
2. 未熟さや欠点
  • 巻き込まれ型ヒーローは、多くの場合、物語開始時点では未熟で、自信がなかったり、恐怖心や迷いを抱えていたりします
  • 彼らの欠点や弱さが、物語全体を通じて克服されるべき課題となります
3. 試練を通じた成長
  • 主人公は巻き込まれた状況の中で試練や困難に直面します
  • これらの試練は、彼らが自分自身を見つめ直し、新たなスキルや視点を得るきっかけとなります
  • 試練を乗り越えることで、主人公は次第に自信と勇気を身につけます
4. 能動的な行動への移行
  • 物語が進むにつれて、主人公は受動的な立場から脱却し、自ら積極的に状況を変えるための行動を取るようになります
  • 最終的には、自分自身の選択によって運命や世界を変える存在へと成長します
5. 周囲への影響
  • 主人公が成長する過程で、その変化が周囲にもポジティブな影響を与えます
  • 仲間や敵対者に感化を与えたり、世界全体に良い変化をもたらすことがあります

巻き込まれ型ヒーローのテーマ
巻き込まれ型ヒーローは、多くの場合以下のテーマと結びついています:
1. 自己発見
  • 自分自身が持つ力や可能性に気づく
2. 責任感
  • 自分の行動が周囲や世界に影響することを理解し、それに責任を持つようになる
3. 挑戦と克服
  • 困難や恐怖に立ち向かうことで成長する
4. 選択と自由意志
  • 最初は状況に流されていた主人公が、自ら選択する力を得る

巻き込まれ型ヒーローの例
1. フロド・バギンズ『ロード・オブ・ザ・リング』
  • 平凡なホビットだったフロドは、一つの指輪という大きな運命に巻き込まれます
  • 最初は恐怖しながらも旅を続ける中で勇気と責任感を身につけ、最終的には中つ国全体の未来を背負う存在へと成長します
2. カタリナ・クラエス『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』
  • 異世界転生という突然の出来事に巻き込まれたカタリナは、「破滅フラグ」を回避しようと奔走します
  • 最初は自己保身が目的でしたが、その過程で周囲との絆を深め、人々にポジティブな影響を与える存在へと変わります
3. ハリー・ポッター『ハリー・ポッター』シリーズ
  • 魔法界という未知の世界に突然引き込まれたハリーは、当初は戸惑いや不安を抱えます
  • しかし試練や仲間との絆を通じて、自身の使命感と勇気を見出し、ヴォルデモートとの戦いへと立ち向かいます
4. 碇シンジ『新世紀エヴァンゲリオン』
  • エヴァンゲリオン操縦者として突然戦いへ巻き込まれたシンジは、自信や意志の弱さと葛藤しながらも、自分自身と向き合い成長していく姿が描かれています

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最終更新:2025年01月31日 22:54