フルコミット
「フルコミット」は、ビジネスシーンで使われる言葉で「最大限に責任を持って取り組む」「全力で結果を出すことを約束する」という意味です。
英語の "full" と "commitment" を組み合わせた和製英語で、英語のビジネスシーンではあまり通じない場合もあります。
フルコミットが生み出す閉塞感
フルコミット(完全な没頭・献身)を強制する強迫観念が
閉塞感を生むメカニズムは、以下の4つの側面から説明できます。
- 1. 選択肢の喪失と柔軟性の欠如
- 「フルコミットしなければ成功しない」という強迫観念は、他の可能性や代替手段を排除します
- 例えば「会社にフルコミットしている状態」が依存を生み、トラブル発生時に「逃げ道がない」状況に追い込まれると指摘されています
- → 結果的に「失敗が許されない」というプレッシャーが、心身の疲弊と閉塞感を加速させます
- 2. 自己欺瞞による現実逃避
- 「自分はこれしかできない」と無理に思い込むことで、本当の欲求や限界を見失います
- 「できない理由を探す思考回路」が働き、自己批判や現状維持に陥りやすくなります
- → 例:成果が出ない時に「努力不足」と自己責めし、休息や戦略変更を考えられなくなる
- 3. 完璧主義による疲弊
- 「100%の結果を出さねばならない」という強迫観念は、「自己効力感の低さ」と連動します
- 不完全な自分を受け入れられず、「50%の達成」を「失敗」とみなすことで、常に不足感に苛まれます
- → 例:管理職が部下にミスを全て自分の責任と感じ、燃え尽き症候群に至るケース
- 4. 社会的圧力の内面化
- 「周囲の期待に応えなければ」という意識が、「達成動機」と結びつき、他者評価に依存した行動を生み出します
- これが「自分の意思」ではなく「外部の基準」で生きる状態を固定化します
- → 例:ブラック企業で「休まず働くことが美徳」とされ、体調不良を隠して無理を続ける社員
フルコミットの強迫観念は、「選択肢の狭さ」「自己欺瞞」「
完璧主義」「社会的
同調圧力」が相互作用し、個人を「出口の見えない檻」に閉じ込めます。
解決には、「不完全な自分を受け入れる」姿勢や、「前向きなチャレンジ精神」が鍵となります。特に「50%の達成でも次への一歩と認める」という発想の転換が、
閉塞感からの脱出を促します。
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最終更新:2025年05月05日 17:03