特殊詐欺
特殊詐欺とは、電話やはがき、インターネットなどを通じて、親族や公共機関の職員などを名乗る人物が被害者を信用させ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、ATMを操作させて送金させたりする
犯罪行為です。
オレオレ詐欺や還付金詐欺、架空料金請求詐欺などが代表例であり、被害者は「自分は大丈夫」と思い込んでいると、巧みな手口によって判断力を鈍らされ、被害に遭うケースが多いと指摘されています。
概要
- 1. 定義
- 特殊詐欺とは、電話やメール、SNS、インターネットなどの通信手段を悪用して、被害者をだまして金銭や財産をだまし取る犯罪の総称です。被害者の心理的不安や信頼関係を利用し、直接的な暴力ではなく「言葉と演出」で資産を奪う点が特徴です。
- 2. 主な手口
- オレオレ詐欺: 犯人が子どもや親族を装い「事故を起こした」「借金を返さなければならない」などと偽り、現金を振り込ませたり、直接受け取りに行ったりする手口
- 架空料金請求詐欺: 「未払い料金があります」「有料サイトの利用料が発生しています」といった嘘の請求を行い、振り込みを迫る
- 還付金詐欺: 市役所や年金機構を名乗り「医療費の還付があります」とだまして、ATMから振り込ませる
- 金融商品詐欺・投資詐欺: 株式や暗号資産、未公開株などを持ちかけ、実体のない投資話で金銭を奪う。
- キャッシュカード詐欺盗: 警察官や銀行員を装って「カードが不正利用されています」と偽り、キャッシュカードを預かるといって盗み取る
- 3. 犯行グループの構造
- 指示役(リーダー):全体の計画を立てる
- かけ子:被害者に電話をかけ、だます役
- 受け子:現金やカードを直接受け取る役
- 出し子:盗んだカードで現金を引き出す役
- 口座・携帯提供者:犯罪に利用する口座や通信手段を準備する。
- → 犯罪は分業制・組織的に行われるのが一般的です。
- 4. 被害の実態
- 被害者は高齢者が多く、孤独や不安を利用されやすい
- 日本全国で年間数百億円規模の被害が発生
- 被害金は暗号資産や闇ルートで海外に送金されることも多い
- 5. 社会的影響と対策
- 影響:高齢者の生活資金を奪い、家族関係や地域社会に不安をもたらす
- 対策:
- 警察による注意喚起(自動通話録音機の配布など)
- 銀行ATMでの高額振込制限
- 電話番号通知・迷惑電話対策機能の活用
- 家族間の合言葉設定
事例:違法サイトを利用した特殊詐欺の全体像
入口となる「違法・アダルトサイト」では以下のことを行います。
- 無料視聴・違法ダウンロード・アダルト動画などを装ったサイト
- ユーザーが「クリック」や「会員登録」「ソフトのインストール」をすると、詐欺の入口になる
主な手口としては以下のものがあります。
- (1) フィッシング詐欺
- 「会員登録が必要」「成人認証」などを口実に、メールアドレス・電話番号・クレジットカード情報を入力させる
- 入力された情報を基に、口座不正利用や追加詐欺に利用される
- (2) 偽の会員登録・架空請求
- 「登録完了しました。利用料○万円を支払ってください」と虚偽の請求画面を表示
- 「支払わないと法的措置」「会社や家族に連絡する」など脅迫的な文言を使い、金銭を振り込ませる
- (3) マルウェア・ランサムウェア感染
- 動画再生用の「専用ソフト」や「コーデック」を装ってマルウェアをインストールさせる
- 感染するとPCやスマホのデータを暗号化 → 身代金を要求(ランサムウェア)
- カメラや位置情報を乗っ取り、個人情報を収集
- (4) 個人情報の搾取
- フィッシングやマルウェアを通じて、連絡先やSNSアカウントを盗み出す
- その情報を基に「家族や職場にバラす」と脅迫し、金銭を要求
- (5) 警察官や公的機関を装う
- 「警察サイバー犯罪対策課」「消費者庁」などを名乗り、「未払い料金がある」「逮捕状が出ている」と脅す
- 架空請求に“公的機関の権威”をかぶせて信じ込ませる手法
犯罪の特徴には以下のものがあります。
- 心理的弱みの悪用
- アダルトサイト利用 → 「家族や会社に知られたくない」という羞恥心を突かれる。
- 多段階構造
- 登録 → 請求 → 脅迫 → 偽警察官 → 振り込み … と段階的に圧力を強める
- 組織的詐欺
- 架空請求、闇金、ランサムウェア配布など複数の犯罪グループが連携していることもある
- 被害に遭いやすい層
- スマホやPCリテラシーが低い人
- 違法・無料コンテンツを探してアクセスした人
- 高齢者や未成年など、恐怖に弱く判断力が落ちやすい人
- 防止策
- 違法・不審なサイトにアクセスしない(アダルトの無料DL・違法動画などは特に危険)
- 不審な登録・請求は無視: 正規の企業は「急いで払え」「逮捕」などと脅すことはない
- セキュリティ対策: OSやセキュリティソフトを常に更新。不審なアプリを入れない
- 被害に遭ったら: 個人で対応せず、消費者ホットライン(188)や警察(#9110)に相談
- まとめ
- アダルトサイトなどの「後ろめたさ」を利用し、フィッシング・架空請求・マルウェア感染・脅迫を組み合わせた特殊詐欺が多発している
- 「家族や警察に知られる」ことを恐れる心理を突かれ、冷静な判断を失いがち
- 根本的な対策は 違法サイトを利用しないこと、そして 脅しに屈せず無視・相談すること が重要
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最終更新:2025年08月30日 22:04