忍術
忍術の進化
忍術は、フィクションの中で時代とともに進化してきました。
- 1. 江戸時代
- 初期の忍者小説では、忍者は超自然的な技を操る怪しい存在として描かれ、多くの場合悪役でした。
- 2. 近代
- 司馬遼太郎の『梟の城』(1958年)では、忍者を「無償の精神に徹し、おのれの技法に自己陶酔することのみに生き甲斐を感じる特異な職業集団」として現代的な感覚で描きました。
- 3. 現代
- 山田風太郎の忍法帖シリーズ(1959年~)では、奇想天外な忍術が用いられ、「忍法」という言葉が定着しました。
代表的な忍術
フィクションでよく見られる忍術には以下のようなものがあります:
- 分身の術: 超高速で動き、複数の自分を見せかける
- 変わり身の術: 丸太などを自分に見せかけ、敵の目を欺く
- 空蝉の術: 攻撃を受けた瞬間に衣服だけを残してかわす
- 微塵隠れ: 地面に隠れ、爆薬で敵を攻撃する
忍術の特徴
- 超人的能力: 山田風太郎の作品では、忍者は破天荒な技能である「忍法」を駆使します
- 修行と素質: 忍法の会得には、忍者としての素質と厳しい修行、そして強い意志が必要とされます
- 遺伝的要素: 一部の作品では、近親者同士の血を掛け合わせることで、遺伝による忍法の創造が描かれています
- 科学的説明: 五味康祐の『柳生武芸帳』では、忍具を具体的に紹介し、忍術を合理的・科学的に描写しました
忍術と物語展開
- 典型的なシナリオ: 「忍者が忍術を用いて、貴重なものを盗み戻す」という展開が、忍者小説の典型的なパターンとなっています
- 歴史との融合: 山田風太郎の作品では、虚構によって歴史を捉え直すアプローチが取られています
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最終更新:2025年01月26日 17:08