千引の石(ちびきのいし)
千引の石(ちびきのいし)は、
日本神話に登場する巨大な岩で、
黄泉の国(死者の国)と現世を隔てる象徴的な存在です。
この石は『古事記』や『日本書紀』において、
イザナギが
黄泉の国から逃げ帰る際、
黄泉比良坂(よもつひらさか)で黄泉の入り口を塞ぐために用いたとされています。
千引の足の概要
- 大きさ
- 千引の石は「千人でやっと動かせるほどの大きな岩」とされ、非常に巨大な石として描かれています
- 役割
- この石は、黄泉の国と現世を分断するために使われ、生者と死者の世界を隔てる境界として機能しました
- イザナギはこの石を使って黄泉比良坂を塞ぎ、死者が現世に戻ってくることを防ぎました
- 神話的な意味
- 千引の石は、単なる物理的な岩以上に、死と生の境界を象徴する存在です
- また、この石を挟んでイザナギとイザナミが最後の別れを交わし、イザナミは「一日に千人殺す」と告げ、それに対してイザナギは「一日に千五百の産屋を建てよう」と応じました
- これによって、人間が日々死ぬ一方で、新たな命が生まれるというサイクルが確立されたとされています
- 場所
- 伝承によれば、千引の石が置かれた黄泉比良坂は現在の島根県松江市東出雲町揖屋付近にあるとされます
- この地には「千引きの磐座」と呼ばれる岩も存在します
- 象徴的意味
- 千引の石は、死者が現世に戻らないようにする結界として機能するだけでなく、生者と死者が対話する場でもありました
- この神話から、お墓に石を置く文化や、石が霊的な力を持つという信仰にも繋がっていると考えられています
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最終更新:2025年01月12日 19:21