トイレの花子さん

トイレの花子さん


トイレの花子さんは、日本の学校にまつわる怪談や都市伝説の代表的な存在で、学校のトイレに現れる少女の霊として知られています。


トイレの花子さんの概要

外見
  • 赤い吊りスカートや白いワイシャツを着た姿が最も有名
  • おかっぱ頭の女の子として描かれることが多い
  • 小学校低学年程度の幼い少女として語られることが一般的
出現場所
  • 学校のトイレ、特に3階の女子トイレや3番目の個室に出現するという話が多い
  • 地域によっては男子トイレや別の階で現れるというバリエーションもあります
呼び出し方
  1. トイレの3番目の個室を3回ノックする
  2. 「花子さん、いらっしゃいますか?」または「花子さん、遊びましょ」と呼びかける
  3. 個室から「はい」と返事が聞こえるとされる
地域によっては「3回まわる」「特定の時間帯に行う」など細かいルールが追加される場合もあります。

噂に見る背景とルーツ

花子さんの正体に関する説
  • 「休日に学校で遊んでいた少女が変質者に追われ、トイレに隠れたが殺害された」
  • 「父親から虐待を受けた少女で、おかっぱ頭はその時の傷を隠すため」
  • 「福島県で図書館から落ちて亡くなった少女」
  • 「汲み取り式便所に落ちて死亡した小学生」
  • 「交通事故で亡くなった少女が霊となり木に住み着いた(柿の木の上の花子さん)」
これらは地域や時代によって異なるため、特定の起源は明確ではありません。
歴史的背景
  • 1950年代頃から「三番目の花子さん」という怪談が語られており、これが原型とされています。
  • 1980年代以降、「口裂け女」や「人面犬」と並ぶ全国的な都市伝説となり、1990年代には映画や漫画などでも頻繁に取り上げられました。
花子さんとの遭遇後
  • 花子さんと遭遇すると、「遊びましょ」と誘われます。遊び内容によっては命を奪われるケースもあります(例: 首吊りごっこ)。
  • 一部では、「100点満点の答案」を見せると撃退できるという話もあります。
文化的背景
  • 江戸時代から昭和初期まで続いた「厠神(かわやがみ)」信仰との関連性が指摘されています
  • 厠神には赤や白い人形を供える風習があり、花子さんの赤いスカートや名前「花子」はこの風習から来ている可能性があります

地方ごとのバリエーション

花子さんには地域ごとにさまざまな派生や特徴があります。
1. 山形県
  • 花子さんは体長3メートルの大トカゲで、女の子の声で油断させて相手を襲う
2. 神奈川県横浜市
  • 男子トイレには「ヨースケさん」がいて、呼び出すと殺されるという話もある
3. 兵庫県
  • トイレには花子さん一家(父、母、妹、弟)がいて、それぞれ別々の個室にいる
4. 大阪府
  • 花子さんを呼ぶと標準語で「危ないわね、やめなさいよ」と返事をする


作品例

『花子さんがきた』

「花子さんがきた」は、トイレの花子さんをモチーフにした児童向け作品で、森京詞姫による児童小説およびアニメーションシリーズです。
この作品は、1994年にフジテレビ系列の「ポンキッキーズ」内でコーナーアニメとして放送され、その後2010年には新シリーズ「学校のコワイうわさ 新・花子さんがきた!!」がキッズステーションで放送されました[2]。
主人公・花子さん
  • 伝説の「トイレの花子さん」をモデルにしたキャラクターですが、原作の怖いイメージとは異なり、困っている人々を助ける正義の味方として描かれています
  • 悪霊や妖怪に悩まされている人間を救う役割を担い、依頼者と直接関わらずに助けることもあります
  • ただし、すべての依頼者を助けるわけではなく、犠牲者が出る話もあり、その場合は被害者の自業自得であることが多いとされています
呼び出し方法
  • 初期設定では、「街外れのごみ置き場にある古びた電話ボックスから『875』とダイヤルする」ことで花子さんを呼び出せます
  • 新シリーズでは、「チューリップの絵を書いた封筒を枕元に置く」という方法に変更されています
必殺技
  • 「ユーレイしばりアップリケ」という技を使い、敵である悪霊や妖怪を封じ込めます
  • チューリップ型のアップリケを敵に投げつけ、「闇の世界に戻りなさい!」という呪文を唱えることで対処します
  • また、ハーモニカのメロディで悪霊を落ち着かせる能力も持っていますが、この技はアップリケほど強力ではありません
作品のテーマと影響
  • 子どもたちに恐怖と共に教訓的な要素を与える内容が含まれており、「知らない人から物をもらわない」「自業自得には注意する」といったメッセージ性があります
  • 主題歌やストーリー展開が視聴者に強い印象を与え、一部ではトラウマになるほど恐れられるエピソードも存在します
関連情報
「花子さんがきた」は、単なる怪談やホラー要素だけでなく、人助けや教訓的な内容を含む独特な作品です
  • 元となった「トイレの花子さん」の都市伝説とは異なる方向性でアレンジされており、児童向けながら深みのある物語として親しまれています

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最終更新:2025年02月02日 19:02