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その日は激しい雨が降りしきる夜だった。そんな中、青年は外へ出ようと身支度をしていた。
身支度を整え外へと出ようと玄関のドアノブに手をかけた時、後ろから声を投げ掛けられる。
「お兄ちゃんどこへ行くの?」
振り替えれば桃色の髪が特徴的な少女がいる。少女はどこか不安そうな目で青年、自身の兄を見つめる。
それに対し、兄はフッと微笑んで妹の頭に手をポンと起き優しく撫でる。
「ちょっと外せない用事があってな。安心しろ。すぐに戻ってくる。」
そう言うと兄は振り返って玄関を開け、外へ出る。
「良い子で待ってるんだぞ。龍香。」
そのまま兄は雨が降りしきる暗闇の中へと消えていった。
そして兄はそれっきりこの家に帰って来ることはなかった。
身支度を整え外へと出ようと玄関のドアノブに手をかけた時、後ろから声を投げ掛けられる。
「お兄ちゃんどこへ行くの?」
振り替えれば桃色の髪が特徴的な少女がいる。少女はどこか不安そうな目で青年、自身の兄を見つめる。
それに対し、兄はフッと微笑んで妹の頭に手をポンと起き優しく撫でる。
「ちょっと外せない用事があってな。安心しろ。すぐに戻ってくる。」
そう言うと兄は振り返って玄関を開け、外へ出る。
「良い子で待ってるんだぞ。龍香。」
そのまま兄は雨が降りしきる暗闇の中へと消えていった。
そして兄はそれっきりこの家に帰って来ることはなかった。
ー二年後ー
キーンコーンと学校のベルが鳴る。そのベルを合図に教師は「気をつけて帰りなさい」とよく聞く軽い注意をして教室を後にする。
そして教師が教室からいなくなると今度は生徒達が「放課後どこ行く?」「どこか遊びに行こうか」「宿題なんだっけ」と騒がしくなる。
そんな喧騒の中、一人の黒髪の女子生徒が帰り支度をしている桃色の髪をポニーテールにまとめている女子生徒に話し掛ける。
「ねぇ龍香。一緒に帰ろ。」
「うんいいよ。」
黒髪のショートヘアーに何処か愛嬌を感じる顔の女子生徒、桃井かおりに話し掛けられたポニーテールの女子生徒、紫水龍香は笑って返す。
二人はそのままカバンを持って教室を出て校舎を後にして他愛のない会話をしながら帰路につく。
「ねぇ。知ってる?二組の棚橋さん。付き合ってる人がいるんだって!」
「えー?相手はどんな人?やっぱ一組の武田君?」
「違うよー」
「えー、誰だろ?武田君じゃなかったら藤咲君かな?」
二人はワイワイと年頃の女の子らしく他人のコイバナに華を咲かせる。
桃井はフッフッと笑って指を振りながら次々と候補を挙げる龍香に言う。
「なんと!三組の森本さんのお兄さんだって!!」
「へぇー!森本さんのお兄さん...かぁ...」
驚きの声を上げた龍香だが、“兄”の言葉に反応して徐々にしりすぼむように声が小さくなる。
目に見えて元気を失くす龍香を見て桃井はしまった、と思わず口を抑える。だが時既に遅いと悟ると目を泳がせながら恐る恐る龍香に尋ねる。
「...お兄さん。まだ戻ってないの?」
「...うん。」
龍香の兄、紫水龍賢は二年前の雨の日を境に行方不明となった。
あの日用事があると言って暗闇に消えた兄は結局帰ってこなかった。勿論すぐに捜索願いを提出して貰ったがその努力虚しく見つかることはなく龍香は今も兄の帰りを待ち続けている。
気まずい空気が二人の間に流れる。
「あ、あのさ!龍香さ!この話聞いたことあるかな!?」
「...何?」
この思い空気を取り除こうと無理矢理桃井は話題を変えようと龍香に話し掛ける。そういう風に気を使わせるのが龍香は申し訳ないと思いその話題に乗る。
「この辺りさ!なんと...出るんだって!」
「...出るって?」
龍香が反応すると桃井はニヤリと笑い手を前に出して顔を近付ける。
「お化け!だよ!」
キーンコーンと学校のベルが鳴る。そのベルを合図に教師は「気をつけて帰りなさい」とよく聞く軽い注意をして教室を後にする。
そして教師が教室からいなくなると今度は生徒達が「放課後どこ行く?」「どこか遊びに行こうか」「宿題なんだっけ」と騒がしくなる。
そんな喧騒の中、一人の黒髪の女子生徒が帰り支度をしている桃色の髪をポニーテールにまとめている女子生徒に話し掛ける。
「ねぇ龍香。一緒に帰ろ。」
「うんいいよ。」
黒髪のショートヘアーに何処か愛嬌を感じる顔の女子生徒、桃井かおりに話し掛けられたポニーテールの女子生徒、紫水龍香は笑って返す。
二人はそのままカバンを持って教室を出て校舎を後にして他愛のない会話をしながら帰路につく。
「ねぇ。知ってる?二組の棚橋さん。付き合ってる人がいるんだって!」
「えー?相手はどんな人?やっぱ一組の武田君?」
「違うよー」
「えー、誰だろ?武田君じゃなかったら藤咲君かな?」
二人はワイワイと年頃の女の子らしく他人のコイバナに華を咲かせる。
桃井はフッフッと笑って指を振りながら次々と候補を挙げる龍香に言う。
「なんと!三組の森本さんのお兄さんだって!!」
「へぇー!森本さんのお兄さん...かぁ...」
驚きの声を上げた龍香だが、“兄”の言葉に反応して徐々にしりすぼむように声が小さくなる。
目に見えて元気を失くす龍香を見て桃井はしまった、と思わず口を抑える。だが時既に遅いと悟ると目を泳がせながら恐る恐る龍香に尋ねる。
「...お兄さん。まだ戻ってないの?」
「...うん。」
龍香の兄、紫水龍賢は二年前の雨の日を境に行方不明となった。
あの日用事があると言って暗闇に消えた兄は結局帰ってこなかった。勿論すぐに捜索願いを提出して貰ったがその努力虚しく見つかることはなく龍香は今も兄の帰りを待ち続けている。
気まずい空気が二人の間に流れる。
「あ、あのさ!龍香さ!この話聞いたことあるかな!?」
「...何?」
この思い空気を取り除こうと無理矢理桃井は話題を変えようと龍香に話し掛ける。そういう風に気を使わせるのが龍香は申し訳ないと思いその話題に乗る。
「この辺りさ!なんと...出るんだって!」
「...出るって?」
龍香が反応すると桃井はニヤリと笑い手を前に出して顔を近付ける。
「お化け!だよ!」
何年前に放棄されたのか分からない程寂れ、荒れ果てたホテルと思わしき一室に一人の女性が埃まみれのあちこちからスポンジがはみ出たソファに腰掛けている。その女性がへらへらと笑いながら本を読んでいる時だった。
ズシン!
何か重い物が落ちた音がする。続いて重量感のある足音が女性のいる部屋へと近づいてくる。足音がする度に小さく建物が揺れ、埃が落ちてくる。
降ってくる埃に女性が若干苛立ちながらも本を読んでいると、ドアからのそっと巨人が現れる。
四メートルはあろうかと言う背丈、今本を読んでいる女性の胴回り以上はあろうかと言う剛腕がその暴力性を視覚化させている。その巨人は口を開き、低い声で女性に話し掛ける。
「アンタレス。着いたぞ。」
「...あんたさぁ。もうちょい静かに歩けないの?埃が舞って読みにくいったらありゃしない。面白いとこだったのに。」
だがそんな巨人に対してもアンタレスと呼ばれた女性は一切物怖じせずに本を突きつける。
「そんなこと言われてもな...」
巨人はポリポリと後頭部を掻きながら所在無さげにする。アンタレスはため息をついて本を閉じると巨人に言う。
「上から指令よ。カノープスを探して始末しろだって。」
「とうとう俺様も駆り出されるのか。他の奴らは何してやがる。」
巨人は不満げに鼻を鳴らす。アンタレスもやれやれと肩を竦める。
「しょーがないじゃない。うちひねくれた奴らばっかだし。ま、とりあえずよろしく頼んだわよ。」
「分かった。やってみよう。」
巨人は文句を言いながらもその場を後にする。若干苛立っているのか入ってくるよりも大きく建物を揺らしながら出ていく。
さっきよりも多めに降ってくる埃にアンタレスはこめかみをヒクつかせながら呟く。
「だから、静かに歩けっての....」
ズシン!
何か重い物が落ちた音がする。続いて重量感のある足音が女性のいる部屋へと近づいてくる。足音がする度に小さく建物が揺れ、埃が落ちてくる。
降ってくる埃に女性が若干苛立ちながらも本を読んでいると、ドアからのそっと巨人が現れる。
四メートルはあろうかと言う背丈、今本を読んでいる女性の胴回り以上はあろうかと言う剛腕がその暴力性を視覚化させている。その巨人は口を開き、低い声で女性に話し掛ける。
「アンタレス。着いたぞ。」
「...あんたさぁ。もうちょい静かに歩けないの?埃が舞って読みにくいったらありゃしない。面白いとこだったのに。」
だがそんな巨人に対してもアンタレスと呼ばれた女性は一切物怖じせずに本を突きつける。
「そんなこと言われてもな...」
巨人はポリポリと後頭部を掻きながら所在無さげにする。アンタレスはため息をついて本を閉じると巨人に言う。
「上から指令よ。カノープスを探して始末しろだって。」
「とうとう俺様も駆り出されるのか。他の奴らは何してやがる。」
巨人は不満げに鼻を鳴らす。アンタレスもやれやれと肩を竦める。
「しょーがないじゃない。うちひねくれた奴らばっかだし。ま、とりあえずよろしく頼んだわよ。」
「分かった。やってみよう。」
巨人は文句を言いながらもその場を後にする。若干苛立っているのか入ってくるよりも大きく建物を揺らしながら出ていく。
さっきよりも多めに降ってくる埃にアンタレスはこめかみをヒクつかせながら呟く。
「だから、静かに歩けっての....」
龍香と桃井は近くの河原に足を運んでいた。桃井曰く。
「何でもここの河原付近で誰もいないのに声がするんだって!そこのお前~!みたいな?私の友達の友達が聞いたんだって!」
この時点でまぁまぁ眉唾物な感じがスゴイが、せっかく雰囲気変えに話して貰ったのだから邪険に扱う訳にもいかない。
まだ日は落ちておらず明るいしせっかくなので二手に分かれることにした。何か見つけたら合流しようという話である。
「...ホントにいるのかな?」
桃井と別れて龍香も若干半信半疑ながら探してみる。
そんな中ふと、昔は怖くて仕方なかった一人に少し慣れてきた自分がいることに気づく。去年の自分なら絶対一人で行動しようという提案は絶対受け入れなかっただろう。
自分の変化を実感しながら手掛かりを探すが特に目ぼしいものなくかなり奥まで進む。下流に近くなってきたところで見切りをつけそろそろ帰ろうかと踵を返そうとした瞬間だった。
《おい。》
後ろから声をかけられる。振り替えるが誰もいない。声はするが誰もいない。
『誰もいないのに声がするんだって。』
桃井が言っていたことが脳裏に浮かび一気に顔が青ざめる。
まさかホントにいるのか?
《おーい。下だ下。》
謎の声の言うとおり下を向くと草むらの陰に何かが隠れていることに気づく。流石に手にとる勇気はなく足蹴にしてそれを取り出す。
《いたた!蹴んなよ!》
すると草むらから恐竜の頭蓋骨のようなアクセサリーが出てくる。
「...おもちゃ?」
まさかの正体に龍香は若干拍子抜けしつつもホッとする。そしてそのアクセサリーを拾い上げて、桃井に見せようと踵を返す。
《おいおい、俺はおもちゃじゃないぞ。俺にはカノープスって名前があんだ!》
「へぇー最近のおもちゃは良く出来てるなぁ。」
《いやオイ聞けよ!》
おもちゃ?の出来に龍香が感心したその時だった。絹を裂くような悲鳴が辺りにこだまする。その声に龍香は聞き覚えがあった。
「...かおり?」
「何でもここの河原付近で誰もいないのに声がするんだって!そこのお前~!みたいな?私の友達の友達が聞いたんだって!」
この時点でまぁまぁ眉唾物な感じがスゴイが、せっかく雰囲気変えに話して貰ったのだから邪険に扱う訳にもいかない。
まだ日は落ちておらず明るいしせっかくなので二手に分かれることにした。何か見つけたら合流しようという話である。
「...ホントにいるのかな?」
桃井と別れて龍香も若干半信半疑ながら探してみる。
そんな中ふと、昔は怖くて仕方なかった一人に少し慣れてきた自分がいることに気づく。去年の自分なら絶対一人で行動しようという提案は絶対受け入れなかっただろう。
自分の変化を実感しながら手掛かりを探すが特に目ぼしいものなくかなり奥まで進む。下流に近くなってきたところで見切りをつけそろそろ帰ろうかと踵を返そうとした瞬間だった。
《おい。》
後ろから声をかけられる。振り替えるが誰もいない。声はするが誰もいない。
『誰もいないのに声がするんだって。』
桃井が言っていたことが脳裏に浮かび一気に顔が青ざめる。
まさかホントにいるのか?
《おーい。下だ下。》
謎の声の言うとおり下を向くと草むらの陰に何かが隠れていることに気づく。流石に手にとる勇気はなく足蹴にしてそれを取り出す。
《いたた!蹴んなよ!》
すると草むらから恐竜の頭蓋骨のようなアクセサリーが出てくる。
「...おもちゃ?」
まさかの正体に龍香は若干拍子抜けしつつもホッとする。そしてそのアクセサリーを拾い上げて、桃井に見せようと踵を返す。
《おいおい、俺はおもちゃじゃないぞ。俺にはカノープスって名前があんだ!》
「へぇー最近のおもちゃは良く出来てるなぁ。」
《いやオイ聞けよ!》
おもちゃ?の出来に龍香が感心したその時だった。絹を裂くような悲鳴が辺りにこだまする。その声に龍香は聞き覚えがあった。
「...かおり?」
「...なーんであんなこと言っちゃったんだろ。お化けなんている訳ないのに。」
桃井は龍香と分かれて何か無いかと探しながら呟く。
正直河川敷の幽霊の話は龍香に話したとは言え、桃井も大して信じていなかった。噂好きのクラスメイトから聞いたがどうせ誰かが作った眉唾物の話であろうとは薄々感じていた。
だが、龍香の気持ちを反らすために咄嗟にこんな話をしてしまった。あげく二手に別れて探そうなんて。
けれど桃井は龍香が一人で行動することを承諾したことに感心していた。
「...龍香も立ち直ってきたのかな。」
二年前、彼女の兄が失踪した日から龍香は一時期ひどく落ち込み学校にも来なくなってしまった。
しばらくしたらまた来るようになったが、彼女は異常なまでに一人になることを嫌っていた。
幼稚園の頃からの幼馴染である龍香を桃井は見捨てることは出来なかった。
なんとか助けてやりたい、その思いで彼女と接してきた。
そして今日龍香は一人で行動出来るようになった。その事がなんだか親友として嬉しく思ってしまう。そう思うとなんだか龍香に会いたくなってきた。
「...さっさと切り上げて戻ろう。」
そう呟いて来た道を戻ろうとした瞬間、向こうからに何か重い物が落ちたような、重量感のある音がこちらへと近づいてくる事に気付く。
「...なんだろ?」
直感的に嫌な予感がした桃井は近くの工事用具が置いてある資材置き場に慌てて隠れる。そしてドラム缶の陰から音がする方を覗いた時、彼女の肝が冷え上がる。
そこには四メートルはあろうかと言う巨人がいたのだ。右腕は鎧のような物に覆われ、目はギョロギョロと何かを探すようにせわしなく動いている。
「どこだ...手間をかけさせる...」
そう呟く巨人に桃井は思わず出そうになる声を口を押さえて押し殺す。あまりにも非日常的な存在に桃井は訳が分からなくなる。とにかくこの場から離れよう、そう思った時だった。ドラム缶の隙間からその巨人と目が合い心臓が跳ね上がる。
「そこか?」
その瞬間巨人が丸太のような剛腕を振るうとドラム缶はまるで紙くずのようにひしゃげながら飛んで行く。
桃井はその嵐のような暴力に晒され思わず悲鳴を上げた。
「...チッ。なんだただの小娘か。」
巨人はぼやくとドンと彼女の目の前に拳を振り下ろす。地面が窪み、物凄い風圧が彼女を襲う。そのあまりにも暴力的な威圧に桃井は意識が遠退くを感じ、目の前が真っ暗になった。
桃井は龍香と分かれて何か無いかと探しながら呟く。
正直河川敷の幽霊の話は龍香に話したとは言え、桃井も大して信じていなかった。噂好きのクラスメイトから聞いたがどうせ誰かが作った眉唾物の話であろうとは薄々感じていた。
だが、龍香の気持ちを反らすために咄嗟にこんな話をしてしまった。あげく二手に別れて探そうなんて。
けれど桃井は龍香が一人で行動することを承諾したことに感心していた。
「...龍香も立ち直ってきたのかな。」
二年前、彼女の兄が失踪した日から龍香は一時期ひどく落ち込み学校にも来なくなってしまった。
しばらくしたらまた来るようになったが、彼女は異常なまでに一人になることを嫌っていた。
幼稚園の頃からの幼馴染である龍香を桃井は見捨てることは出来なかった。
なんとか助けてやりたい、その思いで彼女と接してきた。
そして今日龍香は一人で行動出来るようになった。その事がなんだか親友として嬉しく思ってしまう。そう思うとなんだか龍香に会いたくなってきた。
「...さっさと切り上げて戻ろう。」
そう呟いて来た道を戻ろうとした瞬間、向こうからに何か重い物が落ちたような、重量感のある音がこちらへと近づいてくる事に気付く。
「...なんだろ?」
直感的に嫌な予感がした桃井は近くの工事用具が置いてある資材置き場に慌てて隠れる。そしてドラム缶の陰から音がする方を覗いた時、彼女の肝が冷え上がる。
そこには四メートルはあろうかと言う巨人がいたのだ。右腕は鎧のような物に覆われ、目はギョロギョロと何かを探すようにせわしなく動いている。
「どこだ...手間をかけさせる...」
そう呟く巨人に桃井は思わず出そうになる声を口を押さえて押し殺す。あまりにも非日常的な存在に桃井は訳が分からなくなる。とにかくこの場から離れよう、そう思った時だった。ドラム缶の隙間からその巨人と目が合い心臓が跳ね上がる。
「そこか?」
その瞬間巨人が丸太のような剛腕を振るうとドラム缶はまるで紙くずのようにひしゃげながら飛んで行く。
桃井はその嵐のような暴力に晒され思わず悲鳴を上げた。
「...チッ。なんだただの小娘か。」
巨人はぼやくとドンと彼女の目の前に拳を振り下ろす。地面が窪み、物凄い風圧が彼女を襲う。そのあまりにも暴力的な威圧に桃井は意識が遠退くを感じ、目の前が真っ暗になった。
「かおり!どーしたのー!」
先程の悲鳴を聞いて龍香は桃井が進んだ方へと足を進める。桃井に呼び掛けながら走っている時だった。
前方にやたらとデカイ、怪物と言って巨人を見つける。
「何アレ....」
《マズイ。おい隠れろ!》
「う、うん。」
カノープスの言葉に龍香は従い、近くの木の陰に身を隠す。
「何か知ってるの?」
《アイツはアルゲティ。シードゥスの尖兵だ。》
「し、シードゥス?何それ?」
《怪物の集まりだ。》
そんなやり取りをしながら巨人、アルゲティを観察している時だった。
「...かおり!?」
見ればその巨人の目の前には桃井かおりがいる。桃井は気絶しているのか抵抗する様子もなくうつ伏せに倒れている。
「かおり!!」
《オイオイちょっと待て!まさかアイツに挑む気か?》
「そうだよ!かおりを助けなきゃ!」
《お前、アイツに勝てると思ってンのか?》
「そんなの関係ない!勝てないからって友達を見捨てて良いハズない!」
龍香は近くにあった石ころを掴むと走ってアルゲティへと近づく。
「む?」
アルゲティも龍香に気付いて龍香の方に顔を向ける。その顔に向かって龍香は叫びながら石を投げる。
「かおりから離れろ!」
投げた石はコツンとアルゲティに当たるが大して効いた様子はない。アルゲティは適当に資材置き場の土嚢を拾い上げるとうるさいハエでも払うように乱雑に土嚢を龍香に投げる。
その剛腕で放たれた土嚢は龍香の目の前に着弾して弾け、その衝撃が龍香を襲う。土嚢の砂が舞う中龍香は大きくふっ飛んで地面を転がる。
「う、うぅ....」
《おい!大丈夫か!?》
全身に痛みが走り、思わず呻き声が出る。アルゲティとの力の差は絶望的だ。龍香からアルゲティに対して出来ることは何一つもないだろう。
あまりの戦力差にカノープスは龍香に忠告する。
《おい!逃げろ!お前じゃ勝てねぇって!死んじまうぞ!》
「嫌だ!」
《お前な...》
龍香の脳裏にある場面がフラッシュバックする。降りしきる雨。玄関。微笑んでくれた兄。そして、玄関の扉の向こうに広がる冷たく暗い闇。
「もう...あの時のような思いはしたくない...」
龍香は震える腕で地面を押さえてよろよろと立ち上がる。その目はアルゲティに向いたまま。
「私は...もう誰にもいなくなってほしくないの!」
二度と失ってなるものか。万に一つの勝ち目がなくてもここで逃げ出す訳にはいかない。
圧倒的な力を持つ怪物に怯まず立ち向かおうとする意思を見せるその姿にカノープスは少し黙るが、ため息混じりにぼやく。
《....流石アイツの妹だな。》
「え?」
聞き返す龍香にカノープスは意を決したように言う。
《よし、お前のその心意気を見込んで力を貸してやる!》
そう言うとカノープスの目が光り出す。あまりの眩しさ思わず龍香も目を瞑る。
《俺を構えて、何か叫びな!気合いが入りゃ何でも良い!》
「き、急に言われても。え、えーと....ファイトー!!」
龍香がカノープスを構えて叫んだ瞬間カノープスが弾け、巨大な恐竜の頭が地面から現れる。
「へ?え?」
そしてそのままバクンと龍香を食べるように包む。
「ぎゃー!?食べられた!?」
さらにより一層輝くとひび割れ、恐竜の頭が弾け飛ぶ。
「今度は割れた!?」
光が収まるとそこには桃色の髪は長く伸びポニーテールとなり、恐竜の装甲と紫のラインが入った黒いドレスに身を包んだ戦士がいた。
《暴虐不尽!ティラノカラー!》
「...あ、え?な、何これー!?」
自分の変わり具合に龍香は驚く。腕を回したり全身を確認してみる。まるで魔法少女になったようで思わず目を煌めかせる。
混乱と興奮で少し龍香がハイになっていると、その様子を見ていたアルゲティが鼻を鳴らす。
「カノープス。まさかお前の方から来るとはな。だがそんな小娘に憑くとは血迷ったか!」
アルゲティは桃井から離れると左手を龍香に伸ばす。恐ろしく大きい手が龍香に近づいてくる。
「わ、わ!」
迫り来るその手を振り払おうと、腕を振った瞬間だった。パァンと音と共にアルゲティの腕が弾かれる。
「なッ」
「え」
《今だ突っ込め!》
その言葉に龍香はハッとなりバランスを崩し、隙だらけの胸に拳を叩き込んでやろうと踏ん張って跳躍した。
瞬間、すぐ目の前にアルゲティの身体が広がる。
「うわわっ!?」
「ごふぅ!?」
そして勢いそのままアルゲティに頭突きのような形で突っ込んでしまう。アルゲティはそのまま大きくバランスを崩し、資材を巻き込みながら後ろに倒れ砂塵が舞う。
「い、いった~....」
《中々やるじゃねぇか。がむしゃらに突っ込む猪スタイル、俺は嫌いじゃないぜ。》
ヘアアクセのように髪についているカノープスが言う。
自分の身体の変化についていけない龍香は意図しない頭突きで少し痛む頭を押さえながらカノープスに尋ねる。
「い、いたた...ど、どうなってんの~?」
《今お前の身体は俺の恩恵でかなーりパワーアップしている。だが恩恵はこんだけじゃないぜ!俺に触れてみな。》
言われた通りポンとカノープスを叩くと光と共に紫のラインが黄緑色に変わり、左肩に別の恐竜の意匠の装甲が追加される。
《絶対防御!アンキロカラー!》
そして右手には戦槌のような武器が握られている。
《ヘビィスマッシャー!》
「おぉ、何これ?トンカチ?」
《せめてもうちょとカッコ良くハンマーと言え、ハンマーと。》
「うぉぉぉぉぉぉ!」
なんてやり取りをしていると資材をはね除けアルゲティが咆哮が上げながら立ち上がる。
しかも右手にはあまりにも大きく太い巨木のような棍棒が握られている。
「やってくれたな小娘!」
アルゲティはそのまま棍棒を龍香に振り下ろす。その一撃を龍香は後ろに跳んでかわす。
「今度はこっちの番!」
そして今度は龍香が“ヘビィスマッシャー”を振るう。その一撃はアルゲティの棍棒によって防がれるがドンッと重い衝撃音が鳴る。
「ぬおッ」
「だあーッ!!」
もう一度“ヘビィスマッシャー”を振るうとまたもや防がれるが今度は大きくアルゲティのバランスを崩せた。
さらに追撃のの“ヘビィスマッシャー”の一撃がアルゲティに直撃する。
アルゲティの身体に“ヘビィスマッシャー”がめり込み大きく吹っ飛ばす。
「うぉぅ!?」
吹っ飛ばされたアルゲティはそのまま、川に落ちて大きく水飛沫が上がる。
「お、おお!すご、スゴイよこれ!」
《よし、上出来だ。最後は必殺技で決めるぞ!もっかい俺に触れろ!》
「うん!」
触れると今度はさっきと同じように紫色に戻り右手に今度は戦斧が握られている。
《タイラントアックス!》
「今度は斧ね!」
《よし、そいつを構えて力を込めろ!》
言われた通り斧を構えて力を込める。すると斧の刃の部分が紫色の光を放ち、輝き始める。
「クッソォ、俺が!こんな小娘なんぞに!」
水を滴ながらアルゲティは激昂するが龍香も負けじと叫び返す。
「友達を傷つけたあなたを私は許さない!」
《行くぞ!必殺技は“タイラント・トラッシュ”だ。》
龍香は脚に力を込めて大きく高く跳躍する。そしてそのまま重力に引かれるがままに落下しながら“タイラントアックス”を振り下ろす。
「タイラント、トラッーーーシュ!!」
「小娘が!ナメるなァーッ!!」
アルゲティも棍棒で迎撃しようと振り上げ、棍棒と斧が激突し、そして紫色の一閃が走る。
そのまま龍香は川に着水する。しかし龍香はアルゲティを見ず下を向いたままだ。何故なら。
「バ...かな」
棍棒が真っ二つに切断され、身体には袈裟斬りのように一線が引かれている。
「この俺様が、」
身体に力が入らない。その巨体が倒れる。
「この俺様がァァァァァ!!!」
完全に倒れ込んだ瞬間、爆発。大きな水柱が上がり雨のように巻き上げられた水が地上に降り注ぐ。
「か、勝った....」
龍香は川から出るとへなへなと座り込む。そして紫色に身体が光ると元の姿に戻る。
《まさか初戦闘でここまでやるとはな!上出来も上出来だ!》
「はは...ってそうだかおり!!」
ダハハとカノープスが笑う。龍香もはにかんで、そしてハッとなって慌てて桃井に駆け寄る。
桃井は気絶したままだが呼吸はしている。
特に目立った外傷もなく、無事なようだ。
「良かった~~。」
友人の無事に大きく肩を落として胸を下ろす。龍香は安心した後、カノープスに言う。
「そう言えば貴方何者なの?こんな力持ってるし、喋るし。」
《そうだな、改めて教えてやるよ。》
そう言うとカノープスは龍香に告げる。
《俺の名はカノープス。お前の兄の元“相棒”だ。》
先程の悲鳴を聞いて龍香は桃井が進んだ方へと足を進める。桃井に呼び掛けながら走っている時だった。
前方にやたらとデカイ、怪物と言って巨人を見つける。
「何アレ....」
《マズイ。おい隠れろ!》
「う、うん。」
カノープスの言葉に龍香は従い、近くの木の陰に身を隠す。
「何か知ってるの?」
《アイツはアルゲティ。シードゥスの尖兵だ。》
「し、シードゥス?何それ?」
《怪物の集まりだ。》
そんなやり取りをしながら巨人、アルゲティを観察している時だった。
「...かおり!?」
見ればその巨人の目の前には桃井かおりがいる。桃井は気絶しているのか抵抗する様子もなくうつ伏せに倒れている。
「かおり!!」
《オイオイちょっと待て!まさかアイツに挑む気か?》
「そうだよ!かおりを助けなきゃ!」
《お前、アイツに勝てると思ってンのか?》
「そんなの関係ない!勝てないからって友達を見捨てて良いハズない!」
龍香は近くにあった石ころを掴むと走ってアルゲティへと近づく。
「む?」
アルゲティも龍香に気付いて龍香の方に顔を向ける。その顔に向かって龍香は叫びながら石を投げる。
「かおりから離れろ!」
投げた石はコツンとアルゲティに当たるが大して効いた様子はない。アルゲティは適当に資材置き場の土嚢を拾い上げるとうるさいハエでも払うように乱雑に土嚢を龍香に投げる。
その剛腕で放たれた土嚢は龍香の目の前に着弾して弾け、その衝撃が龍香を襲う。土嚢の砂が舞う中龍香は大きくふっ飛んで地面を転がる。
「う、うぅ....」
《おい!大丈夫か!?》
全身に痛みが走り、思わず呻き声が出る。アルゲティとの力の差は絶望的だ。龍香からアルゲティに対して出来ることは何一つもないだろう。
あまりの戦力差にカノープスは龍香に忠告する。
《おい!逃げろ!お前じゃ勝てねぇって!死んじまうぞ!》
「嫌だ!」
《お前な...》
龍香の脳裏にある場面がフラッシュバックする。降りしきる雨。玄関。微笑んでくれた兄。そして、玄関の扉の向こうに広がる冷たく暗い闇。
「もう...あの時のような思いはしたくない...」
龍香は震える腕で地面を押さえてよろよろと立ち上がる。その目はアルゲティに向いたまま。
「私は...もう誰にもいなくなってほしくないの!」
二度と失ってなるものか。万に一つの勝ち目がなくてもここで逃げ出す訳にはいかない。
圧倒的な力を持つ怪物に怯まず立ち向かおうとする意思を見せるその姿にカノープスは少し黙るが、ため息混じりにぼやく。
《....流石アイツの妹だな。》
「え?」
聞き返す龍香にカノープスは意を決したように言う。
《よし、お前のその心意気を見込んで力を貸してやる!》
そう言うとカノープスの目が光り出す。あまりの眩しさ思わず龍香も目を瞑る。
《俺を構えて、何か叫びな!気合いが入りゃ何でも良い!》
「き、急に言われても。え、えーと....ファイトー!!」
龍香がカノープスを構えて叫んだ瞬間カノープスが弾け、巨大な恐竜の頭が地面から現れる。
「へ?え?」
そしてそのままバクンと龍香を食べるように包む。
「ぎゃー!?食べられた!?」
さらにより一層輝くとひび割れ、恐竜の頭が弾け飛ぶ。
「今度は割れた!?」
光が収まるとそこには桃色の髪は長く伸びポニーテールとなり、恐竜の装甲と紫のラインが入った黒いドレスに身を包んだ戦士がいた。
《暴虐不尽!ティラノカラー!》
「...あ、え?な、何これー!?」
自分の変わり具合に龍香は驚く。腕を回したり全身を確認してみる。まるで魔法少女になったようで思わず目を煌めかせる。
混乱と興奮で少し龍香がハイになっていると、その様子を見ていたアルゲティが鼻を鳴らす。
「カノープス。まさかお前の方から来るとはな。だがそんな小娘に憑くとは血迷ったか!」
アルゲティは桃井から離れると左手を龍香に伸ばす。恐ろしく大きい手が龍香に近づいてくる。
「わ、わ!」
迫り来るその手を振り払おうと、腕を振った瞬間だった。パァンと音と共にアルゲティの腕が弾かれる。
「なッ」
「え」
《今だ突っ込め!》
その言葉に龍香はハッとなりバランスを崩し、隙だらけの胸に拳を叩き込んでやろうと踏ん張って跳躍した。
瞬間、すぐ目の前にアルゲティの身体が広がる。
「うわわっ!?」
「ごふぅ!?」
そして勢いそのままアルゲティに頭突きのような形で突っ込んでしまう。アルゲティはそのまま大きくバランスを崩し、資材を巻き込みながら後ろに倒れ砂塵が舞う。
「い、いった~....」
《中々やるじゃねぇか。がむしゃらに突っ込む猪スタイル、俺は嫌いじゃないぜ。》
ヘアアクセのように髪についているカノープスが言う。
自分の身体の変化についていけない龍香は意図しない頭突きで少し痛む頭を押さえながらカノープスに尋ねる。
「い、いたた...ど、どうなってんの~?」
《今お前の身体は俺の恩恵でかなーりパワーアップしている。だが恩恵はこんだけじゃないぜ!俺に触れてみな。》
言われた通りポンとカノープスを叩くと光と共に紫のラインが黄緑色に変わり、左肩に別の恐竜の意匠の装甲が追加される。
《絶対防御!アンキロカラー!》
そして右手には戦槌のような武器が握られている。
《ヘビィスマッシャー!》
「おぉ、何これ?トンカチ?」
《せめてもうちょとカッコ良くハンマーと言え、ハンマーと。》
「うぉぉぉぉぉぉ!」
なんてやり取りをしていると資材をはね除けアルゲティが咆哮が上げながら立ち上がる。
しかも右手にはあまりにも大きく太い巨木のような棍棒が握られている。
「やってくれたな小娘!」
アルゲティはそのまま棍棒を龍香に振り下ろす。その一撃を龍香は後ろに跳んでかわす。
「今度はこっちの番!」
そして今度は龍香が“ヘビィスマッシャー”を振るう。その一撃はアルゲティの棍棒によって防がれるがドンッと重い衝撃音が鳴る。
「ぬおッ」
「だあーッ!!」
もう一度“ヘビィスマッシャー”を振るうとまたもや防がれるが今度は大きくアルゲティのバランスを崩せた。
さらに追撃のの“ヘビィスマッシャー”の一撃がアルゲティに直撃する。
アルゲティの身体に“ヘビィスマッシャー”がめり込み大きく吹っ飛ばす。
「うぉぅ!?」
吹っ飛ばされたアルゲティはそのまま、川に落ちて大きく水飛沫が上がる。
「お、おお!すご、スゴイよこれ!」
《よし、上出来だ。最後は必殺技で決めるぞ!もっかい俺に触れろ!》
「うん!」
触れると今度はさっきと同じように紫色に戻り右手に今度は戦斧が握られている。
《タイラントアックス!》
「今度は斧ね!」
《よし、そいつを構えて力を込めろ!》
言われた通り斧を構えて力を込める。すると斧の刃の部分が紫色の光を放ち、輝き始める。
「クッソォ、俺が!こんな小娘なんぞに!」
水を滴ながらアルゲティは激昂するが龍香も負けじと叫び返す。
「友達を傷つけたあなたを私は許さない!」
《行くぞ!必殺技は“タイラント・トラッシュ”だ。》
龍香は脚に力を込めて大きく高く跳躍する。そしてそのまま重力に引かれるがままに落下しながら“タイラントアックス”を振り下ろす。
「タイラント、トラッーーーシュ!!」
「小娘が!ナメるなァーッ!!」
アルゲティも棍棒で迎撃しようと振り上げ、棍棒と斧が激突し、そして紫色の一閃が走る。
そのまま龍香は川に着水する。しかし龍香はアルゲティを見ず下を向いたままだ。何故なら。
「バ...かな」
棍棒が真っ二つに切断され、身体には袈裟斬りのように一線が引かれている。
「この俺様が、」
身体に力が入らない。その巨体が倒れる。
「この俺様がァァァァァ!!!」
完全に倒れ込んだ瞬間、爆発。大きな水柱が上がり雨のように巻き上げられた水が地上に降り注ぐ。
「か、勝った....」
龍香は川から出るとへなへなと座り込む。そして紫色に身体が光ると元の姿に戻る。
《まさか初戦闘でここまでやるとはな!上出来も上出来だ!》
「はは...ってそうだかおり!!」
ダハハとカノープスが笑う。龍香もはにかんで、そしてハッとなって慌てて桃井に駆け寄る。
桃井は気絶したままだが呼吸はしている。
特に目立った外傷もなく、無事なようだ。
「良かった~~。」
友人の無事に大きく肩を落として胸を下ろす。龍香は安心した後、カノープスに言う。
「そう言えば貴方何者なの?こんな力持ってるし、喋るし。」
《そうだな、改めて教えてやるよ。》
そう言うとカノープスは龍香に告げる。
《俺の名はカノープス。お前の兄の元“相棒”だ。》
To be continued..
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