はい!今回あらすじ担当する紫水龍香です!前回は雪花藍さんが転校してきて、その子に早速呼び出されたと思ったら二体のシードゥスに襲われ大ピンチ!な所を雪花さんと黒鳥さんに助けられました!そして二人に案内された場所には私の担任の先生、嵩原先生が!?もうワケわかんないよ~!どうなっちゃうの第四話!
「なんで、嵩原先生がここに...?それに新月って...」
まさかの自分の担任の先生の登場に龍香は驚きを隠せない。
嵩原はニコニコと笑みを浮かべながら龍香の頭にいるカノープスに見て言う。
「お久しぶりです。カノープスさん。」
《....嵩原。やっぱ生きてたんだな。》
「へ?知り合い?」
龍香の質問にカノープスはどこか嬉しそうに答える。
《あぁ。随分と雰囲気が変わってて気づかなかったが嵩原祐司...お前の兄と一緒に戦っていた男だ。》
「龍賢君はこっちの方がお世話になる位しっかりしてたけどね。」
「お兄ちゃんと...!」
まさかのもう一人昔の兄を知る人の登場に龍香は驚きを隠せない。
「でも先生、新月ってことは雪花さんと黒鳥くん達と一緒に先生も...?」
龍香が尋ねると嵩原はちょっと困ったような顔をする。
「そう出来たら良かったんだけどね....。」
そう言うと嵩原は服を脱いで上半身を露にする。見れば右脇腹に大きな傷痕があり、他にも身体中に小さい傷痕が沢山あった。思わず息を呑む龍香に嵩原は服を着直しながら謝る。
「急にこんなの見せちゃってごめんね。でもこの傷のせいで僕は戦えないんだ。だから全力で君達三人をサポートしていくつもりさ。」
「あ...いえ。」
龍香が謝ると嵩原は申し訳なさそうにしながらも話を続ける。
「それで、紫水君さえ良ければ我々新月に協力して欲しい。何せ慢性的な人不足でね。君も一人で奴らと戦うより皆で戦った方が良いだろう?」
「え。」
確かに一人であの怪物達と戦うよりかは自分よりも強い雪花と黒鳥達と一緒に戦った方が心強い。
「でも学校もあるし...」
「君と雪花君の学生生活は普段通り過ごして貰って構わないよ。まぁ放課後もしかしたら呼び出すかもしれないけど基本今と変わらないと思って欲しい。」
嵩原の言葉に雪花の眉が若干動くが龍香はそれを聞いて少し安心する。
「まぁ、それなら...」
「協力してくれるのかい?」
嵩原の問いに龍香はコクリと頷く。それを見て嵩原は微笑み、黒鳥と雪花に振り返る。
「じゃあ今日から君達三人はチームだ。二人とも。戦う時は上手く紫水君をサポートしてあげてほしい。」
「了解です。」
「せいぜい足を引っ張らないことね。」
二人がそう答えるのを聞いて嵩原は龍香に向き直って手を差し出す。
「と言う訳で。今日からよろしくね紫水君。」
「はい!こちらこそ!」
龍香はそう言うと差し出された手を握り握手を交わした。
まさかの自分の担任の先生の登場に龍香は驚きを隠せない。
嵩原はニコニコと笑みを浮かべながら龍香の頭にいるカノープスに見て言う。
「お久しぶりです。カノープスさん。」
《....嵩原。やっぱ生きてたんだな。》
「へ?知り合い?」
龍香の質問にカノープスはどこか嬉しそうに答える。
《あぁ。随分と雰囲気が変わってて気づかなかったが嵩原祐司...お前の兄と一緒に戦っていた男だ。》
「龍賢君はこっちの方がお世話になる位しっかりしてたけどね。」
「お兄ちゃんと...!」
まさかのもう一人昔の兄を知る人の登場に龍香は驚きを隠せない。
「でも先生、新月ってことは雪花さんと黒鳥くん達と一緒に先生も...?」
龍香が尋ねると嵩原はちょっと困ったような顔をする。
「そう出来たら良かったんだけどね....。」
そう言うと嵩原は服を脱いで上半身を露にする。見れば右脇腹に大きな傷痕があり、他にも身体中に小さい傷痕が沢山あった。思わず息を呑む龍香に嵩原は服を着直しながら謝る。
「急にこんなの見せちゃってごめんね。でもこの傷のせいで僕は戦えないんだ。だから全力で君達三人をサポートしていくつもりさ。」
「あ...いえ。」
龍香が謝ると嵩原は申し訳なさそうにしながらも話を続ける。
「それで、紫水君さえ良ければ我々新月に協力して欲しい。何せ慢性的な人不足でね。君も一人で奴らと戦うより皆で戦った方が良いだろう?」
「え。」
確かに一人であの怪物達と戦うよりかは自分よりも強い雪花と黒鳥達と一緒に戦った方が心強い。
「でも学校もあるし...」
「君と雪花君の学生生活は普段通り過ごして貰って構わないよ。まぁ放課後もしかしたら呼び出すかもしれないけど基本今と変わらないと思って欲しい。」
嵩原の言葉に雪花の眉が若干動くが龍香はそれを聞いて少し安心する。
「まぁ、それなら...」
「協力してくれるのかい?」
嵩原の問いに龍香はコクリと頷く。それを見て嵩原は微笑み、黒鳥と雪花に振り返る。
「じゃあ今日から君達三人はチームだ。二人とも。戦う時は上手く紫水君をサポートしてあげてほしい。」
「了解です。」
「せいぜい足を引っ張らないことね。」
二人がそう答えるのを聞いて嵩原は龍香に向き直って手を差し出す。
「と言う訳で。今日からよろしくね紫水君。」
「はい!こちらこそ!」
龍香はそう言うと差し出された手を握り握手を交わした。
「ペルシアンだけじゃなくルクバトの奴もやられただと~!!」
何処かの廃工場内で仲間の悲報に怪物が憤る。怪物が憤る度に頭や肩から炎が吹き上がり、その様子を一人の女性、アンタレスが笑いながら見ている。
「えらくカンカンじゃないダリム。」
「トーゼンだッ!!あの野郎共よりによって人間の小娘に負けたらしいじゃねぇか!!なんて不甲斐ねェ!」
どうやら仲間が倒れたことよりも倒された仲間の不甲斐なさに憤っているようだ。
(まっ、そんな事だろうとは思ったけどね。)
燃え盛る炎を上げるダリムを見ながらアンタレスは独り言う。そもそもシードゥスは仲間関係が希薄なのだ。ほとんどのシードゥスが他人に関心を持つのは決まって利用しようとする時か、妬み僻み憎しみの負の感情しかない。ペルシアンとファクトが珍しく協力したのも自分達で脅威を始末したと言う名誉が欲しかっただけに過ぎない。
結局シードゥスは自分が全ての集団なのだ。実際にボスであるプロウフが行動を控えろと言っても皆好き勝手やっている。まぁ流石に幹部や一部のシードゥスはプロウフに睨まれて好き勝手出来ないが。
(プロウフもこんな奴らをのまとめなきゃいけないんだから大変よね。)
そんな風にアンタレスが思っているとダリムは炎を一頻り出し終わって落ち着いたのかチロチロと小火を出すに留まっている。
「決めたぜ...俺が奴らを倒す。」
「プロウフは止めろって言ってるけど?」
一応アンタレスが注意するがダリムは逆にアンタレスに言う。
「じゃあお前は止めろと言われたら止めるか?」
その言葉にアンタレスはニヤリと笑う。あぁ、結局自分もシードゥスなのだと否が応でも感じる。
「いや、全然。」
何処かの廃工場内で仲間の悲報に怪物が憤る。怪物が憤る度に頭や肩から炎が吹き上がり、その様子を一人の女性、アンタレスが笑いながら見ている。
「えらくカンカンじゃないダリム。」
「トーゼンだッ!!あの野郎共よりによって人間の小娘に負けたらしいじゃねぇか!!なんて不甲斐ねェ!」
どうやら仲間が倒れたことよりも倒された仲間の不甲斐なさに憤っているようだ。
(まっ、そんな事だろうとは思ったけどね。)
燃え盛る炎を上げるダリムを見ながらアンタレスは独り言う。そもそもシードゥスは仲間関係が希薄なのだ。ほとんどのシードゥスが他人に関心を持つのは決まって利用しようとする時か、妬み僻み憎しみの負の感情しかない。ペルシアンとファクトが珍しく協力したのも自分達で脅威を始末したと言う名誉が欲しかっただけに過ぎない。
結局シードゥスは自分が全ての集団なのだ。実際にボスであるプロウフが行動を控えろと言っても皆好き勝手やっている。まぁ流石に幹部や一部のシードゥスはプロウフに睨まれて好き勝手出来ないが。
(プロウフもこんな奴らをのまとめなきゃいけないんだから大変よね。)
そんな風にアンタレスが思っているとダリムは炎を一頻り出し終わって落ち着いたのかチロチロと小火を出すに留まっている。
「決めたぜ...俺が奴らを倒す。」
「プロウフは止めろって言ってるけど?」
一応アンタレスが注意するがダリムは逆にアンタレスに言う。
「じゃあお前は止めろと言われたら止めるか?」
その言葉にアンタレスはニヤリと笑う。あぁ、結局自分もシードゥスなのだと否が応でも感じる。
「いや、全然。」
次の日の放課後龍香とかおりが帰る準備をしていると、藤正が二人に話し掛けて来る。
「よぉ紫水!オマエもこの後探検に参加しないか!」
「探検?」
紫水が尋ねると藤正はそう!と言って隣に委員長の眼鏡をかけた少年山瀬(やませ)を来させる。
「山瀬がよぉ、ある噂を聞いたらしくてよ。」
「噂?何の?」
山瀬に尋ねると山瀬は龍香に言う。
「お兄さんの友人に聞いたのですが、近くの山にある廃工場で燃える男を見たと言う噂を聞きまして。その話をしたら藤正君達が確かめようと言い始めて。」
「何それ嘘くさ。」
かおりがズバッと切る。龍香はそんな彼女を見て確か一昨日そんな感じの事のお陰で大変な目に合ったのだが。
「でもよぉ!転校生も来るらしいぜ!」
見れば藤正の後ろに雪花が腕を組んで待ってる。龍香は雪花に小声で話しかける。
「...もしかしてシードゥスかもと思ってる?」
「そうでも思わなかったらこんな下らないこと参加しないわよ。」
根も葉もない噂でシードゥスかも怪しいのに確かめようとするその執念はどこから来るのだろうか。
そんな風に二人が話してると気づいたかおりが聞いてくる。
「二人ともいつの間にそんなに仲良くなったの?」
「えッ、いやーほら」
雪花に視線を向けると雪花はそっぽを向く。“お前でなんとかしろ”そう言ってるように取れた。
「ほら、席隣だからちょっとお話する機会が多くて。」
そう言うとかおりはふーん、と二人を不思議そうに見るが追及もしてこなかったのでどうやら納得したらしい。なんてやってると藤正が聞いてくる。
「で、紫水も来るよな!」
「えっ、えーと。」
雪花に視線を移すと雪花は今度はアイコンタクトをしてくる。“来い”と。
「う、うん。行こーかな。」
「よっしゃ!決まりだな!」
龍香があまり気乗りしないが行くことを承諾すると藤正は嬉しそうにする。
「ふーん...。じゃああたしも行くわ。」
「え」
その様子を見たかおりは何かに気づいたようで参加を表明する。その意思表示に何故か藤正は嫌そうな顔をしたが結局龍香達はそのまま廃工場に探検に行くことになったのだった。
「よぉ紫水!オマエもこの後探検に参加しないか!」
「探検?」
紫水が尋ねると藤正はそう!と言って隣に委員長の眼鏡をかけた少年山瀬(やませ)を来させる。
「山瀬がよぉ、ある噂を聞いたらしくてよ。」
「噂?何の?」
山瀬に尋ねると山瀬は龍香に言う。
「お兄さんの友人に聞いたのですが、近くの山にある廃工場で燃える男を見たと言う噂を聞きまして。その話をしたら藤正君達が確かめようと言い始めて。」
「何それ嘘くさ。」
かおりがズバッと切る。龍香はそんな彼女を見て確か一昨日そんな感じの事のお陰で大変な目に合ったのだが。
「でもよぉ!転校生も来るらしいぜ!」
見れば藤正の後ろに雪花が腕を組んで待ってる。龍香は雪花に小声で話しかける。
「...もしかしてシードゥスかもと思ってる?」
「そうでも思わなかったらこんな下らないこと参加しないわよ。」
根も葉もない噂でシードゥスかも怪しいのに確かめようとするその執念はどこから来るのだろうか。
そんな風に二人が話してると気づいたかおりが聞いてくる。
「二人ともいつの間にそんなに仲良くなったの?」
「えッ、いやーほら」
雪花に視線を向けると雪花はそっぽを向く。“お前でなんとかしろ”そう言ってるように取れた。
「ほら、席隣だからちょっとお話する機会が多くて。」
そう言うとかおりはふーん、と二人を不思議そうに見るが追及もしてこなかったのでどうやら納得したらしい。なんてやってると藤正が聞いてくる。
「で、紫水も来るよな!」
「えっ、えーと。」
雪花に視線を移すと雪花は今度はアイコンタクトをしてくる。“来い”と。
「う、うん。行こーかな。」
「よっしゃ!決まりだな!」
龍香があまり気乗りしないが行くことを承諾すると藤正は嬉しそうにする。
「ふーん...。じゃああたしも行くわ。」
「え」
その様子を見たかおりは何かに気づいたようで参加を表明する。その意思表示に何故か藤正は嫌そうな顔をしたが結局龍香達はそのまま廃工場に探検に行くことになったのだった。
学校を後にし、廃工場があると言われる山の中を藤正、山瀬、かおり、雪花、龍香の合計五人が進んでいた。
「ここの山奥にあるのね。」
「おう!らしいぜ!」
山道を進みながら確認する雪花に龍香が話しかける。
「...実際にシードゥス出たらどうするの?」
「私がシードゥスを潰す。他の事はアンタに全部任せる。」
「ざ、雑...」
かなり杜撰な役割分担の提案に龍香がげんなりとする中、かおりは藤正にコッソリと話しかける。
「ねぇねぇ、藤正。」
「なんだよ。っていうかなんで来たんだお前。」
かおりはニヤニヤしながら藤正に言う。
「あんた、龍香のこと好きなんでしょ。」
「ブッ!!」
かおりの質問に藤正が噴き出す。そのことを聞いていた山瀬が驚く。
「えっ、藤正君紫水さんのことがムグググ」
「?私がどうかした?」
「い、いや!何でもねーよ!山瀬がつまんないこと言っただけだぜ!」
「?」
藤正は山瀬の口を抑えながら苦笑いをする。龍香は小首を傾げる。そんな様子をかおりはニヤニヤと面白そうに見ている。
「実ると良いわね。」
「...だからお前が来るの嫌なんだよ...」
等とやり取りをしていると噂とおぼしき廃工場が見えてくる。壁や天井のトタン板などは錆び付いており、所々穴が開いて放置されてかなりの年月が立っていることが見てとれる。
「ここかぁ...」
「ほ、ホントにありますね...。」
「中も見てみましょ。」
「え。ちょっ、ちょっと。」
そう言うと雪花は一人でガンガンと入っていく。その雪花に続いて四人は追いかけるように工場に入る。
「て、転校生ガンガン入るな...。」
「あらあら。カッコいい所見せれなかったわね。」
「う、うるせー。」
等とやりとりしながら入ると中は結構ただッ広く流石に機械等は置いてないが古びた資材が積み上げられたりドラム缶が転がっている。
「広いね...」
四人が辺りを見回す中雪花は工場の壁などをじっくりと見ている。かおりは藤正に肘うちしながら藤正を催促するとそれを煩わしそうにしながらも藤正はキョロキョロと辺りを見回す紫水に話し掛ける。
「な、なぁ紫水。あっちを見てみ」
「雪花さん、何か見つかった?」
話し掛けようとするが龍香は藤正の決死の催促を全く聞いておらず、雪花の所へと行ってしまう。
藤正は膝から崩れ落ち山瀬は藤正を慰めかおりは爆笑した。
「....。」
「何か見つかった?」
雪花は壁の黒い部分をジッと見つめそして指でなぞる。そして指に付着した黒いものを見て龍香に言う。
「紫水龍香。」
「え、フルネームで呼ばれるのはちょっと」
龍香が抗議するが雪花は無視して続ける。
「気を付けなさい。いるかも。」
「へ...」
雪花は指に付いた黒いものを龍香に見せる。
「これは炭。何かが焼けた後のようよ。最初は火事かと思ったけど、こうもまばらに焼け跡があるのは誰かが意図的につけたとしか思えない。」
「や、ヤンキーとかかもよ?」
「だと良いんだけど。にしちゃ落書きないの気になるけどね。」
見れば確かに落書きは一切ない。そして雪花の言う通り注意して見れば黒い痕があちこちにあった。龍香は嫌な予感がして皆にそろそろ帰ろうと言おうとした瞬間だった。
「うるッせーぞガキ共!!こっちは今考え事してんだよ!」
怒号と共に最悪のタイミングで怪物が現れた。頭と肩から炎を撒き散らし近くのドラム缶を蹴っ飛ばす。撒き散らされた炎は壁や床を焦がす。龍香と雪花はこの焦げ痕はあの怪物によるものだと察する。
《アイツはダリム。炎が武器の瞬間湯沸し器だ。》
「?湯沸し...?」
《キレやすいってことだよ。》
龍香と雪花は丁度ダリムからも三人から見ても死角に入っており、今変身しても三人にバレることはないだろう。
「う、うわー!!ホントに出たー!」
「も、燃えてるー!」
三人はダリムにすっかり怯え切っている。ダリムは悲鳴を上げる三人にイライラしたのか今度は掌から炎を噴き出し始める。
「うるせぇ燃やすぞ!...いや、コイツを試してみるか。」
ダリムは両の掌から炎を噴き出すと入り口に向けて発射し、退路を塞ぐ。そして腰から何かを取り出すと掌からポロポロと黒い粒をこぼす。その黒い粒は人形へと姿を変える。
「アンタレスから渡されたコイツら、どれ程のものか。」
黒い人形達が三人へとゆらゆらと向かっていく。どう見ても仲良くしてくれそうには見えない。
「!助けなきゃ!」
「いや、ここはあの炎野郎よ。今なら不意打ちで一気に有利に持ち込める。」
「何を言ってるの!?友達を見捨てるなんて出来ない!」
雪花の発言に龍香は抗議する。だが雪花は龍香の襟首を掴んで睨みながら言う。
「甘ったれた事言ってんじゃないわよ。私は何がなんでもシードゥスを潰す。そのためにはなんだってする。たまたま力を手に入れただけ、なんとなくで戦ってるアンタと違って私は戦う理由があるの!!」
「!私は!...私だって、」
言葉に詰まる龍香に雪花はフンと鼻を鳴らす。
「素人の甘ちゃんは黙って私に従ってなさい。」
《オイオイ。好き勝手言ってくれるじゃねぇか嬢ちゃん。》
雪花の言葉にカノープスが口を挟み、龍香に言う。
《おまえ。俺と初めて会った時言ったじゃねぇか。戦う理由をよ。》
その言葉に龍香はハッとなる。そして三人の声が聞こえる。
「う、うわー!!もう終わりだー!!」
「でも、雪花さんと龍香がいないわ!」
「お、俺に任せろ!俺がこんな真っ黒黒助倒して二人とも助けてやる!」
山瀬とかおりの前に藤正が立ち、その辺の角材で応戦しようする。三人とも逃げるのをグッと堪えて雪花と龍香の身を案じているのが見て取れる。
その姿に龍香の心は決まる。それを察したのか雪花は止めようとする。だが、龍香はもう怯まない。
「お前...!」
「私にも戦う理由がある。私はもう誰にもいなくなって欲しくない!そのために戦うの!」
雪花を突き飛ばすと龍香はカノープスに触れる。
「ダイノフォーゼ!」
龍香が叫ぶと紫色の光の恐竜に包まれ龍香は魔龍少女へと姿を変える。
龍香は“タイラントアックス”を振り回して黒い人形を吹き飛ばす。そして三人を守るように立ちはだかる。
《暴虐不尽!タイラントカラー!》
「え、あ、あなたは?」
「早く逃げて!」
《絶対防御!アンキロカラー!》
龍香はカノープスに触れると黄緑色の形態、アンキロカラーに姿を変え、戦槌型武器“ヘビィスマッシャー”を振り回して壁を叩き壊す。
「ここから早く!」
「あ、ありがとうございます!」
「で、でも!まだ二人が!」
「私が助けるから!早く!」
龍香の圧に押されたのか三人は振り返りながらも這う這うの体で破壊した壁から逃げ出す。
そんな彼らを見ながら一拍置いて龍香はふと気づく。
「...あれ?三人とも私って気づいてない?」
《そりゃ正体バレたら困るからな。認識を齟齬さして貰ってる。》
なるほど、と納得する龍香に火炎が襲いかかる。龍香は転がるようにしてなんとかそれを回避する。
「うっ!」
火炎を浴びせたのは勿論ダリムだ。
「ハハッ、嬉しいぜカノープス!オマエの方から来るなんてなァッ!こんがりと焼いてやる!だが焼き加減は選ばしてやるよ。レアか?ミディアムか?それともウェルダンか?」
《全部お断りだ!》
ダリムがさらに炎を放とうとした瞬間だった。
《Crush the night!Daybreak!》
「マタン起動!!」
《Active》
雪花は“デイブレイク”を見に纏うと両腕にチェーンソー型武器“マタン”を装備してダリムに斬りかかる。ダリムはすぐに攻撃を止めてその攻撃を避ける。
「なんだテメェ!!」
「アンタをブッ潰しに来たのよ!!」
“マタン”を振り回しながら雪花は龍香に叫ぶ。
「アンタのせいで段取りが台無しよ!責任もってそいつらをなんとかしなさい!」
「...分かった!」
“ヘビィスマッシャー”を振るう度に黒い人形が吹き飛ぶ。黒い人形を一ヶ所にぶっ飛ばして集めると龍香はカノープスに叫ぶ!
「カノープス!必殺技!」
《力を込めて振り回せ!!》
龍香は言われた通りブンブンと“ヘビィスマッシャー”を振り回しながら遠心力を利用して勢いのついた最後の一撃を黒い人形達に叩き込む。
「クラッシュ!クラスタァァァァァ!!」
龍香の一撃が黒い人形達に炸裂する。あまりに重い一撃を受けた黒い人形達は霧散して消える。
一方のダリムは炎を放って距離を取ろうとするが雪花はそうはさせじと常に距離を詰めインファイトの間合いを保ち続ける。
「この、燃えやがれェェェ!!」
業を煮やしたダリムは叫ぶと頭と肩、そして掌から火炎を噴き出す事で雪花を無理やり引き剥がす。
「このッ!」
雪花は毒づくがこうも炎を撒き散らされては流石に容易に近づけないようで攻めあぐねている。しかも炎は工場のあちこちに燃え移り軽く火事になっている。
「こんなに熱くちゃ私も近づけない!」
《任せろ。近づかずに奴を倒せば良い!》
龍香がカノープスに触れる。すると服の紫のラインが赤に変わり、右肩にスピノサウルスの頭蓋骨のような装甲を装備され、さらに右手に銃が現れる。
《百発百中!スピノカラー!》
「おぉ!鉄砲だ!」
《フォノンシューターだ》
「これなら遠くからでも攻撃出来るね!」
そう言うと龍香は“フォノンシューター”を構えダリムに向かって発砲する。放たれた弾丸、振動の塊は炎の壁を貫きダリムを撃ち抜く。撃たれたダリムは身体を仰け反らせる。
「なっにィッ...!?」
「あ、当たった!」
ダリムが怯んで炎の勢いが弱くなった隙に雪花は懐に潜り込んで“マタン”で斬りつける。火花が散り、ダリムは倒れる。
「ぬぁッ」
「うおらっ!」
倒れたダリムに雪花がさらなる追撃をしようとするが流石にそれ以上の追撃を許さず再び炎を撒き散らす。
「くっ」
「テメェら、今のはキレたぜ...!全員!燃やし尽くしてやるよぉ!」
ダリムは叫ぶと両腕を前に構えて炎を一点に集中する。恐らく大技でこちらをまとめて倒そうと言う魂胆なのだろう。
「そうはさせない!行くよカノープス!」
《あぁ!行くぜ!》
龍香も“フォノンシューター”を構えると力を込める。イメージするのは炎を切り裂く振動の弾丸。
「二人まとめて俺の炎で燃え尽きやがれェ!!」
工場を包み込みかねない程の巨大な炎がダリムから放たれ、龍香と雪花に襲いかかる。だが龍香は一切物怖じせずダリムをまっすぐ見つめ引き金を引く。
「スパイラルショット!!」
龍香が放った弾丸は迫り来る壁のごとき炎を貫くとそのままダリムをも貫いた。ダリムは自分を貫いた弾の痕を見ながら崩れ落ちる。
「ごっ、もっ、燃え...尽きたぜ...」
爆発。炎が辺りを包む中“フォノンシューター”を構えた腕を下ろし龍香は雪花に尋ねる。
「あなたは私に言った。戦う理由があるって。私は答えたよ。じゃああなたはなんのために戦うの?」
「....復讐よ。私は今までそのために生きてきたんだから。」
炎が辺りを包み込み工場が崩れ始める。龍香は雪花にさらに追及しようと思ったが、流石にこれ以上ここにいるのはマズイと判断し、逃げるのを優先することにした。そして二人が出たと同時に工場は焼け落ち、完全に崩れ去った。
「ここの山奥にあるのね。」
「おう!らしいぜ!」
山道を進みながら確認する雪花に龍香が話しかける。
「...実際にシードゥス出たらどうするの?」
「私がシードゥスを潰す。他の事はアンタに全部任せる。」
「ざ、雑...」
かなり杜撰な役割分担の提案に龍香がげんなりとする中、かおりは藤正にコッソリと話しかける。
「ねぇねぇ、藤正。」
「なんだよ。っていうかなんで来たんだお前。」
かおりはニヤニヤしながら藤正に言う。
「あんた、龍香のこと好きなんでしょ。」
「ブッ!!」
かおりの質問に藤正が噴き出す。そのことを聞いていた山瀬が驚く。
「えっ、藤正君紫水さんのことがムグググ」
「?私がどうかした?」
「い、いや!何でもねーよ!山瀬がつまんないこと言っただけだぜ!」
「?」
藤正は山瀬の口を抑えながら苦笑いをする。龍香は小首を傾げる。そんな様子をかおりはニヤニヤと面白そうに見ている。
「実ると良いわね。」
「...だからお前が来るの嫌なんだよ...」
等とやり取りをしていると噂とおぼしき廃工場が見えてくる。壁や天井のトタン板などは錆び付いており、所々穴が開いて放置されてかなりの年月が立っていることが見てとれる。
「ここかぁ...」
「ほ、ホントにありますね...。」
「中も見てみましょ。」
「え。ちょっ、ちょっと。」
そう言うと雪花は一人でガンガンと入っていく。その雪花に続いて四人は追いかけるように工場に入る。
「て、転校生ガンガン入るな...。」
「あらあら。カッコいい所見せれなかったわね。」
「う、うるせー。」
等とやりとりしながら入ると中は結構ただッ広く流石に機械等は置いてないが古びた資材が積み上げられたりドラム缶が転がっている。
「広いね...」
四人が辺りを見回す中雪花は工場の壁などをじっくりと見ている。かおりは藤正に肘うちしながら藤正を催促するとそれを煩わしそうにしながらも藤正はキョロキョロと辺りを見回す紫水に話し掛ける。
「な、なぁ紫水。あっちを見てみ」
「雪花さん、何か見つかった?」
話し掛けようとするが龍香は藤正の決死の催促を全く聞いておらず、雪花の所へと行ってしまう。
藤正は膝から崩れ落ち山瀬は藤正を慰めかおりは爆笑した。
「....。」
「何か見つかった?」
雪花は壁の黒い部分をジッと見つめそして指でなぞる。そして指に付着した黒いものを見て龍香に言う。
「紫水龍香。」
「え、フルネームで呼ばれるのはちょっと」
龍香が抗議するが雪花は無視して続ける。
「気を付けなさい。いるかも。」
「へ...」
雪花は指に付いた黒いものを龍香に見せる。
「これは炭。何かが焼けた後のようよ。最初は火事かと思ったけど、こうもまばらに焼け跡があるのは誰かが意図的につけたとしか思えない。」
「や、ヤンキーとかかもよ?」
「だと良いんだけど。にしちゃ落書きないの気になるけどね。」
見れば確かに落書きは一切ない。そして雪花の言う通り注意して見れば黒い痕があちこちにあった。龍香は嫌な予感がして皆にそろそろ帰ろうと言おうとした瞬間だった。
「うるッせーぞガキ共!!こっちは今考え事してんだよ!」
怒号と共に最悪のタイミングで怪物が現れた。頭と肩から炎を撒き散らし近くのドラム缶を蹴っ飛ばす。撒き散らされた炎は壁や床を焦がす。龍香と雪花はこの焦げ痕はあの怪物によるものだと察する。
《アイツはダリム。炎が武器の瞬間湯沸し器だ。》
「?湯沸し...?」
《キレやすいってことだよ。》
龍香と雪花は丁度ダリムからも三人から見ても死角に入っており、今変身しても三人にバレることはないだろう。
「う、うわー!!ホントに出たー!」
「も、燃えてるー!」
三人はダリムにすっかり怯え切っている。ダリムは悲鳴を上げる三人にイライラしたのか今度は掌から炎を噴き出し始める。
「うるせぇ燃やすぞ!...いや、コイツを試してみるか。」
ダリムは両の掌から炎を噴き出すと入り口に向けて発射し、退路を塞ぐ。そして腰から何かを取り出すと掌からポロポロと黒い粒をこぼす。その黒い粒は人形へと姿を変える。
「アンタレスから渡されたコイツら、どれ程のものか。」
黒い人形達が三人へとゆらゆらと向かっていく。どう見ても仲良くしてくれそうには見えない。
「!助けなきゃ!」
「いや、ここはあの炎野郎よ。今なら不意打ちで一気に有利に持ち込める。」
「何を言ってるの!?友達を見捨てるなんて出来ない!」
雪花の発言に龍香は抗議する。だが雪花は龍香の襟首を掴んで睨みながら言う。
「甘ったれた事言ってんじゃないわよ。私は何がなんでもシードゥスを潰す。そのためにはなんだってする。たまたま力を手に入れただけ、なんとなくで戦ってるアンタと違って私は戦う理由があるの!!」
「!私は!...私だって、」
言葉に詰まる龍香に雪花はフンと鼻を鳴らす。
「素人の甘ちゃんは黙って私に従ってなさい。」
《オイオイ。好き勝手言ってくれるじゃねぇか嬢ちゃん。》
雪花の言葉にカノープスが口を挟み、龍香に言う。
《おまえ。俺と初めて会った時言ったじゃねぇか。戦う理由をよ。》
その言葉に龍香はハッとなる。そして三人の声が聞こえる。
「う、うわー!!もう終わりだー!!」
「でも、雪花さんと龍香がいないわ!」
「お、俺に任せろ!俺がこんな真っ黒黒助倒して二人とも助けてやる!」
山瀬とかおりの前に藤正が立ち、その辺の角材で応戦しようする。三人とも逃げるのをグッと堪えて雪花と龍香の身を案じているのが見て取れる。
その姿に龍香の心は決まる。それを察したのか雪花は止めようとする。だが、龍香はもう怯まない。
「お前...!」
「私にも戦う理由がある。私はもう誰にもいなくなって欲しくない!そのために戦うの!」
雪花を突き飛ばすと龍香はカノープスに触れる。
「ダイノフォーゼ!」
龍香が叫ぶと紫色の光の恐竜に包まれ龍香は魔龍少女へと姿を変える。
龍香は“タイラントアックス”を振り回して黒い人形を吹き飛ばす。そして三人を守るように立ちはだかる。
《暴虐不尽!タイラントカラー!》
「え、あ、あなたは?」
「早く逃げて!」
《絶対防御!アンキロカラー!》
龍香はカノープスに触れると黄緑色の形態、アンキロカラーに姿を変え、戦槌型武器“ヘビィスマッシャー”を振り回して壁を叩き壊す。
「ここから早く!」
「あ、ありがとうございます!」
「で、でも!まだ二人が!」
「私が助けるから!早く!」
龍香の圧に押されたのか三人は振り返りながらも這う這うの体で破壊した壁から逃げ出す。
そんな彼らを見ながら一拍置いて龍香はふと気づく。
「...あれ?三人とも私って気づいてない?」
《そりゃ正体バレたら困るからな。認識を齟齬さして貰ってる。》
なるほど、と納得する龍香に火炎が襲いかかる。龍香は転がるようにしてなんとかそれを回避する。
「うっ!」
火炎を浴びせたのは勿論ダリムだ。
「ハハッ、嬉しいぜカノープス!オマエの方から来るなんてなァッ!こんがりと焼いてやる!だが焼き加減は選ばしてやるよ。レアか?ミディアムか?それともウェルダンか?」
《全部お断りだ!》
ダリムがさらに炎を放とうとした瞬間だった。
《Crush the night!Daybreak!》
「マタン起動!!」
《Active》
雪花は“デイブレイク”を見に纏うと両腕にチェーンソー型武器“マタン”を装備してダリムに斬りかかる。ダリムはすぐに攻撃を止めてその攻撃を避ける。
「なんだテメェ!!」
「アンタをブッ潰しに来たのよ!!」
“マタン”を振り回しながら雪花は龍香に叫ぶ。
「アンタのせいで段取りが台無しよ!責任もってそいつらをなんとかしなさい!」
「...分かった!」
“ヘビィスマッシャー”を振るう度に黒い人形が吹き飛ぶ。黒い人形を一ヶ所にぶっ飛ばして集めると龍香はカノープスに叫ぶ!
「カノープス!必殺技!」
《力を込めて振り回せ!!》
龍香は言われた通りブンブンと“ヘビィスマッシャー”を振り回しながら遠心力を利用して勢いのついた最後の一撃を黒い人形達に叩き込む。
「クラッシュ!クラスタァァァァァ!!」
龍香の一撃が黒い人形達に炸裂する。あまりに重い一撃を受けた黒い人形達は霧散して消える。
一方のダリムは炎を放って距離を取ろうとするが雪花はそうはさせじと常に距離を詰めインファイトの間合いを保ち続ける。
「この、燃えやがれェェェ!!」
業を煮やしたダリムは叫ぶと頭と肩、そして掌から火炎を噴き出す事で雪花を無理やり引き剥がす。
「このッ!」
雪花は毒づくがこうも炎を撒き散らされては流石に容易に近づけないようで攻めあぐねている。しかも炎は工場のあちこちに燃え移り軽く火事になっている。
「こんなに熱くちゃ私も近づけない!」
《任せろ。近づかずに奴を倒せば良い!》
龍香がカノープスに触れる。すると服の紫のラインが赤に変わり、右肩にスピノサウルスの頭蓋骨のような装甲を装備され、さらに右手に銃が現れる。
《百発百中!スピノカラー!》
「おぉ!鉄砲だ!」
《フォノンシューターだ》
「これなら遠くからでも攻撃出来るね!」
そう言うと龍香は“フォノンシューター”を構えダリムに向かって発砲する。放たれた弾丸、振動の塊は炎の壁を貫きダリムを撃ち抜く。撃たれたダリムは身体を仰け反らせる。
「なっにィッ...!?」
「あ、当たった!」
ダリムが怯んで炎の勢いが弱くなった隙に雪花は懐に潜り込んで“マタン”で斬りつける。火花が散り、ダリムは倒れる。
「ぬぁッ」
「うおらっ!」
倒れたダリムに雪花がさらなる追撃をしようとするが流石にそれ以上の追撃を許さず再び炎を撒き散らす。
「くっ」
「テメェら、今のはキレたぜ...!全員!燃やし尽くしてやるよぉ!」
ダリムは叫ぶと両腕を前に構えて炎を一点に集中する。恐らく大技でこちらをまとめて倒そうと言う魂胆なのだろう。
「そうはさせない!行くよカノープス!」
《あぁ!行くぜ!》
龍香も“フォノンシューター”を構えると力を込める。イメージするのは炎を切り裂く振動の弾丸。
「二人まとめて俺の炎で燃え尽きやがれェ!!」
工場を包み込みかねない程の巨大な炎がダリムから放たれ、龍香と雪花に襲いかかる。だが龍香は一切物怖じせずダリムをまっすぐ見つめ引き金を引く。
「スパイラルショット!!」
龍香が放った弾丸は迫り来る壁のごとき炎を貫くとそのままダリムをも貫いた。ダリムは自分を貫いた弾の痕を見ながら崩れ落ちる。
「ごっ、もっ、燃え...尽きたぜ...」
爆発。炎が辺りを包む中“フォノンシューター”を構えた腕を下ろし龍香は雪花に尋ねる。
「あなたは私に言った。戦う理由があるって。私は答えたよ。じゃああなたはなんのために戦うの?」
「....復讐よ。私は今までそのために生きてきたんだから。」
炎が辺りを包み込み工場が崩れ始める。龍香は雪花にさらに追及しようと思ったが、流石にこれ以上ここにいるのはマズイと判断し、逃げるのを優先することにした。そして二人が出たと同時に工場は焼け落ち、完全に崩れ去った。
「お!二人とも無事だったんだな!」
「う、うん。何とかね。」
「スゴく心配したんだから!」
「ご、ごめんね。」
「無事で何よりです!」
二人が工場を出た後変身解除してコッソリと出てくると先に外に出ていた三人は泣きかねない勢いで二人を迎え入れる。
「でも、マジでいたんだね...」
「あの怪物も、私達を助けてくれた少女はなんだったのでしょう?」
「ホント誰だったのかしら。お礼の一つ位言いたかったわ。」
「くー!写真を撮っとけば良かった!」
藤正がそう言うと、ふと龍香は皆が命の危機に瀕していたのにいない二人を心配してくれたのを思い出す。
「でも。心配してくれてありがと。あの時の藤正君カッコ良かったよ。」
「えっ、お、おう!男なんだからと、当然だろ?って何で知ってるんだ?もしかして見てた?」
「う!そ、その怖くて腰が抜けちゃってて動けなくてさ...。あ、あとかおりも、山瀬君もありがとうね。」
「まあ結局あの娘のお陰だけど。」
「でも、全員無事で良かったじゃないですか。」
「....」
わいわいとする四人を見て雪花は顔を背け一人で先に帰ろうとする。
「雪花さん?」
「疲れた。先に帰る。」
雪花はそう言うと有無を言わせず去っていく。「...転校生には悪いことしたな。せっかくついてきてくれたのにあんなことになっちまったしさ。」
「まぁ無理もありませんよね。」
「私達ももう帰ろうか。スッゴく疲れちゃったわ。」
「う、うん...。」
(復讐って一体何があったんだろう...。)
そう言って三人と一緒に帰り道を歩く中、雪花の背中を見ながら龍香は雪花から何処か物寂しいものを感じたのだった。
「う、うん。何とかね。」
「スゴく心配したんだから!」
「ご、ごめんね。」
「無事で何よりです!」
二人が工場を出た後変身解除してコッソリと出てくると先に外に出ていた三人は泣きかねない勢いで二人を迎え入れる。
「でも、マジでいたんだね...」
「あの怪物も、私達を助けてくれた少女はなんだったのでしょう?」
「ホント誰だったのかしら。お礼の一つ位言いたかったわ。」
「くー!写真を撮っとけば良かった!」
藤正がそう言うと、ふと龍香は皆が命の危機に瀕していたのにいない二人を心配してくれたのを思い出す。
「でも。心配してくれてありがと。あの時の藤正君カッコ良かったよ。」
「えっ、お、おう!男なんだからと、当然だろ?って何で知ってるんだ?もしかして見てた?」
「う!そ、その怖くて腰が抜けちゃってて動けなくてさ...。あ、あとかおりも、山瀬君もありがとうね。」
「まあ結局あの娘のお陰だけど。」
「でも、全員無事で良かったじゃないですか。」
「....」
わいわいとする四人を見て雪花は顔を背け一人で先に帰ろうとする。
「雪花さん?」
「疲れた。先に帰る。」
雪花はそう言うと有無を言わせず去っていく。「...転校生には悪いことしたな。せっかくついてきてくれたのにあんなことになっちまったしさ。」
「まぁ無理もありませんよね。」
「私達ももう帰ろうか。スッゴく疲れちゃったわ。」
「う、うん...。」
(復讐って一体何があったんだろう...。)
そう言って三人と一緒に帰り道を歩く中、雪花の背中を見ながら龍香は雪花から何処か物寂しいものを感じたのだった。
To be continued...