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  • セブンスカラー 第五話 トモダチ

創作女児小学生ズ@wiki

セブンスカラー 第五話 トモダチ

最終更新:2020年07月03日 00:55

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セブンスカラー 第五話 トモダチ
更新日:2020/07/03 Fri 00:55:52

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セブンスカラー 紫水龍香




今回のあらすじは僕、嵩原が担当するよ。前回紫水君は僕達対シードゥスの組織“新月”に協力してくれることになったね。そしてクラスメイト達と探検した先でシードゥスと遭遇、何とか撃破するけど友を優先する紫水君とシードゥス殲滅を優先する藍君が衝突してしまい...どうなる第五話。





部屋の中に打突音が響く中、黒鳥は携帯を弄りながらその音を発生させてる主を見ていた。
「えらくご機嫌ナナメだな。昨日何かあったのか?」
「ふっ、別に!」
その主、雪花は目の前のサンドバッグを殴りながら素っ気なく答えるがその声には明らかに不機嫌が混じっている。が、かと言って長年の付き合いから聞いたところで素直に答える彼女ではないことは分かっている。
黒鳥はあっそ、と軽く流すと携帯を弄るのを止めてその場を後にする。何せ今は事情を聞ける別の人がいるからだ。







龍香は雪花を除いた昨日の三人、かおりと藤正と山瀬と遊びに出ていた。公園でブランコに揺られながら四人の話題は昨日の一件で一杯だった。
「昨日はヤバかったねー。」
「いや、ホント死ぬかと思ったー。」
「ホントにいるとは正直思ってなかったな。」
「めっちゃ燃えてましたしね。」
なんて話をしている時だった。龍香はふとこちらをジッと見つめるカラスと目が合う。龍香と目が合ったカラスはカァと鳴いて何処かへ飛び去る。
不思議なカラスだなぁと思って龍香がそのカラスを目で追い掛けているとそのカラスが飛んだ先に一人の青年がいることに気づく。カラスはその青年の肩に止まる。
「...黒鳥さん?」
確か一昨日雪花と顔合わせした時にいた青年だ。黒鳥は龍香に来いとジェスチャーをする。
「どしたの?」
かおりに尋ねられて龍香はヒュッと変な声が出る。龍香は色々と言い訳を考えた結果ブランコから下りて皆に言う。
「ちょ、ちょっとトイレ!」
龍香はそのまま公園から出る。かおりはらしくない龍香の行動に気になって龍香の行く先を見るとその先に青年がいる事に目ざとく気づく。
「へぇ~....」
何かに目ざとく気づいたかおりもブランコから下りる。
「お、どした?」
「桃井さんもお手洗いですか?」
二人は特に気づいてないようでブランコを漕ぎ続けている。かおりはニヤニヤしながら二人に言う。
「龍香の後をつけるわよ。」
「え?」
「さ、流石にお手洗い覗くのはちょっと...」
「いや違うわよ。」
かおりはピッと小指を立てて二人に見せる。
「龍香、彼氏いるかも。」
「「な、なんだってェ~!!」」
二人の絶叫が公園に響いた。







「すまないな。お友達と遊んでる中急に呼び出して。」
「い、いえ。まぁビックリしましたけど。」
「ま、急に呼び出した詫びだ。良ければ受け取ってくれ。」
「あ、ありがとうございます。」
黒鳥と龍香の二人は公園から少し離れたベンチに腰かけていた。黒鳥は隣の自動販売機で買ったオレンジジュースを龍香に渡す。
「あ、あの。聞いて良いですか?」
「なんだ?」
黒鳥は自分で買ったお茶を飲みながら聞き返す。龍香は黒鳥の方、正確には肩に乗っているカラスを指差して言う。
「そのカラス、黒鳥さんの...?」
「いや、知らん。その辺にいた奴だ。」
「その辺に!?」
黒鳥がシッシッと手を払うとカラスは何処かへと飛んで行く。
「俺は動物と会話することが出来てな。君を探すのを手伝って貰ってた。」
「え、えぇ!す、スゴい...」
「まぁ言うて話せるのはカラスと蜘蛛と蛇だがな。」
「何ですかその妙なラインナップは...あ、私を呼び出したのはアレですか、シードゥスですか?」
「いや、雪花のことだ。」
黒鳥の言葉に龍香は強ばる。何せ昨日の一件で気まずいまま別れたのだ。だがそんなことは知らない黒鳥は続ける。
「アイツ昨日から妙に不機嫌でな。言っても答えてくれないし、君なら何か心当たりはないかと思ってな。」
「い、いやー、それは、その。」
言葉に濁る紫水に黒鳥が何かを察したのか龍香に尋ねる。
「何かあったんだな。君と。」
「え、えぇ。まぁそのちょっと。」
「昨日シードゥスと戦ったとは聞いているけどその時君と衝突したのかな?」
「...。」
黒鳥の言葉に龍香は口をつぐむ。確かに衝突はしたが、あの時雪花は友達を見捨てようとしたのだ。シードゥスを倒したいのは分かるがだからと言って目の前の命を見捨てて良い理由にはならない。
そんな龍香の思いを察して黒鳥は視線を自分の手元に落とす。そして静かに言う。
「君もチームだ。だからこそ雪花のことを知ってほしい。アイツがシードゥスを憎む理由も。戦う理由も。」
「雪花さんの...。」
黒鳥は視線を落としたまま話を続ける。
「彼女はな。姉をシードゥスに殺されている。しかも目の前で、だ。」
「!お姉さんを....。」
彼女が姉を失くしたと聞いて龍香も顔をしかめる。自身も兄を失くしているだけに他人事はとても思えなかった。肉親を失う痛みを彼女も味わっていたのだ。
「雪花亜美。彼女は新月の研究者で、藍が着ているスーツの開発者でもある。何回か顔を合わせた程度だけど優しい人だった。藍もその時は今ほどキツイ性格はしていなかったな。むしろ素直な部類だ。姉妹仲も俺が知る限り良好だったと思う。」
《雪花亜美か。確かに他人に気を配れる良い女だった。》
「カノープスも知ってたんだ。」
《妹がいたのは初耳だがな。まぁ研究部門の連中とは接点はそこまで無かったからなぁ。》
黒鳥は懐かしむように続ける。
「だが二年前、あの日。基地が大規模なシードゥスの奇襲を受けた。その時に藍は姉を....。」
黒鳥は顔をしかめる。その顔には後悔が滲み出ていた。
「あの日程。俺は後悔したことはない。あの日基地を離れなければ力になれていたかもしれない....。」
そこまで話して黒鳥は視線を上げると今度は龍香を見すえる。
「だからこそ。勝手なお願いだが、アイツと...藍と友達になって欲しい。」
「友達....?」
黒鳥の言葉に龍香が聞き返す。
「アイツは生まれも育ちも新月だ。だから同世代の友達もいない。友達付き合いが分からない。新月には年上しかいなかったからな。だから。事情を理解してくれる友がいてくれたらっていつも思っていた。」
そう言うと黒鳥は龍香に頭を下げる。
「だから頼む。嫌かも知れないが、アイツと友達になってやって欲しい。」
「そ、そんな!顔を上げて下さい!」
黒鳥の真摯な態度に龍香は胸を打たれるような思いだった。雪花をこんなにも思いやってくれる人の思いを龍香は無下にすることなど到底出来ない。
「昨日の私の友達を見捨てようとしたことはどんな事情があっても、許せません。」
けど、と龍香は続ける。
「だからって友達になりたくない訳じゃないです。...言葉は乱暴だけど、彼女は私を一度は助けてくれましたし。」
確かに友達を見捨てようとしたこともあった。だが雪花は龍香のピンチも救ってくれたこともあった。
「事情が聞けて、良かったです。彼女にあったら言ってみます。」
その言葉に黒鳥は一瞬驚いたような顔をし、そして微笑む。
「ありがとう紫水。まぁその、アイツ素直じゃないから食ってかかるかもしれないがよろしく頼む。長々と話して悪かったな。」
黒鳥はそう言うと立ち上がり、何処かへ去っていた。黒鳥が去っていた方を見ながら龍香はカノープスに聞く。
「...スゴいイイ人だったね黒鳥さん。」
《そうだな。んで、雪花と友達になるってどうするんだ?多分アイツ俺達のこと嫌ってるぞ。》
カノープスの言う通り黒鳥にはああ答えたものの雪花に友達になろうと提案したところで素直に受け取ってくれるとは到底思えなかった。
「....根気よくいくしかないんじゃないかなぁ。」
龍香は苦笑いしながら答えた。












「龍香いつの間にあんな年上の人と接点持ってたんだろ...。」
「し、紫水さんって年上が好きなんですかね?」
コッソリと龍香の後をつけた三人は龍香と青年が見える位置でコソコソと話していた。龍香の誤魔化し方がどうにも怪しいと感じたかおりの推測通り龍香は自分より年上、高校生位の青年と話しているのだから。
「まー、龍香って寂しがり屋だし年上の包容力に甘えたかったのかしらねー。もしかしたら、龍香の寂しがり屋が治ったのも...!」
「と、言いますと?」
山瀬に尋ねられるとかおりは親友の恋にテンションが上がったのか一人芝居を始める。
「そう!きっと二人は劇的な出会いをしたのよ!雨が降るバス停前!『きみ、一人かい?』『はい、そうです。』『良ければ少し話し相手になって貰えないか?ちょっと暇を持て余してね。』そしてそこから少しずつ会っていく度に『龍香。俺は君のことが...』『私も...』」
「な、なななな、何、言って、んだ?あ、アイツ、し、紫水そんなこと一言も言って...なかった...。」
かおりの一人芝居を聴いている藤正のテンションがみるみる内に萎んでいくのを感じる。目の前の出来事は到底彼には受け入れがたいらしい。
「そりゃ、あんだけ年上だと私達に秘密にしたくもなるでしょ。私達と遊んでる最中に呼ばれるってことは中々寂しがりなのかもよ相手も。」
「い、いやぁでも」
「あと龍香結構年上好きよ?」
「」
「ふ、藤正くーん!!」
藤正が膝から崩れ落ちて山瀬が絶叫する。そして龍香は話終えたのか青年と別れて公園に戻ろうとする。
「ま!聞いてみれば分かるでしょ!」
そう言うとかおりは龍香に向けて駆け出す。龍香もかおりに気づいたようでかおりの方に歩き出す。
「あ、かおり。」
「龍香~!あんた、結構やるね~!」
「へ?」
なんのことか分からず小首をかしげる龍香にかおりは肘でつつきながら言う。
「で、あの彼氏とはどうやって出会ったの?」
「か、彼氏!?」
突然のことに龍香は驚きながらもブンブンと手を振って否定する。
「黒鳥さんとはそんなじゃないよ!ただ相談に乗ってただけ!」
「ホント~?」
「ホントだって!」
怪しい~とおちょくるかおりに龍香が否定していると藤正が話に入ってくる。
「ま、まぁそうだろうな!紫水に彼氏なんて、な!」
「む、それはそれで酷くないかな?」
どうやら彼氏であることを否定したのを聞いて藤正も持ち直したらしい。
「ところで紫水さんはどのような男性が好みなんですか?」
「私?そうだなー。」
山瀬の質問に紫水が考え込む。その答えに藤正だけじゃなくてかおりも興味津々だ。
「やっぱり...落ち着きがあって...カッコよくて...優しくて...頼れる...」
色々考え込んでた紫水だが、どうやら答えを思い付いたようでポンと手を叩いて言う。
「お兄ちゃんみたいな人!!」
「「ズコーッ!!」」
自信満々の回答に二人は思いっきりズッコケる。龍香はなぜ二人がそんなリアクションを取るのか不思議がっているが。
「あんた、中々の強敵を相手にしてるわね...。何せ何一つ当てはまってないし。」
「んだよ...優しいだろ...俺。」
龍香はそんなやり取りをする二人を見ながら小首を傾げる。どうやら藤正透の想いは前途多難...であるらしい。















コツコツと指で机を叩きながらプロウフはこれからのことを思案していた。新たに現れた脅威への対抗策、そのためには“個性的”すぎるシードゥスの面々を纏めなくてはならない。正直対抗策より面々を纏める方が遥かに難しいように思える。その事にプロウフが頭を抱えているとふと後ろに気配がすることに気づく。
「何の用ですか?」
「よぉ、相変わらず机とにらめっこか?」
そこには龍のような鎧に身を包んだ怪物トゥバンが壁にもたれ掛かっていた。
「俺達は誰にも完全に纏められない。その事は薄々気づいてんだろ?」
「えぇ。ですがかと言って野放しにする訳にもいかないでしょう?」
「ククッ。まぁそう言うと思ってたぜ。」
トゥバンは壁からもたれ掛かるのを止めてプロウフの向かい側にある机の前に立つ。
「今日は提案しに来たんだよ。」
「提案?」
プロウフが尋ねるとトゥバンはククッと笑って答える。
「そうだ。今脅威が近づいてるのは分かるよな。」
「えぇ。私が目下頭を痛める原因ですね。」
「そこでだ。流石に俺も友が倒れるのは胸が痛む。心苦しいモンだ。」
つらつら語るトゥバンにプロウフは良くもまぁ微塵も思っても無いことを言えるモノだと思っているとトゥバンはここからが本番だと笑みを浮かべる。
「そこで、だ。後数体、他の奴らが倒されたら俺を出撃させろ。なんならツォディアのどいつかが倒されたらでも良いぜ。」
「....成る程。貴方が微塵も仲間を大切になど思っていないことは分かりました。貴方、早く自分が戦いたいだけでしょう?」
プロウフの指摘されてもトゥバンは全く悪びれる様子はない。むしろ話が早いと開き直っている。プロウフはハァとため息をついて椅子にもたれ掛かりトゥバンを見据える。
「とは言ったものの流石にそこまで被害が出れば貴方に出撃して貰うかもしれません。」
「お!提案を受け入れてくれるんだな!」
「ですが。貴方は一度身体を失っています。ですから出撃は私が吟味します。」
「あ?」
プロウフの一言にトゥバンが殺気立つ。だがプロウフに全く怯む様子はない。むしろトゥバンを睨み返し、プレッシャーを放つ。
「やめておきなさい。戦う前に深手を負うのは貴方も嫌でしょう?」
「...チッ。分かったよ。」
トゥバンは殺気を抑えプロウフのいる部屋を後にする。だが去り際にプロウフに言う。
「約束は違えるなよ。」
「その時が来れば、ですがね。」
そう言うとトゥバンは去っていた。やれやれとため息をつくと外からドタバタと音がして入れ替わりでゲンマが大慌てで入ってくる。
「どうしました?」
「た、大変です!封印していたアケルナルの奴がいません!!」
「何ですって。」
「あ、アイツが暴れれば厄介なことに...」
ゲンマが顔を青ざめさせ、プロウフが反応する通りアケルナルは幹部のツォディアではない。だがアケルナルの何よりの問題は理性が皆無であることとその恐るべき能力だ。
「他にいなくなった者は?」
「い、一応確認した限りではスアキロンがいません!」
「....。」
いくら自分本意なシードゥス達とは言えスアキロンが自発的に封印を解くとは思えない。恐らくトゥバンがスアキロンを上手くのせたのだろう。アケルナルのその特性故に封印を解くことを固く禁じていたのだがそれを破ってしまうとは。
「アンタレスをここに。彼女に私が任務を伝えます。」
「ハッ!直ちに!」
プロウフの命令でゲンマはアンタレスを呼びに行く。その後ろ姿を見ながらこのタイミングで提案を持ちかけたトゥバンの用意周到さに歯痒さを覚える。アケルナル達が勝てば処分の名目でアケルナル達と、脅威側が勝てば自分の出撃が早まる。どちらにせよ戦闘狂のトゥバンにとっては美味しい話だ。
「...やってくれましたね。」
プロウフは拳を握りしめ、アンタレスの到着を待った。














「ただいま~。」
「あら、お帰りなさいませ龍香お嬢様。」
龍香が帰宅して家のドアを開けると返事があった。その声の主は妙齢の女性で、その女性の顔を見ると龍香の顔色が変わる。
「ばあや!来てたんだ!」
「はい。今日はお久しぶりに暇を頂きましたので。」
ばあやと呼ばれた女性...白川冴子は微笑んで答える。白川冴子。彼女は龍香と龍賢の面倒を小さい頃から見てくれた龍香にとって母親のような人だ。
《よぉ、久しぶりだな冴子サン。相変わらずあの会社にいんのか?》
「あらま。カノープスさん。」
カノープスに声をかけられ冴子が驚いたような顔をする。
「貴方がここにいるという事は龍賢坊っちゃんも...」
《あー、いや。龍賢はまだ見つかってない。残念だが。》
「え?ばあやカノープスを知ってるの?」
二人の会話に龍香が突っ込む。すると冴子は微笑んで龍香に答える。
「はい。私昔は事業に勤しみつつシードゥスと戦う龍賢坊っちゃんを影ながらお手伝いさせて頂いておりました故。カノープスさんとも面識があるのでございます。」
「へー。そうだったんだ....」
冴子は微笑んでいたが、カノープスと一緒に龍香がいることに少し寂しそうな顔をする。
「龍香お嬢様と貴方が共にいるという事は、今は龍香お嬢様が戦っていらっしゃるのですね...。」
「う、うん。」
《....もう二度と繰り返しゃしねぇよ。》
沈痛な空気が流れる。そんな重苦しい雰囲気を変えようと龍香は無理矢理笑顔で話題を変える。
「あ、お腹空いたなー!ばあや!今日の晩御飯は何?」
「!え、えぇ。龍香お嬢様。今日はお嬢様が大好きなシチューでございます。」
「わぁい!!私!カバン置いてくるね!」
龍香の思いを汲み取ったのか冴子もそれに乗る。荷物を置きに部屋に戻る彼女の後ろを見ながら冴子は笑顔のまま項垂れる。
「...お嬢様だけでも幸せになってほしいものです。」












「ただいま。」
「お帰り。」
黒鳥が拠点に戻るとそこには嵩原もいた。嵩原は帰って来た黒鳥に尋ねる。
「どこに行ってたんだい?」
「アイツが不機嫌な理由を聞きに行ってました。」
「藍君か。君には苦労をかけるね。」
「いや、大丈夫ですよ。」
黒鳥が椅子に座ると嵩原はそのまま話を続ける。
「で、どうだったんだい?」
「紫水に聞いたんですが、シードゥス絡みでトラブルがあったみたいです。」
「まぁ、だろうね。ところで、話してみてどうだった?紫水君は。」
その問いに黒鳥は紫水との会話を思い返す。紫水と話してみて分かった事があった。
「紫水龍香...すごく良い子だと思います。アイツと同じで兄を失くしているのに真っ直ぐで他人を思いやれる。」
「彼女は素直で優しいからね。危うい位に。多分彼女の性分なんだろうけど。」
「....そうですね。俺の頼みも快く聞いてくれました。」
「頼み?」
「藍と仲良くしてほしいんです。アイツも紫水のように友達がいたら変わるかもしれないとおもって。」
黒鳥の言葉に嵩原もうんと頷き、言う。
「紫水君と雪花君は似ているからさ、仲良くなれるよ。雪花君も酷い人間って訳じゃない。素直になれないだけで優しい子だからね。」
二人が話している時だった。何処からか入ってきたカラスが黒鳥の肩に止まる。
「どうした?」
黒鳥に尋ねるとカラスがカァと鳴く。それを聞いていると黒鳥の目の色が変わり、嵩原に言う。
「嵩原さん。シードゥスです。」










「お待たせしました!」
黒鳥からの一報を受けて夜中の河川敷に変身した龍香が到着する。黒鳥は既にマスクをつけ、雪花も“デイブレイク”を装備し臨戦体勢を整えている。
「よし。これで全員揃ったな。シードゥスはこの先だ。」
「遅いのよ。」
「ごめんね,雪花“ちゃん”」
「....ちゃん?」
龍香の呼び掛けに雪花の眉がピクリと動く。だが龍香は親しげに言う。
「そっ!仲良くしたいからちゃん!私は龍香で呼び捨てにしていいよ!」
「...なんでアンタと仲良くしないといけないのよ。」
「だってチームだし。仲良くするのはチーム...チームなんでしたっけ?」
「多分ワークだ。」
「あ、それです。ありがとう黒鳥さん。そう!チームワークのために必要でしょ?」
黒鳥に礼を言うと気に障った部分があったのか龍香に食ってかかる。
「なんで黒鳥はさんづけなのよ!」
「えー、だって雪花ちゃんは同い年だけど黒鳥さんは年上だし...。」
「あんた誕生月は?」
「7月だけど?」
「私は5月よ。つまり私もアンタより年上だからさん付けで呼びなさい。」
「...雪花ちゃんって案外子供っぽいね。」
「アンタも子供でしょーが!!」
「はいはい。そこまで。この先にシードゥス二体いるんだから切り替えろよ。雪花ちゃんと龍香。」
「!?」
「はい!」
雪花は納得できない!と言わんばかりの顔をするが黒鳥は気にせず進む。一方で龍香は笑顔で答える。
三人が夜の河川敷を進むと川の側に二体の怪物がいる。一体はまるでヒレと尻尾が生えており、まるで魚人のような身体つきをしている。そしてもう片方は不定形な形をしており、常に身体が不気味に蠢くスライムのような怪物だ。
「あの二人は?」
《魚っぽいのはスアキロンだ。しかしもう片方は見たことないぞ....?》
「カノープスも知らないのが一人...」
初めてのカノープスも知らない敵の登場に龍香は緊張する。一方で黒鳥も慎重に出方を伺っているようだ。
「なんだっていいわ。全員ぶっ潰すだけだもの。」
すると雪花はライフル“モルゲン”を取り出すとスアキロンに向けて発砲して先制攻撃を放つ。
「うおッ」
放たれた弾丸は見事にスアキロンに命中し、スアキロンは倒れる。
「お前勝手に!」
「先手必勝よ!」
黒鳥が制止する前に雪花はチェーンソー“マタン”を起動させると一気に蠢くスライム状の敵に向かう。
「仕方ない俺達も続くぞ!」
「は、はい!」
黒鳥も飛翔し、龍香も“タイラントアックス”を構え雪花に続く。
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
《......》
雪花が迫ってくるというのにスライム状の敵は何も反応しない。“マタン”が唸るような起動音を上げながらスライム状の敵に斬りかかる。その一閃はスライム状の敵を切り裂いた。辺りに水滴が飛び散り、敵は倒れた...かのように見えた。
「何ッ」
スライム状の敵の飛び散った水滴が再び集まりその姿を形作る。そして再び元の状態に再生してしまう。
「再生した!」
「この!」
雪花が何回も“マタン”を振り回して敵を切り裂くがいくら切り裂いても何度でも再生してしまう。
「コイツ...!」
「やってくれたな!」
目の前の敵に躍起になっていた雪花に立ち上がったスアキロンが襲いかかる。ブレードのようなヒレで雪花を切り裂こうとするが間に龍香が割って入り、その一撃は“タイラントアックス”に受け止められる。
「させない!」
「チッ!」
さらに上空から黒鳥が羽を飛ばしてスアキロンを攻撃するが、スアキロンはそれに気づくとすぐに後ろへと飛んでその一撃を回避する。
《......》
「来やがったか新月の生き残り共!だがお前らじゃあこのアケルナルは倒せないぜ!何せコイツは不死身なんだからな!」
「不死身...!」
スアキロンの言う通りアケルナルは全くと言って良いほどダメージを受けた様子は見られない。相変わらず何もせずボッーと突っ立っているだけだ。
《斬撃は奴には通用しないらしい。なら別の手段を試すぞ!》
「うん!」
《百発百中!スピノカラー!》
龍香は赤い姿“スピノカラー”に姿を変えると“フォノンシューター”をアケルナルに向かって撃ちまくる。そして放たれた振動する弾丸がアケルナルを捉えた瞬間。
《....!》
アケルナルの身体が震えて身悶えする。どうやらアケルナルに“フォノンシューター”の振動波の弾丸は効くらしい。
「効いてる!」
《よし!もっと叩き込んでやれ!》
《.....》
龍香がさらに撃ち込もうもするがアケルナルは身体を蠢かせると細身になったり、くの字に変形したりして弾丸を回避する。
そしてアケルナルが腕を翳すと川の水が柱のように浮かび上がり龍香と雪花に襲い掛かる。龍香と雪花はそれらを何とかかわす。
そして反撃にと龍香は“フォノンシューター”を撃ち込む。雪花も“マタン”をパージして“モルゲン”を発砲する。“モルゲン”の弾はアケルナルをすり抜けるが“フォノンシューター”の弾がアケルナルが直撃する。
《....!》
アケルナルは突然近くの川へと飛び込む。龍香は飛び込んだ先にも何発か撃ち込むがまるで手応えがない。
「に、逃げちゃった?」
《クソッ!見えん!》
「何ですって!」
慌てて龍香と雪花が川へと近づく。その瞬間川全体がザバザバと波音を立て荒れ狂い始める。
「ハハッ!!アケルナルめ!本気を出すか!」
「なんだと!」
黒鳥は上空からさらに羽を飛ばして攻撃するがスアキロンはその攻撃を避けると川へと飛び込む。
「何が起こっているんだ...!」
「これ、川に近づくのヤバいんじゃ」
「あのシードゥスどこ行ったのよ!」
雪花が川を覗いて探し回るその瞬間龍香の目に一つの水柱が川から上がり、雪花に襲いかかって来るのが見えた。
「!危ない!」
「きゃっ」
龍香は雪花の襟首を掴むと後ろへと放り投げる。だが、目標を失った水柱はそのまま龍香に絡み付くと川へと引きずり込む。
「きゃ、きゃああああ!?」
「紫水龍香!!」
龍香はそのまま水音を立てて川へと消える。それと同時に川の水が上へ上へと登り、蠢き始める。そしてその動きが止んだ瞬間そこには全高50mはあろうかと言う巨大なアケルナルが立っていた。
「おい藍!大丈夫か!」
「.....」
『聞こえるか黒鳥君。』
「!嵩原さん!」
黒鳥は耳につけている通信機から嵩原の連絡があるとすぐに出る。
「嵩原さん!これは一体...!」
『恐らくだが先ほどのアケルナルというシードゥスは自分の回りの水を自身の身体として使役している。つまり自身が巨大化したんじゃない、大量の水を身体に纏わせているだけだ。だから本体を見つけなければこれほど巨大な水にいくら攻撃しても暖簾に腕押しだろうね。しかも奴は再生能力持ち、一撃で奴を仕留めなければならない。』
「成る程。しかし、本体を見つけたところでどうやって我々の攻撃を...」
「私がやるわ。“ヘオース”ならやれる。アイツを一発で消滅させれるわ。」
「...藍。」
投げられた雪花は立ち上がると黒鳥に言う。
「...癪だけど助けられたし。借りを作ったまま死なれたら胸糞悪いし。」
口調はぶっきらぼうだが、龍香のことを心配しているのには変わりない。その事になんだか黒鳥は嬉しくなる。
「....分かった!嵩原さん!俺が奴の本体を探します。サポートを!」
『コイツが街へでも進行を開始したら大惨事だ。なんとかここで食い止めよう。』
黒鳥は飛翔して巨大化したアケルナルの周りを飛び始める。その後ろ姿を見ながら雪花はふぅと一息入れるとアクセサリーに触れる。
「“ヘオース”起動!」
《Active》
雪花は転送された自分の背丈程もある巨大なプラズマ砲“ヘオース”を抱えるとアケルナルへと向けながらボソッと呟く。
「....死ぬんじゃないわよ。」











「ゴボッガボッガボ!!?」
一方アケルナルの身体に取り込まれた龍香は溺れていた。辺りを見回しても水。どちらが陸に繋がっているのか分からない。苦しくてしょうがない。
「クックックッ!陸では強くても水中ではどうだ!」
逆にスアキロンは水を得た魚が如く一気に凄まじい機動性で龍香へと攻撃を加える。
ただでさえ苦しいのにこれ以上攻撃されては先に酸欠になって死んでしまいそうだ。
「が、じ、じぬっ!ゴボゴッ」
《落ち着け龍香!俺に触れろ!》
カノープスの言葉に龍香は藁にもすがる思いでカノープスに触れる。その瞬間服装のラインがオレンジ色に変わり、左肩に丸みを帯びた恐竜の頭蓋骨のような意匠の装甲が装着される。
《雲水行脚!プレシオカラー!》
姿が変わっても龍香はゴボゴボと喘ぎながら手足をバタつかせている内にふと気づく。
「....あれ?息が出来る。」
《プレシオカラーは水中戦特化だからな。無限に潜れる訳じゃないが今は余裕だ。》
「姿が変わったところで!」
スアキロンが龍香に襲いかかる。龍香も襲いかかるスアキロンへと身体を向けて、構える。
「うおりゃッ!」
スアキロンの一撃を身を翻して避けるとカウンターとばかりに蹴りをお見舞いする。怯んだスアキロンを掴むとその顔面に思い切り拳を叩き込む。
「ゴッ!?」
「すごい!水中でも思った通り動ける!」
《俺様のお陰だからな。》
そして龍香の右手に武器が現れる。それは鞭のような形をしていた。
《インパルススウィング!》
「鞭だ!」
「お、おのれぇ!」
龍香に向かって怒り心頭のスアキロンが襲い掛かる。襲い掛かるスアキロンに龍香は払うように“インパルススウィング”を振るう。唸るように振られた鞭がスアキロンを叩く。
「うおっ!?」
「はぁぁぁぁぁぁ!」
一瞬怯んだスアキロンにすかさず龍香は叩き込むように鞭を振るい続ける。鞭の猛攻にスアキロンは動けない。そして鞭の連撃で動けないスアキロンの腕に鞭を巻き付けると大きく振り回す。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!だぁーッ!!」
龍香は気合いの掛け声と共にスアキロンを大きく投げ飛ばす。スアキロンは大きく投げ飛ばされ、そしてザバン!という水音と共にスアキロンが消える。
《あの先が陸上だ!》
「分かった!」
そしてスアキロンが消えた先に猛スピードで泳ぐと徐々に外が見えてくる。そして勢いそのまま飛び出すとそこは空中だった。同じく空中に放り出されたスアキロンに龍香はそのまま蹴りを放つ。
「インパルスインパクト!!」
「うおあっ!!」
龍香の蹴りを叩き込まれスアキロンは地面へと吹っ飛びながら落ちていく。
「って、えぇぇぇぇぇぇ!?空中!?」
空中へと予期せず放り出された龍香。いくら変身しようが流石に重力には逆らえず真っ逆さまに落ちる。
「落ちるぅぅぅぅぅぅぅ!?」
真っ直ぐに地表へと落ちる龍香に黒い影が近づくと、龍香を抱え上げてそのまま飛翔する。
「龍香!大丈夫だったか!?」
「黒鳥さん!た、助かりました....」
龍香を連れたまま黒鳥が地上へと降りようとするがアケルナルは黒鳥と龍香に向かって黒鳥を包み込める程の水の塊を大量に発射する。ただの水とは言えこれほど大きな水の塊を食らえばただでは済まない。
弾幕のように放たれた水が黒鳥達を襲う。だが龍香を抱えた状態ではやはり機動力が落ちるようで徐々にギリギリの回避になっていく。このままでは地上に降りるより先に攻撃されてしまうだろう。
するとカノープスが黒鳥に言う。
《黒鳥!俺達を放せ!》
「えええええ!?」
「何を言っている!ここで放せる訳ないだろう!」
今もそれなりの高度を飛翔しており、ここから落ちれば変身しているとしてもただでは済まなさそうということは素人目に見ても分かる。
だがカノープスには考えがあるようで。
《龍香!俺に触れろ!》
「え?もしかして今度は空を飛べちゃったりする?」
少しずつ馴れてきた龍香が言われたままに触れると服装のラインが黄色になり、腰から一対の羽根が生え黒鳥はビックリして思わず放してしまう。
《一天万衆!プテラカラー!》
「うおっ!あ。」
「あ。」
その瞬間龍香は再び落下する。
「わああああああああ!?」
《龍香!お前は翔べる!イメージしろ!》
「そんなこと言われてもおおおお!」
カノープスに抗議をするが迫り来る地面に龍香もいよいよ覚悟を決める。
「と、翔べる!!私は翔べる!!飛べー!!」
その瞬間羽根が羽ばたきはじめ、地面スレスレで浮き上がりそのまま上空へと飛翔する。
「うお、おお!と、飛べたー!!」
《な、言ったろ?...正直ここまで早い段階でプテラカラーを発現するとは思わなかったが。》
「大丈夫か龍香?」
黒鳥がアケルナルの攻撃を避けながら龍香に聞く。
「はい!それよりもこのシードゥスはどうすれば」
そう聞く龍香にも水弾が襲い掛かる。龍香も慌てて身を翻してその攻撃を避ける。
「嵩原さん!見えますか!!」
『もう少し右を見てくれ!』
攻撃を避けながら黒鳥がギリギリまで近づいた瞬間嵩原が叫ぶ。
『そこだ!黒鳥くん!』
「分かりました!」
そう言われた瞬間黒鳥は指定された場所に羽を撃ち込む。そして下に待機している雪花に叫ぶ。
「藍!ここに撃ち込め!」
「分かったわよ!」
雪花は“ヘオース”を指定された場所へと向ける。
《龍香!俺達もいくぞ!》
「うん!」
《フェザーバリスタ!》
龍香の手に弓状の武器、“フェザーバリスタ”が握られる。そして龍香は上空へと一気に飛翔すると同時に“フェザーバリスタ”に矢をつがえ黒鳥が指定した場所へと狙いを定める。
「いくよ!アンガーアンカー!」
「くたばりなさいスライム野郎!」
龍香が叫ぶと同時に“フェザーバリスタ”から金色に輝く矢が放たれ、同時に雪花の“ヘオース”から青白く輝くプラズマの塊が発射され見事に指定された場所を撃ち抜く。
《.....!!》
次の瞬間耳を引き裂かんばかりの大きな悲鳴があがり、その巨体が崩れ轟音と共に川に水が降り注いだ。












「なんとか倒せたな...。」
アケルナルを倒した後三人は合流する。龍香が無事であることを雪花は横目に見て確認する。龍香は雪花と目が合うと雪花に謝る。
「雪花ちゃんさっきとっさに投げちゃってごめんね。突然だったからアレ以外思い浮かばなくて....。」
その謝罪に雪花は目を丸くする。自分を庇って敵に引きずり込まれたのだから憎まれ口の一つでも叩かれると思っていた雪花は虚を突かれる。
「...とんだお人好しね。」
雪花はそのまま振り返って龍香に背を向けて歩き始める。
「...私もう疲れたから帰るわ。じゃあね、“龍香”。」
その言葉に龍香と黒鳥は驚いた顔をする。そして二人は顔を見合わせた後笑って雪花へと走り出す。
「ねぇ!今龍香!龍香って言ってくれたよね!」
「相変わらず素直じゃないなー藍は。」
「はぁ!?そんなんじゃないし!と言うかこういう時は黙って見送るモンでしょ!」
「龍香って読んでくれたしもう私達友達だよね!」
「まだ友達じゃないわよ!」
「まだ....ね?」
「あーもう、うるさーい!!」












「ぐっ、くそ...」
先ほどの河川敷から少し離れた場所でスアキロンは這う這うの体で歩いていた。
「あ、あの野郎ども、まさかアケルナルまで倒しやがるとは...」
スアキロンがボロボロになりながらも歩き続けていると目の前に一人の女性が立っていた。
「ハァイスアキロン。見事に無様ね。」
「アンタレス....」
アンタレスを見たスアキロンは顔を歪めるが何処かホッとしたような顔をする。
「次こそ、次こそはアイツらに...」
スアキロンがアンタレスを無視して先へ進もうとした瞬間だった。スアキロンに衝撃が走る。遅れて腹部に鋭い痛みが。恐る恐る見下ろすとアンタレスの腰から伸びた尻尾が自身を貫いていたのだ。
「次?封印を破ってアケルナルを解放した上に負けたアンタに次があると思うの?」
そう言って尻尾をスアキロンから引き抜いたアンタレスの姿が変わる。腕に鋏が生え、蠍の怪物のような姿になる。
「な、なんだと...」
致命傷を負ったスアキロンにトドメを刺すべくアンタレスは尻尾を腕に巻き付けて構える。
「じゃあねスアキロン。これ、悲しいけどプロウフの命令なの。」
「ま、待っ」
スアキロンの声も虚しくアンタレスの繰り出した一撃はスアキロンに炸裂し、その身体を爆散させた。
そしてアンタレスは人間の姿に戻るとさっきまでスアキロンがいた場所を見ながら笑って言う。
「ま、ホントは始末しろまでは言われてないけどケースバイケース、ってね。」
プロウフは明確な反逆の意思さえ見せなければ身内に甘い。恐らくスアキロンが帰って来たところで厳重注意としばらくの謹慎を告げるだけだろう。
アンタレスも別にスアキロンに恨みがあった訳ではない。ただ単純に幹部なのに裏方ばかりでしかも偵察まで行かされてちょっとばかしイライラしてただけだ。いわゆる憂さ晴らしという奴である。
「ま、アイツらにやられたって報告しといてあげるわ。なんたってたってアケルナルまで倒しちゃう奴らだし。」
先ほどまでアケルナルが大暴れしていた河川敷を見て、振り返ると来た道を戻って歩き始める。
「トゥバンじゃないけど楽しみね。アイツらと戦うの。」
そう呟くとアンタレスは闇の中へと消えていく。残ったのは焦げ後と静寂のみだった。








To be continued...

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