Empyre
出版:2020年3月〜
概要
アベンジャーズと
ファンタスティック・フォーを中心に展開するクロスオーバー。
長きにわたって戦争を続けてきた
クリーと
スクラルが手を結び、月で生き延びた
コタティ族を滅ぼすべく地球への侵攻を始める。
一方、平和種族だったはずのコタティは同盟軍を次々と殺害。宇宙の動物族を全滅すると宣言した。
かくして銀河を巻き込み宇宙の植物族と動物族との戦いが始まった。
掲載誌とあらすじ
前日譚
- Incoming #1
- Road to Empyre: The Kree/Skrull War #1
- 地球でアメリカ人家族として工作活動をしていたスクラル一家。父クルルが死亡し母ガイアは3人の娘たちと共にクルルの死の原因となったクリー人の住処をつきとめ、襲撃するが…
- Empyre: Avengers #0
- 月のブルーエリアから救難信号を受け取ったアベンジャーズ。クインジェットで駆けつけると、そこは緑が広がる森林と化していた。ソーズマンとコタティ族の救世主クオイと出会ったアベンジャーズはクリーとスクラルが手を組んで地球に向かって来ることを知り、コタティを守って戦うことを決意する。
- Empyre: Fantastic Four #0
- 宇宙船で航行中にプラズマフレアの影響でガス欠になってしまったファンタスティック・フォーの一家は、通りがかりの異星人に牽引してもらう代償としてシングがギャンブル星での賭け闘技に出場し、最前席を提供することになる。その過程で宇宙の通貨が暴落して使い物にならなくなってしまっていること、その原因の一端がクリー・スクラル戦争の終結にあったことを知る。ギャンブル惑星で闘奴のような扱いを受けていたスクラルの少女とクリーの少年を救い出し、一行は地球に帰還しようとするが、謎のアステロイドに行き当たり...
- Empyre Handbook #1
本編
Empyre #1〜6
- #1
- 地球に帰還しようとしたファンタスティック・フォーはクリー・スクラルの連合艦隊に出会い合流。月のブルーエリアに降り立ちコタティ族を守ろうとしていたアベンジャーズと衝突する。クリー・スクラル同盟軍の皇帝としてドレク八世を名乗っていたハルクリングは「コタティ族には投降するチャンスを与えるが、彼らが月に作った庭園は両帝国にとって危険な存在なので滅ぼす」と宣言。話合いは決裂しドレク八世は連合艦隊に「アベンジャーズを無力化、ただし死者は出すな」と命令し、戦闘が始まる。トニー・スタークはソーのムジョルニアに設置したコンピューター・ウィルスを艦隊の旗艦に送り、全艦隊の無力化に成功。その間にクオイは自らを強化する花を咲かせ、艦隊の食料や兵士のブーツに着いた土塊などに含まれる植物を全て操り連合艦隊を攻撃。大勢の犠牲者を出しコタティによる復讐と新たな帝国の成立を宣言するのだった。
- #2
- ムジョルニアの力で植物による捕縛を逃れたソーだったが、クオイはポータルを開き逃亡。地球でも操られた植物が異常発生し、都市を襲い始めた。クリー・スクラル艦隊ではハルクリングが魔剣エクセルシオールでシングに絡みつく植物を切り払う。この剣には敵と味方を識別し、敵だけを切り払う魔法の力があるのだ。それを見たキャプテン・マーベルは魔剣の力を吸収すると艦隊を襲っていた植物を一掃する。キャプテン・マーベルはこれを見ていたクリーの戦士タナラスからロナンの後継ぎとして「アキューザー(告発者)」に加わらないかと誘われ、これを受け入れる。
- #3
- トニー・スタークはリード・リチャーズと共にコタティの植物を操る能力を無効化しようと研究を続けていた。しかしトニーは騙され協力してしまったことを後悔し、やけっぱちになり始めていた。一方ワカンダの国境のバリアを超えてコタティ軍が侵入し始めたころ、マンティスが宇宙から到着しブラックパンサー(ティチャラ)にクオイを救出し外交的手段で戦争を終わらせるように説得する。宇宙ではクリー・スクラル同盟の母艦で今後の方針が話し合われるが、その影でタナルスとキャプテン・グローリーが不穏な動きを始めていた。
- #4
- コタティの狙いがワカンダのヴィブラニウム鉱山を使い銀河全ての動物を殺すということだとわかり、皇帝ハルクリングは不殺の信念を翻し必要とあらば太陽系ごと破壊すると宣言する。これを聞いたキャロルはスクラルがハルクリングに変身しているではないかと疑いユニバーサルウェポンでスキャンするが本物であると判定される。ハルクリングを止めようとするキャプテン・マーベルとジョニー・ストームはクル=ルトやクリーの戦士たちと乱闘になり、魔術師ムル=グンの力で艦からテレポートにより強制退去。移動した先はウィッカンのアパートだった。キャロルが見たものを魔法で感知したウィッカンは「あれはハルクリングではない」と断定。一方、クオイを説得するためマンティスに同行していたシーハルクはコタティに体を乗っ取られてしまう。
- #5
- ウィッカンが語ったのは、ハルクリングが宇宙に旅立つ直前、30分を使って実行した結婚式の記憶だった。そしてキャプテン・マーベルとヒューマントーチを伴い、囚われていた本物のハルクリングを救出。偽の皇帝と対峙する。その頃、激戦続くワカンダではコタティたちが捨て身の作戦でワープゲートを発現。ソーズマンとクオイがワカンダの地を踏む。そんな中、トニー・スタークが作成していた新型スーツ、リード・リチャーズ用のスーツが完成する。
- #6
- 恒星を爆発させるコタティの兵器"パイア"を止めるためヒューマントーチ、キャプテン・マーベル、ヒューマントーチたちは太陽を囲む。トニー・スタークはリード・リチャーズが開発した"不安定分子”を使い、パイアを止める素材を開発。これを使ってパイアの無効化に成功した。そして連合艦隊の母艦ではハルクリングが偽皇帝と対峙。その正体は前皇帝の妃にしてハルクリングの祖母、クルルルだった。クルルルの捕縛に成功するハルクリング。アベンジャーズはワカンダに集結。ソーが母ガイアの大地の力を用い、クオイの魔術を無効化。ブラックパンサーは一騎打ちの末にソーズマンを倒し、クオイを捕える。かくしてコタティ戦争は終結し、皇帝ハルクリングの手により宇宙に新たな秩序がもたらせるのだった。
タイ・イン
Empyre: X-Men #1-4
- Fantastic Four (Vol. 6) #21-23
- それぞれの種族のすべての記憶を受け継ぐクリーの少年ジョ・ヴェンとスクラルの少女ンカリャ。ヴァレリアとフランクリンは宇宙カジノで闘奴にされていた2人を救出し、地球に連れていく。それでも戦いを続けるジョ・ヴェンとンカリャに手を焼いたヴァレリアの緊急呼び出しに応じてウルヴァリンとスパイダーマンが駆けつける。しかしジョ・ヴェンとンカリャを狙ってコタティの陰謀が動きだし…
- Lords of Empyre: Emperor Hulkling #1
- ハルクリングはいかにして皇帝ドレク八世になったのか、なぜ皇帝になったのかを描くワンショット。そして恋人ウィッカンとの関係はーー?
- Empyre: Avengers #1-3
- X-Men (Vol. 5) #10-11
- #10はヴァルカン、#11はマグニートのストーリー
- Captain Marvel (Vol. 10) #18-21
- ハンマーを受け継ぎアキューザー(告発者)となったキャロル・ダンヴァースのストーリー。皇帝ドレク8世の命受け、統一クリー・スクラルが共同生活を送る惑星マー・ディーンの実験都市キン・アルへ。クリーの裏切り者が都市を破壊したというが、そこで出会ったのは同じキャロルと同じ母の遺伝子を受け継ぐ妹、ローリ・エルだった。実験都市を破壊した真犯人のは何者なのか?キャロルの調査に、意外な仲間たちが加わる。
- Empyre: Captain America #1-3
- コタティの地球軍を統べる魔術師シ・クアーンスとの戦い。キャプテンアメリカは最前線の南米を守るべくペンタゴンで申告するが、将校たちはこれを否定し…
- Empyre: X-MEN #1-4
- スカーレットウィッチが1年かけて準備を進め、壊滅したジェノーシャのミュータントたちを生き返らせようと計画。"Live!(生きろ!)"と命じるとミュータントたちはゾンビとして復活してしまった。ちょうどその直後、コタティ軍がワカンダ攻撃のための前哨基地にしようとジェノーシャに着陸。ミュータントゾンビ対コタティの戦争が始まる。さらにマジック、エンジェル、マルチプルマン、ペナンスの4人がジェノーシャのテレポートゲートを再起動させようと現地へ。再起動に成功すると、ゲートから武装した4人の老女オールド・レディースが現れ四つ巴の戦いとなる。
- Lords of Empyre: Celestial Messiah #1
- 父ソーズマンにより試練に挑むこととなったクオイ。その前に現れたのは母マンティスだった。マンティスは植物にアストラル体を投影し実体を持ちながらクオイの復讐を止めようとするが…
- Lords of Empyre: Swordsman #1
- クオイと共に地球のプリースツ・オブ・パマの寺院を訪れたソーズマン。周辺の植物を資源として伐採しようとしていたアルケマックス社の私兵と衝突する。
- Empyre: Savage Avengers #1
結末と影響
後日談
- Empyre: Aftermath Avengers #1
- 戦いの後、捕らえたクルルルから真実を聞くハルクリング。そしてヒーローたちを母艦に集めてウィッカンとの正式な結婚式を行う。しかし、アルファ・フライトのアビゲイル・ブランドは危機が発覚したときすぐに連絡をもらえなかったことで怒りを吐き出し、チームからの離脱を宣言する。そんな様子を見ていたクルルルはハルクリングがいずれ地球のヒーローたちに裏切られると不吉な予言を残す。それは未来に現実化するのだった...
- Empyre: Fallout Fantastic Four #1
- 戦いの後、月のブルーエリアに降り立ったファンタスティック・フォーたち。ここはクリーとコタティの原初の争いが始まった地でもあった。ソーは母ガイアから受け継いだ大地の力により、ここを植物の繁茂する地とし、敗れたクオイとコタティの住む地とした。ジョ・ヴェンとンカリャはシングとアリシア・マスターズが引き取ることになり、またカジノ惑星で主人だったプロフィティーア(古代種族エルダーズの1人)との所有契約は皇帝ハルクリングによって破棄された。それら一部始終は"original sin"でウォッチャーのような見守る存在"アンシーン"と化していたニック・フューリーが見守っていたのだが、コタティの武器がどこからもたらされたのか調べようとしていると、それらはエルダーズよりも古い世界最初の種族のものであったことが判明。その瞬間、アンシーンの中からウォッチャー・ウアトゥが蘇った。
キャンセルされたタイ・イン
それぞれの巻末には下記のシリーズがリストアップされているが、これらは発刊されることなくキャンセルされた。
Empyre: Epilogue #1
Empyre: Ghost Rider #1
Empyre: Invasion of Wakanda #1-3
Empyre: Immortal Hulk #1
Empyre: Spider-Man #1-3
Empyre: Squadron Supreme #1-2
Empyre: Stormranger #1-3
Empyre: Thor #1-3
Strikeforce #10
結末とその後への影響(ネタバレあり)
最終更新:2025年04月09日 00:32