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童磨(鬼滅の刃) - (2025/05/14 (水) 11:42:16) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2018/06/10 Sun 16:58:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 21 分で読めます
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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){&b(){&color(#f1c232,#000000){まさか!死んでないよ}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){彼女は俺の中で永遠に生き続ける}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){俺が喰った人は皆そうだよ、救われてる。もう苦しくない、つらくもない}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){俺の体の一部になれて幸せだよ}}}
&bold(){&ruby(どうま){童磨}}とは『[[鬼滅の刃]]』の登場人物である。
CV:[[宮野真守]]
#contents
*◆プロフィール
身長:187cm
体重:86kg
趣味:酒風呂((元々酒好きだったが、鬼ゆえの「人間の食べ物・飲み物」を一切受け付けない体質によって飲めなくなったのでそうしている模様(ちなみに鬼は獣肉ならギリギリイケるらしい)))、水煙管(煙草)、舞踊
死地:無限城内
*◆概要
[[鬼舞辻無惨]]直属の精鋭集団「[[十二鬼月]]」の上位階級&b(){"上弦の弐"}を務める[[鬼>鬼(鬼滅の刃)]]。
普段は宗教団体&b(){「&ruby(ばんせいごくらくきょう){万世極楽教}」}の教祖として振舞っている。
初登場は[[妓夫太郎>堕姫/妓夫太郎]]の過去回想。
人間時代の妓夫太郎と[[堕姫>堕姫/妓夫太郎]]に対して救いの手を伸ばし、鬼となる道を示した張本人である。当時は『上弦の陸』を務めていた。
その後入れ替わりの血戦により今の序列に昇格したと思われるが当時の『上弦の弐』がどうなったのかは不明。後に「血戦に敗北した鬼は(無惨の許可は要るが)捕食してもよい」と判明したので恐らく死亡したと思われる。
そして何より、&b(){&color(#ff0000){[[胡蝶しのぶ]]の姉・カナエに致命傷を与えて殺害した張本人}}である。
*◆外見
風貌はなかなかの美青年だが、白橡色の長髪は頭の上に血をかぶったかのような赤黒い模様が浮かび、瞳は虹色……と浮世離れした特徴も見える(まあ髪の模様は鬼になってそうなったのかもしれないが)。
服装も髪と同じ血のような模様が描かれた赤と黒の服を着込む。
また蓮の葉の絵が刻まれた黄金の鉄扇を愛用している。
*◆性格
一人称は&bold(){&color(#f1c232,#000000){「&ruby(おれ){俺}」}}。
屈託なくヘラヘラ笑って飄々とした態度を取り、穏やかな優しい口調で他の上弦にも気さくに話しかけて自分達が仲間であることを強調し仲間意識を説くなど、いがみ合いがデフォルトな鬼としては異端と言えるほどフレンドリーで陽気な性格で、おまけにノリも非常に軽い。
しかしそんな明るさとは裏腹に、&b(){殺した遊女を担いで貪り食いながら&color(#f1c232,#000000){「命というのは尊いものだ 大切にしなければ」}と笑顔でのたまい}、女の生首を嬉々として壺に活けるなどその言動の端々からは数百年の時を生きた鬼らしい狂気が垣間見える。
教祖らしく&b(){&color(#f1c232,#000000){「信者の皆と幸せになるのが俺の務め」}}と考えているが、&b(){&color(#f1c232,#000000){「誰もが皆死ぬのを怖がるから、信者を&ruby(・・・・・・){喰べてあげる}ことで信者達は苦しみや辛いことから解放されて怯えることも無くなり、自分と一つになって永遠の時を生きていく」}}という歪んだ憐憫を元にした狂気の救世を掲げ、それが人々の幸せに繋がると本気で信じて信者を笑顔で殺害し貪り喰らう狂人。
曰く&b(){&color(#f1c232,#000000){「信者の想い、血肉をしっかり受け止めて救済し高みに導いている」}}。
女性に対しては基本誰であろうと親しげに接しているなど如何にも女好きの色男のようだが、その実&b(){女性の事は「栄養価が高く、食べると手っ取り早く強くなれる食べ物」としかみなしていない。}またプレイボーイじみた事もしていたようだが、所詮食糧としか見ていないのでそこに愛はなかった。
その実態は&b(){&color(#ff0000){共感性はおろか、感情や情緒が完全に欠落した何か。}}もはや[[サイコパス]]ですらない。
&b(){喜怒哀楽の感情や心を揺さぶる感動といった情緒が全く存在せず、彼が心を動かされるのは生理的に快不快を味わった時のみ}。
そのため基本的にあらゆる物事に対して何も感じることがなく、生まれつき持つ高い知性により人間や他の鬼達のように喜怒哀楽があるように振舞っていた。
加えて神や仏、極楽などのあの世の概念そのものを&b(){&color(#f1c232,#000000){「人間が妄想して創作したお伽話」「人間は死んだら腐って無になるだけ」}と根本から全否定するリアリスト。}
そういったあの世の概念を信じている人間は等しく&b(){&color(#f1c232,#000000){「精神の弱い人たち」「気の毒だよねぇ」}}と見下して冷笑する。
#openclose(show=童磨オリジン){
#center(){#bold(){この子の瞳の中には虹がある。白橡の頭髪は無垢な証。この子は特別な子だ
きっと神の声が聞こえてるわ
&color(#f1c232){(俺の親の頭の鈍さは絶望的だった。そうでなければ極楽教などというつまらない宗教作れないけど)}
&color(#f1c232){(可哀想だったのでいつも話を合わせてあげたなあ。神の声なんて一度も聞こえなかった)}}}
童磨は新興宗教「極楽教」の教祖夫妻の子供だった。
幼児の頃からずば抜けた高い知性を持つ才能溢れる子供であり、幼少期から自身の優れた頭脳を知覚するなど精神面の発達も著しい。
異端とも言える容姿から神の子として神格化されて祭り上げられるも、その高すぎる知性故に彼の価値観は虚無的で、非常に達観し乾いていた。
人間時代から彼のリアリズムは微塵も揺らいでいない。寧ろ幼少期から貫いており、共感性の欠落は人間の頃からだった。(ただし『可哀想』と憐れんで話を合わせてあげる程度の感受性はあった)
神の声など一度も聞こえなかった彼からしてみれば、自身が妄想と断じる概念を盲目に信じる両親や自身に縋る大人達など愚かな人間以外の何者でもなく、
&b(){&color(#f1c232){「こんな単純なことを何十年生きてても理解できず、受け入れられない頭の悪い可哀想な人達(要約)」}}と憐みから涙を流して見下す、賢すぎたが故に無自覚の歪んだ憐憫と傲慢に染まった人間であった。
そもそも彼は&b(){両親が作った宗教そのものを「つまらない」と冷徹に評しており、両親のことは幼少期から心底憐れんですらいる。}
しかし、同時に教祖としての才覚も発揮。
冷淡な本性を持ちながらも&b(){&color(#f1c232,#000000){「可哀想な人たちを助けてあげて幸せにしてあげるのが俺の使命」}}と考え、人を救いたいと思っていた。
&b(){&color(#f1c232,#000000){「気の毒な人達を助けてあげたい。幸せにしてあげたい」「その為に俺は生まれてきたんだ」}}という理念に目覚めると、&b(){完全な善意から}行動を開始し鬼となった今でもその理念の元行動している。
言動のほぼ全てが煽り状態になってはいるものの、彼の言動に悪意や嘘偽りの類は一切無く、&font(red,b){全て本心からくる彼なりの善意によるもの。}
自他問わず人間の感情と言うものを実感出来ないが、その点に関しては本人も気にしていた模様。
}
自身の居室の棚には彼がこれまで「救ってきた」人々の頭蓋骨が棚にきれいに並べて飾られており、壺には女性の頭蓋骨が本当に生けてある。
&b(){明確に過去の人間時代を自覚して振り返ることができるだけでなく、人間時代とさほど人格面の歪みが変わらない}という異端の鬼。
そしてそれはつまり、&bold(){鬼となる以前から化け物の精神を備えていた}とも考える事が出来るだろう。
一方で感情の情緒が欠片もない反面、&font(#ff0000,b){如何なる場合でも物事に対して本気になることができない}という欠落も抱えており、死の間際ですらその気質は変わらなかった。
**対人関係
童磨のある意味最大の特徴。
上記の通り共感性が壊滅的なのと、
-&b(){無邪気と言うより不躾に他者の神経を逆撫でする言動と挙動}
-&b(){天然なのかわざとなのか敢えて相手の逆鱗を削るような煽り}
-&b(){笑顔かつ素で煽る上に無駄に馴れ馴れしくフレンドリーに絡む行為}
-&b(){高い知性を持つが故の、賢しらに他人を馬鹿にして見下す上から目線思考}
これらが相互作用し合い、結果として&b(){強烈な煽りスキル}を有している。
特に主に絡みの対象である[[猗窩座>猗窩座(鬼滅の刃)]]からは後から鬼になったにもかかわらず序列を抜いたこともあって&font(#ff0000,b){完全に嫌われ露骨に敵対視されている}。
ただし、童磨の方は猗窩座から攻撃を受けても&b(){「じゃれ合い」と捉えて一切敵視していないばかりか、彼が己に勝てると全く考えていない。それどころか(勝手に)自身を&color(#f1c232,#000000){「猗窩座の一番の親友」}と自称している。}
なお、他の上弦はおろか無惨にまで猗窩座と同じ感覚の軽いノリで絡んでいるからか、&b(){基本的に無惨を含めた他の鬼からも邪険に扱われ((黒死牟からは発言を全スルーされ、玉壺からは引かれ気味な対応をされ、鳴女からは誘いを食い気味に断られた。))、あまり任務も与えられていなかった模様。}((無惨から上弦への評価によると童磨は「あんまり好きじゃない」と思われている。他の上弦が堕姫以外高い評価を得ているにもかかわらずである。))
とにかく人を見下すことに関しては一切ブレないため、孤立するのが必然とも言える。
ただし無惨への忠誠心自体は本物。
極端なリアリストだった童磨にとって無惨との出逢いそのものが衝撃だった様で、無惨への忠誠心は&font(red,b){崇拝}の域に達している。
その忠誠心から肉体の損傷にも全く頓着がなく、自分の失態が判明した時には[[無惨>鬼舞辻無惨]]に自身への罰として&bold(){自身の目玉をほじくって差し出す}と心底楽しそうに提案するほどである((高い自己再生能力を持つ鬼がこのような自傷行為をしても意味はないので、この提案は文字通りの意味ではなく、上弦の座を返上するという意味での発言ではないかとの見解もある))。
反面その肝心の無惨からの受けは低評価。
これは&bold(){&color(#9900ff){「強い執着や渇望がない者は鬼として大きな進化をしない」}}という無惨の実体験からくる失望に依るところが大きいと思われ、内心では&bold(){&color(#9900ff){「あんまり好きじゃない」}}と評している。
**万世極楽教
童磨が教祖を務める宗教団体。
&b(){「穏やかな気持ちで楽しく生きる」}事を教義として掲げており、&b(){&color(#f1c232,#000000){「辛いことや苦しいことはしなくていい。する必要がない」}}と説いていた。
人間関係のトラブルで逃げてきた人達を保護する駆け込み寺的側面もあったようだが、その実態は&b(){童磨の表社会での隠れ蓑にして餌場。}
信者は約250人。これは目立つと叱られるからということなので、増やそうと思えば更に増やせると思われる。
童磨が鬼化してからは、無惨との出会いに感動した童磨によって&font(red,b){無惨が教団の神に位置づけられている。}
地位も金も興味がない童磨だが、信者からの人生相談を受けるカウンセラーのような仕事を引き受けておりよく信者から相談を受けており、欲望で身を持ち崩す信者達の存在を等しく馬鹿馬鹿しく思いながらも、どう言う感覚なのか興味自体はあったとか。
そして相手を取っ替え引っ替えしながら度々子供の恋愛ごっこみたいな真似もしていたという。
なお童磨が教祖となる以前から、&b(){童磨の父が何人もの女性信者に手を出していた}事が童磨の回想で明かされており、
童磨が産まれる前から問題のある宗教団体だった模様。
また青い彼岸花や産屋敷一族の捜索には信者に探らせれば効率的なのだろうが行っていない。
普通に考えてカルト教団に逃げてきたものに長期間外に出る気のあるものや調査能力があるものがそうそういるとは思えないし、
人海戦術の弱点として逆に探られる危険性もあるため無惨から許可されなかったのだろう。((「産屋敷一族を探す=敵対勢力」とされて襲撃を受けるし、「青い彼岸花」の存在が鬼殺隊に知れれば、発見され次第根絶やしにされることは間違いない。))
*◆戦闘能力
瞬間移動じみた高速移動が可能な敏捷性など持ち前の身体能力の高さもさる事ながら、鉄扇による接近戦でも鬼殺隊の柱と互角以上に打ち合えるその実力は、
キレた猗窩座の攻撃を受けても&b(){&color(#f1c232,#000000){「おっ、ちょっと前より強くなった?(要約)」}}と軽いノリで受け流し、猗窩座の眼前で&b(){&color(#f1c232,#000000){「自分には絶対に勝てない」}}と笑顔で宣う域に達している((実際仮に両者が戦った場合、徒手空拳を用いての正攻法で戦う猗窩座はアウトレンジからの攻撃も得意とする上に自身と同等の戦闘力を有する分身をいくらでも生成できる童磨と相性が良いとは言えず、加えて「女を食った方が手っ取り早く強くなれる」童磨の考えが正しいとするなら過去のトラウマから女を殺すこともできない猗窩座とは確固たる実力差が生じていたと思われる。))。
その気になれば至近距離からの猗窩座の攻撃も避けられるとのこと。
当然ながら高速再生も完備しており、身体の一部が損壊しようと何の痛痒も感じていない。
おまけに毒に対する高い適応力、免疫獲得能力をも併せ持つ。
だが童磨の真価は己の血を媒介にした凶悪かつ多彩な血鬼術の数々。
極低温の凍てついた血によって氷を自在に操る血鬼術の使い手で、氷刃や氷柱といった物理的な攻撃から強烈な冷気による範囲攻撃、呼吸封じの搦手まで多彩な術を使用しており、血鬼術という一点においては&font(red,b){鬼の中でも頂点に君臨する術者。}
渇望も執着もないため無惨の経験的に本来大成する筈のない童磨であるが、そんな感情抜きにして上弦の弍にまで上り詰めた点も含め、&bold(){「才覚は人一倍あった」}とコソコソ話で語られている。
また非常に抜け目のない側面も持ち、例え明確に格下であっても自身の見たことが無い技術・技能を持つ者を相手にした時は&b(){&color(#f1c232,#000000){「情報は有益」}}と判断。
敢えて全力を出さずその者が持つ手札を全て切らせてから殺して今後の糧にしようとする冷徹な態度を取るが、その油断のなさが裏目となり舐めプになりやすい点は童磨の欠点の1つ。
一方で、本人曰く探知能力には長けていないらしい。
#openclose(show=血鬼術){
・&bold(){&ruby(こなごお){粉凍}り}
童磨が扇で散布する霧状の凍てついた血。
通常攻撃だけでなく一部の血鬼術にも付随するコレを吸い込むと&bold(){肺胞が壊死する}ため、術の射程内では&bold(){&color(#ff0000){呼吸すること自体に危険が伴う}という露骨な対鬼殺隊に特化した術。}
吸い込んでしまえば[[全集中の呼吸>全集中の呼吸(鬼滅の刃)]]が封じられてしまうため、大幅な弱体化に繋がる。
加えて粉凍り自体が通常の五感では知覚できないほど小さな微細な氷の粒子であるため、他人からすれば粉凍りの存在は「冷たい冷気」としか感じられない。
その為存在を把握できていない場合回避すら難しい初見殺し的要素も含む。
・&b(){&ruby(はすはごおり){蓮葉氷}}
鉄扇を振るうと同時に冷気を発生させ、蓮形状の氷を無数に生み出す技。
肺を裂くような冷気を放っており、術発動時の冷気が掠めただけでその部分が凍結する。
粉凍りが付随する術の1つであり、別の術に派生する基点にもなる。
・&bold(){&ruby(かれそのしづ){枯園垂}り}
鉄扇を連続で振るい、湾曲した氷柱を生み出しながら放たれる高速斬撃。
・&bold(){&ruby(い){凍}て&ruby(ぐもり){曇}}
鉄扇を振るって氷霧を舞い起こす広範囲攻撃。
直撃すれば相手の眼球を凍らせて文字通り視界を潰してしまうほどの冷気の嵐が、周囲一帯を凍結させる。
・&bold(){&ruby(つるれんげ){蔓蓮華}}
蓮葉氷からの派生技の1つ。
蓮葉氷から複数の蔓を鞭のように伸ばし相手を捕らえる拘束技。
・&bold(){&ruby(かんれつ){寒烈}の&ruby(しらひめ){白姫}}
蓮葉氷からの派生技その2。
蓮葉氷の中から巫女の上半身を模した氷像を二体召喚、巫女の吐く吐息によって広範囲を一瞬で凍結させる。
・&bold(){&ruby(ふゆ){冬}ざれ&ruby(つらら){氷柱}}
相手の頭上に複数の巨大な氷柱を具現化し、降り注ぐ氷柱で串刺しにする。
頭上だけでなく弾幕のように直線的に飛ばすこともできる。
・&bold(){&ruby(ち){散}り&ruby(れんげ){蓮華}}
鉄扇を振るい氷の花吹雪を巻き起こし、蓮華の花辺を模した細かなガラス状の小さな刃の嵐によって全方位から敵を切り刻む。
・&bold(){&ruby(けっしょう){結晶}ノ&ruby(みこ){御子}}
童磨の姿をした氷の分身を作り出す術。
分身は童磨の膝下程の大きさしかないが、&bold(){自律稼働する上に&color(#ff0000){本体とほぼ同じ威力の術を使用することが可能}}。
また、相手の技や能力といった戦闘記録を童磨本体に還元することができる。
さらに複数体が作成可能であり、最低でも6体までは一度に使役可能。
ただし童磨が大幅に弱れば術が維持できなくなり自壊する。
終盤では無惨から怒られるのを嫌い、この分身を量産して無限城に放ち鬼狩りを殺戮する案も考えていた。
・&bold(){&ruby(むひょう){霧氷}・&ruby(すいれんぼさつ){睡蓮菩薩}}
背に無数の蓮の花が咲いた氷の巨大菩薩像を具現化する大技。
そのサイズは上半身だけでも巨人じみた規格外のサイズであり、蓮の花も人1人程度なら軽く乗れるほど大きい。
菩薩像は出現と同時に凍てつく霧状の冷気を広範囲に充満させる。
巨大な質量を生かした打撃を武器として自動戦闘する他、口から冷気の息を吹いて敵を凍りつかせることも可能。
}
**装備
・&bold(){鉄扇}
童磨の使用武器。
蓮の花の紋様が描かれた黄金に輝く鋭く大きな対の鉄扇。
一振りするだけで人間をバラバラに切断し、切られた後も僅かな時間身体を切断された事に気が付かないという恐るべき切れ味を持つ。
そして武器以外にも、血鬼術を繰り出すための触媒にもなる。
*◆物語での活躍
**遊郭篇
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){どうしたどうした 可哀想に}
&color(#f1c232,#000000){俺は優しいから放っておけないぜ。その娘間もなく死ぬだろう}
&color(#f1c232,#000000){お前らに血をやるよ。二人共だ。“あの方”に選ばれれば鬼となれる}}}
本編での初登場は96話。
周囲の環境から迫害され妹すら殺されかけ自らも重傷を負った妓夫太郎と梅の目の前に&font(#ff0000,b){花魁2人を笑顔で貪り食いながら}出現。なお当時はまだ上弦の陸だった。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){命とは尊いものだ。大切にしなければ}
&color(#f1c232,#000000){さあ お前らは鬼となり俺のように 十二鬼月…上弦へと上がって来れるかな?}}}
そう言って欺瞞以外の何物でもない言葉を語りかけながら兄妹をスカウトし鬼に仕立て上げた。
そして堕姫と妓夫太郎が死亡し上弦の鬼達が無限城に召集されたことで再登場。
113年ぶりに集った同僚達に無駄にウザ絡みした結果[[玉壺>玉壺(鬼滅の刃)]]には引かれ、猗窩座には馴れ馴れしく肩を組んだりしたことで下顎を拳で粉砕される報復を受ける((アニメでは発言のタイミング的に「女の首を壺に活けて飾ってある」発言でキレられたようにも取れる))。
それでも笑顔でガンスルーを決め込むばかりか、逆に煽り返して猗窩座をキレさせている間に無惨が降臨。
妓夫太郎の死亡によってキレかけている無惨に対しても、全く態度1つ変えず一方通行気味に喋り倒すも、ロクに相手にされず無惨の説教は終了。
&s(){無惨様もこいつの相手するのが面倒臭くなったのだろうか。}
その直後玉壺に下された無惨の命令に興味を抱き、玉壺の困惑を無視して同行しようと絡むも再びキレた猗窩座の一撃で頭の上半分が消し飛ぶダメージを受けてしまう…が、持ち前の高速再生で難なく復活すると、上下関係を重んじない猗窩座に釘を刺した[[黒死牟>黒死牟(鬼滅の刃)]]を諌めようとするもやはり無視されることに。
#center(){#bold(){
&color(#cc66ff,#000000){猗窩座よ…気に喰わぬのならば入れ替わりの血戦を申し込むことだ…}
&color(#f1c232,#000000){いやぁしかしだよ黒死牟殿 申し込んだ所で猗窩座殿は我らに勝てまいが}
&color(#f1c232,#000000){加えて俺に至っては猗窩座殿よりも後で鬼となり}
&color(#c97e85,#000000){猗窩座殿「(#^ω^)…(ピキピキ)」}
&color(#f1c232,#000000){早く出世したのだから彼も内心穏やかではあるまい!わかってやってくれ}
&color(#f1c232,#000000){それに俺はわざと避けなかったんだよ。ちょっとした戯れさ。こういうふうにして仲良くなっていくものだよ}
&color(#f1c232,#000000){上に立つ者は下の者にそう目くじら立てずゆとりを持って…}}}
と、さも友達であるかのようにケラケラ笑いながら、&b(){&color(#ff0000){フォローに見せかけて露骨に喧嘩を売るハイレベルな煽り芸}}を披露し猗窩座を無言でキレさせるも、結局は両者に無視される形で2人の対面は終了。
(童磨自身は知る由もないことだが、後に明らかとなった黒死牟の過去を考えると「上に立つ者は下の者に~」という発言はピンポイントに彼の&bold(){地雷}を踏みぬいていたと言える)
[[半天狗>半天狗(鬼滅の刃)]]や玉壺にもガン無視されて無限城に1人残され、最後に鳴女に絡もうとするも一蹴される形で無限城から自身の根城である教団施設に放り出され、皆が構ってくれないことにいじけるも、気を取り直し「教祖」として振る舞う。
なおこの下りでも分かる通り、かつて自分が鬼にした妓夫太郎と堕姫の死に対し&bold(){全く感傷を覗かせる様子が無く}、この時点でその冷淡な本性を端的に表している。
**無限城決戦篇
140話では柱を含めた多数の鬼殺隊員が無限城に落とされる中、無限城の一室で胡蝶しのぶと遭遇。
無限城の部屋で教団の信者と思わしき多数の女性を食い散らかしながらしのぶを&b(){&color(#f1c232,#000000){「美味しそう」}}と評して満面の笑顔を見せながら対峙。
信者を惨殺しておきながら自身の狂気の持論を誇らしげに語ったことでしのぶの怒りを買い、
更に自身がカナエを殺害した張本人であることを明かしたことで完全に激怒したしのぶと対決。
しのぶのスピードを皮肉抜きで賞賛しながらも、しのぶに頚を斬る力がないことを悪びれなく嘲笑い、
毒への異様な適応の速さと驚異のスピード、呼吸そのものを封じる凶悪な血鬼術によりしのぶに致命傷を与え劣勢に追いやる童磨。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){え 立つの?立っちゃうの? えーーー…}
&color(#f1c232,#000000){君ホントに人間なの?}
&color(#f1c232,#000000){鎖骨も肺も肋も斬ってるのに}
&color(#f1c232,#000000){君の体の大きさ…その出血量だと死んでてもおかしくないんだけど…}}}
しかし、姉の幻影に励まされ死力を振り絞って立ち上がるしのぶにドン引き。
心から心配しながら素直に諦めて死を待つよう提案するも当然のことながら一蹴され、全力を発揮したしのぶに翻弄され遂に頚に毒の一撃を叩きこまれてしまう。
持てる力のすべてを駆使したしのぶの渾身の一撃を受け遂に決着が付いた…かに思われたが
#center(){#bold(){&color(slateblue){(ほんと頭にくる ふざけるな馬鹿)}
&color(slateblue){(なんで毒効かないのよコイツ 馬鹿野郎)}}}
無慈悲にも、しのぶ渾身の一撃すら童磨の免疫獲得の驚異的な速さの前には無力だった。
これまでとは比べ物にならない速さで瞬く間に毒を分解・解毒し、満面の笑みを浮かべながら最後の最後で自分を圧倒したしのぶをなんとハグで抱きしめ、&b(){童磨は感動の余り号泣しだす}。
#center(){#bold(){&size(20){&color(#f1c232,#000000){えらい!!頑張ったね!}}
&color(#f1c232,#000000){俺は感動したよ!!こんな弱い女の子がここまでやれるなんて!}
&color(#f1c232,#000000){姉さんより才も無いのによく鬼狩りをやってこれたよ 今まで死ななかったことが奇跡だ}
&color(#f1c232,#000000){全部全部無駄だというのにやり抜く愚かさ これが人間の儚さ 人間の素晴らしさなんだよ!}
&color(#f1c232,#000000){君は俺が喰うに相応しい人だ!永遠を共に生きよう! 言い残すことはあるかい?聞いてあげる}
&color(slateblue){地獄に堕ちろ}}}
人間の存在を冒涜するかのような憐憫と愛玩に染まった歪んだ人間賛歌をしのぶに謳い、最後の最後までしのぶを侮辱しながら最後の恨み節を聞き届ける童磨。
その瞬間童磨の部屋に[[カナヲ>栗花落カナヲ]]が遂に到着すると同時にしのぶを&font(red,b){鯖折りで殺害}する。
おまけに彼の賞賛の台詞をよく見ると、&b(){「弱い」「姉よりも才能がない」「全部無駄な足掻き」「愚か」と、ひたすらしのぶを虚仮にしている}。
師が無惨に殺された光景を目の当たりにしてしまい、我も忘れて激高しながら攻撃するカナヲを嘲笑うかのように童磨は語り掛けるが、
カナヲが目撃したのは&font(red,b){大切な師の身体を取り込んで吸収していく童磨の姿だった}。
#center(){&bold(){&color(#f1c232,#000000){いやー危ない危ない 吸収してる最中に斬りかからないでおくれよ}}}
己を救ってくれた師であり親代わりでもあった恩人の命は愚か遺体すら奪われ、戦いや抵抗も含めたしのぶの全ての尊厳を侮辱されたことで憎悪に震えるカナヲを、童磨はしのぶの遺品である髪飾りを舌で舐めながら更に笑顔で嘲笑う。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){おや?挑発に乗らないねェ この子が先刻指文字やってたからかな?}
&color(#f1c232,#000000){俺の能力とか教えたのかい?一瞬だったのに凄いなぁ}
&color(#f1c232,#000000){無駄なのにね 頑張り屋さんだね}
&color(#f1c232,#000000){いやぁそれにしても今日は良い夜だなぁ 次から次に上等な御馳走がやってくる。}}}
そうしてカナヲと相対しある程度やりあった頃、童磨は猗窩座の敗北を感じ取る。((ちなみにその間に最初に着ていた上着を脱いだのか失ったのか、薄手の肌着のみになっていた。))
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){悲しい 一番の友人だったのに……}
&color(#ffb6c1){もう嘘ばっかり吐かなくていいから}}}
カナヲと対峙する童磨は、猗窩座の死を知ったことで涙を流し大仰に悲しんでみせる。
#center(){&bold(){&color(#ffb6c1){貴方何も感じないんでしょ?}}}
しかし、カナヲにはそれが単に上辺だけのものだとわかっていた。
一番の友達が死んだというのに、顔色も、しぐさも、血の巡りも、童磨は何一つ変わっていない。
カナエが死に際に、そんなあなたの事を気の毒だと言っていた、とカナヲは告げる。
本当は感情など持たず、空っぽで何もないのに、滑稽で、馬鹿みたいだ、と笑うカナヲ。
#center(){#bold(){&color(#ffb6c1){貴方 何のために生まれてきたの?}
&color(#f1c232,#000000){君みたいな意地の悪い子初めてだよ 何でそんな酷いこと言うのかな?}}}
経緯やその後の状況こそ違えど”感情を持たなかった”カナヲからの冷徹かつ残酷な指摘に、ようやく本当の表情を見せた童磨。
果たしてそれは、能面のような無表情であった。
かくして、童磨とカナヲとの戦いが始まった。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){ややもすると 今喰った柱の娘より実力があるのかもしれない}}}
しのぶによって指文字で粉凍りのことを教えられたカナヲは、童磨の初見殺しを回避して善戦する。
その剣技はいまだ未熟なれど、既にカナヲの実力はしのぶを上回っていたのだった。
しかし、カナヲの強みは「視力」であると見抜いた童磨は「凍て曇」でカナヲの眼を封じ、そして怒涛の血鬼術による連続攻撃でカナヲを追い詰める。
辛うじて血鬼術を回避し続ける防戦一方のカナヲに対して、更に童磨は瞬間移動とも思える超神速でカナヲの刀を奪いとる。
上弦の弐は伊達ではなく、カナヲと童磨の間には埋めがたい地力の差があったのだった。
#center(){#bold(){&font(#ffb6c1){見極めて正確に 最小限のところを 被害が最小限の所を 見極め…}
&bold(){&color(blue,lightgray){どぉありゃアアアア!!! 天空より出でし伊之助様のお通りじゃあアアア!!}}}}
刀がなくば回避不能の「散り蓮華」でとどめを刺されそうになったカナヲだったが、[[伊之助>嘴平伊之助]]の乱入により辛くも難を逃れる。
傷だらけのカナヲを見て、伊之助はしのぶに怒られることを心配するが……
#center(){&bold(){&color(blue,lightgray){死んだのか? しのぶ}}}
カナヲの表情を見て、伊之助はしのぶがもうこの世にいないことを悟るのだった。
暗に自らが食べたことを伝え、俺の体の一部になって幸せだよ、と笑う童磨に、伊之助は激昂する。
獣そのものともいえる伊之助の猛攻によりカナヲの刀を取り返すも、童磨の余裕は全く崩れず、再び瞬間移動とも思える超神速を発揮し、伊之助の被り物を奪い取ってしまう。
#center(){&bold(){&color(#f1c232,#000000){あれー?何か見覚えあるぞぉ 君の顔}}}
伊之助の顔に見覚えがあると断言する童磨。
自分のこめかみに指を突き立てて脳内の記憶をたどり、15年前の出来事を思い出す。
それは極楽教の教祖として出会った女性、伊之助の母親、琴葉のことだった。
親は猪だと否定する伊之助に、人間なんだから人間から生まれてるでしょ、と指摘する童磨。
激高する伊之助の攻撃を容易く躱しながら、あっけなく返り討ちにして話を続ける。
琴葉は頭の鈍い女で、夫や姑による家庭内暴力に晒され続けた末、救いを求めて万世極楽教の門を叩いたのだった。
そして、琴葉がゆびきりげんまんの唄ばかりを子守唄として歌っていたことを明かす童磨。
伊之助の記憶に、子供のころのことが蘇る。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){寿命が尽きるまで手元に置いといて喰べないつもりだったんだけど}
&color(#f1c232,#000000){信者を喰ってるのがバレちゃった}}}
童磨は琴葉を治療し、手元に置き続けるつもりだったのだが、琴葉に人食いの現場を見られたことで始末することを決意した。
崖際に追い詰められた琴葉は、最後の賭けとして伊之助を崖下に投げ落とし、殺されたのだった。
#center(){&bold(){&color(blue,lightgray){本当に奇跡だぜ この巡り合わせは}}
&bold(){&color(blue,lightgray){俺の母親と 仲間を殺した鬼が 目の前に居るなんてなァア!!}}}
いまだかつてない怒りを見せる伊之助。
地獄を見せると息巻く伊之助に対し、童磨はこの世には天国も地獄もないと持論を展開する。
天国や地獄は人間の空想で、悪人は死後地獄に行くと思わなければ弱い人間は生きていけない、と嘯く童磨に、伊之助とカナヲが襲い掛かる。
しかし、童磨はまともに戦おうとはせず、高所に逃げて「結晶ノ御子」を繰り出す。
童磨と同等の血鬼術を放ち、無数に生み出される「結晶ノ御子」にカナヲと伊之助はなす術がなく翻弄される。
この時までは、童磨は完全に鬼殺隊の2人に勝利していた。
猗窩座が倒されたことで時間が無くなってきたとして立ち去ろうとする童磨。
「結晶ノ御子」を6体も生み出せば鬼殺隊を全滅させられるだろうと読み、扉に手をかける。
その直後、童磨の視界が2つに崩れた。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){えっ?}}}
それは童磨の顔が溶け、目が零れ落ちたことによるものだった。
柱3人分の力に匹敵する強さを持つ上弦の鬼を葬り去る胡蝶しのぶの最後の作戦。
カナエからの情報を元に組み上げられ、お館様のお墨付きをもらったそれは、[[&bold(){しのぶ自身を毒の塊に変えておき、女ならば確実に喰らう童磨にわざと喰わせる}>自己犠牲]]というものだった。
しのぶの全体重37キロ分、&bold(){致死量の700倍もの藤の花の毒}((本誌掲載時は70倍だったが計算ミスだったとのことで単行本で修正された))を喰らった童磨は、再生が追い付かないほどの速度で腐り、溶け、砕けて行く。
カナヲはしのぶから予めこの作戦を知らされており、毒が効いて止めを刺せるようになるまでの時間稼ぎをしていたのだった。
「結晶ノ御子」も崩壊し、童磨と伊之助・カナヲの戦いは、完全に戦況が逆転したのだった。
#center(){#bold(){&color(#ffb6c1){(絶対にしのぶ姉さんの命を無駄にはしない!)}}
&bold(){&color(blue,lightgray){往生しやがれド腐れ野郎!!}}}
最後のあがきとして、血鬼術「霧氷・睡蓮菩薩」を繰り出す童磨。
神などいないと笑った男が最後に頼りにしたのは、巨大な氷の仏像……神であった。
しかし、技の精度の低さから苦し紛れの技だと判断したカナヲは、自身の眼が潰れることを覚悟した大技、花の呼吸・終の型「彼岸朱眼」を使用する。
動体視力を極限まで上げたカナヲは、童磨を追い込み頸を切る一歩手前まで詰め寄ることに成功するも、そこでついに凍りついてしまう。
しかし、その後ろから伊之助が放った獣の呼吸・思いつきの投げ裂きによって刀が押し込まれ、遂に童磨の首は落ちたのだった。
**末路
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){(え~~ 頸斬られちゃった)}
&color(#f1c232,#000000){(こんな雑魚に負けるなんて 俺が)}
&color(#f1c232,#000000){(あんな 頸を斬る力も無いような剣士ですらない毒使いに)}
&color(#f1c232,#000000){(剣術の基礎もできていないような奴に)}
&color(#f1c232,#000000){(これで消滅するなんて俺が可哀想すぎる)}}}
己の頸を落とした相手をまだ見下し、自分を憐れむ童磨。
人に尽くし世の中に貢献して生きてきた己が死ぬことを受け入れたくないと、最後の手段として猗窩座のように鬼を超える存在に進化しようと試みるも……
#center(){&bold(){&color(#f1c232,#000000){(死ぬんだ 俺)}}}
何処までも空虚だった童磨には進化の道などなく、無情にも童磨の頸は崩れ始めるのだった。
#center(){&b(){&color(#f1c232,#000000){(あ~~ やっぱり駄目だ 何も感じない)}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){(死ぬことが怖くもないし 負けたことが悔しくもない ずうっとこうだったなぁ俺は)}}}
いよいよ死を迎えるにあたって、童磨は過去を思い出す。
童磨の父は信者の女性に見境なく手を出す色狂いで母にめった刺しにされて殺され、その母も半狂乱になりながら服毒自殺したのだった。
しかし、そんな凄惨な光景を前にしても、目の前で一気に両親を失っても、童磨は部屋が血で汚れたことに対する不快感しか覚えなかった。
二十歳で鬼になり、百年生きた童磨。
結局、人間の感情は自分にとって夢幻に過ぎなかったと童磨は思い返す。
#center(){#bold(){&color(slateblue){あ やっと死にました? 良かった}
&color(slateblue){これで私も安心して成仏できます}}}
そうして闇に落ちていく童磨の前に、死んだはずのしのぶが現れる。
首だけの童磨を片手に、童磨を倒せたことを満足げに語るしのぶ。
#center(){#bold(){&color(slateblue){まだ鬼の始祖も残っていますが きっともう大丈夫}
&color(slateblue){仲間の誰かが必ずやり遂げてくれる 私はそう確信している}}}
そんなしのぶを見る童磨の胸の中に、何かが生まれた。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){……わぁ}
&color(#f1c232,#000000){何だろうこれ 何だろう}
&color(#f1c232,#000000){今はもうない心臓が 脈打つような気さえする}
&color(#f1c232,#000000){これが恋という奴かなぁ可愛いねしのぶちゃん}}}
恋。
初めて知った、人間らしい感情であった。
高揚する童磨は、もしかしたら天国や地獄もあるのかも知れない、と考え直す。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){ねぇしのぶちゃん ねぇ}
&color(#f1c232,#000000){俺と一緒に地獄へ行かない?}
&sizex(6){&color(slateblue){とっととくたばれ 糞野郎}}}}
何とも言えない表情を浮かべるしのぶとは対照的に、童磨は頬を染め、産まれて初めての心からの笑顔で告白する。
児戯のような告白に、しのぶは満面の笑みで拒絶の言葉を返すのだった。
**公式ファンブックにて
その後公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』によると、生前は天国や地獄を否定し&color(#f1c232,#000000){「人間は死んだら腐って無になるだけ」}と語っていた童磨だったが、死の淵で思い直したためか他の鬼と同様無事(?)地獄に堕ちたらしく、蟲の呼吸の斬られ心地について他の鬼達が戦慄する中、
&bold(){&color(#f1c232,#000000){「いいじゃない 可愛いんだから許してあげなよ」}}と笑っていた。
*◆余談
・絡みと言動のあまりのウザさに玉壺の任務に勝手に付いていこうとした童磨を攻撃し、彼の行動を妨害した猗窩座であったが、仮に上弦の鬼が3体も刀鍛冶の里に侵攻していたであろうことを考えると里は壊滅必至であり、猗窩座の行動は&font(#ff0000,b){結果的に宿敵である鬼殺隊の窮地を救った}とも言える。&br()ただし、猗窩座の言うとおり無惨が&b(){彼の命令もしくは許可無しに鬼同士で徒党を組むことを許していない}ことも事実。&br()迫られて困惑する玉壺の様子や鳴女が&b(){問答無用で元の場所に転送した}事から見ても、無惨は今回は童磨を送る気は無かったというのが本当なのだろう。&br()……玉壺と半天狗が失敗した時に八つ当たりされていた可能性は大いにあるが。
・「他者を見下し」「省みることも慮ることもなく」「自分の行為の正当性を疑いもしない」精神性は[[無惨>鬼舞辻無惨]]に近いものがある。両者の決定的な違いは、無惨は「生への執着」を体現する怪物だが、童磨は生に対する執着がなく、自分の死にすら関心を持てなかったことか。
・強い虚無性を孕んだ性質からか、無惨には鬼にされた当初はあまり期待されていなかったが、彼の予想に反してあっという間に「上弦の弐」まで上り詰めたことが語られた。この点も無惨が童磨を嫌う理由の1つかもしれない。
・公式ガイドブックによると猗窩座はパワハラを受けたとはいえ無惨のお気に入りの一人で、また黒死牟はかつて猗窩座から入れ替わりの血戦を受けたことが嬉しかったとされている。その猗窩座より童磨の方が早く成長・出世したことは無惨と黒死牟にとっても複雑だったかもしれない。
・当人は鬼の中では珍しく(一応)他の鬼と友好関係を結ぼうとしていたものの、他の鬼達からはどう思われていたかは不明。少なくとも玉壺からは壺を送られたりするなど、悪い関係ではなかった模様。
・アニメ版での声優について、他の上弦の鬼は予想がばらける中、童磨に関してはそのキャラクター性から演じられるのは宮野真守しかいないという意見が多くあった。しかし、いろんな意味で声優の使い方がおかしいと言われるアニメにおいて、さすがに視聴者からの予想そのままのキャスティングはしないだろうとも思われており、実際に登場するまで様々な推測が飛び交っていた。直近の妓夫太郎が意外なキャスティングだったことも、それに拍車をかけていた。&br()そして童磨が初登場する『遊郭編』最終回においては、放送中&bold(){まだ童磨が出ていないのにもかかわらず、なぜか宮野真守がトレンド入り。}最後のエンドロールにてついに声優が明らかになり((ただし、キャラクター名はこの時点では「上弦の鬼」表記))、誰もの予想ド真ん中なキャスティングにファンは&b(){逆に}驚きを見せた。
#center(){&b(){&color(#f1c232,#000000){何だか俺はこの項目の追記・修正に参加させて貰えなかったような気がするのだが 考え過ぎだよな猗窩座殿}}
ダン!
&b(){&color(#f1c232,#000000){猗窩座殿!話してる途中なのに}}}
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#center(){&b(){&color(#f1c232,#000000){まさか!死んでないよ}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){彼女は俺の中で永遠に生き続ける}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){俺が喰った人は皆そうだよ、救われてる。もう苦しくない、つらくもない}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){俺の体の一部になれて幸せだよ}}}
&bold(){&ruby(どうま){童磨}}とは『[[鬼滅の刃]]』の登場人物である。
CV:[[宮野真守]]
#contents
*◆プロフィール
身長:187cm
体重:86kg
趣味:酒風呂((元々酒好きだったが、鬼ゆえの「人間の食べ物・飲み物」を一切受け付けない体質によって飲めなくなったのでそうしている模様(ちなみに鬼は獣肉ならギリギリイケるらしい)))、水煙管(煙草)、舞踊
死地:無限城内
*◆概要
[[鬼舞辻無惨]]直属の精鋭集団「[[十二鬼月]]」の上位階級&b(){"上弦の弐"}を務める[[鬼>鬼(鬼滅の刃)]]。
普段は宗教団体&b(){「&ruby(ばんせいごくらくきょう){万世極楽教}」}の教祖として振舞っている。
初登場は[[妓夫太郎>堕姫/妓夫太郎]]の過去回想。
人間時代の妓夫太郎と[[堕姫>堕姫/妓夫太郎]]に対して救いの手を伸ばし、鬼となる道を示した張本人である。当時は『上弦の陸』を務めていた。
その後入れ替わりの血戦により今の序列に昇格したと思われるが当時の『上弦の弐』がどうなったのかは不明。後に「血戦に敗北した鬼は(無惨の許可は要るが)捕食してもよい」と判明したので恐らく死亡したと思われる。
そして何より、&b(){&color(#ff0000){[[胡蝶しのぶ]]の姉・カナエに致命傷を与えて殺害した張本人}}である。
*◆外見
風貌はなかなかの美青年だが、白橡色の長髪は頭の上に血をかぶったかのような赤黒い模様が浮かび、瞳は虹色……と浮世離れした特徴も見える(まあ髪の模様は鬼になってそうなったのかもしれないが)。
服装も髪と同じ血のような模様が描かれた赤と黒の服を着込む。
また蓮の葉の絵が刻まれた黄金の鉄扇を愛用している。
*◆性格
一人称は&bold(){&color(#f1c232,#000000){「&ruby(おれ){俺}」}}。
屈託なくヘラヘラ笑って飄々とした態度を取り、穏やかな優しい口調で他の上弦にも気さくに話しかけて自分達が仲間であることを強調し仲間意識を説くなど、いがみ合いがデフォルトな鬼としては異端と言えるほどフレンドリーで陽気な性格で、おまけにノリも非常に軽い。
しかしそんな明るさとは裏腹に、&b(){殺した遊女を担いで貪り食いながら&color(#f1c232,#000000){「命というのは尊いものだ 大切にしなければ」}と笑顔でのたまい}、女の生首を嬉々として壺に活けるなどその言動の端々からは数百年の時を生きた鬼らしい狂気が垣間見える。
教祖らしく&b(){&color(#f1c232,#000000){「信者の皆と幸せになるのが俺の務め」}}と考えているが、&b(){&color(#f1c232,#000000){「誰もが皆死ぬのを怖がるから、信者を&ruby(・・・・・・){喰べてあげる}ことで信者達は苦しみや辛いことから解放されて怯えることも無くなり、自分と一つになって永遠の時を生きていく」}}という歪んだ憐憫を元にした狂気の救世を掲げ、それが人々の幸せに繋がると本気で信じて信者を笑顔で殺害し貪り喰らう狂人。
曰く&b(){&color(#f1c232,#000000){「信者の想い、血肉をしっかり受け止めて救済し高みに導いている」}}。
女性に対しては基本誰であろうと親しげに接しているなど如何にも女好きの色男のようだが、その実&b(){女性の事は「栄養価が高く、食べると手っ取り早く強くなれる食べ物」としかみなしていない。}またプレイボーイじみた事もしていたようだが、所詮食糧としか見ていないのでそこに愛はなかった。
その実態は&b(){&color(#ff0000){共感性はおろか、感情や情緒が完全に欠落した何か。}}もはや[[サイコパス]]ですらない。
&b(){喜怒哀楽の感情や心を揺さぶる感動といった情緒が全く存在せず、彼が心を動かされるのは生理的に快不快を味わった時のみ}。
そのため基本的にあらゆる物事に対して何も感じることがなく、生まれつき持つ高い知性により人間や他の鬼達のように喜怒哀楽があるように振舞っていた。
加えて神や仏、極楽などのあの世の概念そのものを&b(){&color(#f1c232,#000000){「人間が妄想して創作したお伽話」「人間は死んだら腐って無になるだけ」}と根本から全否定するリアリスト。}
そういったあの世の概念を信じている人間は等しく&b(){&color(#f1c232,#000000){「精神の弱い人たち」「気の毒だよねぇ」}}と見下して冷笑する。
#openclose(show=童磨オリジン){
#center(){#bold(){この子の瞳の中には虹がある。白橡の頭髪は無垢な証。この子は特別な子だ
きっと神の声が聞こえてるわ
&color(#f1c232){(俺の親の頭の鈍さは絶望的だった。そうでなければ極楽教などというつまらない宗教作れないけど)}
&color(#f1c232){(可哀想だったのでいつも話を合わせてあげたなあ。神の声なんて一度も聞こえなかった)}}}
童磨は新興宗教「極楽教」の教祖夫妻の子供だった。
幼児の頃からずば抜けた高い知性を持つ才能溢れる子供であり、幼少期から自身の優れた頭脳を知覚するなど精神面の発達も著しい。
異端とも言える容姿から神の子として神格化されて祭り上げられるも、その高すぎる知性故に彼の価値観は虚無的で、非常に達観し乾いていた。
人間時代から彼のリアリズムは微塵も揺らいでいない。寧ろ幼少期から貫いており、共感性の欠落は人間の頃からだった。(ただし『可哀想』と憐れんで話を合わせてあげる程度の感受性はあった)
神の声など一度も聞こえなかった彼からしてみれば、自身が妄想と断じる概念を盲目に信じる両親や自身に縋る大人達など愚かな人間以外の何者でもなく、
&b(){&color(#f1c232){「こんな単純なことを何十年生きてても理解できず、受け入れられない頭の悪い可哀想な人達(要約)」}}と憐みから涙を流して見下す、賢すぎたが故に無自覚の歪んだ憐憫と傲慢に染まった人間であった。
そもそも彼は&b(){両親が作った宗教そのものを「つまらない」と冷徹に評しており、両親のことは幼少期から心底憐れんですらいる。}
しかし、同時に教祖としての才覚も発揮。
冷淡な本性を持ちながらも&b(){&color(#f1c232,#000000){「可哀想な人たちを助けてあげて幸せにしてあげるのが俺の使命」}}と考え、人を救いたいと思っていた。
&b(){&color(#f1c232,#000000){「気の毒な人達を助けてあげたい。幸せにしてあげたい」「その為に俺は生まれてきたんだ」}}という理念に目覚めると、&b(){完全な善意から}行動を開始し鬼となった今でもその理念の元行動している。
言動のほぼ全てが煽り状態になってはいるものの、彼の言動に悪意や嘘偽りの類は一切無く、&font(red,b){全て本心からくる彼なりの善意によるもの。}
自他問わず人間の感情と言うものを実感出来ないが、その点に関しては本人も気にしていた模様。
}
自身の居室の棚には彼がこれまで「救ってきた」人々の頭蓋骨が棚にきれいに並べて飾られており、壺には女性の頭蓋骨が本当に生けてある。
&b(){明確に過去の人間時代を自覚して振り返ることができるだけでなく、人間時代とさほど人格面の歪みが変わらない}という異端の鬼。
そしてそれはつまり、&bold(){鬼となる以前から化け物の精神を備えていた}とも考える事が出来るだろう。
一方で感情の情緒が欠片もない反面、&font(#ff0000,b){如何なる場合でも物事に対して本気になることができない}という欠落も抱えており、死の間際ですらその気質は変わらなかった。
**対人関係
童磨のある意味最大の特徴。
上記の通り共感性が壊滅的なのと、
-&b(){無邪気と言うより不躾に他者の神経を逆撫でする言動と挙動}
-&b(){天然なのかわざとなのか敢えて相手の逆鱗を削るような煽り}
-&b(){笑顔かつ素で煽る上に無駄に馴れ馴れしくフレンドリーに絡む行為}
-&b(){高い知性を持つが故の、賢しらに他人を馬鹿にして見下す上から目線思考}
これらが相互作用し合い、結果として&b(){強烈な煽りスキル}を有している。
特に主に絡みの対象である[[猗窩座>猗窩座(鬼滅の刃)]]からは後から鬼になったにもかかわらず序列を抜いたこともあって&font(#ff0000,b){完全に嫌われ露骨に敵対視されている}。
ただし、童磨の方は猗窩座から攻撃を受けても&b(){「じゃれ合い」と捉えて一切敵視していないばかりか、彼が己に勝てると全く考えていない。それどころか(勝手に)自身を&color(#f1c232,#000000){「猗窩座の一番の親友」}と自称している。}
なお、他の上弦はおろか無惨にまで猗窩座と同じ感覚の軽いノリで絡んでいるからか、&b(){基本的に無惨を含めた他の鬼からも邪険に扱われ((黒死牟からは発言を全スルーされ、玉壺からは引かれ気味な対応をされ、鳴女からは誘いを食い気味に断られた。))、あまり任務も与えられていなかった模様。}((無惨から上弦への評価によると童磨は「あんまり好きじゃない」と思われている。他の上弦が堕姫以外高い評価を得ているにもかかわらずである。))
とにかく人を見下すことに関しては一切ブレないため、孤立するのが必然とも言える。
ただし無惨への忠誠心自体は本物。
極端なリアリストだった童磨にとって無惨との出逢いそのものが衝撃だった様で、無惨への忠誠心は&font(red,b){崇拝}の域に達している。
その忠誠心から肉体の損傷にも全く頓着がなく、自分の失態が判明した時には[[無惨>鬼舞辻無惨]]に自身への罰として&bold(){自身の目玉をほじくって差し出す}と心底楽しそうに提案するほどである((高い自己再生能力を持つ鬼がこのような自傷行為をしても意味はないので、この提案は文字通りの意味ではなく、上弦の座を返上するという意味での発言ではないかとの見解もある))。
反面その肝心の無惨からの受けは低評価。
これは&bold(){&color(#9900ff){「強い執着や渇望がない者は鬼として大きな進化をしない」}}という無惨の実体験からくる失望に依るところが大きいと思われ、内心では&bold(){&color(#9900ff){「あんまり好きじゃない」}}と評している。
**万世極楽教
童磨が教祖を務める宗教団体。
&b(){「穏やかな気持ちで楽しく生きる」}事を教義として掲げており、&b(){&color(#f1c232,#000000){「辛いことや苦しいことはしなくていい。する必要がない」}}と説いていた。
人間関係のトラブルで逃げてきた人達を保護する駆け込み寺的側面もあったようだが、その実態は&b(){童磨の表社会での隠れ蓑にして餌場。}
信者は約250人。これは目立つと叱られるからということなので、増やそうと思えば更に増やせると思われる。
童磨が鬼化してからは、無惨との出会いに感動した童磨によって&font(red,b){無惨が教団の神に位置づけられている。}
地位も金も興味がない童磨だが、信者からの人生相談を受けるカウンセラーのような仕事を引き受けておりよく信者から相談を受けており、欲望で身を持ち崩す信者達の存在を等しく馬鹿馬鹿しく思いながらも、どう言う感覚なのか興味自体はあったとか。
そして相手を取っ替え引っ替えしながら度々子供の恋愛ごっこみたいな真似もしていたという。
なお童磨が教祖となる以前から、&b(){童磨の父が何人もの女性信者に手を出していた}事が童磨の回想で明かされており、
童磨が産まれる前から問題のある宗教団体だった模様。
また青い彼岸花や産屋敷一族の捜索には信者に探らせれば効率的なのだろうが行っていない。
普通に考えてカルト教団に逃げてきたものに長期間外に出る気のあるものや調査能力があるものがそうそういるとは思えないし、
人海戦術の弱点として逆に探られる危険性もあるため無惨から許可されなかったのだろう。((「産屋敷一族を探す=敵対勢力」とされて襲撃を受けるし、「青い彼岸花」の存在が鬼殺隊に知れれば、発見され次第根絶やしにされることは間違いない。))
*◆戦闘能力
瞬間移動じみた高速移動が可能な敏捷性など持ち前の身体能力の高さもさる事ながら、鉄扇による接近戦でも鬼殺隊の柱と互角以上に打ち合えるその実力は、
キレた猗窩座の攻撃を受けても&b(){&color(#f1c232,#000000){「おっ、ちょっと前より強くなった?(要約)」}}と軽いノリで受け流し、猗窩座の眼前で&b(){&color(#f1c232,#000000){「自分には絶対に勝てない」}}と笑顔で宣う域に達している((実際仮に両者が戦った場合、徒手空拳を用いての正攻法で戦う猗窩座はアウトレンジからの攻撃も得意とする上に自身と同等の戦闘力を有する分身をいくらでも生成できる童磨と相性が良いとは言えず、加えて「女を食った方が手っ取り早く強くなれる」童磨の考えが正しいとするなら過去のトラウマから女を殺すこともできない猗窩座とは確固たる実力差が生じていたと思われる。))。
その気になれば至近距離からの猗窩座の攻撃も避けられるとのこと。
当然ながら高速再生も完備しており、身体の一部が損壊しようと何の痛痒も感じていない。
おまけに毒に対する高い適応力、免疫獲得能力をも併せ持つ。
だが童磨の真価は己の血を媒介にした凶悪かつ多彩な血鬼術の数々。
極低温の凍てついた血によって氷を自在に操る血鬼術の使い手で、氷刃や氷柱といった物理的な攻撃から強烈な冷気による範囲攻撃、呼吸封じの搦手まで多彩な術を使用しており、血鬼術という一点においては&font(red,b){鬼の中でも頂点に君臨する術者。}
渇望も執着もないため無惨の経験的に本来大成する筈のない童磨であるが、そんな感情抜きにして上弦の弍にまで上り詰めた点も含め、&bold(){「才覚は人一倍あった」}とコソコソ話で語られている。
また非常に抜け目のない側面も持ち、例え明確に格下であっても自身の見たことが無い技術・技能を持つ者を相手にした時は&b(){&color(#f1c232,#000000){「情報は有益」}}と判断。
敢えて全力を出さずその者が持つ手札を全て切らせてから殺して今後の糧にしようとする冷徹な態度を取るが、その油断のなさが裏目となり舐めプになりやすい点は童磨の欠点の1つ。
一方で、本人曰く探知能力には長けていないらしい。
#openclose(show=血鬼術){
・&bold(){&ruby(こなごお){粉凍}り}
童磨が扇で散布する霧状の凍てついた血。
通常攻撃だけでなく一部の血鬼術にも付随するコレを吸い込むと&bold(){肺胞が壊死する}ため、術の射程内では&bold(){&color(#ff0000){呼吸すること自体に危険が伴う}という露骨な対鬼殺隊に特化した術。}
吸い込んでしまえば[[全集中の呼吸>全集中の呼吸(鬼滅の刃)]]が封じられてしまうため、大幅な弱体化に繋がる。
加えて粉凍り自体が通常の五感では知覚できないほど小さな微細な氷の粒子であるため、他人からすれば粉凍りの存在は「冷たい冷気」としか感じられない。
その為存在を把握できていない場合回避すら難しい初見殺し的要素も含む。
・&b(){&ruby(はすはごおり){蓮葉氷}}
鉄扇を振るうと同時に冷気を発生させ、蓮形状の氷を無数に生み出す技。
肺を裂くような冷気を放っており、術発動時の冷気が掠めただけでその部分が凍結する。
粉凍りが付随する術の1つであり、別の術に派生する基点にもなる。
・&bold(){&ruby(かれそのしづ){枯園垂}り}
鉄扇を連続で振るい、湾曲した氷柱を生み出しながら放たれる高速斬撃。
・&bold(){&ruby(い){凍}て&ruby(ぐもり){曇}}
鉄扇を振るって氷霧を舞い起こす広範囲攻撃。
直撃すれば相手の眼球を凍らせて文字通り視界を潰してしまうほどの冷気の嵐が、周囲一帯を凍結させる。
・&bold(){&ruby(つるれんげ){蔓蓮華}}
蓮葉氷からの派生技の1つ。
蓮葉氷から複数の蔓を鞭のように伸ばし相手を捕らえる拘束技。
・&bold(){&ruby(かんれつ){寒烈}の&ruby(しらひめ){白姫}}
蓮葉氷からの派生技その2。
蓮葉氷の中から巫女の上半身を模した氷像を二体召喚、巫女の吐く吐息によって広範囲を一瞬で凍結させる。
・&bold(){&ruby(ふゆ){冬}ざれ&ruby(つらら){氷柱}}
相手の頭上に複数の巨大な氷柱を具現化し、降り注ぐ氷柱で串刺しにする。
頭上だけでなく弾幕のように直線的に飛ばすこともできる。
・&bold(){&ruby(ち){散}り&ruby(れんげ){蓮華}}
鉄扇を振るい氷の花吹雪を巻き起こし、蓮華の花辺を模した細かなガラス状の小さな刃の嵐によって全方位から敵を切り刻む。
・&bold(){&ruby(けっしょう){結晶}ノ&ruby(みこ){御子}}
童磨の姿をした氷の分身を作り出す術。
分身は童磨の膝下程の大きさしかないが、&bold(){自律稼働する上に&color(#ff0000){本体とほぼ同じ威力の術を使用することが可能}}。
また、相手の技や能力といった戦闘記録を童磨本体に還元することができる。
さらに複数体が作成可能であり、最低でも6体までは一度に使役可能。
ただし童磨が大幅に弱れば術が維持できなくなり自壊する。
終盤では無惨から怒られるのを嫌い、この分身を量産して無限城に放ち鬼狩りを殺戮する案も考えていた。
・&bold(){&ruby(むひょう){霧氷}・&ruby(すいれんぼさつ){睡蓮菩薩}}
背に無数の蓮の花が咲いた氷の巨大菩薩像を具現化する大技。
そのサイズは上半身だけでも巨人じみた規格外のサイズであり、蓮の花も人1人程度なら軽く乗れるほど大きい。
菩薩像は出現と同時に凍てつく霧状の冷気を広範囲に充満させる。
巨大な質量を生かした打撃を武器として自動戦闘する他、口から冷気の息を吹いて敵を凍りつかせることも可能。
}
**装備
・&bold(){鉄扇}
童磨の使用武器。
蓮の花の紋様が描かれた黄金に輝く鋭く大きな対の鉄扇。
一振りするだけで人間をバラバラに切断し、切られた後も僅かな時間身体を切断された事に気が付かないという恐るべき切れ味を持つ。
そして武器以外にも、血鬼術を繰り出すための触媒にもなる。
*◆物語での活躍
**遊郭篇
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){どうしたどうした 可哀想に}
&color(#f1c232,#000000){俺は優しいから放っておけないぜ。その娘間もなく死ぬだろう}
&color(#f1c232,#000000){お前らに血をやるよ。二人共だ。“あの方”に選ばれれば鬼となれる}}}
本編での初登場は96話。
周囲の環境から迫害され妹すら殺されかけ自らも重傷を負った妓夫太郎と梅の目の前に&font(#ff0000,b){花魁2人を笑顔で貪り食いながら}出現。なお当時はまだ上弦の陸だった。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){命とは尊いものだ。大切にしなければ}
&color(#f1c232,#000000){さあ お前らは鬼となり俺のように 十二鬼月…上弦へと上がって来れるかな?}}}
そう言って欺瞞以外の何物でもない言葉を語りかけながら兄妹をスカウトし鬼に仕立て上げた。
そして堕姫と妓夫太郎が死亡し上弦の鬼達が無限城に召集されたことで再登場。
113年ぶりに集った同僚達に無駄にウザ絡みした結果[[玉壺>玉壺(鬼滅の刃)]]には引かれ、猗窩座には馴れ馴れしく肩を組んだりしたことで下顎を拳で粉砕される報復を受ける((アニメでは発言のタイミング的に「女の首を壺に活けて飾ってある」発言でキレられたようにも取れる))。
それでも笑顔でガンスルーを決め込むばかりか、逆に煽り返して猗窩座をキレさせている間に無惨が降臨。
妓夫太郎の死亡によってキレかけている無惨に対しても、全く態度1つ変えず一方通行気味に喋り倒すも、ロクに相手にされず無惨の説教は終了。
&s(){無惨様もこいつの相手するのが面倒臭くなったのだろうか。}
その直後玉壺に下された無惨の命令に興味を抱き、玉壺の困惑を無視して同行しようと絡むも再びキレた猗窩座の一撃で頭の上半分が消し飛ぶダメージを受けてしまう…が、持ち前の高速再生で難なく復活すると、上下関係を重んじない猗窩座に釘を刺した[[黒死牟>黒死牟(鬼滅の刃)]]を諌めようとするもやはり無視されることに。
#center(){#bold(){
&color(#cc66ff,#000000){猗窩座よ…気に喰わぬのならば入れ替わりの血戦を申し込むことだ…}
&color(#f1c232,#000000){いやぁしかしだよ黒死牟殿 申し込んだ所で猗窩座殿は我らに勝てまいが}
&color(#f1c232,#000000){加えて俺に至っては猗窩座殿よりも後で鬼となり}
&color(#c97e85,#000000){猗窩座殿「(#^ω^)…(ピキピキ)」}
&color(#f1c232,#000000){早く出世したのだから彼も内心穏やかではあるまい!わかってやってくれ}
&color(#f1c232,#000000){それに俺はわざと避けなかったんだよ。ちょっとした戯れさ。こういうふうにして仲良くなっていくものだよ}
&color(#f1c232,#000000){上に立つ者は下の者にそう目くじら立てずゆとりを持って…}}}
と、さも友達であるかのようにケラケラ笑いながら、&b(){&color(#ff0000){フォローに見せかけて露骨に喧嘩を売るハイレベルな煽り芸}}を披露し猗窩座を無言でキレさせるも、結局は両者に無視される形で2人の対面は終了。
(童磨自身は知る由もないことだが、後に明らかとなった黒死牟の過去を考えると「上に立つ者は下の者に~」という発言はピンポイントに彼の&bold(){地雷}を踏みぬいていたと言える)
[[半天狗>半天狗(鬼滅の刃)]]や玉壺にもガン無視されて無限城に1人残され、最後に鳴女に絡もうとするも一蹴される形で無限城から自身の根城である教団施設に放り出され、皆が構ってくれないことにいじけるも、気を取り直し「教祖」として振る舞う。
なおこの下りでも分かる通り、かつて自分が鬼にした妓夫太郎と堕姫の死に対し&bold(){全く感傷を覗かせる様子が無く}、この時点でその冷淡な本性を端的に表している。
**無限城決戦篇
140話では柱を含めた多数の鬼殺隊員が無限城に落とされる中、無限城の一室で胡蝶しのぶと遭遇。
無限城の部屋で教団の信者と思わしき多数の女性を食い散らかしながらしのぶを&b(){&color(#f1c232,#000000){「美味しそう」}}と評して満面の笑顔を見せながら対峙。
信者を惨殺しておきながら自身の狂気の持論を誇らしげに語ったことでしのぶの怒りを買い、
更に自身がカナエを殺害した張本人であることを明かしたことで完全に激怒したしのぶと対決。
しのぶのスピードを皮肉抜きで賞賛しながらも、しのぶに頚を斬る力がないことを悪びれなく嘲笑い、
毒への異様な適応の速さと驚異のスピード、呼吸そのものを封じる凶悪な血鬼術によりしのぶに致命傷を与え劣勢に追いやる童磨。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){え 立つの?立っちゃうの? えーーー…}
&color(#f1c232,#000000){君ホントに人間なの?}
&color(#f1c232,#000000){鎖骨も肺も肋も斬ってるのに}
&color(#f1c232,#000000){君の体の大きさ…その出血量だと死んでてもおかしくないんだけど…}}}
しかし、姉の幻影に励まされ死力を振り絞って立ち上がるしのぶにドン引き。
心から心配しながら素直に諦めて死を待つよう提案するも当然のことながら一蹴され、全力を発揮したしのぶに翻弄され遂に頚に毒の一撃を叩きこまれてしまう。
持てる力のすべてを駆使したしのぶの渾身の一撃を受け遂に決着が付いた…かに思われたが
#center(){#bold(){&color(slateblue){(ほんと頭にくる ふざけるな馬鹿)}
&color(slateblue){(なんで毒効かないのよコイツ 馬鹿野郎)}}}
無慈悲にも、しのぶ渾身の一撃すら童磨の免疫獲得の驚異的な速さの前には無力だった。
これまでとは比べ物にならない速さで瞬く間に毒を分解・解毒し、満面の笑みを浮かべながら最後の最後で自分を圧倒したしのぶをなんとハグで抱きしめ、&b(){童磨は感動の余り号泣しだす}。
#center(){#bold(){&size(20){&color(#f1c232,#000000){えらい!!頑張ったね!}}
&color(#f1c232,#000000){俺は感動したよ!!こんな弱い女の子がここまでやれるなんて!}
&color(#f1c232,#000000){姉さんより才も無いのによく鬼狩りをやってこれたよ 今まで死ななかったことが奇跡だ}
&color(#f1c232,#000000){全部全部無駄だというのにやり抜く愚かさ これが人間の儚さ 人間の素晴らしさなんだよ!}
&color(#f1c232,#000000){君は俺が喰うに相応しい人だ!永遠を共に生きよう! 言い残すことはあるかい?聞いてあげる}
&color(slateblue){地獄に堕ちろ}}}
人間の存在を冒涜するかのような憐憫と愛玩に染まった歪んだ人間賛歌をしのぶに謳い、最後の最後までしのぶを侮辱しながら最後の恨み節を聞き届ける童磨。
その瞬間童磨の部屋に[[カナヲ>栗花落カナヲ]]が遂に到着すると同時にしのぶを&font(red,b){鯖折りで殺害}する。
おまけに彼の賞賛の台詞をよく見ると、&b(){「弱い」「姉よりも才能がない」「全部無駄な足掻き」「愚か」と、ひたすらしのぶを虚仮にしている}。
師が無惨に殺された光景を目の当たりにしてしまい、我も忘れて激高しながら攻撃するカナヲを嘲笑うかのように童磨は語り掛けるが、
カナヲが目撃したのは&font(red,b){大切な師の身体を取り込んで吸収していく童磨の姿だった}。
#center(){&bold(){&color(#f1c232,#000000){いやー危ない危ない 吸収してる最中に斬りかからないでおくれよ}}}
己を救ってくれた師であり親代わりでもあった恩人の命は愚か遺体すら奪われ、戦いや抵抗も含めたしのぶの全ての尊厳を侮辱されたことで憎悪に震えるカナヲを、童磨はしのぶの遺品である髪飾りを舌で舐めながら更に笑顔で嘲笑う。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){おや?挑発に乗らないねェ この子が先刻指文字やってたからかな?}
&color(#f1c232,#000000){俺の能力とか教えたのかい?一瞬だったのに凄いなぁ}
&color(#f1c232,#000000){無駄なのにね 頑張り屋さんだね}
&color(#f1c232,#000000){いやぁそれにしても今日は良い夜だなぁ 次から次に上等な御馳走がやってくる。}}}
そうしてカナヲと相対しある程度やりあった頃、童磨は猗窩座の敗北を感じ取る。((ちなみにその間に最初に着ていた上着を脱いだのか失ったのか、薄手の肌着のみになっていた。))
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){悲しい 一番の友人だったのに……}
&color(#ffb6c1){もう嘘ばっかり吐かなくていいから}}}
カナヲと対峙する童磨は、猗窩座の死を知ったことで涙を流し大仰に悲しんでみせる。
#center(){&bold(){&color(#ffb6c1){貴方何も感じないんでしょ?}}}
しかし、カナヲにはそれが単に上辺だけのものだとわかっていた。
一番の友達が死んだというのに、顔色も、しぐさも、血の巡りも、童磨は何一つ変わっていない。
カナエが死に際に、そんなあなたの事を気の毒だと言っていた、とカナヲは告げる。
本当は感情など持たず、空っぽで何もないのに、滑稽で、馬鹿みたいだ、と笑うカナヲ。
#center(){#bold(){&color(#ffb6c1){貴方 何のために生まれてきたの?}
&color(#f1c232,#000000){君みたいな意地の悪い子初めてだよ 何でそんな酷いこと言うのかな?}}}
経緯やその後の状況こそ違えど”感情を持たなかった”カナヲからの冷徹かつ残酷な指摘に、ようやく本当の表情を見せた童磨。
果たしてそれは、能面のような無表情であった。
かくして、童磨とカナヲとの戦いが始まった。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){ややもすると 今喰った柱の娘より実力があるのかもしれない}}}
しのぶによって指文字で粉凍りのことを教えられたカナヲは、童磨の初見殺しを回避して善戦する。
その剣技はいまだ未熟なれど、既にカナヲの実力はしのぶを上回っていたのだった。
しかし、カナヲの強みは「視力」であると見抜いた童磨は「凍て曇」でカナヲの眼を封じ、そして怒涛の血鬼術による連続攻撃でカナヲを追い詰める。
辛うじて血鬼術を回避し続ける防戦一方のカナヲに対して、更に童磨は瞬間移動とも思える超神速でカナヲの刀を奪いとる。
上弦の弐は伊達ではなく、カナヲと童磨の間には埋めがたい地力の差があったのだった。
#center(){#bold(){&font(#ffb6c1){見極めて正確に 最小限のところを 被害が最小限の所を 見極め…}
&bold(){&color(blue,lightgray){どぉありゃアアアア!!! 天空より出でし伊之助様のお通りじゃあアアア!!}}}}
刀がなくば回避不能の「散り蓮華」でとどめを刺されそうになったカナヲだったが、[[伊之助>嘴平伊之助]]の乱入により辛くも難を逃れる。
傷だらけのカナヲを見て、伊之助はしのぶに怒られることを心配するが……
#center(){&bold(){&color(blue,lightgray){死んだのか? しのぶ}}}
カナヲの表情を見て、伊之助はしのぶがもうこの世にいないことを悟るのだった。
暗に自らが食べたことを伝え、俺の体の一部になって幸せだよ、と笑う童磨に、伊之助は激昂する。
獣そのものともいえる伊之助の猛攻によりカナヲの刀を取り返すも、童磨の余裕は全く崩れず、再び瞬間移動とも思える超神速を発揮し、伊之助の被り物を奪い取ってしまう。
#center(){&bold(){&color(#f1c232,#000000){あれー?何か見覚えあるぞぉ 君の顔}}}
伊之助の顔に見覚えがあると断言する童磨。
自分のこめかみに指を突き立てて脳内の記憶をたどり、15年前の出来事を思い出す。
それは極楽教の教祖として出会った女性、伊之助の母親、琴葉のことだった。
親は猪だと否定する伊之助に、人間なんだから人間から生まれてるでしょ、と指摘する童磨。
激高する伊之助の攻撃を容易く躱しながら、あっけなく返り討ちにして話を続ける。
琴葉は頭の鈍い女で、夫や姑による家庭内暴力に晒され続けた末、救いを求めて万世極楽教の門を叩いたのだった。
そして、琴葉がゆびきりげんまんの唄ばかりを子守唄として歌っていたことを明かす童磨。
伊之助の記憶に、子供のころのことが蘇る。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){寿命が尽きるまで手元に置いといて喰べないつもりだったんだけど}
&color(#f1c232,#000000){信者を喰ってるのがバレちゃった}}}
童磨は琴葉を治療し、手元に置き続けるつもりだったのだが、琴葉に人食いの現場を見られたことで始末することを決意した。
崖際に追い詰められた琴葉は、最後の賭けとして伊之助を崖下に投げ落とし、殺されたのだった。
#center(){&bold(){&color(blue,lightgray){本当に奇跡だぜ この巡り合わせは}}
&bold(){&color(blue,lightgray){俺の母親と 仲間を殺した鬼が 目の前に居るなんてなァア!!}}}
いまだかつてない怒りを見せる伊之助。
地獄を見せると息巻く伊之助に対し、童磨はこの世には天国も地獄もないと持論を展開する。
天国や地獄は人間の空想で、悪人は死後地獄に行くと思わなければ弱い人間は生きていけない、と嘯く童磨に、伊之助とカナヲが襲い掛かる。
しかし、童磨はまともに戦おうとはせず、高所に逃げて「結晶ノ御子」を繰り出す。
童磨と同等の血鬼術を放ち、無数に生み出される「結晶ノ御子」にカナヲと伊之助はなす術がなく翻弄される。
この時までは、童磨は完全に鬼殺隊の2人に勝利していた。
猗窩座が倒されたことで時間が無くなってきたとして立ち去ろうとする童磨。
「結晶ノ御子」を6体も生み出せば鬼殺隊を全滅させられるだろうと読み、扉に手をかける。
その直後、童磨の視界が2つに崩れた。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){えっ?}}}
それは童磨の顔が溶け、目が零れ落ちたことによるものだった。
柱3人分の力に匹敵する強さを持つ上弦の鬼を葬り去る胡蝶しのぶの最後の作戦。
カナエからの情報を元に組み上げられ、お館様のお墨付きをもらったそれは、[[&bold(){しのぶ自身を毒の塊に変えておき、女ならば確実に喰らう童磨にわざと喰わせる}>自己犠牲]]というものだった。
しのぶの全体重37キロ分、&bold(){致死量の700倍もの藤の花の毒}((本誌掲載時は70倍だったが計算ミスだったとのことで単行本で修正された))を喰らった童磨は、再生が追い付かないほどの速度で腐り、溶け、砕けて行く。
カナヲはしのぶから予めこの作戦を知らされており、毒が効いて止めを刺せるようになるまでの時間稼ぎをしていたのだった。
「結晶ノ御子」も崩壊し、童磨と伊之助・カナヲの戦いは、完全に戦況が逆転したのだった。
#center(){#bold(){&color(#ffb6c1){(絶対にしのぶ姉さんの命を無駄にはしない!)}}
&bold(){&color(blue,lightgray){往生しやがれド腐れ野郎!!}}}
最後のあがきとして、血鬼術「霧氷・睡蓮菩薩」を繰り出す童磨。
神などいないと笑った男が最後に頼りにしたのは、巨大な氷の仏像……神であった。
しかし、技の精度の低さから苦し紛れの技だと判断したカナヲは、自身の眼が潰れることを覚悟した大技、花の呼吸・終の型「彼岸朱眼」を使用する。
動体視力を極限まで上げたカナヲは、童磨を追い込み頸を切る一歩手前まで詰め寄ることに成功するも、そこでついに凍りついてしまう。
しかし、その後ろから伊之助が放った獣の呼吸・思いつきの投げ裂きによって刀が押し込まれ、遂に童磨の首は落ちたのだった。
**末路
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){(え~~ 頸斬られちゃった)}
&color(#f1c232,#000000){(こんな雑魚に負けるなんて 俺が)}
&color(#f1c232,#000000){(あんな 頸を斬る力も無いような剣士ですらない毒使いに)}
&color(#f1c232,#000000){(剣術の基礎もできていないような奴に)}
&color(#f1c232,#000000){(これで消滅するなんて俺が可哀想すぎる)}}}
己の頸を落とした相手をまだ見下し、自分を憐れむ童磨。
人に尽くし世の中に貢献して生きてきた己が死ぬことを受け入れたくないと、最後の手段として猗窩座のように鬼を超える存在に進化しようと試みるも……
#center(){&bold(){&color(#f1c232,#000000){(死ぬんだ 俺)}}}
何処までも空虚だった童磨には進化の道などなく、無情にも童磨の頸は崩れ始めるのだった。
#center(){&b(){&color(#f1c232,#000000){(あ~~ やっぱり駄目だ 何も感じない)}}
&b(){&color(#f1c232,#000000){(死ぬことが怖くもないし 負けたことが悔しくもない ずうっとこうだったなぁ俺は)}}}
いよいよ死を迎えるにあたって、童磨は過去を思い出す。
童磨の父は信者の女性に見境なく手を出す色狂いで母にめった刺しにされて殺され、その母も半狂乱になりながら服毒自殺したのだった。
しかし、そんな凄惨な光景を前にしても、目の前で一気に両親を失っても、童磨は部屋が血で汚れたことに対する不快感しか覚えなかった。
二十歳で鬼になり、百年生きた童磨。
結局、人間の感情は自分にとって夢幻に過ぎなかったと童磨は思い返す。
#center(){#bold(){&color(slateblue){あ やっと死にました? 良かった}
&color(slateblue){これで私も安心して成仏できます}}}
そうして闇に落ちていく童磨の前に、死んだはずのしのぶが現れる。
首だけの童磨を片手に、童磨を倒せたことを満足げに語るしのぶ。
#center(){#bold(){&color(slateblue){まだ鬼の始祖も残っていますが きっともう大丈夫}
&color(slateblue){仲間の誰かが必ずやり遂げてくれる 私はそう確信している}}}
そんなしのぶを見る童磨の胸の中に、何かが生まれた。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){……わぁ}
&color(#f1c232,#000000){何だろうこれ 何だろう}
&color(#f1c232,#000000){今はもうない心臓が 脈打つような気さえする}
&color(#f1c232,#000000){これが恋という奴かなぁ可愛いねしのぶちゃん}}}
恋。
初めて知った、人間らしい感情であった。
高揚する童磨は、もしかしたら天国や地獄もあるのかも知れない、と考え直す。
#center(){#bold(){&color(#f1c232,#000000){ねぇしのぶちゃん ねぇ}
&color(#f1c232,#000000){俺と一緒に地獄へ行かない?}
&sizex(6){&color(slateblue){とっととくたばれ 糞野郎}}}}
何とも言えない表情を浮かべるしのぶとは対照的に、童磨は頬を染め、産まれて初めての心からの笑顔で告白する。
児戯のような告白に、しのぶは満面の笑みで拒絶の言葉を返すのだった。
**公式ファンブックにて
その後公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』によると、生前は天国や地獄を否定し&color(#f1c232,#000000){「人間は死んだら腐って無になるだけ」}と語っていた童磨だったが、死の淵で思い直したためか他の鬼と同様無事(?)地獄に堕ちたらしく、蟲の呼吸の斬られ心地について他の鬼達が戦慄する中、
&bold(){&color(#f1c232,#000000){「いいじゃない 可愛いんだから許してあげなよ」}}と笑っていた。
*◆余談
・絡みと言動のあまりのウザさに玉壺の任務に勝手に付いていこうとした童磨を攻撃し、彼の行動を妨害した猗窩座であったが、仮に上弦の鬼が3体も刀鍛冶の里に侵攻していたであろうことを考えると里は壊滅必至であり、猗窩座の行動は&font(#ff0000,b){結果的に宿敵である鬼殺隊の窮地を救った}とも言える。&br()ただし、猗窩座の言うとおり無惨が&b(){彼の命令もしくは許可無しに鬼同士で徒党を組むことを許していない}ことも事実。&br()迫られて困惑する玉壺の様子や鳴女が&b(){問答無用で元の場所に転送した}事から見ても、無惨は今回は童磨を送る気は無かったというのが本当なのだろう。&br()……玉壺と半天狗が失敗した時に八つ当たりされていた可能性は大いにあるが。
・「他者を見下し」「省みることも慮ることもなく」「自分の行為の正当性を疑いもしない」精神性は[[無惨>鬼舞辻無惨]]に近いものがある。両者の決定的な違いは、無惨は「生への執着」を体現する怪物だが、童磨は生に対する執着がなく、自分の死にすら関心を持てなかったことか。
・強い虚無性を孕んだ性質からか、無惨には鬼にされた当初はあまり期待されていなかったが、彼の予想に反してあっという間に「上弦の弐」まで上り詰めたことが語られた。この点も無惨が童磨を嫌う理由の1つかもしれない。
・公式ガイドブックによると猗窩座はパワハラを受けたとはいえ無惨のお気に入りの一人で、また黒死牟はかつて猗窩座から入れ替わりの血戦を受けたことが嬉しかったとされている。その猗窩座より童磨の方が早く成長・出世したことは無惨と黒死牟にとっても複雑だったかもしれない。
・当人は鬼の中では珍しく(一応)他の鬼と友好関係を結ぼうとしていたものの、他の鬼達からはどう思われていたかは不明。少なくとも玉壺からは壺を送られたりするなど、悪い関係ではなかった模様。
・アニメ版での声優について、他の上弦の鬼は予想がばらける中、童磨に関してはそのキャラクター性から演じられるのは宮野真守しかいないという意見が多くあった。しかし、いろんな意味で声優の使い方がおかしいと言われるアニメにおいて、さすがに視聴者からの予想そのままのキャスティングはしないだろうとも思われており、実際に登場するまで様々な推測が飛び交っていた。直近の妓夫太郎が意外なキャスティングだったことも、それに拍車をかけていた。&br()そして童磨が初登場する『遊郭編』最終回においては、放送中&bold(){まだ童磨が出ていないのにもかかわらず、なぜか宮野真守がトレンド入り。}最後のエンドロールにてついに声優が明らかになり((ただし、キャラクター名はこの時点では「上弦の鬼」表記))、誰もの予想ド真ん中なキャスティングにファンは&b(){逆に}驚きを見せた。
#center(){&b(){&color(#f1c232,#000000){何だか俺はこの項目の追記・修正に参加させて貰えなかったような気がするのだが 考え過ぎだよな猗窩座殿}}
ダン!
&b(){&color(#f1c232,#000000){猗窩座殿!話してる途中なのに}}}
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