&font(#6495ED){登録日}:2017/11/27 Mon 22:43:26 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(b,32px){&color(white,black){&space()何かが}&color(black,white){おかしい&space()}} &font(b,60px){&color(white,black){&space(2)GET&space()}&color(black,white){&space()OUT&space(2)}} } &bold(){『&ruby(ゲット・アウト){GET OUT}』}は、2017年に公開されたアメリカ映画。 監督は今作が初監督作品となるコメディアンのジョーダン・ピール。 #center(){ *&color(white,black){&space()概}&color(black,white){要&space()} } 白人の彼女の実家に挨拶に行った黒人の青年がその家で恐ろしい出来事に遭遇するサスペンスホラー映画。 具体的にどのような恐怖なのかは、語るとほとんどが[[ネタバレ]]となってしまうため、見てのお楽しみとしか言えない。 下記のストーリーにあるように、黒人と白人の根深い差別意識がテーマとなっており、バラク・オバマが大統領に就任してもなお白人警官による黒人青年の暴行死事件が発生したり、権利の平等が当たり前となった時代となった今も、「&ruby(マイクロアグレッション){無意識化にやってしまう、言外の差別}」が取り沙汰されたりする[[アメリカ合衆国]]では他人事ではない。 さらに公開された年は、人種差別発言で悪名高いドナルド・トランプが大統領に就任し、ISIL対策として一部の中東国民の入国拒否令の攻防が問題となり、人種差別の問題が国民中の関心の的となった頃である。 そのような根深い「黒人差別」の本質に鋭く踏み込んだ本作は、アメリカの大手映画レビューサイトRotten Tomatoesで99%の絶賛評価を得、低予算ながらもスマッシュヒットを記録した。 さらに、2018年度のアカデミー賞において作品賞にノミネートされ、優れたオリジナル脚本に贈られる最優秀脚本賞を受賞した。 #center(){ *&color(white,black){&space()ストー}&color(black,white){リー&space()} } 写真家の黒人青年クリスは、週末を利用して恋人の白人女性ローズの実家に招待される。 ローズの実家アーミテージ家は代々白人家系で、黒人の彼氏がいることを家族に話していないというローズにクリスは不安を隠せない。 「みんな差別主義者じゃなし、オバマも好きだから安心して」と語るローズの言う通り、初対面した彼女の両親は気さくな性格で、親しげな態度でクリスに接する。 黒人でも受け入れてくれている家族の態度に安心するクリスだったが、徐々にその親切さに違和感を覚える。 アーミテージ家には二人の黒人の使用人が働いていた。しかし彼らは同じ黒人のクリスに対してどこかよそよそしい。 やがて、白人の親戚一同が訪れる親睦会がアーミテージ家で催される。そこで黒人の招待客を見かけたクリスは仲良くなるが、彼を撮影した瞬間、その男は豹変した。 &bold(){「&ruby(出ていけ!){Get out !}」}そう男は叫ぶ。 果たしてクリスが足を踏み入れた場所は一体何なのか……? #center(){ *&color(white,black){&space()登場}&color(black,white){人物&space()} } ●クリス・ワシントン 演:ダニエル・カルーヤ 主人公の黒人青年。職業はモノクロ写真家。大学時代は柔道を習っていた。 明るく聡明な好青年で、冗談も人並みに嗜む愛煙家。 幼い頃[[母親>お母さん]]が[[車>自動車]]に轢かれて死んだ時に探しに行かなかったことを悔やみ、深い[[トラウマ]]となっている。 可愛らしく自分に尽くす恋人の実家で彼女とバカンスをするつもりが、人生最大の恐怖を味わう羽目になる。 ○ローズ・アーミテージ 演:アリソン・ウィリアムズ クリスの彼女の白人女性。 明るく気立てのいい、クリスのよき理解者であるまさに理想の恋人。 白人家系で黒人に対する差別意識もないと自負し、家族にも信頼を置いていたが、どこかよそよそしさのある家族の姿に幻滅し、孤立するクリスに寄り添う。 演者は後の[[人型ロボット開発者>M3GAN/ミーガン(映画)]]。 ○ディーン・アーミテージ 演:ブラッドリー・ウィットフォード ローズの父。職業は脳外科医。 オバマを支持し黒人に対しても気さくな態度でウィットに富んだジョークでクリスを歓迎する。 しかしどこか、彼の体格を遺伝子的な観点で褒めちぎっている。 ○ミッシー・アーミテージ 演:キャサリン・キーナー ローズの母。職業はセラピスト。 穏やかで心優しそうな中年女性だが、どこか底知れない雰囲気を醸し出している。 催眠術の専門家で、催眠術によりクリスに母親の[[死]]のトラウマを呼び覚まして[[タバコ>紙巻き煙草]]への恐怖心を植え付けた。 ○ジェレミー・アーミテージ 演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ ローズの[[弟>弟(妹)キャラ]]。医大生。 ラクロスをやっていて運動神経がいい。 クリスに対する物珍しさを隠そうともせず、彼のアスリート体質を茶化してくる。 ○ローマン・アーミテージ 演:リチャード・ハード ローズの祖父。既に故人。 かつてはマラソンランナーだったが、1936年のベルリン五輪で黒人ランナーのジェシー・オーエンスに敗北している。 ○ジム・ハドソン 演:スティーヴン・ルート 親睦会の招待客で[[盲目]]の画商。 クリスの写真を高く評価しており、彼の人柄にも惹かれている。 ●ウォルター 演:マーカス・ヘンダーソン アーミテージ家の庭師。黒人。 普段は不愛想だが、何故かローズに対し偏執的な愛情を寄せている。 夜中に異様な様子で走り回っているが……。 ●ジョージナ 演:ベティ・ガブリエル アーミテージ家の家政婦。黒人。 普段は笑顔を絶やさず主人の世話をするが、来訪者のクリスを不穏な様子で監視している。 中盤、彼女の見せる泣き笑いは本当に怖い。 ●アンドリュー・ローガン・キング 演:レイキース・スタンフィールド 親睦会に集まった招待客の一人。中年の白人マダムの若い夫。 温厚な青年だったが、クリスにフラッシュを焚かれた瞬間、突如豹変して彼に襲い掛かる。 その後ミッシーの治療で正気に戻ったが、かつての彼はコテコテのジャズミュージシャンだった……。 ●ロッド・ウィリアムズ 演:リルレル・ハウリー クリスの親友。空港勤務の運輸保安局員。 この映画唯一の良心で清涼剤の[[おもしろ黒人]]。 白人一家に挨拶に行くクリスをホラー映画ネタで茶化していたが、彼の報告からある事実に気付く。 #center(){ *&color(white,black){&space()ネタバレに関}&color(black,white){わらない小ネタ&space()} } -冒頭でローズが運転する車に轢かれてしまう鹿はブラックバックという種のメス。オスは成獣すると体の表面が黒くなることから「&ruby(黒い雄ジカ){Blackbuck}」なのだが一方で「Black Buck」は「白人女性を襲う野蛮な黒人」というステレオタイプを意味する。 -アーミテージ家の黒人はいずれも帽子かかつらを常に身につけている。最後まで見るとその理由がわかるだろう。 -キーアイテムとして登場する「[[紅茶]]」と「綿」だが、実はこれらは黒人[[奴隷]]がプランテーション農業で作ってきた作物の代表格。 -アーミテージ家の人々はよく見ると全員が服装のどこかしらに「赤」が入っている。一方、クリスはその中にあって一人だけ青系統の服を着ている。そして共和党のシンボルカラーは赤、民主党のシンボルカラーは青である。 #center(){ *&color(white,black){&space()余}&color(black,white){談&space()} } 当初は現行のラストとは全く異なる[[「現在でも人種差別はなくなっていない」ことを示すエンディング>別エンディング(映画)]]だったが、製作が始まった段階では反人種差別の声が高まっており、監督の「フィクションでも[[現実]]を考えるとあまりに救いがなさすぎる」という意見で急遽ラストが変更された。 #center(){ &bold(){&color(white,black){「催眠術でWiki籠りを追記}&color(black,white){修正奴隷にしてるんだよ!」}} } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\&ruby(出ていけ!){Get out !}/ #vote3(time=600,9) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - トランプ死ね! -- 名無しさん (2017-11-28 10:23:53) - トランプは人種差別発言したことないぞ -- 名無しさん (2017-11-28 17:30:56) - ポリコレ棒でトランプ支持者をぶん殴ってくる連中は許される不思議 -- 名無しさん (2017-11-28 19:21:52) - ↑2トランスジェンダーの軍入隊を禁止しようとしたり差別政策は行ってるがな -- 名無しさん (2017-11-28 19:36:15) - この映画の批評でも言われてたな。問題に首突っ込んで正義面してる奴等こそが厄介。その皮肉や厳しい現実踏まえた結果が映画の内容であり、監督がハッピーエンドに変更した理由だって。 -- 名無しさん (2017-11-28 19:37:22) - そういや本家wikiでは警官による黒人射殺の続出がエンディング変更の理由とあるが、トランプの当選が理由というのは間違いないの? -- 名無しさん (2017-11-28 20:00:41) - ↑3 -- 名無しさん (2017-11-28 21:44:21) - ↑ミスです ↑4それ軍の組織立った行動の阻害になる可能性があるからだよ -- 名無しさん (2017-11-28 21:46:04) - ↑は?トランスジェンダーの軍人なんてたくさんいるし勲章もらってる人だっているんだぞ。そんなの理由にならんわ。 -- 名無しさん (2017-11-28 23:39:21) - ↑まあここは映画のコメント欄なんでそこら辺の話はそれくらいにしときましょうか -- 名無しさん (2017-11-29 20:54:04) - GET・嘔吐?(難聴) -- 名無しさん (2017-11-30 00:12:13) - 多分この人たちは本気でオバマを支持していたと思う。でもそれはオバマの政策に賛同しているからじゃなくて「優秀な白人は公平なので、有色人大統領の誕生を称賛しなければ『ならない』」っていう複雑なコンプレックスの裏返しに見えるんだよね。「白人は優秀だから、有色人にも公平でなければならない」というジレンマがあるというか。 -- 名無しさん (2019-07-29 16:15:49) - この映画の本質は、表立って黒人を忌諱して弾圧する”典型的なレイシズム”ではなく、「黒人の能力は優れている」と認めた上で、アングロ系特有の「未開拓な異種族は洗練された我々の崇高な啓蒙によって導いてあげなければ」という驕りからくる、「それは私たち白人の知性によって正しく使われるべき」という鼻持ちならない偽善への皮肉だから。 -- 名無しさん (2019-07-29 17:04:46) - 監督が当初想定していたラストって… いやー -- 名無しさん (2022-12-30 21:16:37) - 彼女の裏切りが本当にショックだった -- 名無しさん (2024-10-31 08:07:00) #comment #areaedit(end) }