性能
全長:987mm
重量:3950g
使用弾:5.56mmNATO弾
装弾数:35+1
動作方式:ロングストロークガスピストン ターンロックボルト
概要
イスラエルのIMI社によって開発され、1973年より採用された
突撃銃。
名称はイスラエルのライフルの父、Yisrael Galili(イスラエル・ガリリ)氏。
M16の供与などによりイスラエル国内では主力小銃ではなくなったが、国外ではライセンス生産含めかなりの数が使用されている。
歴史
1960年代当時、配備していた
FN FALが砂塵に弱く重くてかさばるとの苦情が寄せられた。
第三次中東戦争や第四次中東戦争では鹵獲したAK-47や先に配備されていたUZI
短機関銃を主力とする兵士が見受けられ、軍部としても取り回しの良い主力小銃の必要性を痛感していた。
1960年代末から70年にかけて、AK-47並みのタフさとFALや
M16並みの精度を持つ銃として本銃が試験に供された。
競合としてはM16A1、ストーナー63、
HK33があったとされる。
自国生産ができる点でコンペに勝利したガリルは第四次中東戦争の混乱が落ち着いたタイミングで配備を開始した。
しかしながら1975年に米軍の軍事援助(Military Aid Program/MAP)により6万丁のM16A1を取得する事が出来てしまったので軍はより低コストなそちらに流れてしまった。
結局イスラエル軍ではガリルは主力と呼べる量を配備せず、2004年ごろには
タボール AR-21へ完全に移行している。
しかしAKの改良型という点で国外で需要が生まれ、アフリカや南アメリカ、東南アジアにて現在でも生産、運用が継続されている。
2008年からの改良型であるガリル ACEも主に国外で使用されている。
構造
AK-47のフィンランド版であるバルメ Rk62を改造する形で試作されており、間接的にAK-47の構造を引き継いでいる。
Rk62から引き継いだ点は以下。
- 全体的な形状と動作機構、基本的な操作体系
- レシーバーは削り出しでSS109弾の高圧に耐える
- レシーバー上部のダストカバーを強固に固定し、リアサイトを後退させてより精度を出しやすくする
- チューリップ型のフラッシュハイダーを装着
他社からの点は以下。
- コルト社、キャデラック社よりバレル/マガジン/ボルトを発注し、それらをもとに改修。
- ストックはFALのものがベースのスケルトン折り畳み式。キャリングハンドルも同様。
オリジナルな点は以下。
- マガジンは専用の35連と軽機関銃運用向け50連。アダプターを介せばM16のSTANAGマガジンに対応する。
- コッキングハンドルを上向きに折る/左親指で操作できる位置に追加のセレクターを生やすなどして操作性を改善。
- 標準で2脚を装備。基部にはワイヤーカッター機能を付与している
- ハンドガード基部に瓶飲料の栓抜きを追加。
2脚、キャリングハンドル、栓抜きは後のARモデルでは省略された。
ARM(アサルトライフル/マシンガン)のとおり、全体的にSG510や64式などのような 機関銃の代役 にも慣れる機能が含まれている。
バリエーション
アサルトライフル/マシンガン を意味する基礎モデル。
アサルトライフル を意味する簡易モデル。諸外国ではこちらが主流。
ショートアサルトライフル。
マイクロアサルトライフル。銃身となったほか、左面にもコッキングハンドルが追加されておりガリルACEでも踏襲されている。
ARM、AR、SARの7.62x51mm弾セミオート仕様。ARMの狙撃仕様はガラッツと呼称された。
MARベースの通称マガル。イスラエル警察がM1カービンからの移行先として採用した。
ACE
近代化改修したモデル。以下改良点。
- 2ステージトリガー
- ガスチューブの導線改良
- M4系列に近い伸縮式ストック
- 自動ホールドオープン機能
- 左面のコッキングハンドル
- ピカティニーレール対応
- その他デザインを洗練
2021年には第二世代モデルとなった。ハンドガードとグリップをモデルチェンジしておりM-LOKに対応している。
バリエーション
ガリルのマガジンかSTANAGマガジン、SR-25のマガジンと互換性を持つ。
銃身長が8.5インチ/13.2インチ/18.2インチの5.56x45mmNATO弾モデル
銃身長が8.5インチ/16.1インチの7.62x39mms弾モデル
銃身長が16.1インチ/20.1インチの7.62x51mms弾モデル。52ベースのDMRモデルであるACEスナイパーが存在。
AK-74のマガジンを使用。