ゴジラ(MonsterVerse)

登録日:2025/08/25 (月) 00:11:29
更新日:2025/09/12 Fri 22:54:58
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「We call him(我々はこう呼んでいる)……“ゴジラ”


本項目では2014年公開の『GODZILLA ゴジラ』を出発点とするメディア・フランチャイズ「モンスターバース」シリーズに登場する”ゴジラ”について記述する。

●目次

概要

出自はかつて地球上に放射線が多かったころ(前述の日本のゴジラよりもより古いペルム紀)に、
放射線を吸収して活力にするよう進化した、「怪獣類」とでもいうべき独自の動物種の末裔。
水爆実験などによって変異したものではなく、もとから自然界に存在し、核の力を自ら活用する道を選んだ一個の生物種である。
原子炉的な器官を備えており、積極的にウラン鉱石などを摂取せずとも自活出来たこともあってか当時からすでに怪獣の王として君臨していたらしい。
しかし、それに目をつけて進化した天敵が出現してしまったが。

ペルム紀末期の地球史上最大最凶の大絶滅で環境が激変。
放射線量が少なくなったあとは地底や海底で地球の核からエネルギーを得て暮らしていたが、
地上で核実験などの影響で再び放射線量が増えたことが引き金になり覚醒する。

覚醒した彼を脅威とみなした冷戦期の米ソが南太平洋で水爆実験と称した殺害作戦を次々決行し、殺そうとするが無論のこと死なず、
さりとて都市を破壊したり暴れることもなく海底でじっと過ごしていたが、あるきっかけを期に地上に出現し大衆の目の前に現れる……

水爆をぶつけられたりタコ殴りにされても人類に対し明確な敵愾心を持っていないなど、態度としては超然的という言葉がふさわしいか。
2014年版『GODZILLA ゴジラ』の物語後半で主人公フォードと目が合う場面があるが、その時も何もしなかった。
自然そのものと言った風情であり、凶暴性はあまり感じられない穏やかなタイプである。

初代ゴジラやほとんどの場合は核実験によって安住の地を追い出されたり、生物としての有り様を捻じ曲げられたわけだが、
こちらは逆に核実験などのおかげで環境がお誂え向きとなって地上に戻ってこれたため、むしろ感謝してすらいるかもしれない。……それはないか。

一つの可能性

このゴジラは従来のゴジラと違い、水爆実験による突然変異した恐竜ではなく、元から自然界に存在する一個の生物種である。

それがどうしたって?

考えてみてほしい。

今回のゴジラは「ゴジラという水爆実験の影響で目覚めた怪獣」、「突然変異で誕生したゴジラという怪獣」ではなく自然界に存在する「ゴジラという種族の中の一個体」である。
つまりペルム期の地球では「ゴジラの一族」が生態系の頂点として君臨していた。
そしてゴジラ達は放射線という餌を求めて地底や海底に移住していった。
ということはだ、あの世界の地底や海底には未だに「ゴジラの一族」=「複数のゴジラ」が存在している可能性がある。
もしそうならば彼らは地底や海底で地球の核から食べ物を得ながら、人間の知らぬところで繁殖しているかもしれない。

さらに米ソが水爆で攻撃していたゴジラが同一個体である保証はない。
ゴジラは劇中で、かつて地球上に放射線が多かったころ(前述の日本のゴジラよりもより古いペルム紀)に、放射線を吸収して活力にするよう進化した動物の末裔と言われていたので、あのゴジラが最後の生き残りである可能性もある。
だがしかし、上記の仮説が的中していた場合、あの世界には地底や海底に複数のゴジラが潜伏していることになる。
もしも人類が原子力の使い道を誤った場合、第二第三のゴジラが容易に出現するかもしれない。

再び地球がゴジラの王国になる可能性すらある。

…実にロマンと恐怖を感じる話ではないか。

しかしながら、どうも主役個体であるゴジラ以外のゴジラ種族はそこまで強い存在というわけでもないらしい。
ゴジラ(2014)の開幕からしてゴジラ種族の一体*1がムートー幼体に体内から食い殺され、化石となった姿で発見されるという衝撃的な場面から始まっており、
同作の後日談であるコミック・ゴジラ:アフターショックでは古代においてムートープライムにゴジラ種族の大半が狩られ尽くされたことが語られているほか、
KOMの監督であるドハティ監督のBD版のコメンタリーによると古代でのキングギドラと地球のタイタンとの戦争ではゴジラ種族の多くがキングギドラに倒されたことが語られている上に、
ゴジラvsコングの小説版では古代において、古代人にそそのかされたコング種族(グレートエイプ種族)にゴジラ種族が乱獲され*2、それに怒った主役個体のゴジラがコング種族を絶滅寸前まで追い込んだことが語られている。*3
なんだか新作が出るたびに古代のゴジラ種族が絶滅寸前になるのではないかと心配になってくる話である。*4

容姿

首にはあまり目立たないが、エラがついている。これで水中でも呼吸が可能。
体内原子炉と細胞内の核反応のエネルギーで生命活動を維持しているゴジラが酸素呼吸する必要あるのか?
という疑問はあるが……*5

目が小さかったりするのでアウトラインはほぼ同じなのに微妙に違う感が気になるという方もいるかもしれない。
日本版で一番近いのは多分ミレゴジ。目と頭を小さくして色を黒にするとこのゴジラに近づく。
『KOM』からはドハティ監督の意向で背びれが初代に似た形に変えられ、脚部や爪もより大きく太くなっている。
そして『×コング』では、後述の通り自己進化により以前とは大きく形態の違う姿に変異している。

攻撃・防御

初登場となったのは2014年版。
圧倒的な体格そのものが武器であり、凄まじいパワーと如何に巨大とはいえ生物とは信じられないような耐久力を誇る。
これ程の巨体でありながら動けるのはオリジナルの日本版同様に体内に生体原子炉を持つため。まぁ、後に現れたタイタン達を考えると普通にあの巨体でも生きていける規格外の生き物なだけなのかもしれないが。*6
敵とみなしたものには長い尻尾と逞しい腕を振るい、積極的に噛みつきに行くなど鈍重ながらもアグレッシブに戦う。
とはいえ、この2014年版登場時は相当に不調だったようで、更には相手となるのが自分のパワー(放射能)を奪うムートーだったこともあってか、体格やらでは勝ってるのに近付くだけでデバフまでかかるので余計に苦労させられていた。
なので、苦しい思いをしつつも重い身体を引きずりつつ肉弾戦を行うハメに……。
とはいえパワータイプの雌ムートーに対しては一方的にパワーで圧倒して最初のぶつかり合いで瞬殺しかけており、飛行型の雄ムートーに対してはその機動力に翻弄されて苦戦したものの尻尾の打撃がクリーンヒットすれば一撃でほぼ即死させているのでそこまで不利というわけではないようだ。
そのために代名詞として語られる放射能火炎=アトミック・ブレスを2014年版の時点では殆ど吐かないのだが、ここぞという時には威力の高い青白い火炎を吐く。
お馴染みの熱線と呼べる形態ではないのは初代『ゴジラ』の白色光のオマージュだろうか?
ただ、これは体力の消耗が激しい(且つ体内の放射能を消費するためか)最後の切り札らしく、あくまでも奥の手。
使用時には従来のゴジラ同様に背びれが光るが、尻尾の先端から徐々に光っていくという独特の演出がなされる。
威力自体は高く、放射能耐性のある相手にもかなりのダメージを与えられている。
クライマックスとなったムートー(♀)への口移し火炎の残虐ファイトっぷりはもはや伝説である。後に復讐鬼と化したギドラ=メカゴジラに同じことをされそうになった。

核実験と称して水爆を何発も喰らったがついに殺せず、逆に膨大な放射線を吸収して変異したと劇中で語られている。
そのせいか、前述の通りで2014年版作中でも古代には他にも“ゴジラ種”が居たがムートーに脅かされていたことや、続編以降でもライバルとなる存在(キングギドラ)や覇権を争った種族が居たことが語られていた訳なのだが、この現代に出現した末裔に関しては後になる程に恐らくは“ゴジラ種”の中でも規格外の怪物であることが明らかになっていくことに。

至近距離からのミサイルや戦車の砲撃もまるで通用しないといった具合にどこぞのマグロ食いと違って恐ろしく頑丈である。
一応、リアリティを重視した2014年版作中では倒壊するビルに巻き込まれたりと情けない瞬間もあったが、日本人の心に残るゴジラ像に近しいゴジラとなっている。
四代目だってバトラにビルや観覧車で殴られたら気絶してたしね


『KOM』では2014版時よりも体格が大型化。
身体の各部もより戦闘向きに変化している。
(メタ的には前作からの方針転換もあり)身体能力が遥かに向上しており、動くだけで疲れていたような前回出現時とは大違いの姿を見せた。つまり、日本での平成〜ミレニアムあたりのゴジラ像にとても近くなった。
尚、この段階でも本調子からは程遠いらしく、それは以降のシリーズにて裏付けされていくことに。
アトミック・ブレスもお馴染みのの青白い光線と呼べる形態にまで強化・高威力化。チャージ時間もやや短縮されている。
射程も普通に光線と呼べる使い方を出来るなど向上しており、遂に遠距離攻撃としての使用が可能になった。
威力も直撃した場合にはタイタンですら致命傷を受けるレベル。


『vsコング』では更に身体能力が向上。
挙げ句には長時間に渡り活動し続けるなど、何気に歴代のゴジラの中でも相当に持久力があることが窺える描写に。この状態ならギドラも余裕で撃破していたのでは?
今回からチャージ短縮・連射可能となったアトミック・ブレスを披露。レーザーのような持続すら可能と前回までと比較すると反則的な強さに。
耐久力も更に異常なレベルとなっており、僅かな傷を負ったような描写もなかった。
ただし、総戦力では互角以上と設定されているメカゴジラ戦では、流石にここまでの疲労が蓄積というか、確実に調子に乗ってアトミック・ブレスで地表から地殻までをブチ抜いたり、コング戦でも後先考えずにアトミック・プレス使いまくってたせい。していたこともあってか全力を出し切れなかったようで、コングとの対決ですら余裕を見せていたにも関わらず、初めて圧倒されてしまう姿を見せた。

『xコング』では膨大な放射能吸収や太陽風由来エネルギーを取り込むことで新形態へと自己進化し、更に戦闘能力を強化させるという真逆の芸当を披露した。ま、まだ強くなるのか……例の如くで新形態も完全に力を引き出してた訳ではないらしいし。
今作では友好関係にありながらも、古代のイーウィス族より“星を飲み込む怪獣”と呼ばれていたことが語られている。
……上記の自己進化の際には、新たなるエネルギーを吸収する為にも敵対したティアマトの遺伝子の一部を体内に取り込んでいたとのことだが、この必要に応じて自己進化すら可能とする能力のことを指すのだろうか?

劇中の活躍

GODZILLA ゴジラ

身長108.2m(小説版は120m) 355ft
体重90000t
必殺技アトミック・ブレス

1954年、アメリカの原子力潜水艦が初めてゴジラと遭遇。その後、米軍は「核実験」を名目にゴジラを核兵器で葬ろうとした。だが放射能をエネルギー源とするゴジラには逆効果で、逆に力を与えてしまう形となり、ゴジラはより一層強化される結果に。結局、人類の前から姿を消し、そのまま消息を絶ってしまった。

そして約60年後の2014年。今度は自分の種の天敵とも言えるムートーが動き出したことを察知し、ハワイにムートーのオスが飛来すると同時にゴジラも海を泳いで上陸。ホノルル空港でムートーオスとついに激突する。しかし戦いは長く続かず、ムートーオスは飛び去り、ゴジラもその後を追って海に潜り、西へと移動していった。米艦隊に監視されながら追跡されていたが、途中で急に潜行して姿をくらまし、米軍をまんまと振り切っている。

やがてムートーオスは北米で覚醒したメスと合流。サンフランシスコで繁殖活動に入ろうとしたその時、ゴジラも沿岸に到達し上陸を果たす。米軍の攻撃をものともせず、ムートーの雌雄と激しい戦いに突入した。戦いは夜まで続き、二頭の連携に押され始めるゴジラ。だが、米軍特殊部隊のフォードがムートーの巣を爆破したことで状況は一変。怒り狂ったムートーメスに対し、ゴジラは切り札の放射熱線を叩き込みダウンさせると、続けざまにMUTOオスも尻尾の一撃で撃破する。とはいえ、自らもエネルギーを消耗してビルの崩壊に巻き込まれ、力尽きたように倒れ込んでしまった。

その後、沖合で核弾頭を運ぶ船をムートーメスが追撃。フォードを除いて特殊部隊は壊滅し、フォードも絶体絶命に。しかしその瞬間、背後からゴジラが復活。ムートーメスに噛みついて押さえ込み、その口に熱線を叩き込んで頭部を吹き飛ばし、ついにムートーの雌雄を完全に葬り去った。

戦いの直後、力を使い果たしたゴジラはサンフランシスコ市街に横たわり、息絶えたかに見えた。だが夜明け、瓦礫の中で目を覚ますと、再び海へと帰っていったのだった。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

身長119.8m
尾長177.4m
体重9万9.634t
必殺技アトミック・ブレス

超古代文明において守護神として人類と共存し、そして崇拝されてきた存在である。突然のエンシェントルーンカタカナに度肝を抜かれた人も多かっただろう。
宇宙からの侵略者=偽りの王であるキングギドラと戦う運命を持ち、ゴジラの通り過ぎた後は自然が再生されるなど恵みをもたらす存在でもある。
また、モスラとは共生関係にある。

不調そのものだった前回とは違い、今回も全力には程遠いとされつつも動きが俊敏になっており、更には発射までに準備段階が必要になるとはいえアトミック・プレスが日本版同様の熱線と呼べる形態にまで強化。
ただし、その通りの理由からか熱線を撃つ機会は少なく肉弾戦メインで戦うのは前回と同じ。
南極にて復活させられようとしていたモンスター・ゼロ=キングギドラを追って約5年ぶりに出現。
キングギドラと交戦し、地上での戦いではギドラの素早い動きに翻弄されていたものの海に引きずり込んだ時には優勢で、そのまま仕留められる勢いだった。
……が、そこで米軍より投下された対「タイタン」用秘密兵器オキシジェン・デストロイヤーによって、地球外生命体故に効果が無かったギドラとは違い、真のタイタンの王であることが仇となり大ダメージを受けてしまい撤退。
その後地球内部の空洞にある遺跡で眠りについていたが、芹沢博士の文字通り決死の活躍で膨大な放射能を供給され覚醒。
モスラとともにキングギドラと戦った。
が、あまりにも放射能が急激かつ膨大な量を供給されたため、体内原子炉が爆発寸前に至るという危険な状態にもあった。
不自然にパワーが引き上げられてしまった弊害か、確かに体内原子炉の出力こそ南極での戦いより増していたようだが、それでも本来の調子には程遠く、古代では互角の戦いをしていたと言われていたにも関わらず、本作終盤の圧倒的な強さを発揮していたキングギドラには劣勢を強いられることに。
それでも何とか食らいついていたものの、ギドラにより大気圏まで運ばれた後に隕石の如く自由落下させられるという攻撃により大ダメージを受けてしまい、更に核爆発までの猶予も無くなるという事態に。
正に絶体絶命……かと思われたが、最期の力を振り絞ってエネルギー体となったモスラと融合し、バーニングゴジラに覚醒。
キングギドラに再生のスキすら与えず撃破する。
四代目は不可逆でそのままメルトダウンを起こし溶けて消滅したが、こちらはエネルギーを放出した後は元の体色に戻っている。
そして“偽りの王”を倒し咆哮を挙げるゴジラの下に集ったタイタン達は服従するかの如く頭を垂れるのだった。

ゴジラVSコング

ギドラを征して再び地球のタイタンの王へと君臨してから5年後のゴジラ。
体格は前作より据え置きだが、前回よりも更に本調子に戻ったとされたことで圧倒的な身体能力をも発揮するようになっている。
特に、必殺のアトミック・ブレスが過去の出現時とは違い、瞬間的にチャージ→発射までのプロセスを行うことが可能となっており、おまけに威力を途切れさせることもなく連発どころかレーザー光線を思わせる程の持続すら可能と、制約が多かった前回までと比べると反則的なまでの強さに達している。
タイタン達が出現するだけで地球の生態系を回復させる副次的効果を発揮し、その王であること。
また、5年前のギドラとの戦いの経緯から人類の中からもゴジラを救世主と崇める勢力が出ていたものの、今作では人類に牙を剥いたかのように攻撃を開始。
特に、巨大テクノロジー企業「エイペックス・サイバネティックス」の施設に多大な被害を与え、この行動にはモナークも困惑と諦めによる、再度のゴジラを危険視する動きを強め、件のエイペックスのCEOのウォルター・シモンズはタイタンその物を危険視する世論を形成しようとしていた。

そんな中、モナークは古代の地球でゴジラと覇権を争っていたコングの生き残りを髑髏島で発見した後、長年に渡り監視下に置いていたがコングが成体に達した今ではそれにも限界が生じており、外に出してしまってはゴジラに襲われる危惧が生じるとして研究者のアイリーンが悩んでいた所でエイペックスの依頼を受けた元モナークの同僚のネイサンが地球中心部の大空洞を探索する為に、その大空洞が故郷と思われるコングを利用させてくれることを提案……悩んだものの了承する。

果たしてコングの海上輸送中に襲撃に現れたゴジラは、海という圧倒的なアドバンテージもあってか輸送艦隊に甚大な被害を与え、解き放たれて交戦したコングも海に引きずり込まれて窒息に追い込まれ、艦隊による援護がなけれは殺されかけてしまうという事態に。

その後、コングを空中輸送からの南極大陸への移送→地底世界への探索をしている隙にゴジラは“目標とする存在”が運び込まれたエイペックスの秘密研究所がある香港へ襲来する。
コングの導きで地底の大空洞=古代に於いてコングが王として崇められていた玉座に帰還させると共にエイペックスは目的としていたタイタン達の力の源である地球その物のエネルギーとも呼ぶべきエネルギーを発見→そのデータを秘密研究所に送り、回収していたギドラの頭部を素体と生体コンピューターとして利用した、“人類が再び地球の盟主となる”ことを目的として作り上げられた対タイタン用決戦兵器メカゴジラを完成させた。

そんな中、自身にも関係のある大空洞でのコングの気配を感じたのか、或いは自分達の源泉となるエネルギーの始動を感じ取ったのか、ゴジラは香港から大空洞までをアトミック・ブレスで貫くと、ゴジラの気配を感じ取ったコングはその大穴を抜けて香港に出現。
大空洞で見つけた、過去の同族が残したゴジラの背鰭から作られたと思われる、ゴジラのアトミック・ブレスをも受け止められる斧を武器に再度の戦いに挑む。
圧倒的な攻撃力を誇るゴジラに対し、高層ビル群を飛び抜ける機動力を武器に挑んだコングは地上に戦場を移しても尚も不利であったが、アトミック・ブレスを受け止めつつの斧によるカウンターの一撃でダウンさせることに成功する。
……しかし、ややあって復活したゴジラは四つん這いになると獣を思わせる動きで高速で接近、過去には見せなかった爪による攻撃に強烈な顎の力を利用した噛みつきからの振り回しと、反撃すら許さずに一方的にコングを蹂躙。
倒れたコングの胸部を踏みつけると勝利の咆哮を挙げた。

しかし、そこに完全にタイタンとしての力を得たことでギドラの本能が目覚めたメカゴジラが、ゴジラの気配を感じ取ったのか人間の側から見れば暴走状態となって起動。かつて倒された恨みによりゴジラに向かって襲い掛かる。
ギドラの体組織由来の超技術で構築されたメカゴジラのボディはすさまじい戦闘能力を発揮、それに加えてゴジラが長年休むことなく活動し続けていた上にコングとも戦ったことで疲弊していたこともあってかメカゴジラはゴジラを圧倒するが、そこに心肺停止状態からネイサン達の手により蘇生させられ、心を通わせるジアによりゴジラは敵ではないと説得されたコングが介入する。
コングはぎりぎりでゴジラのピンチを救うものの、コングの攻撃はメカゴジラには通用せず、メカゴジラに追い詰められてしまう。そんな中、突如メカゴジラの内蔵兵器を制御していた外部AIとメカゴジラの接続が切れてメカゴジラが一時的に不調に陥ってしまう。エイペックスの基地の中でメカゴジラを支援していたコンピューターをマディソンたちが破壊したのだ。その隙にゴジラは咄嗟の機転によりアトミック・ブレスをコングの斧に照射。
エネルギーをチャージされた斧を振るったコングはメカゴジラのボディを易々と切り裂き四肢をもいでいき、最後は素体であるギドラの首を引き抜き、勝利の雄叫びを挙げるのだった。

……最大の驚異を再び排除することに成功したゴジラはコングとまたもや対峙するも今回は戦わずに背を向ける。
こうして、ゴジラは再び何処かの深海へ消え、コングは故郷である大空洞に作られた新たな住処で自他共に共に穏やかな暮らしを送るのだった。

ゴジラxコング 新たなる帝国

身長約120m

前回から3年後、コングとの事実上の雌雄をも決して尚も地上に君臨するタイタン達の王。
基本的な能力は前回から最低でも据え置きか更に向上しており、映画の序盤でイタリアはローマにて好き勝手していたスキュラの粛清に現れ圧倒的な力で瞬殺した。
その後は、そのまま住み着いてしまったコロッセオにて猫鍋状態で眠りこけていたものの、
突如として動き出してフランスにて原発を襲い膨大な放射能を吸収。
続いて、北極にてティアマトに襲いかかり瞬殺して*7巣に貯えられていた太陽風に由来する強力なエネルギーを吸収してゴジラエヴォルヴにまで自己進化を果たした。*8

前作の時点で、古代の記録からライバル種族と見なされていたコング(グレイトエイプ)と比較しても生物としては圧倒的に強いことが描写されていたものの今作ではその度合いが更に増しており、他のタイタン達とは比較にならない程の戦闘能力を誇る。*9
今作では平成vsシリーズの体内放射を思わせる広範囲攻撃を見せたり、軍門に降したとはいえ手練れと認識しているコング相手にはいきなり手加減無しの突撃を見せるなど、単に生命体としてのスペックに加えて戦闘経験の蓄積によって更に手の付けられない存在となってしまっている。
地下世界に降りる前から存在を感じ取っていた氷の女王シーモに対しては、圧倒的な体格差もあってか手を焼いていたように見えて実際には自己進化の成果もあってか、相当に手加減していたことがノベライズ版では語られている。*10*11
尚、古代の王(過去にシーモすら従えていた王たるゴジラ)と現代のゴジラは別個体の筈だが、初めて顔を合わせたシーモも庇護対象に含まれていたと共に、シーモの側からも古代から変わらずに主と認められているようで*12、下記の経緯を経てスカーキングの支配を脱したシーモは現在のゴジラの指示に従っていた。

地下空洞の更に深部より出現したスカーキング率いる同族に立ち向かう為に援軍を頼みに来たコングも直接対決は避けようとしていた他、モナークからも事実上の放置状態となってしまっている。*13
一応、大暴れこそするもののモナークが放置しているのも地球の守護者として信用を置いているからであり、その点だけは流石は王と言うべきか。(原発を襲われたフランスでは当然のように軍を派遣したのだが、モナークは(どうせ無駄になる&原発は失うが大事には至らないだろうからとして)制止していた。)

新装備もあってか、一時的にコングに失神させられたものの(今回も)直ぐに復活して再び襲い掛かったものの、そこに元々ゴジラに救援要請を出していたイーウィス族の使いとして現れたモスラの介入を受けて戦いを止めると、やっとこそそもそもの目的地でもあった地下空洞へとコングと共に突入してスカーキングを倒す助力をした。

現状、ストッパー役となれるのは復活した嫁さんモスラ位のものとなっている訳だが……コロッセオに住み着くようになったんだから、次はコングや人類の為にも手話位は覚えといてくださいよ王。(一応は、現時点でも移動に川を使うなど最低限の人類の生存区域への配慮はしてくれているので可能性も無くはない。)

余談

  • 劇中でゴジラと呼ばれる理由については明言されていないが、パンフレットによれば初代ゴジラ同様「大戸島の伝説の怪獣『呉爾羅』」に倣って呼ぶようになったとされている。
    そのため他の面々が英語読みの「Godzilla」(ガズィーラ)であるが、芹沢博士役の渡辺だけは一貫して「Gojira」(ゴジラ)と発音している。

  • 2014年版撮影時にはギャレス監督から英語読みで呼ぶように要求されたが、渡辺氏は日本人としてのこだわりからそれを拒否して日本読みの発音を通したという。
    結果的にこれは良い方向に転び、涙腺の弱いゴジラファンは予告のこの発音の時点で泣いたとかなんとか。監督も、観客の好意的な反応を見て渡辺氏の判断を称賛している。
    また、『KOM』ではゴジラ狂信者ドハティ監督のこだわりによりモナーク基地でのコンピューターに表示されたゴジラのスペルもGOJIRAとなっている。
    ドハティ監督にとっては日本語の表記こそが聖典であり、そのスペルに従うことが大切とのことらしい。

  • 『KOM』ではゴジラを信仰していた超古代文明のゴジラを祭る神殿の壁にカタカナで「ゴジラ」と表記されていたことから、モンスター・ヴァースの世界観ではカタカナは超古代文明由来の文字であり、なおかつ超古代の時点でゴジラは「ゴジラ」と呼称されていたらしい。
    意味が分からないと思う人もいるかもしれないが、そういう世界ということで納得するしかない。




ゴジラにアニヲタWiki(仮)の項目の追記・修正をさせるおつもり?

いや、我らこそWiki篭りに。


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最終更新:2025年09月12日 22:54

*1 モナークの科学者にはスピーシーズ・アダムと名付けられ、古代人にはダゴンと呼ばれていた個体。

*2 ゴジラ種族の背びれには地球のコアから強大なエネルギーを吸収する力があり、その背びれを利用して強力な武器を作るため。コングが持っているコングアックスもそのうちの一つである。

*3 ただし、コミックや小説版には本編と矛盾した描写も少なからずあることから、この設定が公式設定であるとは言い難い面があることは付け加えておくべきだろう

*4 2025年現在の最新作であるゴジラ×コングでは幸いそうした追加情報は出ていない

*5 ゴジラ(2014)の後日談であるコミック版ゴジラ:アフターショックの解説ではゴジラのヘモグロビンには鉄ではなくウランが含まれていると解説されている

*6 実際に『vsコング』にてタイタン達は地球から直接的にエネルギーを得て活動(存在)している可能性が示唆されており、それは生物としての食物の摂取やゴジラの生体原子炉とは別の根本的な部分の話なのだろう。

*7 この際にティアマトの遺伝子の一部を取り込んで自己強化に利用したことが監督によって語られている。

*8 人類やティアマトからすれば理不尽な行動ではあるが、放射能は自らが吸収するから環境への影響は最低限となるだろうし、ティアマトは莫大なエネルギーを巣穴に溜め込んでいた→やがてはゴジラ(秩序たる王)を脅かす可能性があったということなので一応はゴジラからすれば現在の秩序を守る行動だったと言えなくもない状況ではある。そもそもティアマトは海洋生物や潜水艦を無差別に殺傷や破壊したり、ゴジラに襲い掛かって王の座を奪おうとしたりとかなりの問題児であったことがコミック版であるゴジラ:ドミニオンで語られている

*9 無論、ここまで規格外に強いのはシリーズでコングと共に主役となるこの個体(現代の王)のみの例外。過去に存在していた普通の“ゴジラ種”はグレイトエイプよりも個体としては強くても、それでも集団でかかれば殺せる程度の力関係であったようだ。

*10 監督的には自己進化前にはゴジラよりシーモの方が強かったとのことで、スカーキングとその郎党はともかくシーモを制するために自己進化(ついでの反逆する可能性のある者の粛清)をしたとのこと。

*11 映画でもよく見ると体格では遥かに勝るシーモを余裕で制しており、アトミックブレスも出力を落とし発射しているのが解る。

*12 古代にてキングギドラを倒した後に完全に滅ぼせないことからシーモに氷結させて封印することを命じたのは過去の王であったとのこと。同種の中でも破格と思われる戦闘能力を持つことやシーモやモスラとの関係や反応から考察するに現代のゴジラの直接的な先祖や親なのだろうか?それとも、2014年版時に語られていた考察から設定変更して、単に過去の王が復活した姿=現代のゴジラとなるのだろうか。

*13 結局、コングとは復活したモスラが仲介に来るまで戦いとなってしまったものの、これはコングが知らなかったとはいえ王のみの号令である筈の“アルファコール”を使用してしまいゴジラの怒りを買ったのと、その後にコングが見せた手話が今度はゴジラには理解できなかったためというのが通説。