登録日:2025/08/25 Mon 21:56:09
更新日:2025/09/15 Mon 10:13:00
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ゴダイゴは日本のプログレッシヴ・ロック・バンドである。
【歴史】
音楽留学のため渡米していた元「ゴールデン・カップス」のミッキー吉野が帰国後、ベーシストのスティーヴ・フォックスと結成したミッキー吉野グループが母体。
1976年にタケカワユキヒデがソロアルバムをレコーディングする際、浅野孝已(ギター)と原田裕臣(ドラムス)が合流。これがそのままゴダイゴになった。
レコーディング途中でドラマーは浅野の弟・良治に交代したため、デビューアルバム「GODIEGO-組曲:新創世紀」には2人のドラマーが参加している。
セカンドの録音を前にしてドラムが再び交代、アメリカからトミー・スナイダーが来日し加入。このメンバーがゴダイゴの最盛期となる。
このメンバーで77年「DEAD END」を発表。ゴダイゴの歴史上最もロック色の強いアルバムとなるが、セールスは振るわず。
しかし地道に行っていたタイアップ仕事をまとめた「CMソング・グラフィティ」が4位まで登ると勢いがつき始める。
ゴダイゴの知名度を高めたのは78年の「西遊記」だろう。
日本テレビの同名ドラマのサウンドトラックを担当するとオープニングの「Monkey Magic」、エンディングの「ガンダーラ」が大ヒット。
アルバム共々大ヒットを記録すると翌79年も国際児童年のキャンペーンソング「ビューティフル・ネーム」、同名映画の主題歌「銀河鉄道999」とヒットを連発。
同時期のアルバム「Our Decade」はこれらの日本語ヒットを収録しないにも関わらず3位まで上がるなど、勢いの凄さを見せつける。
しかし西遊記IIのエンディング「ホーリー&ブライト」はベスト10入りを逃してしまう。
80年に入るとシングル、アルバムともにセールスに翳りを見せ始め、20位前後が定位置という雰囲気に。
しかも同年、宣教師になるためにスティーヴが脱退してしまう。
彼抜きで制作された「KATHMANDU」はなんとか9位に入るものの、勢いの衰えは明らかだった。
しかし、後任に吉澤洋治を迎えたゴダイゴはめげることなく、今度はアジアに活路を見出し、80年にはネパールや中国でのライヴを成功させている。
しかし、81年の「M.O.R.」は更にセールスを落とし、活動ペースも低下。
84年には「Flower」そしてラスト作となる「One Dimension Man」をリリースするも、イニシャルで1000枚に届かないという惨状に。
ミッキーはこの時期コンピュータで作曲することにハマっていたタケカワの楽曲をアレンジすることに嫌気がさしており、結局85年、解散する。
解散後もメンバーが散発的に集まって懐メロ番組でゴダイゴの曲を演奏したり、ミッキーが「ゴダイゴ」のワードを冠した作品をリリースするなど、ゴダイゴが忘れ去られることは無かった。
そして満を持して1999年、諸事情で期間限定ではあったものの、スティーヴを含む最盛期のメンバーでニューアルバム「WHAT A BEAUTIFUL NAME」を伴う再結成が行われた。
更に2006年、結成30周年を記念して東大寺でのスペシャル・ライヴが開催。恒久的再結成が宣言される。
2014年には吉澤洋治も復帰(通称「ロクダイゴ」編成)。
更に演奏は無いものの15年の中野サンプラザでは客席に来ていた浅野良治がアンコールの挨拶時に呼び出され「ナナダイゴ」が実現。
しかし20年には浅野孝已が68歳で死去、ナナダイゴは奇跡の瞬間となってしまった。
それでも2025年現在、吉澤をメインギタリストとする形でゴダイゴは活動を続けている。
【メンバー】
- ミッキー吉野(キーボード/ヴォーカル)1976〜1985,1999,2006〜
ゴダイゴの創設者でありリーダーで、ハットと体形が目印。元ゴールデン・カップス。
ゴダイゴでは主にアレンジを担当。時には楽曲が上がってくる前にアレンジが出来上がってるといいう謎現象さえ起こす魔術師(?)。一部の楽曲では作曲も担当している。
- タケカワユキヒデ(ヴォーカル/キーボード)1976〜1985,1999,2006〜
ゴダイゴのリードシンガーで、メイン・ソングライター。大半の曲はタケカワが作曲している。
朴訥とした(可愛いともいう)風貌が特徴。
中央でニコニコと揺れながら歌っているイメージが強いがたまにキーボードも弾く。もっと稀にアコギを弾いていたりも。
元々ゴダイゴ結成はタケカワのソロアルバムが切っ掛けだが、在籍中にも数枚のソロを出している(しかもゴダイゴがバックを務めている場合もあるからややこしい)。
- スティーヴ・フォックス(ベース/ヴォーカル)1976〜1980,1999,2006〜
日米ハーフのベーシスト。濃い顔で長身でハンサムだが宮城県出身である。
初期ゴダイゴは彼の低音を土台にしたハーモニーも魅力の一つ。
また、ゴダイゴのサウンド・エンジニアリングも担当している。
牧師を目指すため80年脱退。再結成後は牧師との兼業である。
- 浅野孝已(ギター/ヴォーカル)1976〜1985,1999,2006〜2020死去
元The Mのメンバーで、穏やかな表情が印象的なギタリスト。
また、バンドのアートワーク等デザイン方面も担当していた。
作詞作曲やヴォーカルを担当する曲は非常に少ないが、浅野のギターは常にサウンドの要であった。
また、グレコ及びローランドと協力しつつ日本初のシンセギターの開発にも携わった才人。
2020年、虚血性心不全で急死。
- トミー・スナイダー(ドラムス/ヴォーカル/フルート)1977〜1985,1999,2006〜
マサチューセッツ出身の米国人ドラマー。
ミッキーとはバークレーで知り合い、浅野良治脱退後に呼び寄せられて加入。ゴダイゴでは作詞や一部の作曲も担当。
ヴォーカリストとしても優秀で、水滸伝のテーマや「ルパン三世」の挿入歌、アニメ「マリン・エクスプレス」の主題歌などもよく知られており、ゴダイゴでもタケカワに次ぐセカンド・シンガーとも言える立ち位置。
クワタバンドやサザンオールスターズの英詞もトミーが多く手がけている。
なお、喋り出すと面白おじさんである。
- 吉澤洋治(ベース/ギター/ヴォーカル)1980〜1985,2014〜
スティーヴ脱退後に加入。
本来はジャズ系を得意とするギタリストだが、ゴダイゴにはベースで加入。
作詞作曲には関わっていないが、ステージでは時折ヴォーカルをとっていたようだ。
浅野の死去に伴い、2020年以降は主にギターを担当している。
ミッキー吉野グループのドラマー。
正確にはゴダイゴのメンバーではないが、デビューアルバムでは浅野良治より叩いた曲数が多い。
サポートではなくメンバーと捉えられることが多いようだ。
故人のようだが、詳細な没年月日は不詳。
原田の後任として加入したドラマー。浅野孝已の弟である。
ゴダイゴ脱退後は一般人として生活していたようだが、2015年、ゴダイゴのライヴ終演後のステージ挨拶に普通の背広姿で現れ、居合わせたファンの度肝を抜いた。
サポート/その他関係者
2006年の再始動時から、サウンドとヴォーカルの厚みを出すべく参加。
というと聞こえはいいが、要するに声量、音程ともに不安定になりつつあるタケカワのヴォーカルパートを補うための、言ってしまえば介護要員である。
声質もタケカワに似ているためよく馴染んでいる。今のゴダイゴは彼無しでは成り立たないと言って過言ではないだろう。
ゴダイゴのプロデューサー。
後述する奈良橋洋子の元夫で、音楽出版社の社長でもあった。
後期にはWILL WILLIAMS名義で作詞も担当。
2021年死去。
1980年頃までのゴダイゴの作詞(英詞)を担当。
日本語ヴァージョンのある曲でもまず奈良橋の英詞が作られ、それを元に他の作詞家が日本語詞を作る(必ずしも翻訳ではない)というプロセスが取られていた。
上記の通りジョニー野村の妻だったが、のちに離婚。
時期は公開されていないが、M.O.R.から奈良橋の詞が激減するのでその時期と推測される。
また、99年の再結成時にも一部の歌詞を提供している。
【ディスコグラフィ】
オリジナル
- GODIEGO 新創世紀(1976)
- DEAD END(1977)
- 西遊記 MAGIC MONKEY(1978)
- OUR DECADE(1979)
- KATHMANDU(1980)
- M.O.R.(1981)
- FLOWER(1984)
- ONE DIMENSION MAN(1984)
- WHAT A BEAUTIFUL NAME(1999)
コンピレーション
- CMソング・グラフィティ(1978)
- CMソング・グラフィティ Vol.2(1982)
ライヴ
- MAGIC CUPSULE(1979)
- 中国后醍醐(1980)
- 平和組曲(1984)
- INTERMISSION(1985)
サントラ
- いろはの”い”(1976)
- ハウス(1977)
- キタキツネ物語(1978)
- 男たちの旅路(1978)
- 遥かなる走路(1980)
- 青春の殺人者(2010)
【代表曲】
- 僕のサラダガール(1976/カネボウ化粧品CMソング)
- 君は恋のチェリー(1977/「ハウス」挿入歌)
- 水滸伝のテーマ(1978/TVドラマ「水滸伝」テーマ)
- ガンダーラ
- モンキー・マジック
- セレブレイション
- サンキュー・ベイビー、他(以上1978/西遊記サウンドトラック)
- ビューティフル・ネーム(1979/国際児童年キャンペーンソング)
- トライ・トゥ・ウェイク・アップ・トゥ・ア・モーニング(1979/24時間テレビテーマソング)
- 銀河鉄道999
- テイキング・オフ!(以上1979/映画銀河鉄道999主題歌・挿入歌)
- ホーリー&ブライト(1979/西遊記IIエンディングテーマ)
- ポートピア(1980/ポートピア’81イメージソング)
【バックバンド担当・他】
ザ・バーズ、ジャニーズ少年団、ミッキー・スティーブとアサノシ
トミー来日直後、タケカワ以外が参加。ドワルキン・ブルースはスティーヴがヴォーカルを担当。
加橋かつみ
大半の曲がタケカワ作曲、奈良橋作詞で、演奏もゴダイゴ。
「青い空白い雲」「かもめが空を」がタケカワ作曲、ゴダイゴ演奏
堺正章
西遊記IIで毎回使われた「孫悟空」を筆頭に4曲がゴダイゴの演奏、堺のヴォーカル。
うち2曲はゴダイゴのアルバムからの日本語ヴァージョン。
その他、アグネス・チャンやエディ幡などのバッキングも務めている。
【余談】
名前の由来は勿論後醍醐天皇から。英語表記はGODAIGO→GODIEGOに変更したのは「GO DIE GO」進んで、死んで、また進む((別の説で「行け!死んでも行け!」というのもある))という意味を含めたという。85年に解散して2006年からまた進んでいるので、名前の通りになったと言えるだろう。また、クリスチャンのスティーヴは「GOD I EGO」神のエゴとも読める、と解釈したらしい。
呼びかけよう追記を素晴らしい修正を♪
- ウルトラマン80の主題歌って確かこのグループが歌ってなかったか? -- 名無しさん (2025-08-26 00:00:26)
- 爆笑問題の太田が「ハピネス」を絶賛してて、そんなに良い曲なのかと聴いてみたら凄く良い曲だった -- 名無しさん (2025-08-26 02:36:06)
- ↑2 違います。あれはTALISMANの曲。よく間違えられるんだそうです -- 名無しさん (2025-08-26 05:58:34)
- ↑似てるよね。自分はニルスのふしぎな旅の主題歌もこのグループだと思ってた -- 名無しさん (2025-08-26 07:07:25)
- ガンバロンOPフルサイズのアウトロのギターが神ってる -- 名無しさん (2025-08-26 07:54:28)
- ↑2 ニルスはタケカワユキヒデ名義だけど演奏はゴダイゴ。正解です。 -- 名無しさん (2025-08-26 08:05:09)
- タケカワユキヒデと聞くとゴダイゴよりも先にフラッシュマンを連想します。 -- 名無しさん (2025-08-26 08:17:08)
- どう考えても出てくる時代が早すぎた。今聴いても何十年前のものだとは知っててもとても思えない。 -- 名無しさん (2025-08-26 09:28:55)
- ↑最初のコメント、当たらずといえども遠からずで、ウルトラマン80の録音には関わっていないものの、TALIZMANがタケカワユキヒデのバックバンドをやったり、TALIZMANの録音や編曲、作詞等でゴダイゴ関係者が関わったりと近しい立場にいたもよう。 -- 名無しさん (2025-08-26 10:52:21)
- ↑成る程、当たらずとも遠からずってことか -- 名無しさん (2025-08-26 17:10:19)
- ガンダーラのサビが耳に残ります。 -- 名無しさん (2025-08-26 17:57:33)
- タケカワユキヒデの手による「県立地球防衛軍」のアルバムは名盤。元旦が来た〜♪ 浅野孝已も参加してたっけ? -- 名無しさん (2025-08-26 20:44:18)
- 『悪役令嬢転生おじさん』での井上和彦さんによるカヴァーver.の『銀河鉄道999』で知ってホントビビった。あんなスタイリッシュな曲が半世紀近く前の曲で、70越えたもうおじいちゃんと呼んでいい歳の井上さんが青春の名曲を熱唱する50代のおじさんを演じながらさっっっわやかな歌声で見事歌い上げるってもうほんとどうなってんのよ…… -- 名無しさん (2025-08-27 00:22:37)
- 天才テレビくん見てたからタケカワユキヒデさんだけわかるw -- 名無しさん (2025-08-27 09:20:11)
- 海外では敬意を込めてGOD-daigoと呼ばれる、というデマを今考えた -- 名無しさん (2025-08-27 12:21:43)
- かりあげくんか何かの漫画で、コダイコと書いた看板をみてゴダイゴと勘違いして入ってきた人の話があったと記憶している -- 名無しさん (2025-09-06 01:14:55)
- ↑2惜しい。スティーヴはGod I Ego(神と人間のエゴ)と解釈してた。 -- 名無しさん (2025-09-15 10:13:00)
最終更新:2025年09月15日 10:13