磨毛保則

登録日:2025/08/26 (火) 00:06:10
更新日:2025/09/16 Tue 10:28:57
所要時間:約 5 分で読めます







僕の夢はね…そんな心配をすべて無くすことにある……


医者さえも不要な世界にすることなのさ!!

画像出典:『スーパードクターK』 真船一雄/講談社 2012年 電子書籍版15巻102ページ「天才の勝算」



磨毛保則(まもうやすのり)とは漫画『スーパードクターK』『Doctor K』及びその続編『K2』の登場人物。
帝都大学で主人公西城KAZUYAの同期だった医師である。

プロフィール

生年月日:1964年(昭和39年)1月15日
血液型:B型Rh+
身長:170cm(スーパードクターK時)
体重:52kg(スーパードクターK時)
出身地:福島県
家族:両親、妹

一人称は基本的には「僕」だが、「俺(オレ)」を使う場面もあった。

概要

帝都大学においては医学部よりも工学部ばかりに顔を出し、在学中に特許を3、4個とったり電子工学分野の研究で学士院賞も受賞した天才であった。
そんな同期からもなぜ医学部にいるのか疑問に思われるような経歴を持っているが、それはひとえに人を救いたい故にである。

在学中に教授がボヤくほど臨床の実習に出ず、自分でも「オペの練習なんかしなかった」と語っているが、
これは同期のKAZUYAの腕を認め絶対に勝てないと判断、何事も一番でなければ気が済まないが、メスではKAZUYAには敵わない、
しかし病人は救いたい、という思いからメス以外の医学の道として医療器械での一番を目指すことを決めている。

以後もKAZUYAに関しては憧れを含めた複雑な感情を見せており、彼に何かあった際に甲斐甲斐しくサポートする場面も何度かあった。そのせいで七瀬の誤解をKAZUYAが受けたりした

帝都大学にはその後も籍を置いており*1、多数の特許で得た収入で帝都大学敷地内の一部を買い取って個人所有している(周囲から「磨毛の館」と呼ばれる)。
大体は新たな医療機器の製作等を行っているが、講義を行ったり、オペにも参加している。

同期にもマッドとか言われたり後述するような独特の変人な生活スタイル等はあるが、それらのイメージに反してコミュニケーション能力はかなり高く、
友人の香田直一やKAZUYAとも普通に挨拶を交わして会話したり、ジョークを交えた講義は生徒たちに好評であった。
悩む後輩の相談に乗ったりと結構親切で面倒見がいい一面もある。実験動物に関しても最後まで面倒をみると供養も兼ねて食したりもする。

代わりに着替えや洗濯の時間が惜しいからと人前に出ない時や熱い時には下半身裸に白衣という格好で過ごすという今でいうところの裸族気質なところがある。
一応、パンツをクリーニングに出しているやら、女子がその場にいないやらの理由があるにはあるが(『K2』ではそういう意味では若干悪化した面も)、
学生時代の香田とのやり取りでは彼の前でそのプラーンとさせている部分をかいてそのままノートに触っているような場面も……。


初登場時はガンが全身に転移して末期状態であったが、後述のMARSとKAZUYA(+同期勢&望月先輩)の治療と手術で完治。
以後は見た目こそ不健康そうではあるものの、58時間34分寝てない状態でオペに参加したり講義を行ったりと結構元気な行動をしている。

帝都大学関係者の都合上、KAZUYAの他の知り合いのメンバーとの面識は当初なかったが、
『Doctor K』のころには記憶喪失になったKAZUYAへの対策会議に参加するくらいには交流ができた様子。

【K2】

画像出典:『K2』 真船一雄/講談社 2021年01月12日 第393話12ページ「聴診器」

続編となる本作では一也の大学時代に登場。
引き続き帝都大学に籍を置いており、工学の博士号も取っていた様子。
現場からは離れているもののオペの腕に関しては一通り人並み以上の腕前を維持している。

前作でのKAZUYAの死の影響は大きかったのか、大垣などの一部の面々相手を除くと以前より陰りが見えた応対をしており、
KAZUYAのクローンである一也に対しても「(姿形は似ているが君はKAZUYAではないので)興味もない」と評するなど、少し険悪な態度で振舞っていた。
人前に出るときには髪の毛をオールバックにして後ろでまとめていた。

その後、イカロス計画とそれに関わる事件の中で一也や宮坂詩織と交流することで自分の中のKAZUYAへの思いに一区切りつけたのか、
一也たちとも笑顔でやり取りするようになり、他者へのコミュニケーションも以前を思わせるものに戻っていた。

「命の番人」編では敵のVRゴーグルにハッキングしてリアルな立体映像を見せてMRIの罠にかけるなどで活躍。
事件後、黒須家に弔問に来ており、真澄の死を受けた一也に対しては「相談に乗る」と告げていた。

コロナ禍では検査機器がパンクしないよう新たな機器を10日で作成して帝都大学の対新型コロナ方針をアシストしていたようだ。

その後は、医師国家試験を前に体調不良を相談しに来た仙道*2に対してはワイヤレスのデジタル聴診器を渡し、それを使って一也たちが出会った急病人の診察も行ったり、
イカロス計画を発展させたシリウス計画など、帝都大学に関わる場面で要所要所に登場している。

ちなみにスーパードクターKでKAZUYAの飼い犬の名前も「シリウス」だが、KAZUYAの死後は七瀬を経て摩毛が引き取ったという裏設定がある。
「シリウス計画」にも教育の一環として失敗したら犬が吠えるシステムが組み込まれており、どうやら作中では語られていないがかなり可愛がっていたのだと思われる。



【磨毛の開発した主な医療機器】


MARS001RP
磨毛が開発した器械作中第1号、MARSとはメディカル・オートメーション・ロボット・システムの略称。
ガンを治療するためのマシンであるが、特徴的なのは人の手を介さずにすべてメインコンピューターで「治療を考えて」行う点。
在学中も含めて10年間で集めた250万人の患者のカルテを診断・診察まで含めてすべてをフロッピーにインプットし、
人間にして300年分の経験値を積ませたも同じ状態にしてある。

MRIで正確に癌細胞の位置を把握し、マイクロウェーブによる温熱療法や的確なX線による治療で体への負担を最小限に抑えることができる。
治療中の栄養は高カロリー輸液で補い、発熱などには要所要所で解熱剤を投与するなど1週間以上の治療を自動的に行うことができる。

しかしそれ以上にこのマシンが凄いのが自身が治療しきれないと判断した場合、
外部の人間に独自の判断で知らせて治療を任せるという、磨毛がプログラムしてない行動を勝手にした点*3
KAZUYAをして「MARSは優秀過ぎた」「人間に近付き過ぎた」と評価し、磨毛は自分もMARSもまだまだ半人前で成長の予知ありと結論付け、
プロフィール欄によるとMARS002の開発を進めていた様子。


イカロス/シリウス
『K2』で登場した医療用手術支援用ロボット。
帝都大学が10年をかけて開発し、アメリカの民間企業が開発した一式3億円以上もするダヴィンチを性能を上げつつコストダウンを図ったもの。
10年かかったのはハードそのものはすでに枯れた技術と言えるものであったため、磨毛にとってはコストダウンは容易だったものの、
地域の医療格差を無くす、人間のミスを防ぐためのAIの開発には難儀していたため。

そのAIはKAZUYAの思考パターンをインプットしてあるが、彼のカルテからだけでは表面上しかデータを数値化できなかったため、
AIは不完全としてあえてイカロスという不吉な名前を自戒の念を込めて名付けていた。

しかし作中のハッキング事件でサイバー攻撃に対してイカロス自身がシステムの停止を判断したのだと一也に言われたことで、
その現象の意味合いを理解し吹っ切れた磨毛は更なる改良を決意、4年後にはシリウス計画と名前を変えてより性能を上げている。

【余談】

「磨毛」と言う苗字は現実には存在しないが、(特に初期の)マッドサイエンティスト的な立場から、おそらくルパン三世の魔毛狂介かVS複製人間のマモーが苗字の由来ではないかと、ファンの間では考えられている。
あるいは、当時の大人気コント番組で内村光良が演じたマモー(もちろん上記のマモーが元ネタ)から取った三次創作と言う可能性もあるか。






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最終更新:2025年09月16日 10:28

*1 44巻時点では第二外科所属。

*2 正月なのでコロナ禍ですぐに対応してくれてかつ居場所がすぐにわかる磨毛に相談しに来た。

*3 所謂、フレーム問題を大体解決しているともいえる。少年誌のマシンらしいトンデモスペックなシステムである。