AMX-30(戦車)

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AMX-30(戦車) - (2025/03/25 (火) 18:50:41) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2022/08/17(日) 21:18:08
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&bold(){AMX-30}とは第二次大戦後に作られたフランスの&bold(){主力戦車}である。
レオパルト1と同時期に開発されたこともあり知名度は少ないが、[[AMX-13>AMX-13(戦車)]]ほどではないが世界的にシェアをとっており、3500両以上(派生含む)生産された。
今までのフランス戦車の特徴であった砲塔は&font(#dcdcdc){奇抜な}先進的な揺動砲塔を採用していたが、弱点があったため本車両は普通の砲塔を使用している。


**【開発経緯】
遡ること第二次世界大戦初期、ナチスドイツの電撃戦によって&bold(){フランス軍は未来永劫戦史に残るほどの鮮やかな&font(red){完敗}を喫した。}

1944年連合軍によりパリが解放され、フランスは大国としての地位を取り戻すため戦車開発を再開しARL-44やAMX-50を開発した。
だがARLは戦前のB1戦車を参考とした足回りの古さが祟り戦後すぐに退役、AMX-50は試作どまりに終わり、開発に成功した戦車は軽量級の[[AMX-13>AMX-13(戦車)]]だけであった。
これらの経験から&bold(){「重量級の戦車は無理がある」}ということになり「高機動・高火力」という方針が後の開発に反映される。
戦車運用に関してはM4シャーマンや1953年朝鮮戦争によって大量に余ったM47パットンを&color(gray){押しつけられたので}((無償でもらえるので当時のお財布事情的にいい話))使用していた。これによって中重戦車開発は止まったものの、既に旧式化しつつあり次世代主力戦車の開発が求められた。
……が、フランスのお財布事情では試作車を作っても量産ができない状況であった&font(l){計画性という言葉はない}が、丁度よく西ドイツも新型戦車開発を考えていたため後にイタリアを加えた((開発には関わらず試験結果が良かった方を採用するつもりで参加した))共同開発することとなった。
共同試験の結果僅かながらドイツ戦車が速度と加速で優れていると判断され、協定によって西ドイツの戦車が採用されるはずであった。
だがこの結果に、フランスは採用する主砲に異議を唱える。
ドイツの戦車が当時流行のL7 105mm砲を装備していたのに対して、フランスの戦車は独自開発のCN-105-F1 105mm砲を装備しており、フランスがこの主砲を装備する事にこだわり譲らなかった事から共同開発は頓挫し、両国で単独開発することになった。
&color(gray){イタリア「あ、うちはドイツを採用しますで」}
フランスは、共同開発の試験に使われた戦車を採用しAMX-30と命名。お財布事情により1965年まで量産がずれ込んだが、量産が開始された。


**【性能】

***「火力」
[[主砲>大砲(兵器)]]として自国製&font(b){CN-105-F1 105mm戦車砲}を採用。
特徴としてマズルブレーキ、排煙機が搭載されておらず発砲の際に反動抑制装置によって反動を抑え、給気システムにより排煙している。砲弾はなんとHEAT弾とHE弾、発煙弾しかないが、
このHEAT弾はG弾という特殊な弾で、普通HEAT弾は回転を与えられるライフル砲から発射されると、回転によりメタルジェットの生成が阻害されいくらか効力が落ちてしまう欠点があった。
そこでHEAT弾に外郭を被せて、ライフル砲から発射された際この外郭が独立して回転する事で中のHEAT弾を回転させないというのがG弾である。
しかし、このG弾にある欠点がある。この砲弾には外郭があることは説明したが、当然この外郭の分HEAT弾の弾体自体は小さくなってしまい、なんと通常のHEAT弾より威力が小さくなる事が判明したのである。 &color(gray){本末転倒}((イスラエルはG弾を使いスーパーシャーマン、AMX-13がソ連中戦車や重戦車を問題なくぶち抜き倒していた。恐らく戦闘室が狭すぎることで威力が落ちてもあんまり意味がなかったのかもしれない))
改良型では、APFSDSを積めるようになった。


***「機動力」
機動力は当時の世界の傾向と方針を反映し、最高速度は約&bold(){65km/h}と第二世代主力戦車としては、かなり速い部類。
比較として、

レオパルト1 約65km/h
[[T-72]](A型)   約60km/h
メルカバMk1  約60km/h
74式戦車   約54km/h
M60パットン  約48km/h
チーフテン  約48km/h

駆動系統などはコスト削減からレオパルト1より簡素な構成が採用された結果、初期型はトルクコンバーターが未導入で、ショック・アブソーバーの設置数も少なかった。
そのせいかは知らないがエンジントラブルが頻発していたが、改良型ではエンジン、トランスミッション共に置き換えられた。


***「防御力」
&bold(){紙装甲}。
厚い部分は80mmほどしかなく機関砲なら耐えられる程度で、良くも高機動といえる。
のちに改良型のAMX-30B2 BRENNUSに爆発反応装甲を搭載している。
砲塔は最初に述べた通りスタンダードな砲塔を使用している。
揺動砲塔を採用しなかった理由はNBC((Nuclear・Biological・Chemical=[[核兵器]]・生物兵器・化学兵器))対策が構造上できなかったこと、構造が複雑なので故障しやすい事が要因だった。
[[核兵器]]が増えてくる中、核の汚染から搭乗員を保護する事が設計条件であった。
また揺動砲塔が不採用に終わった一因としては、ショットトラップ((弾いた砲弾が装甲の薄い箇所に突入して貫通してしまう現象))の多さも挙げられている。


**【発展型】

***AMX-32 AMX-40
AMX-32は新型砲塔を搭載し、新型射撃管制装置を搭載したもの。数字が32とあり重量32tと思いそうだが実際は&bold(){40t}くらいである((AMX-30の時点で36tくらいである。しかし後継のAMX-56は56.5tである。なんでや))。輸出用に開発されていたが1両も売れなかった。
AMX-40は32の経験を踏まえて更なる改良を加えて開発された車両。&color(gray){それでも売れなかった。}[[&font(l){とあるゲームのあのアヒルではない。}>World of Tanks]]



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- 兵器の国際共同開発って最後までうまくいったことあるんだろうか?  -- 名無しさん  (2022-08-18 18:49:51)
- 航空機だけどF-35とかは上手くいってる方じゃないかな  -- 名無しさん  (2022-08-19 10:18:25)
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