猿代草太

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猿代草太 - (2016/09/14 (水) 00:40:02) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/02/04(土) 16:18:05
更新日:2024/02/21 Wed 03:39:59
所要時間:約 7 分で読めます




逆転検事2の2話にて初登場となる、2話における容疑者キャラ。
気弱そうな風貌の青年。何故か前髪を上で二つにくくっているが、これにはちゃんと意味があるようだ。
かなり臆病かつビビりな性格で、「ムリムリ」が口癖。
特に御剣怜侍にはビビりっぱなしで、初対面の頃は美雲を通さないとマトモに会話も出来なかった。
本人によれば職業はサラリーマン。

服装はどピンクのパーカーに膝までたくし上げたジーンズ、後何故かパーカーの下に特撮ヒーローオニャンコポン*1のTシャツを着ている。
ついでに言うと靴もどピンク

名前の由来は「猿が代わりに操作する」らしい。彼のモーションはよく見るとミザル、キカザル、イワザルになっている。

以下ネタバレ注意。











実は逆転裁判2に出てきたタチミ・サーカスの猛獣使い見習いで、
刑務所の慰問ショーのために刑務所に出入りしていて、内藤の遺体の側に転がっていたチェスボードに猿代の指紋が付いていたという理由で一柳弓彦にしょっ引かれたことが判明した。
ちなみにそのチェスボードには小さいナイフくらいなら入れられそうな隙間があり、中には携帯用の小さなノミが入っていた。
御剣は脱獄用に内藤が用意したものと考えている。

そんな彼はサーカス団員としてはまだ下っ端で、ミリカが上司。
操るのはサルのルーサー……なのだが、見た感じ猿回しというよりは猿回されか、前髪を通じて猿に操作されているようである。
力仕事や雑用は彼の仕事で、毎日散々コキ使われている。ショーにも出演しているが、悪役。
だけれども本人曰く「サーカス団員だって立派なサラリーマンです!」とのこと。


そして話が進むうちに、内藤馬乃介とは幼なじみであることが明かされる。
また、彼は御剣や美雲と同じように親がおらず、この事は猿代が似た境遇である御剣に心を開くきっかけになった。
内藤馬乃介にもちゃんとした親がいなかったらしく、猿代にとっても内藤にとってもたった一人の幼なじみだった。
彼を助け出した事がきっかけで、御剣は検事と弁護士の狭間で悩む事になる。


ちなみに甘いものが好きではないらしく、信楽弁護士に勧められた際に断っていた。


つ、追記・修正なんてムリムリ!!






これで出番が終わりかと思いきや、なんと第5話にも登場する。
上司のミリカと共に、第2話の事件を扱った裁判の傍聴に訪れ、以降は催し物の準備と練習の為にサーカスのテントに引き返している。
なんと力仕事や雑用だけでなく、各種の乗り物や冷凍室の管理、果ては周辺への宣伝まで任されている激務っぷりが伺えるのであった。

だが、第5話の進行とともに、紐解かれた「SS-5号事件」の関係者として、彼が浮上してしまうのである。
そしてやってきた御剣達の目の前で、ミリカにも見せたことがなかった本当の姿を見せることとなったのであった。

以下ネタバレ注意。

















………ふうん。
やっぱり、そう来るんですね。


あのときからそうでしたけれど、
ずいぶん自信タップリなんだなあ。




でもボク、けっこう好きなんですよ。
そんな自信を…… コナゴナにするの。




なんと彼の正体は逆転検事2に関わる全事件、第1話の偽暗殺事件から最終話の大統領殺人事件、さらに過去に起こったIS-7号事件やSS-5号事件にまで何らかの形で関与していた一連の事件の 黒幕 なのである。
このとき流れるBGMの名は「 ゲームをアヤツルモノ 」。タチミサーカスのBGMのアレンジであると同時に、本人の立ち位置をこれでもかと強調している。

了賢との接触を経てそのことにたどり着いた御剣に犯人であることを見抜かれた際に正体を表すのだが、
弱気な性格から一変、特徴的な前髪をおろし、動物をまるで手足のように操り、鋭い眼光で御剣を追い詰めはじめてゆく。

ここで彼の異議ありボイスを聞けるが、やたらいい声
目つきの鋭さもあって黙っていればイケメンなのだが、高笑いと肩すくめの表情は完全に顔芸であり、本人が認めたくない人間に似てしまっているのがある意味ヒニクである。

複数の資格が要求されるであろう、各種の雑務や業務を成し遂げれるハイスペックさに加えて、
ボイスチェンジャー抜きでの高度な声マネや、存在を偽るのに大きな効果を発揮した点字翻訳力、
更には自らの発言が追跡されると思うや否やしっかり後を追えなくしたりする危機察知能力まで備えた傑物*2
くわえて人心掌握とコントロールにも非常に長けており狡猾であり、今作の中でSS-5号事件の黒幕たちを操って窮地に追いやった。

一柳万才が籠目つばさに襲われる結果になったのも彼の手紙が原因であり、
第5話で確実に万才の有罪が狙えるようにと、判決操作の為に詩紋君を誘拐したのも彼。
更に、チェスボードに隠されていたノミも美和マリーと内藤を陥れるために彼が忍ばせた物だった。

己の手を汚さず目的を果たしていったその様は、伊達に人という猛獣を操っている猛獣使いを自称するだけのことはある。
しかし、そんな彼も現在における事件では裏で手を引く黒幕ぶりを発揮していたが、過去の事件に関しては運命のいたずらに翻弄された面が強調されていた。

はじまりの事件であるIS-7号事件の頃は、内藤くん共々現在からは想像もつかない子供であり、お菓子コンテストに参加している父親を助けたりもしていた。
ところが事件の裏側において、父親の命令に従わざるを得なかった内藤くんの手により凍死寸前の目に遭い、草太はショックで記憶をなくしてしまう。
結果、IS-7号事件の被害者である氷堂を父と思い込むようになり、内藤の父が自分の父を殺したと思い違いをし、内藤の事も恨み、人間不信の種ができてしまった。
この時鳳院坊了賢に二人とも命を救われ、草太は了賢を慕っている。

了賢の手によって、美和マリーが勤め、後に所長になったと思われる児童養護施設「ハッピー・ファミリー・ホーム」に連れてもらい、二人はそこで暮らすようになる。
だが、草太はそこでSS-5号事件の一部始終を目撃してしまい…計画犯たちに用済みと言わんばかりに消されそうになった了賢を機転を利かせて逃がしている。
しかしこれが原因で所長のマリーから厳しい尋問を受け続けるようになってしまい*3、養護施設を抜け出し、絶望的な敵だらけの逃亡生活を送ることに。

だがIS-7号事件にまつわる真実は違っていた。氷堂は内藤の父であり、猿代は加害者である風見豊の息子。遺品も内藤に返却されていた。
その事を御剣から告げられた猿代は錯乱、自分が全ての事件の黒幕であることを告白するが、大統領圧死事件や詩紋誘拐事件など、第5話の事件に関わっているかについて
決定的な証拠がない事を御剣に食ってかかる。この時もいざとなれば動物たちをけしかけたり、人質を取って逃げ出そうとも考えていた。

しかし、猿代にとっては急所ともいえる証拠が存在していた。それは宣伝に使っていたライオンのバルーンである。
これは王大統領を殺害 せざるを得なかった 際に使用した*4ものであり、銃声の情報から存在が判明した弾痕に加え、ライオンのバルーンのカゴ部分にシシユリ*5の花粉が付着しており、
偽王大統領の胸元にも同じ花の花粉がベッタリ付着していたことからこれが決定的な証拠となり、御用となった。
最後はタチミ・サーカスの動物達にフルボッコにされている。*6


そして、彼は王帝君大統領の殺害を虎狼死家左々右エ門に依頼していたが、これは王大統領が偽物ということを知らせなかったうえでの依頼。
動物達にフルボッコにされた後虎狼死家が登場し、おそらくは本物を相手取ることを前提としていた彼の怒りを買い、偽大統領から奪っていた銃を抜こうとするもそれすら阻止されて殺されかける。

……が、すんでの所で了賢に救われ、了賢と共に刑務所へ行くことになった。
仮にゲームオーバーになって御剣たちの手から逃げおおせたとしても、この展開を考えると虎狼死家に命を奪われていた可能性も否定できないし、
もしそれを乗り切ったとしても、「生き延びるために他人を犠牲にしてしまえる」気性から、ふとしたはずみから第二の風見豊になってしまう可能性すらあった。
そう考えるとこの展開はある意味でツイていたのかもしれない。

大統領が偽物である事を殺し屋に言わなかった理由は不明。
虎狼死家の怒りを買ったのも「偽物である事を黙っていた」行為その物であり、その意図については一切触れられていない。
ちなみに今回はたまたま「大統領が偽物」という情報が無くても問題が無いケースだったため一見理不尽に見えるが、
本来「標的についての重要な情報を隠される」という事は「その情報の欠落によって殺しのリスクが上がる」という事でもあり、虎狼死家自身も「殺し屋にとって最も危険」と表現している。



この猿代草太という男、逆転シリーズのラスボスの中でも珍しく、権力等とは遠い「逃亡者」の顔を持つ珍しい人物である。
恐ろしいけれど、哀しい。
矛盾をはらんだ彼の存在が、御剣が「検事として人を助ける」道を選択するきっかけになった。

彼の名前の由来は表向きこそ「猿が代わりに操作する」で通っているのだが、苗字を「風見」に直すと「風味腐った」と呼べたりするという意見や、
きわめてごく少数だが、内藤馬乃介と合わせて「意馬心猿」という四字熟語が由来ではないかという意見も存在する。



追記・修正は刑務所というワシらの家に帰ってからお願いします。
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