虎狼死家左々右エ門

登録日:2014/12/27 Sat 22:04:27
更新日:2025/04/06 Sun 17:20:34
所要時間:約 9 分で読めます





‥‥‥人は見かけによらない、と申しますよ。



虎狼死家(ころしや) 左々右エ門(さざえもん)は、『逆転裁判シリーズ』の登場人物。
登場作品は『逆転裁判2』と『逆転検事2』の2作。

ゲーム中の表記は「コロシヤ」。テーマ曲は「殺人的紳士の愉しみ」。
ちなみに英語版の名前は「Shelly de Killer」。

CV:横島亘(アニメ版)


その名の通りプロの殺し屋をしております。‥‥サザエさんドラえもん?はて、何のことやら‥‥?
私自身、すでに死刑になってもおかしくないほどの前科を積み重ねておりまして、警察の特別捜査課の皆様が長らく追い続けておられますが、いまだに逮捕には至っておりません。
ちなみに虎狼死家というのは屋号でして、100年以上続く老舗(?)であり、私はその3代目にあたります。
後継者につきましては、いまだ確保できておりません。


いついかなる時も敬語で話し、微笑みを崩すことは一切ございません。
その代わりと申し上げてはなんですが、逆転裁判2では私の顔によく似た無線機が、逆転検事2ではやはり私そっくりのアイスクリームが感情を代弁していると申し上げても過言ではないでしょう。技術力の無駄遣い?はて、何のことやら‥‥


顔のちょうど真ん中を縦断する傷痕、左目にかけているモノクル、真ん中あたりの白髪という大変特徴的な容姿であるにもかかわらず、
会われた方はすぐに私の顔をお忘れになられてしまうとのことでございます。
ある時はホテルマン、ある時はある人物の執事、またある時はアイスクリーム屋などに扮したことがございます。
しかしながら、いずれもそれらの制服などを着ているだけであり、顔には一切変装などをしてございません。
その際には「田中太郎」と名乗らせていただいております。‥‥今、あからさまな偽名じゃないかとおっしゃられた方、死にたいですか‥‥?


殺し屋という法の庇護なんぞ受けられるはずもない立場、いわゆる「その筋の者」でございますゆえ、何よりも依頼人との信頼関係を重視いたします。
請け負った殺人で依頼人に殺人の嫌疑がかからぬよう現場にはサザエをあしらったカードを置くことで自分の犯行と示してから立ち去るのが流儀でございまして、そのほかにアフターケアも欠かしません。
「そんなことをしたら殺人教唆の疑いがかかるのだから、アリバイのある時にひっそりやってほしい?」
私としましても、依頼を果たした証は残させていただく必要がございます。勿論、依頼人に繋がる証拠を残したり、逮捕されて依頼人を明かしたりはいたしませんとも。手掛かりが無ければ警察も私を追うだけ、まさか動機のある人間を片端から逮捕するわけにもいきますまい‥‥やりかねない方々に心当たりが?私が言うのもなんですが世も末でございますな。
万が一依頼人の方が容疑者・被告人となった暁には、無罪判決のためにご協力は惜しみません。代わりに他の方に「依頼人」になっていただくことになるかもしれませんが‥‥それは間が悪かったということでございましょう。
ただしそれもこれもお互いの信頼関係があってのこと‥‥私を裏切るような行動をとられた場合には即刻契約を打ち切らせていただいたうえで、その依頼人が次の標的となるでしょう。なお、この裏切り者を標的にする場合は、依頼人はなしとなります。私はこのように裏切り者を標的にした件では誰1人として私に対する殺人教唆での行動はつつみくださいませ。



ちなみにホームページを持っておりまして、ネット経由で暗殺依頼も承っております。
依頼人の要求はなるべく聞き入れることにしておりますが、こちらもいろいろ準備がありますので‥‥
特に日時をご指定なさる場合は、当日の1週間前がギリギリでございます。ご用命の際は気をつけてくださいますよう。



以下、登場作品の核心に関する話になります。重大なネタバレにはお気を付け下さるよう。












■作中での暗躍
  • 逆転裁判2
最終話「さらば、逆転」に登場。
藤見野イサオ殺害の実行犯。

綾里真宵を誘拐し、王都楼真悟の弁護を担当することになった成歩堂龍一に対し、トランシーバーを通じて確実に彼の無罪判決を勝ち取るよう要求。
また、成歩堂がより無罪判決を取れやすくするために「プレゼント」と称し、当時日本有数の敏腕検事であった狩魔冥を狙撃。彼女を無力化し、法廷に出られない状態にした。
これらが彼の言うところの「アフターケア」。もっとも、裁判が中止になりかねないが…
ホテル・バンドーのボーイと王都楼家の執事に扮していたが成歩堂はこの時点では気付かず、後になって正体に気付いた時には既に真宵を連れて逃亡していた。

その後、王都楼が藤見野イサオ殺害の依頼人であった事が判明するも、真宵を人質にとられている成歩堂たちは華宮霧緒を容疑者としたまま時間を稼ぐ。

法廷で「実行犯は虎狼死家」という事実が公開され、議論は「依頼人は誰か?」に移行。
有力な証拠の矛盾を突かれた御剣は「虎狼死家自身に証言させる」という手を取る。

裁判においては無線機を介しての証言という異例の形で証人として出廷。
この無線機、無表情な本人に対し何故か表情豊か*1で、焦るとオイル漏れを起こしたりネジが飛んでいって自壊する。アニメでは流石に最後に自壊するだけ。
アニメで係官が両手で抱えられるほどの大きさであることが判明した。
電波の逆探知をしないという条件で、真宵の声を聞かせることで弁護側にも本人と納得させ、依頼人について語ることに。
この「依頼人の名を出す」証言自体、「依頼人との信頼関係」に矛盾する行為なのだが、これを成歩堂に指摘された虎狼死家自身は「今回の依頼人は「仁義」に外れた行いをしたため、信頼を破壊されたと認識した」と主張し「理解できないならここから進まない」と強引に納得させていた。

しかし御剣との取引を反故にして「依頼人は霧緒」と証言。一転して弁護側が圧倒的有利な状況になるが、真相を知る成歩堂はこのまま無罪を勝ち取ることを受け入れられず、最後の証拠品が届くまでの時間稼ぎに彼への尋問の続行を主張。
彼は殺人のプロではあったが偽証のプロではなかった*2ためか、「依頼人とは直接の対面で受ける」と言いながら名前だけ知っていた「カミヤキリオ」を男性だと証言してしまったりとボロを出すも、時間稼ぎを察してしびれをきらし、真宵の命をちらつかせて証言を打ち切りにかかる。
ちなみにこの一連の彼の尋問、基本的には殺し屋とは思えぬほど紳士的かつ事務的な語りで、ゆさぶっているとことある事に成歩堂に次の依頼を勧めてくる(そしてなぜかサイバンチョに自分の殺害を依頼されると勘違いされてしまう)。

成歩堂は一時はどうすることもできない状況に追い詰められたが、
冥が法廷にもたらした証拠品により、王都楼が彼を裏切り殺害の様子を盗撮したことが発覚。
これだけなら、ビデオテープを処分してくれればいいと言って不問にしてくれるが(バッドエンドルート)
前日、成歩堂に盗撮の真の理由、殺し屋なんて信用できない(虎狼死家は信用を第一に考える)のと、
それを使って殺し屋をゆすれると、自慢げに話していたことを成歩堂から打ち明けられ、王都楼の行動を非常に憎むべき裏切り行為と判断。

彼は契約を打ち切り、依頼人(=王都楼)を次の被害者にすることを宣言。誘拐されていた真宵も無事解放された。

エンディングでは無線機のまま出演。本件の影響で捜査網が強化されたのか国内に居づらくなってきたと語り、今後の依頼を直接の対面でなくホームページから受けると話していた。
最後には「おたがい、長生きしたいものですね」と殺し屋らしからぬ発言を残し、電波を探られないようにするためか無線機は完全に自壊した模様。


登場しない。しかし、〈2〉完成時点での巧舟氏の〈3〉最終話のイメージでは、彼の登場が考えられていた。
そのイメージでは、なんと本物の虎狼死家左々右エ門は17年前に既に死んでおり、その正体は17年間も彼を霊媒していた綾里舞子だった!‥‥というもの。実現しなくて本当によかったというべきか


  • 逆転検事2
第1話「逆転の標的」に登場。
この事件(狙撃未遂事件)発生の2日前に西鳳民国大統領・王帝君を暗殺すべく彼のボディーガードに変装し潜入したが、
ボディーガードのリーダーである外城涯により妨害された挙句左腕を捻られ、銃弾を撃ち込まれ失敗する。


狙撃事件当日には赤いレインコートを着ていた(事件の犯人は赤いレインコートを着ていたとされていた)という理由で、西鳳民国大統領狙撃未遂の参考人として連行されてくる。
この時はスラックスにワイシャツ、そして濃いグレーのネクタイの上に法被を着た上で前述の事情で左腕を吊っているというよくわからない格好をしており、
当人はアイスクリーム屋の田中太郎であると名乗る。
今回は本人と直接対決(裁判シリーズにおける尋問)するのだが、やはり当人の表情は変わらず、代わりに手持ちのアイスクリームが顔のようなトッピングがされて、焦るとアイスが溶けて冷や汗に見えるなどの表現で感情を示していた。
ちなみに御剣は『裁判2』では顔を会わせてなかったものの、警察のデータで彼自身の顔などは知っていたようなのだが、次の展開があるまでまるっきり気づかなかった*3

が、事件発生後西鳳民国側に捜査権が移ろうとしたその時、大統領のボディーガードである内藤馬乃介を人質に取り、
「因縁の相手(外城)の死の真相を知りたい」という理由で御剣怜侍に捜査を続行させるよう要求する。

ひと通りの捜査をさせた後、「真実は見えた」と言い残し御剣らを気絶させ、王を殺害する事なくその場から逃走した。


その後、第4話「忘却の逆転」のラスト、一柳万才が拘束され、一件が終わった後、御剣に本当に事件は終わったのか?と連絡を入れ、一連の事件に黒幕が存在する事を仄めかす。


そして最終話「大いなる逆転」の途中で御剣と美雲の元に現れ、彼らと話をして、王帝君を殺したのは自分では無いと断言。そして依頼人が自身へ「イツワリの標的」を示したことで、自身に対するウラギリだと発言して、個人的にその依頼人を探しており、その人物は恐らく御剣らが探している人物と同じだと言い、最後に3日前の夜に鳳院坊了賢が脱獄した情報を話す。そして最後、黒幕の正体が暴かれたところに現れる。
目的は黒幕、すなわち標的について嘘を吹き込み、また自分を騙し操ろうとした「裏切り者の依頼人」への制裁。
御剣に対し前述のような連絡を入れたのも、彼を動かし黒幕について調査させ、その正体を特定させるためだった。

が、すんでのところで黒幕と深いつながりがあった元暗殺者である鳳院坊了賢により妨害され、さらに彼に黒幕を見逃すよう請われる。

結局虎狼死家は彼と戦ってまで黒幕を始末する事にメリットを感じない、という理由で黒幕の殺害を断念し、その場を逃走した。
直前の二人の会話からすると、了賢の心意気を汲んでくれたとも解釈できるが。

ところで黒幕から依頼を受けていた彼だが、逆裁2にて「裏切り者を始末するまで新しい依頼は受けない」と宣言している。
つまり検事2時点での王都楼の運命は……。


■余談
キャラクターデザイン担当の岩元辰郎氏のイメージでは、個人のリアル戦闘力では逆転シリーズ最強ランクに属する人間であり、狼士龍がそれに並ぶ実力者とのこと。
『検事2』ラストで逃走する彼を狼が単独で追いかけているが、その発言を意識したものだろうか。
彼を負傷させた外城もまた、相当な凄腕ボディーガードだったのは想像に難くない。
『裁判2』の狩魔冥狙撃事件において使用した銃はなんと拳銃(形状からしておそらくルガーP08)であり、『検事2』では片腕を負傷しているにも拘わらず拳銃を隠し持つ黒幕をタイマンで殺害できる自信満々であり、そのことからも彼の殺し屋としての高い技能がうかがえる。


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最終更新:2025年04月06日 17:20

*1 向かって右上のダイヤルと左上のメーターが目、スピーカーが口のように見える形で、目の部分が非対称なので眼帯のように見え、さらに真ん中に線が入っていて本人の顔の縫い目のように見える。またダイヤルの角度で怒りの目を表現する。

*2 証言の際に「他の人物に容疑がかかったのは初めて」と答えていた。上記の通り殺し屋の犯行というサインを残していれば当然に「誰が依頼したのか」がポイントとなるものだろうが、そういう接点すらこれまでは匂わせなかったのだろう。現に今回も霧緒が工作したために王都楼が容疑者となったが、最後まで決定的に彼が依頼人と断定できる証拠の提示はできなかった。

*3 御剣自身がうっかりしてたわけではなく、他作品の描写からしても顔を認識させない能力であることが示唆されている

*4 実際標的の正体云々はともかく、「標的に暗殺者を雇って他者を殺害した前科があった」件については、考えようによっては「標的が身を守るために再び裏の人間を雇う可能性があった」という事でもあり、実際にそうならなかったのはあくまで結果論でしかないので、依頼人の隠し事が虎狼死家にとってリスクがまったくない物だったとも言い難い。