厳選(ポケモン)

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厳選(ポケモン) - (2023/01/21 (土) 09:36:58) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/07/10(日) 00:57:26
更新日:2024/04/27 Sat 02:54:21
所要時間:約 5 分で読めます




言うなれば運命共同体




互いに頼り


互いに庇い合い


互いに助け合う




一人六匹の為に



六匹一人の為に




だからこそ戦場で生きられる




ポケモンは兄弟



ポケモンは家族














嘘を言うなっ!
   ∧_∧
  E)(#`゚Д゚)(ヨ
  UY   YU

猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑う




性別違い



性格不一致



低個体値



通常色




どれ一つ取ってもポケモンには命取りとなる




それらを纏めて『逃がす』で括る




誰が仕組んだ地獄やら




兄弟家族が笑わせる




お前も!



お前もっ!



お前もっ!!



だからこそ





(一致理想値色違い)の為に死ねッ!










「俺達は、何の為に産まれたのか…?」




「お母さん!」
「僕ポケモン欲しい!!」






























◇厳選とは

ゲーム『ポケットモンスター』(ポケモン)は対戦ゲームでもあり、人によってはストーリーよりもコチラを重視する。
そうなると当然それらのユーザーの多くの目的は


『勝つ事』

になる。

では勝つにはどうするべきか。強いポケモンを育てればいい。
しかしポケモンは相性ゲーでもあり運ゲーでもある。
また強いポケモンは当然よく知られ相手になることも多い。
逆に言えば自分で使った際の対策も怖い。

裏をかく為に技をひねったり新しい型を考案したり、様々な試行錯誤が日夜施されている。

その中で昨今の環境、否、大昔から行われている行為が存在する。
それが『厳選』である。

厳選とは即ち入手するポケモンや孵化したポケモンを厳選する事である。



◇厳選の種類

厳選にもいくつか種類がある。と、いうのもポケモンの入手方法自体が多岐に渡る為である。

ここではその種類を記載する。


■遭遇厳選

徘徊系ポケモンや伝説のポケモンの厳選方法がこれ。

固定シンボルエンカウントのポケモンの厳選は比較的有用な時短術が確立されていて狙うポケモンのステータスに対して

  • シンクロ(性格
  • 素早さ調整(○○より早ければ最速等)
  • 耐久調整(○○が一確なら最高値)
  • 攻撃、特攻調整(HPが残れば最硬)

などである程度の目安を知ることができる。

というか捕まえてみないと分からないのは非常に非効率的
ポケモンとは出会った(戦闘)瞬間に能力値・性格・個性・体色が決定される為、出会う前にレポートを書き捕獲→理想値が出るまでリセットを繰り返す方法。
めんどいがまだまだ楽な部類(特に固定シンボル)。

因みに第三世代までのソフトではジムバッジ補正で手持ちの素早さが変わってしまうため、味方の行動順で捕獲するに値する個体かどうか判断する際にはその辺を念頭に置く必要がある。

あと捕獲用のポケモンの鳴き声は短い方が登場画面からコマンド選択画面にすばやく移行できるので、短いのに越したことはない。

固定シンボルの場合、毎回図鑑登録されるのが場合によっては非常に邪魔なため、拘る人は予めそのポケモンのデータを図鑑に登録していたりする。

また、戦闘で捕獲するのに捕獲率が低いため、ボールに拘らない場合はマスボが投入されることも。
大真面目に戦闘する時間すらもったいない。

6世代からは「捕獲した時にも経験値が入る」ため可能なら手持ちをLV100にしたりがくしゅうそうちを切っておくのも手。
もちろん先頭のシンクロポケモンはひんし状態。

■受領厳選

御三家や配布ポケモンがコレ。貰った瞬間に決定される為受け取る前に以下略。
アメの持ち数が効率を占う。

ちょっと専門的話になるが、第一世代ではランダムエンカウントの場合乱数生成の関係上4Fと呼ばれる全個体値が最高値の個体が絶対に出現しないため、もし4F厳選するなら固定エンカウントでの厳選がマスト。


■孵化厳選

一部のポケモンを除きポケモンの多くは育て屋タマゴをつくれる。
育て屋に関しては当該項目を参照だが、一応どんなものか説明しとくと理想の個体が産まれるまでタマゴを延々とつくらせ続ける。
かわらずのいしやパワー○○を使うと個体値や性格を固定できる。
また第4世代には爺前セーブという技術が存在する。

「いや、親死ぬだろ」って思った方、まぁゲームだから。
理想の個体を作るために数千個のタマゴをつくり膨大な時間(月単位の場合もある)を費やす行為。
「いや、親s(ry」そして最もポピュラーかつメジャーな行為。

ネットで厳選と聞けば多分大体コレ。

お盛んってレベルじゃねーぞ!!?


以上が大まかな厳選である。


◇なぜ行うのか……


上記ので大体察してる人もいると思うがこの行為、

かなりしんどい

ぶっちゃけ性格・性別・体色・特性・個体値全てを粘る場合余裕で数ヶ月単位などザラ。
めざめるパワーも考慮すると学生や社会人などのユーザーの中にはそもそも時間的に無理な人まで出てくるレベル。
なんせ数千分の1やら数百分の1やらを要求されるので当たり前。
理想によっては数万分の1すら下回る。

それでも行うのはやはり「勝つため」なのである。
所謂メタパーティを相手にした際、数字1の違いが勝敗を決する事が本当によくある。
そんな場面で打ち勝つ為の行為、それが厳選なのである。
しかしやるうちに段々楽しくなってくるという人もいる。

一方で、世代を追うごとに厳選環境は格段に緩和されており、「ぎんのおうかん/きんのおうかん」が追加された現在では厳選という行為自体が必須の物ではなくなっている


◇短所

■対戦経験を積む時間の損失

特殊型のA0理想個体など厳密な厳選に拘るあまり、対戦経験を積む時間をその分失ってしまうという場合がある。
厳選事情が大幅に改善された第六世代以降の公式の大型大会(ダブルバトル)の場合は、優勝メンバーにもA妥協個体の一般ポケモンが普通にいるぐらいで、ガチ勢でもあまり厳密な理想個体にはこだわらないケースが実は少なくない
第八世代のランクバトルで最終日にS妥協カバルドンを即席で実戦投入するのも良く見られたケースである。カバルドンの場合は耐久個体値さえ理想であれば対戦用個体として一定の実用性が確保されるため、初見殺し用の調整の個体をぶつけるという意味でも妥協個体を投入することはおかしいことではない。


■風情の欠如

まぁ人によっては当然思う人もいるだろうが情感も糞もあったもんじゃない。
しかし公式戦で「勝つ」為にはポケモン一匹一匹との出会いを大事にしてる暇はない。
下記も含めて世界観を重視するプレイヤーの中には厳選という行為を好まない人もいる。

まぁ厳選して無くても良い戦術練れれば勝つ人は勝つけどね!!


■倫理観の欠如

育てきれないポケモンや必要じゃないポケモンを置いておこうにも、ボックス自体が有限の都合すぐに埋まってしまったり邪魔になるため、逃がされる場合が上記では多い。
……が、ポケモンは随所にメッセージが込められた幅広い年齢層向けのゲームである。
そんな中でこの行為。タマゴ厳選は正直確かに酷い面も否定は出来ない。

特性がダメ!→ポイ捨て
個体値がダメ!→ポイ捨て
性別が合わない!→ry
めざパry

なんせこんな感じでLV1の生まれたてのポケモンを大量生産した挙句直後に平気で逃がしている以上、この行為に反感を持つ人が出るのも必然と言えよう。
検索すれば厳選の負の側面をイメージして書いたイラストや二次創作漫画も見つかる。

■シナリオ攻略中に長時間の足止めを余儀なくされる

5世代以降、大体の作品で伝説のポケモンの強制捕獲イベントがシナリオに絡む
初出のレシラムとゼクロムこそ、手持ち、ボックス共に完全に埋めることによって後回しにすることができたのだが、これが余程悔しかったのかその後開発が無理やり対策を施したため、ジャッジすらないタイミングでの厳選を余儀なくされるポケモンが増加。
更に、これらの捕獲はイベントの真っただ中に挟まれているため、捕獲したらしたで強制バトルの先発に置かれたり、個体値の正確な確認の間もなく連戦や長いイベント会話がある
大体が禁止伝説であるため、バトル施設では使えない(=雑用にしかならない)都合シナリオで使い潰すだけの駒と割り切れれば手っ取り早いが、拘ると地獄。
しかも通信をしない場合は戦力不足の旅パのポケモンで強制捕獲させられる都合、1回の捕獲そのものの難易度、所要時間も通常の厳選と比べると大幅に増す(捕獲率そのものはやや捕まえにくいレベルまで上がって入るとはいえ)。

◇最後に

誤解の無いように記載しておくが厳選=悪ではない。

そしてポケモンとは結局「皆で楽しむ為のゲーム」なのだ。『皆』には年齢、国籍、関係ない。

その人によって楽しみ方は様々である。
しかし中には確かにこの『厳選』を嫌う人もいる。

というのも、上記のように
■ストーリーを重視した人
■好きなポケモンを使いたいだけの人
など、そういう人達もいる。

対戦だけが全てでは無いのだ。
そしてあくまで嫌われてるのは厳選をする人間の中の、節度が無かったり、上記の人達を見下す発言をする勘違いしたユーザーが主なのである。


また、アニメの影響も多分にある。
ヒトカゲのトレーナーやポカブの元トレーナーの話は子供心に強い印象を残すだろう。

そんな人達に厳選は確かにいい印象はしないだろう。それに廃人キャラで有名なシンジも生まれたばかりのポケモンを捨てる程までは徹底していない。


とはいえ再三言うように決して悪でも何でも無い。
要は自分の出会ったポケモン達に愛情を注いでさえいれば、それだけでいいのだ。
もちろん厳選が嫌いな人も厳選をしているというだけの理由で不当に相手を貶めたりしないように気を付けよう。
厳選をしているトレーナーが必ずしもポケモンを愛していない訳ではないのだから。

中には「生まれてくんな死ね」などとほざいたユーザーもいるが

どんな育て方であれ、ポケモンを愛する気持ちだけは忘れないようにしよう。


◇第六世代以降の厳選

そこら辺の野生ポケモンの個体値が玉石混交なのは相変わらずだが、第六世代から一定条件下で高個体値確定の野生ポケモンが出現するようになり、伝説のポケモンは確定で3つ以上の個体値が最高値となった。なお後々登場する、おうかんのせいで今では邪魔な仕様になっている*1
アイテム「あかいいと」を持たせることで両親の個体値のうち5個が引き継がれるようになり、孵化厳選で高個体値を出しやすくなった。
あかいいとを使う場合、4Vを2体(Vが完全一致していてはいけない)用意できれば、5Vだけなら約1/24と現実的な確率で作り出せる。
更に2つの特性を切り替えるアイテム「とくせいカプセル」が登場し、愛着はあるが対戦に不向きなほうの特性を持つというポケモンをもう片方の有用な特性に後から変更できるようになった。
続けて第七世代では能力値を最高値に引き上げる「すごいとっくん」が登場し、第八世代では性格そのままに補正値だけを変えるアイテム「ミント」、通常個体をキョダイマックス個体にできる「ダイスープ」、通常特性を隠れ特性にできる「とくせいパッチ」が登場した。
預かり屋のシステムも変更され、後天的にタマゴ技も覚えられるようになった。
これにより、「愛着はあるが対人戦には連れて行きにくかった」という野生産のポケモン達でも後天的に鍛え上げることで対人戦にも連れて行けるようになった。
伝説のポケモンを取り敢えず捕まえて、必要になったとき改めてガチ対戦向け理想個体に育て上げることもできるようになった。
そして第9世代では8世代までは少々手に入りずらかったミントやおうかんやとくせいカプセルが店で買えるようになり、さらに低確率だが特性パッチもテラレイドバトルで手に入るうえに星5以上のレイドは夢特性+5V確定のため色厳選と逆V以外の厳選はほぼ必要無くなった。またその色厳選も第9世代では大幅に難易度が下がっており孵化による色厳選は少し時間がかかるが(それでも準備さえ出来れば大幅に緩和できる)野生厳選だったら30~1時間で見つかるレベルである。

凄まじい時間を掛けて純野生産理想個体や孵化産の純粋な理想個体の厳選を行なっていたガチ廃人レベルのプレイヤーはヌルゲー化したと嘆くが、元々ポケモンシリーズは初代の時点で「1匹1匹のポケモンに愛着が持てるようにする」というコンセプトがあり、それは発展しながら現在に至るまで受け継がれている。
厳選難易度の低下により、今や好きなポケモンをいつまでも大事にしてどこへでも連れて行けるようになったのだ。




追記・修正は初めてポケモンを手にした時の事を思い浮かべながらお願いします。

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