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厳選(ポケモン)

登録日:2011/07/10 Sun 00:57:26
更新日:2026/08/19 Wed 01:42:38
所要時間:約 34 分で読めます





言うなれば運命共同体


互いに頼り


互いに庇い合い


互いに助け合う


一人六匹のために


六匹一人のために


だからこそ戦場で生きられる


ポケモンは兄弟


ポケモンは家族

嘘を言うなっ!
   ∧_∧
  E)(#`゚Д゚)(ヨ
  UY   YU

猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑う


性別違い


性格不一致


低個体値


通常色


どれ一つ取ってもポケモンには命取りとなる


それらを纏めて『逃がす』で括る


誰が仕組んだ地獄やら


兄弟家族が笑わせる


お前も!


お前もっ!


お前もっ!!


だからこそ



理想個体色違いのために死ねッ!





「俺達は、何のために産まれたのか…?」



「お母さん!」
「僕ポケモン欲しい!!」






厳選」とは、『ポケットモンスター』シリーズにおいて「より強い個体」を求める一種のやり込みプレイであり、多くのプレイヤーを廃人に追い込んだ罪深きシステム。

説明すると長くなるので詳しくは後述するが、とりあえず「より強くて理想的な個体を選び抜く作業」とでも覚えてくれれば良い。

+ 目次

概要

「ポケモン」は対人システムも備えたゲームである事から、人によってはストーリーよりもコチラを重視する。
そうなると当然それらのユーザーの多くの目的は「勝つ事」になる。

では勝つにはどうするべきか。強いポケモンを育てればいい。
しかし、ポケモンは相性ゲーでもあり運ゲーでもある。また強いポケモンは当然よく知られ相手になることも多い。逆に言えば自分で使った際の対策も怖い。

裏をかくために技をひねったり新しい型を考案したり、様々な試行錯誤が日夜施されている。
その中で大昔から行われている行為が存在する。それが「厳選」である。

ポケモンでは同じ種族でも1体1体ごと個体値、性別、性格といった違いがあり、この違いによっては同じ種類のポケモンでも強くもなったり弱くもなったりする。そして対戦環境では当然「強い」個体が求められる。
  • 単純に強さを求めるなら全ての個体値が最大で、最も高いステータスを伸ばせる性格の6V*1
  • 特殊型のポケモンでなおかつイカサマ*2や混乱自傷のダメージを減らしたい場合は攻撃の個体値とステータスを下げる性格のA05V
  • 素早さが逆転するトリックルームで運用したい場合は、素早さの個体値とステータスを下げる性格のS05V
このように、そのポケモンが最も力を発揮できる「理想のステータス」が存在する*3
よってポケモンにおける厳選とは即ち、理想のステータスを持つ個体を狙うために入手するポケモンを選別する事である。

また通常の個体とは色が違う「色違い」を狙うことも指すが色違いは能力そのものは変わらず、「勝つ事」には影響しないので趣味的要素が大きい。
無論「理想のステータス」に色違いであることを含むプレイヤーも少なからずいる。

なお、世代を追うごとに厳選環境は格段に改善されているので、一部古い情報が含まれる点には留意してほしい。


厳選の種類

遭遇厳選

徘徊系ポケモン伝説のポケモンの厳選方法になる。

固定シンボルエンカウントのポケモンは以下の方法で楽に厳選できる。
  • シンクロ(第7世代までは性格が50%同じになる。第8世代は100%になったが第9世代では効果が無くなった)
  • 混乱実(なげつけるを使うことでシンクロが効いているのか判断する)
  • 素早さ調整(○○より早ければ最速等)
  • 耐久調整(○○が一確なら最高値)
  • 攻撃、特攻調整(HPが残れば最高値)
ただし、個体値が30(U)と31(V)では差が出ない場合もあり、あくまでも目安でしかない。

徘徊系ポケモンは上記の方法が難しい上に、出会った瞬間に能力値・性格・個性・体色が決定されるため、出会う前にレポートを書き捕獲→理想値が出るまでリセットを繰り返す方法が主になる。

ちなみに3世代までのソフトではジムバッジ補正で手持ちの素早さが変わってしまうため、味方の行動順で捕獲するに値する個体かどうか判断する際にはその辺を念頭に置く必要がある。

固定シンボルの場合、毎回図鑑登録されるのがタイムロスになるため、時間短縮を行いたい人は予めそのポケモンのデータを図鑑に登録していたりする*4

また、伝説ポケモンは戦闘で捕獲するのに肝心の捕獲率が最低ラインに設定されており、比較的高めに設定されているポケモンでも運次第ではいつまでもゲットにすら至らない事もある*5ため、ボールに拘らない場合はマスターボールが投入されることも。大真面目に戦闘する時間すらもったいない。


受領厳選

御三家や配布ポケモンの厳選方法になる。

貰った瞬間に決定されるため受け取る前に以下略。配達員の目の前でレポートは忘れないでおこう。
第8世代以降は、配布ポケモンを受け取った瞬間にレポートされるので行えなくなってしまった。


孵化厳選

タマゴが発見されているポケモンの厳選方法になる。

一部のポケモンを除きポケモンの多くは育て屋タマゴを作れる。
育て屋に関しては当該項目を参照だが、一応どんなものか説明しとくと理想の個体が産まれるまでタマゴを延々と作らせ孵らせ続ける方法。タマゴはトレーナーがチャリで運動して温める。

親にはメタモンがよく使われ、かわらずのいしやパワー○○、あかいいとを使うと個体値や性格を固定できる。また第4世代には爺前セーブという技術が存在する。

理想個体値厳選の他にも、色違い厳選を行う際に、違う国籍のポケモン同士を掛け合わせて色違いが生まれる確率を上げる通称「国際孵化」を行うために用いられることも多い。


厳選の欠点

膨大な時間の損失

おそらく最大の欠点。
上記の理由で大体察してる人もいると思うが、ポケモン厳選かなりの時間がかかる。

かつては性格・性別・体色・特性・個体値全てを粘る場合余裕で数ヶ月単位などザラと言われていた。
めざめるパワーや色違いも考慮すると「多くのユーザーの中からそもそも時間的に困難な人まで出てくる」「時間的に保護者などに言われる前に投げ出すくらいかかる」「説明書などでの警告を無視する長時間のプレイ時間を要求するため、長期的な健康障害を負う覚悟をしなければならなくなる」レベル。
当然のように数千分の1やら数百分の1やらを要求されるので当たり前。狙う個体によっては数万分の1すら下回る。

対戦経験を積む経験の損失

特殊型のA0理想個体など厳密な厳選に拘るあまり、対戦経験を積む時間をその分失ってしまうという場合がある。
厳選事情が大幅に改善された第6世代以降の公式の大型大会のダブルバトルは、優勝メンバーにもA妥協個体の一般ポケモンが普通にいるぐらいで、大会に入賞できる程の上級者ですらあまり厳密な理想個体にはこだわらないケースが実は少なくない
第8世代のランクバトルで最終日にS妥協カバルドンを即席で実戦投入するのも良く見られたケースである。カバルドンの場合は耐久個体値さえ理想であれば対戦用個体として一定の実用性が確保されるため、初見殺し用の調整の個体をぶつけるという意味でも妥協個体を投入することはおかしいことではない。

対人戦を行わない場合にしてもその世代の「バトル○○」での実際の手持ちの運用や立ち回りを身に着けるのが遅れるため、いざ理想個体を完成させて投入してもある程度使い込まなければ本人のスキルが付いてこないことも。
いくらその世代の最強ポケモン+対戦系wikiのテンプレ構築を並べたとしても、本人が使いこなせなければ意味がないのである。


風情の欠如

人によっては当然思う人もいるだろうが、情感も糞もあったもんじゃない。
しかし、公式戦で「勝つ」ためにはポケモンとの出会いを大事にする暇はない。
下記も含めて世界観を重視するプレイヤーの中には厳選という行為を好まない人もいる。

まぁ厳選して無くても良い戦術練ってプレイング鍛えれば勝つ人は勝つけどね!


倫理観の欠如

育てきれないポケモンや必要じゃないポケモンを置いておこうにも、ボックス上限の都合すぐに埋まってしまったり邪魔になったりするため、逃がされる場合が上記では多い。

…が、ポケモンは随所にメッセージが込められた幅広い年齢層向けのゲームである。
悪の組織はポケモンを道具やそれ以下のように扱う奴ばかりだし、アニメ版では弱いからと早々に切り捨てる無責任なトレーナー*6もしばしば描かれるが、そうした連中は信頼と絆で結ばれたポケモン&トレーナーに打ち負かされたり、野望を潰されたりという形で制裁が課され逃げ得はほとんど無い。弱いからと捨てられたポケモンも、大抵「素質は高く、捨て主はそれに気づかず引き出せなかっただけ」というなろうみたいなパターンであり、むしろ友達、仲間、パートナー…得てして友好的な関係を築く事こそ美徳という描写は多い。

ただ、ポケモンを悪事にこき使うのはともかく、弱いからさっさと切り捨ててより強く優秀な個体を求める…というのは他ならぬ公式が仕込んだ仕様によるものであり、旅パならまだしも対戦やバトル系を極めるなら都合よくはいかない。第6世代以前はマジで矯正しようがないので尚更。

そんな中でこの行為。タマゴ厳選は正直確かに酷い面も否定は出来ない。

特性がダメ!→逃がす
個体値がダメ!→逃がす
性別が合わない!→逃がす
やってられるか!

上記のように生まれたてのポケモンを大量生産した挙句直後に平気で逃がしている以上、この行為に反感を持つ人が出るのも必然と言えよう。
検索すれば厳選の負の側面をイメージして書いたイラストや二次創作漫画も見つかる*7

最も、逃がした後どうなるのかは不明のままで2020年代の世論においては2000年代からの価値観のアップデートの影響もあって「ゲームと現実の区別を付けろ」とゲームだと割り切る層も根強い。また「にがす」表記から、アニメ内で逃がされたポケモン(サトシバタフリーラプラスゲッコウガムサシドクケイルアーボックコジロウマタドガスなど)たちと同じようになると解釈はできる。


シナリオ攻略中に長時間の足止めを余儀なくされる

シナリオ内で伝説のポケモンが関わり始めた第3世代から、それは生まれてしまった。
『ルビー』ではグラードン、『サファイア』ではカイオーガが悪の組織によって目覚めさせられ、それを主人公が止める事になるのだが、イベントの都合により強制バトルを余儀なくされる。

これの何が問題かというと当時は伝説のポケモンを倒すのは勿論のこと、あえて戦わずに逃げたとしてもそのデータ上では二度と復活しない第2世代までと同じ仕様になっていた事である。
そのため、伝説のポケモンに興味があろうがなかろうが、この時に捕獲しておかないと入手チャンスが失われるという大変不親切な設計になっていた。
当然、厳選できるチャンスも他の伝説同様に1回限りなのでガチで使おうと考える場合、個体厳選に多大な時間を割かなければならない。
一応、この仕様については後発の第3世代作品から地味に改善されており、『FRLG』と『エメラルド』では逃げた場合に限り、マップを切り替える事で再出現するようにはなっている*8

第4世代でも『ダイヤモンド』ではディアルガ、『パール』だとパルキアがシナリオ途中で呼び出され、主人公の前に立ちはだかる。
こちらでは『FRLG』以降の作品と同じく、逃げるを選択する事で捕獲を保留する事が可能。ただし本作以降は再出現のタイミングが殿堂入り後となり、即仕切り直しは出来なくなった。
やはり倒してしまった際は二度と復活しないままだったが、この仕様も『プラチナ』にて改善。
捕獲されるまでは殿堂入りする度に復活となり、伝説のポケモンが二度と捕まえられなくなり涙を流すプレイヤーも減ったはずである。

…そして時は流れ、第5世代以降。大体の作品で伝説のポケモンの強制捕獲イベントがシナリオに絡むように。
『ブラック』ではレシラム、『ホワイト』ではゼクロムこそ、手持ち、ボックス共に完全に埋めるという非常に回りくどい条件を満たす事でのみ後回しにできた。

だが、第6世代では再捕獲先の作り込みが面倒だったのかストーリーの進行によって解禁されるボックスを1つ用意し、そこに捕獲した伝説ポケモンを突っ込むという強引な詰み対策を開発側が施したため、ジャッジすらないタイミングでの厳選を余儀なくされるポケモンが増加。
更に、これらの捕獲はイベントの真っただ中に挟まれているため、捕獲したらしたで強制バトルの先発に置かれたり、個体値の正確な確認の間もなく連戦や長いイベント会話がある
大体が禁止伝説であるため、バトル施設では使えない都合シナリオでしか使わないと割り切れれば手っ取り早く、バトル施設と通信対戦以外ではそこまでしなくても押し切ってしまえる事が多いが、拘る場合はそうはいかない。
しかも通信をしない場合は戦力不足の旅パのポケモンで強制捕獲させられる都合、1回の捕獲そのものの難易度、所要時間も通常の厳選と比べると大幅に増す*9
第7世代の『SM』にも引き続き強制捕獲イベントは続投したが、マイナーチェンジ版のUSUMでは遂に廃止。

第8世代の『ソード・シールド』では、このまま強制捕獲も無くなるだろうと思われていた矢先、ムゲンダイナの強制捕獲イベントが。
どのボールでも捕獲できるのは良いが、長いムービーとバトルまであり、厳選に非常に時間がかかる。
その後の『Pokémon LEGENDS アルセウス』では育成および戦闘システムが異なるためか、個体値も無ければジャッジ機能も存在しない。
…正確には個体値システムは内部的に存在しているものの、本作の戦闘システムには直接関与しない*10ため殆ど使われていないと言うべきか。
それでいてイベントの都合およびポケモン図鑑の完成のために必ず捕まえなければならない伝説ポケモンが数多く、3V確定という仕様は残っているものの本作の仕様で厳選するのはキツめ。

第9世代ではこうした伝説のポケモンとの必須戦闘周りの事情が変わっており、強制イベントやサブイベントで必ず捕まえる事になる1匹限定のポケモンがそれなりに存在するが、そういったポケモン達は本作だと性格と個体値が決められたものに固定されているものが多い。
これについては個体厳選の自由度が狭まったと言えなくもないが、好みのボールに入りさえすれば不毛なリセット厳選をしなくて済むとも考えられる。
後述の厳選するよりもアイテムを使った後天的な能力のカスタマイズを優先する風潮に変化した一つの事例とも言えるだろう。
なお、それらに該当しないポケモン達は従来通りの3V確定の固定シンボルもいれば、おやつおやじ経由で現れる懐かしの個体値完全ランダム仕様の固定シンボルもいる。


厳選環境の変遷

第1世代(赤・緑・青・ピカチュウ)

当時はまだポケモンに持たせる道具や特性どころかタマゴのシステムすら存在しなかったため、野生ポケモンを片っ端からひたすら捕まえるという方法以外なかった。
こうした事情のため、努力値の仕様も相まってほとんど厳選せずに育てて大会に挑むプレイヤーも多かった模様。

特にラッキー*11や当時の最強格であるケンタロスなどはサファリゾーン限定種なので、出現率が低いのも相まって厳選は困難な部類。
青版ではこのうちNPCとの交換でケンタロス通称ぎゅうたが入手できるので、他バージョンと比べるとケンタロスの厳選はまだ簡単な方だった。

ただし中には野生出現しない種類もおり、その代表格はまさこ…もといルージュラ
彼女はNPCとのポケモン交換で簡単に入手できるので、ランダムエンカウントで探して捕まえなければならない大多数のポケモンより捕獲厳選の手間がかからないというメリットもあった*12
そしてこの世代のガチ環境では各々が厳選し、完璧に育て上げた自慢のまさこ達が蔓延る事になるのであった


第2世代(金・銀・クリスタル)

タマゴのシステムが初登場。これに付随してメタモンが多くのポケモンのタマゴを作れるようになったことで一躍引っ張りだこに。
同時にタマゴ技や「めざめるパワー」も新登場。タマゴ技はオスに覚えさせている技と、預けたオスとメス双方が覚えていて子がレベルアップで覚える技が遺伝されるという仕様だった。

この時代の個体値の遺伝は防御と特殊の2つの個体値が引き継がれ、特殊個体値は親のものから±8される場合がある。よって、めざパを考慮しないのであれば防御個体値15&特殊個体値7or15のメタモンが重宝された。
めざパを考慮するなら防御個体値が12から14の個体も必要となる。
段階が少ないのと引き継がれる部位が確定しており、性格も存在しないため固定シンボルの厳選などを除けば実は第三世代よりは明確に厳選そのものは楽だったりする。

ただ、当時のタマゴは孵化速度を早める方法が存在しないため、とにかく時間がかかるのが難点だった。
簡単に生まれるポケモンならともかく、孵化歩数の多いラッキーカビゴンは凄まじい地獄を見る事になる。


第3世代(RSEFRLG)

・第3世代前期(RS)

地獄の厳選環境、開幕。

互換切りにより0からの再出発を余儀なくされた世代。
従来の個体値・努力値システムが変化したことに加え、厄介な新要素も多数追加されてしまった。

個体値は16段階から32段階に増加。個体値の遺伝も両方の親から計3種類が選ばれて遺伝するように。
今世代から新たに性格も追加されたが、全25種類と数がやたら多いにもかかわらず「かわらずのいし」による性格遺伝は存在しないし、特定の性格を出しやすくする手段も一切ない。
個体値は前々からだが性格も後から変更する事はできないため、当時の廃人トレーナー達はコダックの如く非常に頭を痛めたものと思われる。

これに更なる新要素、当時は変更不可特性が加わると片方の特性だけが有用なポケモンだと三重苦の厳選地獄が展開される。
更にめざめるパワーのタイプ&威力厳選や性別厳選も含めた場合は全てが運任せ苦痛まみれのゲームと化す。
こんなランダム要素だらけの酷い環境で至極真っ当に廃人トレーナーやってた当時の先輩らマジパネェです

加えてルビー・サファイアには、なんとメタモン不在。タマゴを作るにはメスが必要不可欠に。
よってオスと性別不明のポケモンは孵化厳選が行えず、野生出現しないダンバルにいたっては伝説のポケモンと同レベルの一品物扱い。
そんな事情もあって強いビリリダマやコイルを求めてニューキンセツ内を徘徊し続けるトレーナーや、ミナモシティの海辺にすごいつりざおを垂らしてヒトデマン釣りに精を出すトレーナー、ダイゴの家に勝手に泊まり込みながらダンバル厳選に勤しむトレーナー等が後を絶たない珍妙な時代でもあった。
コイツらの厳選方法だけ第1世代にゲンシカイキしてやがる…

ちなみに第3世代前期~中期までの間に出されたポケモンコロシアムでは第2世代のポケモンが先行的に補完されたが、
ダークポケモンとして手に入る種族の場合は「タマゴが作れるポケモンはメスを狙ってスナッチしなければならない」という縛りプレイを行わなければならなかった。
メタモンがいない時代だったからこその弊害であり、メタモンがいないだけでこうも不便になるのか…と思わされる出来事だったといえるだろう。

余談だがコロシアムでは最初のパートナーであるエーフィとブラッキーは必ずオス固定で、カードeリーダー限定のダーク・ハッサムもオス固定。
メタモン未解禁という事情を考慮してなのか、未解禁ポケモンの流出・タマゴでの量産を防ぐかのような性別固定枠も存在。
…その割には敵NPCが通常のポケモンとして使ってくる際は性別がメスの個体もいたが。お前らだけ自由に使うな

なお、タマゴが作れる本編作品でメタモンが登場しなかったのは後にも先にも「ルビー・サファイア」だけであり、以降の作品ではどこかしらでメタモンが入手できるという形で問題点は解消されている。
マイナーチェンジ版である「エメラルド」とリメイク版の「ORAS」ではそれぞれ出現場所が別途設けられており、彼らはホウエン地方の環境でもきちんと適応し、生息できるようだ。最初から居着いててくれ


・第3世代中期(FRLG)

メタモン、第3世代に降臨。

彼らの解禁によりオスと性別不明のポケモンでもタマゴが作れるようになり、あのダンバルもタマゴから孵化し放題に。
…しかし厳選環境のキツさは第3世代前期までと比較すると全く変化無し。
メタモンの登場で性別関係なく孵化厳選が出来るようになっただけでは改善したとは言えまい…

FRLGにおける育て屋は2匹預けられるので本作だけでタマゴも作れるようにはなっているが、育て屋のある4の島自体が狭くて走り辛いじてんしゃの移動速度がそもそも遅い廃人ロードに該当する広くて長い道の場所が存在しない…と散々であり、FRLGで孵化厳選を行う理由はほとんど無かった。

第3世代前期~中期までにおける厳選は過酷を通り越して修羅の領域であり、理想個体を得ようものなら第2世代以上に膨大な時間を使う覚悟が必要となる。
以降の世代とは比較にならないほどキツすぎたため、妥協も止む無しと考えるトレーナーも多くいたであろう事は想像に難くない。
第3世代は第2世代以上に改造が横行していた時代でもあるが、異常なまでにキツすぎる環境が改造者を増やすきっかけを作ってしまったのでは…と思えなくもない。

ちなみに第3世代中期までは「シンクロ」や「ほのおのからだ」など、フィールド上で発揮される特性の効果も一切なかった。


・第3世代後期(エメラルド)
これ以降不毛の地同然だった厳選環境がレジギガスのスロースタート以上の遅さで次々と改善・整備されていくことになる。

本作からの改善点1つ目は「かわらずのいし」に性格遺伝効果が追加。これを育て屋に預けるメスかメタモンに持たせると、持たせたポケモンと同じ性格が遺伝される。
ただし必ず性格遺伝するわけではなく、遺伝率50%という余計なランダム要素つき。遺伝手段すら無かった第3世代中期までよりマシではあるが。
しかも当時はオスと、メス&メタモンで預けた際のメスに持たせても性格遺伝しないという致命的な穴まであった。この穴の改善は第4世代まで待たされる事となる。

改善点2つ目は一部の特性を持つポケモンが手持ちにいる時、フィールド上で何らかの効果を発揮するようになった事。
「ほのおのからだ」「マグマのよろい」にはタマゴの孵化歩数半減効果が付与されており、タマゴ孵化にかかる時間的負担が軽減された。
「シンクロ」には手持ちの先頭にいる時、同じ性格の野生ポケモンが出現しやすくなるという効果が追加。なお、こちらも性格固定率50%
しかし、固定シンボルのポケモンにはシンクロの効果が発揮されなかった。

改善点3つ目はジャッジが初登場。ゲーム内で大まかな個体値判定・確認ができるようになった。
だが、この時はまだ最も優れた個体値が複数ある場合はランダムで一つ教えるだけと一括では教えてはくれず、何度も話しかける必要があった。

改善点4つ目はザロクのみ~マトマのみまでのきのみ6種に対応する努力値を下げる効果が追加された事*13
恐ろしい事に第3世代中期までは努力値の振り直しが一切できないというクソ仕様があり、誤った箇所に努力値を振ってしまったり、「このポケモンの努力値を振り直したいなぁ」と思っても二度と振り直す事は出来ず別個体を厳選し直して一から育てる必要があったのだが、本作からは該当するきのみさえあれば努力値を振り直す事が可能になった。きのみ栽培という新たな手間が増えてしまったが
ただし、当時の努力値システムの都合上、レベル100になっているポケモンだとバトルでは努力値が得られない=1つの能力に100以上振れなくなる上、レベル50ルールにて使う場合はレベル50で留めなければならない*14都合上、経験値調整に苦難する事が多々あるため、結局のところ振り直しは早めに行う必要がある。

…修羅すぎた中期までより多くの部分が改善されたものの、それでもこの第3世代で厳選するのはキツいと言わざるを得ない。修羅から過酷になった程度では易化するわけもなく…
なお、残念ながらエメラルドには改悪点もあり個体値遺伝にバグが存在。HPと防御は他の能力よりも遺伝率が低くなっているとの事。

少々踏み込んだ話になるが、エメラルド及び電池切れのルビー・サファイアではポケモンの個体生成等に使われる乱数が起動時から毎回一定の値に固定されるという現象があり、発売当時から特に固定シンボルにおいてセーブ&リセットで厳選しても同じような個体しか出ないという報告がいくつかあった。
これがいわゆる「エメループ」と呼ばれるものだが、これが乱数調整で用いられるようになるのはプラチナ発売以降になってからであり、それと同時に他作品でも乱数調整の研究が進むようになるのだが、それはまた別の話である。


第4世代(DPtHGSS)

・第4世代前期(DP)
基本的にエメラルドの厳選環境と同じだが、エメラルドで発生していた個体値遺伝バグは解消。
特性シンクロのフィールド効果が固定シンボルポケモンにもようやく有効になった。
ダイヤモンド・パールではジャッジがいなかったため、第3世代中期作までと同様に自力で個体値を判定しなければならなかった。

厳選以外の育成面では新たにパワー系アイテム6種が登場。
当時から特定の努力値を振るのに活用されたが、肝心の入手方法がBP交換限定だったため用意に時間がかかるのが欠点。
なお、当時はパワー系アイテムに個体値の遺伝に関する機能は備わっていなかった。


・第4世代中期(Pt)
ダイパで姿を消していたジャッジが復活。
再びゲーム内でおおまかな個体値の確認ができるようになったほか、新たに「めざめるパワー」のタイプ判定人が登場。
わざわざカクレオンにめざパをぶつけなくともタイプ判別や個体値の特定が容易になっている。
ただし「めざめるパワー」を覚えられるポケモンじゃないと判定してくれないので、わざマシンが使えない進化前ポケモンの場合は進化させる必要がある。


・第4世代後期(HGSS)
努力値振りのお供であるパワー系アイテムに新機能が追加。対応したアイテムを持たせることで遺伝される3つの個体値のうち1つを固定することが可能となった。
これにより性格一致の最速にしたい程度の個体であれば以前までより早く作りやすくはなった。

また、「かわらずのいし」がオスに持たせた場合でも効果を発揮するように変更された。改善が遅い
ジャッジも最も優れた個体値を順々で教えてくれるように。


第5世代(BWBW2)

・第5世代前期(BW)
新たに隠れ特性が登場。この世代の隠れ特性はメスでないと遺伝しない上、メスの隠れ特性個体とメタモンとの組み合わせでも遺伝しない。
その隠れ特性の入手も外部サービスのPDW内のゆめしまであることが殆どで、隠れ特性の入手には苦労を要するものが多い。多すぎる。

さらに何の嫌がらせなのかゆめしま内で出会うポケモンはオスが出やすい設定になっていたという有様。遺伝用の親個体入手まで面倒にしてくるとは…
隠れ特性が強力なポケモンだと是が非でも狙う必要が出てくるため、廃人トレーナー達にとっては新たななやみのタネが増えてしまった世代である。

メス以外からはタマゴで遺伝できない都合上、オスのみ・性別不明のみのポケモンは隠れ特性個体の孵化厳選が行えない。
忌まわしき攻略本ガチャによるシリアルコード限定でオス固定のかそくアチャモの厳選は非常に困難。
個体値V保証もなければ、シンクロによる性格固定も行えない、そもそも3分の1で目当てのコードを当てる必要がある三重の苦痛付き。

ジャッジは最も優れた個体値を一括で教えてくれるように改善。
また努力値システムにも調整が入っており、レベル100になり経験値が入らなくなったポケモンでも努力値をきちんと振れるようになった。
別個体を用意して一から育て直すという悲劇がなくなったのはとても良い事である。ただしその代わり努力値下げのきのみが非常に入手し辛くなったので、結局は気を使って育成した方が良かったのは難点であった*15


・第5世代後期(BW2)
隠れ特性の個体がPDW以外でも各地の隠し穴で入手できるようになった他、ルリ・テツとのポケモン交換でも一部ポケモンの隠れ特性個体が入手可能に。
それでもゲーム内で常時入手できる種類は一部に限られてくるし、対戦でも強力とされるポケモンは隠し穴だと軒並み低確率。それでいて隠れ特性の遺伝が可能なメスが出てくる保証もない
なお、BWとBW2ではPDW経由で入手できるポケモンの種類が一部異なっており、BW限定とBW2限定の隠れ特性ポケモンが混在する面倒な要素も。

それ以外の要素では「かわらずのいし」の性格遺伝効果が従来の50%から100%へ引き上げられ、性格遺伝の煩わしさが完全に解消。
その他にも通常特性の遺伝も同種の組み合わせに限りメス側の特性が80%の確率で遺伝するようになった。
長らく放置され続けていた通常特性の問題も遺伝という形でしれっと改善する姿勢をここに来て見せてくれた。

前作ではソフト単品のソロプレイでは入手できなかった努力値下げのきのみはジョインアベニューにてかなりの安値で買えるようになった。
各種1日1回5個セットでしか買えないが、取り返しがほぼつかなかったBW時代に対してやり直しは効くようになった。

この世代までの厳選はかわらずのいしやパワー系アイテムをもってしてもやはり過酷。
個体値は3Vでの妥協が当たり前、4Vだとかなり幸運の部類であり、5V以上や理想めざパ高個体の伝説なんかはそれこそ乱数調整を使わない限りほぼ不可能。

このような背景もあり、なおかつ初のインターネットによるレート対戦が実装された結果、手順さえ理解すれば簡単に行える乱数調整産のポケモンが流行した
挙句の果てには、改造産のポケモンが対戦で暴れ回るという最も混沌としていた時期でもある。
また、擁護不能な改造はともかく、一応正規の範囲内で入手可能な乱数調整に関しても「乱数産のポケモンは使うな」「乱数調整は改造と変わらない行為」といったバッシングも少なくなく、対戦コミュニティではよく論争になっていた

しかし…

第6世代(XYORAS)


転機到来

空気アイテムだった「あかいいと」に驚愕の機能が追加され、育て屋に預けるポケモンに持たせると両親の個体値計12個のうち5個が引き継がれるようになり、孵化厳選で高個体値を出しやすくなった。
パワー系アイテムとあかいいとの組み合わせの場合、遺伝する5個の個体値のうち対応した1つが固定される。
あかいいとを使う場合、Vの箇所が完全一致していてはいけない4Vを2体用意できれば、5Vだけなら約1/24と現実的な確率で作り出せる。

加えて隠れ特性の遺伝もオス及び性別不明とメタモンの組み合わせでも遺伝するようになった。勿論メスとメタモンの組み合わせでも可。
ついでに通常特性の80%遺伝も同種でなくともオスが別種あるいはメタモンの組み合わせでも可能になっている。
これまでずっとオス限定だったタマゴ技の遺伝も本世代以降はメスのみが覚えていてもOKとなり、同時遺伝不可能だった技の組み合わせも可能に。
めざめるパワーは個体値によって威力が変動していた従来からどのポケモンが使っても威力60に固定され、影響するのはタイプのみに。
ジャッジは本作から個体値0の箇所も教えてくれるようになった。

また、一定条件下で高個体値確定の野生ポケモンが出現するようになり、伝説のポケモン*16は確定で3つ以上の個体値が最高値となった。ただし、一部弊害と言える面もあるが*17
更に通常特性を2つ持つポケモンの特性を切り替えるアイテム「とくせいカプセル」が初登場し、愛着はあるが対戦に不向きなほうの特性を持つというポケモンをもう片方の有用な特性に後から変更できるようになった。ただし第6世代当時は1個200BPの高級品。

ついでに、システムの変更で乱数調整も困難になった*18ため、高個体値を狙うだけならば乱数調整よりも普通に厳選した方が早く楽になった。

この世代でポケモンの遺伝システムは概ね完成となり、以降は厳選面の技術革新はアイテムの使用によるものが多くなり、それと同時に厳しい厳選をする必要性も薄れていくようになる。

対戦に直接影響しない要素だが、この世代から親のモンスターボールを受け継ぐボール遺伝が導入されている。だが、この世代のボール遺伝はメスのボールしか受け継がれないという歯がゆい仕様だった。


第7世代(SMUSUM)

レベル100のポケモンを対象に個体値を疑似的に最高値まで引き上げる「すごいとっくん」が登場。
あくまでも「疑似的に」最高値にするだけであり、元の個体値は保持される。
これにより、めざパとの兼ね合いで今まで最高の個体値を諦めざるを得なかったポケモンや、これまではコレクション同然だった理想個体でない色違いのポケモンにも光が差し込んだ。
また、ジャッジがボックスの機能として統合。条件を満たすことでパソコンがあるならいつでもどこでも個体値の大まかな確認ができるようになった。

第6世代にて記述した「とくせいカプセル」は第7世代だと1個100BPへと緩和されたが、まだ少々高級品であった。

ちなみにボール遺伝はオスのボールも受け継がれるようになり、オシャボ込の孵化厳選の煩わしさは解消。本世代をもってポケモンの遺伝システムは確立された。


第8世代(剣盾・BDSP)

元の性格そのままに補正値だけを変えるアイテム「ミント」、通常特性を隠れ特性に変更できる「とくせいパッチ」が初登場。
ただし、本世代ではとくせいパッチを使用しても隠れ特性→通常特性には変更できず、隠れ特性が微妙なポケモンの救済にはならなかった。
それでいて剣盾内での入手には1個につきカンムリ雪原で手に入るマックスこうせきを200個も要する。とくせいカプセルより交換条件とレートが酷い
BDSPでは200BPで1個入手できるが肝心のバトルタワーが中々に高難度であるため、こちらでも入手難易度は高めとなっている。

ちなみに「とくせいカプセル」は1個BP50へとコストダウンして手が届きやすくなり、剣盾DLCのウッウロボでは特定の組み合わせで確実に作れるため、通常特性の問題は第8世代をもって完全に解決となった。

預かり屋のシステムも変更され、同種であれば後天的にタマゴ技も覚えられるようになった。
DLCでは通常個体をキョダイマックス個体にできる「ダイスープ」も登場。
シンクロの効果もシンクロ率50%→100%となった。
また、めざめるパワーが実質廃止*19。めざパ向け個体値厳選の必要がなくなったのも大きい。

これにより、「愛着はあるが対人戦には連れて行きにくかった」という野生産のポケモンだったり、「色違いだから手に入れたけど結局コレクションにしかならなかった」というポケモン達でも後天的に鍛え上げることで対人戦にも連れて行けるようになった。
伝説のポケモンを取り敢えず捕まえて、必要になったとき改めてガチ対戦向け理想個体に育て上げることもできるようになった。
反面、ふしぎなおくりものの配布ポケモンが直受け取りに変更され厳選ができなくなったという点もあるが、これも踏まえて「厳選よりも後天的なカスタマイズ」を重視する方向性にシフトしたと言えよう。

また、第6世代以降は条件付きで高個体値の野生個体を入手できるようになっており、高個体値の野生個体の入手難易度は大きく下がっている。
  • タマゴ未発見グループのポケモンは確定3V、XYではベイビィポケモンも確定3V。
  • XYのフレンドサファリは出現ポケモンが確定2V、1つのサファリごとに3種類のポケモンしか出ない。更に一定確率で隠れ特性出現。
  • ORASの図鑑サーチで連鎖を行い、連続してポケモンを倒してor捕まえていくと、確定3Vのポケモンが出現する。それとは別に一定確率で隠れ特性も出現する。この二つは重なることもあるので、3V以上+隠れ特性の豪華なポケモンも出現する。
  • SM/USUMで乱入バトルによる連鎖を行うとそのバトルの中で20匹以上倒したときに確定3V、30匹以上倒したときに確定4Vのポケモンが出現する*20。更に一定確率で隠れ特性出現。
  • VC版から連れてきた個体は全て確定3V、隠れ特性固定。
  • 剣盾でマックスレイドバトル産の個体は☆の数が多いほど個体値Vの数も多くなりやすい。運が良ければ6Vが出る場合もある。
  • BDSPは化石から復元するポケモンが確定3V。また、ORASの図鑑サーチ同様の方法でポケトレで連鎖を行っていくと隠れ特性や確定3Vのポケモンが出現する。


第9世代(SV)

「すごいとっくん」が可能になるレベルが100から50に引き下げられ、エンディング前からも利用できるようになった。
また、タマゴ技の習得も「ものまねハーブ」を使えばタマゴグループ関係なしに後天的かつ即座に覚えることが可能になった。このアイテムの登場で従来では不可能だった遺伝ルートの設定やオスのみ・性別不明のポケモンにもタマゴ技を設定できるようにもなった。

更に従来までは少々手に入りづらかったパワー系アイテムやあかいいと、ミントやおうかん、とくせいカプセル等が店でいくらでも買えるようになった。いい時代になりましたね
流石に「とくせいパッチ」までは店売りしていないが、これについてはDLC後編で実装された道具プリンターの乱数調整で大量に手に入る。隠れ特性の入手難度も緩和傾向にあるのは嬉しいところ。
加えて本作からとくせいパッチの使用で隠れ特性→通常特性の変更も可能となった。売値も高いため金策にも有効

よって、厳選はほぼ必要無くなり、孵化厳選をするよりその場で捕まえたポケモンを育成する方が圧倒的に速い。
個体値厳選より困難だった色違い厳選も大幅に難易度が下がっており、孵化による色厳選は少し時間がかかるが野生厳選なら30分~1時間で見つかるレベルである。なので対戦では色違いでPTを固めるというプレイヤーも少なくない。
またオシャボ厳選に関しても藍の円盤でどうぐプリンターの登場により量産が容易な方になったため試行錯誤がかなり楽になった。そしてヤミラミにラッキーにハピナス等が素材集めの犠牲となる
特殊アタッカー用のA0厳選やトリパ用のS0厳選は未だに残っているが、一般ポケモンであれば逆Vメタモンで事足りる。ただしテラバーストの攻撃と特攻の高い方を参照にする仕様によりパオジアンなどはC0を厳選すべきである。
もはやどうしようもないのは性別くらいであろう。
一方でシンクロやメロメロボディなど、一部特性のフィールド効果は廃止されている。性格についてはミントの入手手段が緩和されたからだろうか。


Champions

ポケモン対戦に特化した『Pokémon Champions』では個体値が一律で31(V)に固定されている。
ただし、『Pokémon HOME』から連れてきたポケモンの場合は、内部的には元の個体値も保持されたままとなる*21
そのため、前述したA0やS0が不可能になり、結果的にステータスに関する厳選は完全に不要になった。
これにより、残った厳選要素は色違いやサイズのみになったと言える。


余談

新たな厳選要素

第8世代以降、新たにポケモンに証やサイズという概念が生まれた結果、最大or最小色証厳選という新たな廃人要素が生まれた。
最大or最小、色違い、証付きをそれぞれで狙うのはそこまで時間がかからないが、全部を狙うとなると食事パワーの存在を加味しても第5世代までの色違いの確率とそこまで変わらない。
さらにレア個体があるポケモン*22を狙うとなると数万分の一という地獄のような確率が待っている。
これらのポケモンの交換レートに関しても一部の色違い伝説ポケモンよりも高くなっていることも*23
ただ、これらのステータスはバトルに一切影響しないため、あくまで自己満足の領域である。ガチの対戦をしないユーザーにも一定の厳選要素が生まれたと言うべきか。


厳選環境改善の理由

これほど厳選環境の改善に時間がかかった理由については、無論技術的な理由も大きいが実はわざと不便な部分を作ってできる限りゲームを長くやってもらうという背景事情があったようだ。この様なやり方はポケモンやそれと似たシステムの作品に限らず、他のゲームにも多く存在した。
ただ、2013年以降はライフスタイルの変化によって一つのゲームを遊び続けるプレイヤーが減ったり、乱数調整や改造が流行する不健全な環境が長く続いていたため*24、労力が必要な要素を極力無くす傾向にシフトしたのだと思われる。
加えて日本では近年に不正競争防止法が改正されたこともあり、ゲームの改造データを配布することはポケモンに限らず犯罪行為であると認知されている。実際、法律改正以降に改造ポケモンをめぐり逮捕者が出たほどである。

…しかし海外では未だに育成に時間がかかると言う認識を持つ人達が多く、乱数ポケモンはまだしも未だに改造ポケモンまでもがポピュラーな存在となっており、むしろ悪化。
近年は動画サイトの生放送で改造個体をbot経由にて24時間フルで流したり、色違い個体をタマゴやレイドバトル経由で配布することによって、親名を配布先の人物にするという変則的な方法も取られている。
あからさまな改造個体であればまだ見分けが付きやすいものの、親名が配布先の人物になる方法は改造かどうかの見分けが付きにくい。
一応親の名前が特定のプレイヤー名のポケモン・未解禁の色伝説・本来入れる事が出来ないボールに入ったポケモン等は交換不可にするなどの対処はされているが、ここまで来るとタマゴ産やレイド産にも的確かつ強固なブロックルーチンをかけない限り、もはや運営も対処困難なレベルにまで深刻化している。


最後に

誤解の無いように記載しておくが厳選は悪い事ではない。
ポケモンとは結局「皆で楽しむためのゲーム」なのだ。「皆」には年齢、性別、人種などは関係ない。その人によって楽しみ方は様々である。

確かにこの「厳選」を嫌う人もいる。

厳選が嫌われるのはアニメの影響も大いにある。そんな人達に厳選は確かにいい印象はしないだろう。それに廃人キャラで有名なシンジも生まれたばかりのポケモンを捨てる程までは徹底していない。まずタマゴに興味を示すのかもわからないが…
ポケモンは対戦だけが全てでは無いのだ。殿堂入りしたらそれで満足して、そのまますぐにソフトを譲渡や売却をする人も多かろう。これが嫌で番外編ばかりやる人も多かろう。
そしてあくまで嫌われてるのは厳選をする人間の中の、節度が無かったり、上記の人達を見下す発言をする勘違いしたユーザーが主なのである。むしろ逆に厳選=絶対悪と考えたり単に好きなポケモンだけで楽して勝ちたいから文句言ってる層もいるが…

近年になってポケモンの厳選・育成環境が整い、特定のケースを除きもはや厳選をする必要がなくなったというのはある意味大きな進化と言えるのかもしれない。
凄まじい時間を掛けて純野生産理想個体や孵化産の純粋な理想個体の厳選を行っていたガチ廃人レベルのプレイヤーはなぜかヌルゲー化したと嘆く声もあるが*25、この様な理由になった背景には改造ポケモンの存在や公式的にもできる限り対戦要素の敷居を下げたかったものと思われる。

元々ポケモンシリーズは初代の時点で「1匹1匹のポケモンに愛着が持てるようにする」というコンセプトがあり、それは発展しながら現在に至るまで受け継がれている。
厳選難易度の低下により、今や好きなポケモンをいつまでも大事にしてどこへでも連れて行けるようになったのだ。
どんな育て方であれ、ポケモンを愛する気持ちだけは忘れないようにしよう。






追記・修正は初めてポケモンを手にした時の事を思い浮かべながらお願いします。

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最終更新:2026年08月19日 01:42

*1 Vは個体値が最大の31を現す用語。

*2 相手ポケモンの攻撃の数値を参照してダメージを与える技。

*3 これも多くのプレイヤーが日夜研究を行っているものである。

*4 捕獲前に他のデータと通信交換して図鑑に乗せておく。

*5 0〜255まであるうちの3。要は1/85で1%台に相当するが、これに残りHP、状態異常、ボールの種類による補正の入った計算式があるので実際の数値は変動する。

*6 ダイスケ、シンジ、スワマ、ビッグシティの市長、ゲンガーを家に置き去りにしたトレーナ(後者2人は氏名が不明)など。ただシンジの場合は確かに苛烈だが他に比べれば確かな愛情はありまだ救いようがある。

*7 とはいえ、大概はギャグ要素の強いもの、あくまでストーリーのネタに過ぎないものであることには留意。それを咎めるようなメッセージを含めたヘイト創作的なものも皆無ではないが、非ガチ勢にもほとんど歓迎されない。

*8 ただし、この2作品に関してはシナリオ上で伝説のポケモンと必ず戦闘しなければならないシチュエーションがない。

*9 捕捉率そのものはやや捕まえにくいレベルまで上がっている種族も多いが、グラードンとカイオーガの場合は捕捉率5と殆ど変化無し。ただしディアルガ・パルキアは30、レシラム・ゼクロム・ゼルネアス・イベルタルは45と上昇傾向にはあった。

*10 ポケモンの初期がんばレベルは各能力0~3とランダムだが、個体値がV(31)相当である能力は初期がんばレベルが3となっている。

*11 ラッキーはハナダのどうくつにも出現するが、そちらで出現する個体は高レベルすぎて、当時の公式大会のルールでは実質採用不可。そのため使いたければ低レベルで出現するサファリゾーンで狙うしかない。

*12 第1世代のみゲーム内交換で手に入るポケモンの個体値は全てランダムなので、固定シンボルに似た要領で厳選することが可能だった。

*13 どちらかというと育成面の話だが、第4世代までは厳選行為に無関係というわけでもないので記す。

*14 第3世代当時は一時的にレベル50になるフラットルールは存在しない。『エメラルド』と『ポケモンXD』だけはレベル60以上の場合、最も高いレベルに統一されるオープンレベルというルールが存在していた。

*15 BWでの努力値下げのきのみはぐるぐる交換を5人で行ったときのみ入手可能と量産にはまず向かなかった。

*16 「XY」に限り、伝説のポケモンだけでなくタマゴ未発見グループに該当するポケモン全て(ルリリ・リオル・リーシャン等)も野生出現した際に個体値3つが最高値となる。

*17 一部のポケモンは最低個体値である0(いわゆる逆V)が有用なことが多く(ジャイロボールの威力上昇、イカサマ対策など)、複数V確定のせいで逆に現在は逆V厳選(特に複数狙う場合)の難易度が高くなっている。また3V確定なのでめざめるパワーで特定のタイプを狙えなくなるという弊害も出てしまっている。

*18 厳密に言えば不可能ではないが非常に手間のかかる物となった。

*19 めざめるパワーを習得する手段及びポケモンがいなくなり、過去作で覚えさせたポケモンを連れてきても搭載している限り対戦には使用できない。めざめるパワーに限らず多くの技が該当しており、慣れたプレイヤーからすると不便ではあるが対戦の敷居は劇的に下がったと言える。

*20 5V以上はブロックルーチンによって出現しないため、この方法で手に入る個体値は最高で4V2Uとなる。

*21 『Pokémon HOME』に戻すと元の個体値に戻る。

*22 しんさくヤバチャ、みつふしノココッチなど。

*23 色違い伝説自体、ポケモンGOで入手が比較的容易のため、価値が低くなっているのも原因だが。

*24 乱数調整がデータの改竄を行う訳ではないため、厳密な意味での不正行為かどうかは度々議論になる。乱数調整が不正行為として処罰された事例は無い。

*25 一応めざめるパワーに関しては、威力低下によって仮想敵への勝ち筋がなくなってしまったポケモンが多数いたという事態があった。もっとも最初期の不満であり、ロズレイドのように恩恵を受けたポケモンもいる。