CIWS

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CIWS - (2020/09/21 (月) 13:59:09) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2013/09/12 Thu 01:07:36
更新日:2023/09/01 Fri 18:58:57
所要時間:約 3 分で読めます





「身の回りに忍び寄る戦闘機・・・すばしっこい対艦ミサイル・・・」
「もう大丈夫!身の回りの脅威からあなたを守る新システム!」
「CIWSのご紹介です!」



CIWS(Close in Weapon System):近接防御火器システムとは、艦艇に迫ってくる敵戦闘機や対艦ミサイルを撃墜する艦艇の最後の砦である。
読みは「シウス」もしくは「シーウス」。

概要

艦艇に飛んでくるミサイルや航空機を迎撃するシステムのひとつである。

まずECMによってミサイルの軌道を逸らし、次にミサイルを対空ミサイルで迎撃し、艦載砲で迎撃し、これらが突破された時の最後の砦、それがCIWSである。
当然、CIWSが迎撃に失敗すると艦が撃沈されることも十分ありえる。同時にチャフとIR(赤外線)デコイも散布され、艦は回避行動に入る。

艦載レーダーの情報を元に迎撃を行うタイプと、独自のレーダーで迎撃するタイプ、その複合タイプが存在する。基本的にどのCIWSも無人であり、敵と判断されたものを全自動かつ無差別に攻撃する。
難しい表現を全て省くと「近づくモノを片っ端から粉々にするシステム」である。

種類

CIWSはいくつもの種類が存在し、重量や発射物、口径も異なる。

○機関砲式
機関砲の弾幕で対象を破壊するタイプ。アメリカのMk15「ファランクス」が有名である。
迎撃範囲は数百m~数kmだが、基本的にこのタイプのCIWSの出番になると、最早艦は無傷ではいられないことを意味する。ミサイルを撃破しても破片がそのまま突っ込んでくる距離だからだ。このため近年は短距離ミサイルを使い、より遠方で撃破する向きが主流。
一方でミサイルではゲリラ戦等への対応に不都合なことが多々あるので、重機関銃としての側面が再評価され、水上目標への対応能力を備えた改良型も配備されつつある。

  • Mk15.ファランクス:アメリカ製、口径20mm。アニメでよく出るイージス艦等のCIWSは大体これ。米軍では後述のRAMに取って代わられつつある。CIWSの中でも特に軽量な部類で、電源さえ引っ張ればそれこそ艦上のどこにでも設置できるとまで言われるお手軽さが魅力。

  • ゴールキーパー:オランダ製、口径30mm。ファランクスより口径が10mm大きい。韓国軍がゴールキーパーでオウンゴール決めたのは記憶に新しい。当然口径の分だけ大柄で大重量で高価。ファランクスに比べればはるかに置き場所を選ぶ。

  • AK-630:ロシア製、口径30mm。ぱっと見ただの機関砲にしか見えない。かなり小さくコンパクト。その秘密はレーダーと機銃の分離配置。多くのCIWSがレーダーと機銃を一体化したユニットになっているが、このCIWSは敢えて分離しているのである。


○ミサイル式
機関砲ではなく、短射程の対空ミサイルによるCIWS。
迎撃範囲は数百m~十数km。
近年多く出回り始めたのは、至近距離の目標に精密誘導できる小型ミサイルがようやく実用化されたため。
シースパローに代表される対空ミサイルは、どうしてもある一定以上距離が離れてないと有効に使えない。
このテの話題に詳しい人なら、より小型の対空ミサイル*1もあることを知っているだろうが、これらは敵ミサイルのような小型・高速の目標に命中させられるほどの精度は持っていなかった。

利点は命中すれば確実に迎撃でき、機関砲タイプに必要だった射撃指揮レーダーがいらないこと。
欠点は連続発射時に手前のミサイルの噴煙と熱がフレアのように後続ミサイルの軌道を狂わせる可能性があることと、対空迎撃以外の用途への転用が利かないこと。

  • RIM-116.RAM:アメリカ、ドイツ共同開発。Rolling Airframe Missile、通称RAM(ラム)。ファランクスと置き換えが容易。ぱっと見ただのミサイルランチャーにしか見えない。これも搭載する艦を選ばないのが強み。

  • コールチク:ロシア製。CADS-N-1とも。機関砲と短射程ミサイルを組み合わせたハイブリッド型。ロシアらしく無骨でそして重い。



登場作品

近代艦船が登場する作品には大抵出てくるが、そもそも地味な装備なので目立って活躍することは少ない。
以下には特にその存在が印象的な作品を挙げる。

○映画
序盤の戦闘において、アーレイ・バーク級「ジョン・ポール・ジョーンズ」と「サンプソン」、こんごう級「みょうこう」のものがエイリアン艦から投射された弾を迎撃している。
かなり粘ったが、次々に飛来する弾に対応しきれず着弾を許してしまった。
後半の主役であるアイオワ級「ミズーリ」にも搭載されているが、ほとんど目立たない(しかも実際のミズーリのものは動作できない状態にされている)。


○アニメ
もともとガンダムシリーズおなじみの頭部バルカン砲だが、本シリーズでは同類の武器の名称として「CIWS」が設定されている。


○ゲーム
機動兵器「アーマードコア」のオプション装備として登場。
SHOULDER UNITのひとつで、機体に向けて飛来するミサイルを迎撃する。
同シリーズには初期から「ミサイル迎撃装置」が登場しており、レーザー式や上記のRAMのような迎撃ミサイルが存在している。シリーズを共通した特徴として、ヘリ等の航空機やガードメカには作動しない代わりに、ミサイルなら高速ミサイルだろうが大型ミサイルだろうが反応する。実際に撃墜できるかは別だが。がんばって発射した大型ミサイルがあっさり撃墜される様は哀しいものである




追記・修正お願いし・・・ブウウウウウウウウウウウウウウウ!

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