ミサイル

登録日:2009/06/04 Thu 00:54:06
更新日:2025/05/23 Fri 18:08:50
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ミサイル(missile)とは:
(1) 英語圏における、弓矢等の飛び道具の飛翔体の総称。
(2) ロケット兵器の内、追尾・誘導能力を有する物の総称(例外有)。
(3) 板野サーカスの表現に用いられるエフェクト。
(4) カプコンのゲームに登場するの名前。
(5) 『魂斗羅』における乗り物。

本項では主に(2)について解説し、(3)以降については適宜解説する。
(1)については飛び道具を参照。


◆兵器としてのミサイル

(2)で述べたロケット兵器とは、筒状の胴体に搭載された固体・液体燃料の燃焼によって推進する兵器の事。
その内、追尾・誘導能力を有する物をミサイルと呼ぶ。
…まぁLーZuniやDAGRやPoniardなど誘導機能はあるけどミサイルと呼ばれない例もあるので絶対というわけでもないのだが。

ロケットの起源は中国の火箭に見られるが、現在の一般的なミサイル兵器は第二次世界大戦終盤にナチスドイツによって生み出された「V2ロケット」で実用化された。
使用用途や状況、誘導方式によって様々な種類に分かれており、現代戦には欠かせない兵器。
つくりかたはこちらをみてね

なお、原理的には宇宙や月面へ向かうロケットもミサイルと同じ仕組みで、『人や衛星乗せたらロケット、爆弾乗せたらミサイル』なのである。
近年では2012年に北朝鮮が打ち上げた光明星3号2号機の件も、北朝鮮側は「人工衛星です」と言ったが、日本側などは「いや、それ弾道ミサイルやん」と突っ込まれたのも「ロケットの開発技術もミサイルに軍事転用できる」からである。

事実、ナチスが実用化した「V2ロケット」の開発にも関わったヴェルナー・フォン・ブラウン氏(1912−1977)は少年の頃から「月面へ行けるためのロケットを開発」を夢見て宇宙開発用のロケットを研究していた人物だったが、莫大な研究・開発資金を得るために当時のドイツ軍に協力。ドイツ軍が研究していた弾道ミサイル開発の技術者として兵器開発を行った。
さらに、弾道ミサイルの製造が追いつかなくなると、強制収容所に捕まった捕虜達にミサイルを作らせた。劣悪な環境下で病気による死者が相次ぎ、労働者が足りなくなれば他の作業所から無理矢理連れて来させた。この強制労働による犠牲者は2万人にも及ぶ。

その後フォン・ブラウン氏はナチスの劣勢が伝えられるとアメリカへ亡命。亡命後はアメリカのICBM兵器の開発と共に、アポロ計画へと関わるようになるのだが、そのナチスに関わり親衛隊までにも入った経歴が明らかになると彼は様々な非難を受けたが、「ナチズムには前から反対だった」「宇宙に行く為なら悪魔に魂を売り渡してもよいと思った」と反論。
こうした事からフォン・ブラウン氏の自伝を描いた作家曰く「彼は宇宙依存症である」と言われた。

一方、ヴェルナー・フォン・ブラウン氏と共に研究していたグループの科学者や技術者も共に亡命していたが、一部がソ連軍に拘束されてしまい、ソ連のミサイル開発に関わらせられるようになってしまう。やがてその技術は他の東側諸国に伝わっていった。
冷戦による核ミサイルの対立や、今の北朝鮮がアメリカに対してミサイル実験を繰り返す状況を生み出したのは「月に行きたい」と夢を持ちつつもそのためには殺人兵器を生み出し、祖国を裏切り、さらには人道に反する事さえまでも行ったヴェルナー・フォン・ブラウン氏のせいでもあったと言えよう。
南波兄弟如月弦太朗、「宇宙なんちゃら こてつくん」のこてつくんとかがこの話を聞いたらどう思うか……。

【攻撃目標による分類】


1.対地ミサイル
地上目標を攻撃する為のミサイル。
人の主要な活動圏と重なる関係上、アメリカのトマホーク等、最も種類が多く、最大射程が1km程度の個人携帯式ミサイルから地球全体を攻撃可能なICBM(大陸間弾道ミサイル)までがこれに含まれる。
発射プラットフォームによって呼称が変わり、例えば攻撃機や攻撃ヘリといった航空機が使用するものであれば空対地ミサイル[AGM(Air to Ground Missile)]と呼称される。

  • 対戦車ミサイル
戦車を撃破するためのミサイル…ではなく、戦車を撃破可能なミサイル。
つまるところ地上の移動目標全般を攻撃出来る為、非常に使い勝手がいい。
舟艇やヘリを狙えるものもある。
発射プラットフォームは個人携帯式からヘリ、戦闘機まで様々。
基本的に装甲車両は天井の装甲が薄くなる為*1、そこを狙えるよう飛翔コースを取れるモードがついている。
そのため航空機から撃つのが最も手っ取り早いのは言うまでもない。

ヘリ「上から攻撃されるのが弱いんでしょ?なら、これはどう?」
戦車「いひゃああぁぁ!上はらめえぇ!装甲破っちゃイヤ、イヤアアァ!」


2.対空ミサイル
飛翔体を狙うためのミサイル。何より速さと射程が重視される。
航空機は装甲を積まないか限定的にしか装備しない為、破壊力は一点突破よりも危害範囲をより大きくする傾向がある。
ただし射程が長くしようとすると、太く長く*2、そして重くなりコストも嵩んでしまう。

概ね有効射程が数kmが十数kmのものが短距離、数十kmで中距離、100kmを超えると長距離に分類されるが、ここで一つ注意がある。
まず基本的に一般人が取得出来るミサイルの射程という情報自体が宛にならないという事である。
ミサイルの射程は軍事機密なので、まず正確な値を見抜くのは困難。
次に、こと対空ミサイルにおいては条件次第で射程が大きくバラつくという事である。
これ自体は移動目標を攻撃するもの全般に適用される法則だが、飛行機は時速数百kmからがオーダー(ヘリなら0km/h)となる為、時間あたりの移動量の差が他の比ではない。しかも3次元的な機動をする為、位置エネルギーも考慮する必要がある。
目標の移動速度、方向、位置関係等々射程に大きな影響を与える要素が多すぎる為、「大体これくらいなんだろうな」くらいの緩いニュアンスで情報に接した方が無難であろう。

航空機に搭載されるものは空対空ミサイル[AAM(Air to Air Missile)]と呼称される。
自衛用に攻撃機や攻撃ヘリが積むこともあるが、速度や機動性といった面から最も有効に使えるのはやはり戦闘機である。

「うちの国で作ったミサイルは如何かしら?」
ミグ「カナードが!カナードが中引っ掻いてるうぅ!」
鷲「そんなに気持ちいいなら…それっ!もう一本♪」
ミグ「ひぐぅ!?もぅ、もうだめえぇ!墜ちる!墜ちちゃうのぉ!」

猫「ニャハハ、お腹がボコってしちゃってるニャ」
スホ「かはっ…はぁはぁ…ぐぅ…もう…やめて、これ以上入…らない…」
猫「喋る余裕があるならまだ行けるニャ、そーれ♪」
スホ「ひぎぃあああァァ!!」

地上や海上から打ち上げられるものは地対空ミサイル[SAM(Surface to Air Missile)]と呼称する。
地上施設、部隊及び艦船から航空戦力を攻撃するために使用される。

蜂「そんなに突き上げられたら、墜ちちゃううぅ!」
艦船「まだまだいっぱいあるからね♪」
蜂「う…うそ…?イヤアアァ!あぎッ……!ぁ…」

  • 弾道弾迎撃ミサイル
その名の通り、弾道弾を迎撃する為のミサイル。弾道ミサイル防衛(BMD)の中核を担う。
現在、主に大気圏外を飛行中(中間段階)を迎撃するものと、大気圏に再突入したところ(終末段階)を迎撃するものが実用化されている。
弾体を完全かつ確実に破壊する為、目標へ直撃して破壊する「キネティック弾頭」が使用される。
大気圏上層から宇宙空間にかけては空気が薄くなり操舵翼を使用した機動が困難となる為、中間段階用と終末段階用とでは飛翔体としての特性が大きく異なる。
自衛隊では中間段階を迎撃するイージス艦搭載の「SM-3」と終末段階を迎撃する地上発射式の「PAC-3」を装備している。


3.対艦ミサイル
敵海上戦力を攻撃するために使われるミサイル。
日本にとって無くてはならないもの。
高性能な防空システムから発射母機を保護する関係で射程が長く、また艦艇を破壊せしめる高い威力を持つ為、必然的に太く長く重くなる。
飛行速度が音速以上のものと以下のものに大別される。
前者はその圧倒的速度により敵の迎撃時間と手段を減らせる一方で、弾体が重く大きくなり一度の発射数が制限されるというデメリットがある。
後者の特性は概ねその逆となる他、低空を飛行して探知を遅らせられるというメリットもある。

航空機搭載型は空対艦ミサイル[ASM(Air to Ship Missile)]と呼称される。
日本ではF-2戦闘機で運用されるASM-2が有名か。

艦船「太…いいぃ、これ以上はもう…沈んじゃう…」
F2「人の海に勝手に入るからよ?それにぃ、味方の船から魚雷もきたわよ?」
艦船「もう無理!もう無理イ゛ィ゛ィ!!イ゛エ゛ア゛ア゛ア゛ァ!!」
F2「あら、もう終わり?残念♪ふふふ」
艦船「ひぅ…ひぐ…あが…ぁ…」


4.対レーダーミサイル [ARM(Anti-Radiation Missile)]
レーダーサイトや無線通信施設などから出る電波を拾い、その発信源を破壊するために使われるミサイル。
みんな大好きA-10攻撃機やナゴルノ・カラバフ紛争で有名になったバイラクタルTB2無人攻撃機も前述の地対空ミサイルの前には無力であり、彼らが活躍できる環境を整えるためにはあらかじめレーダーサイトを破壊したり、「ミサイルが飛んでくるかもしれないからレーダー起動するのやめよっか」と思わせて抑制させる必要がある。
そういった敵防空網を制圧する(SEAD)任務に使われるミサイルの1つが対レーダーミサイルである。
敵の使用する電波の特性を事前に知っておかないと使用できないので、運用には高い情報収集能力が要求される。

隼「出ておじゃれ!隠れていても獣は臭いで分かりまするぞ!」

ちなみに対空・対艦ミサイルにもパッシブレーダーモードを搭載するものがある。


【飛翔特性による分類】


1.弾道ミサイル [BM(Ballistic Missile)]
弾道飛行するミサイル。要は大砲の弾。火薬で飛ばすかロケットエンジンで飛ばすかの違いである。
射程により短距離(SRBM)、準中距離(MRBM)、中距離(IRBM)、そして大陸間(ICBM)に分類される。
発射母体は固定ミサイルサイロより発射するもの、車両より発射するもの、潜水艦より発射するもの(ASBM)、航空機より発射するもの(ALBM)に分けられる。
一度大気圏外まで上昇し再突入して着弾するのが基本。SRBMでも高度100km超、ICBMだと1000kmに達するものもある。
また速度においても終末段階で超音速〜極超音速がザラである。
これらの要素により迎撃は非常に困難。…なのだが、飛翔コースは単純な弾道飛行なので現在は迎撃手段が確立されている。機動式弾道ミサイルという終末段階でちょっとだけ機動出来るややこしいのもあるけど
兵器としての欠点は高価で運用に高い知識が必要となり大型で場所を取ること、そして命中精度に難があることである。

さて、弾道ミサイルの弾頭に何を搭載するかといえば、まず核兵器だろう。
中でも核搭載のICBMは人類史上「最大・最強・最長射程」のミサイルであり事実上最強の兵器。
一度発射すれば高確率で核戦争の幕開けとなり、人類の歴史とともに戦争を終わらせられる。
そんな超危険物なので、作られてから何度も戦争が起こっているが一度も使用されたことが無い。

核「よかろう"あばずれ"め 神罰だ」
核「エ゛ェィィメ゛ェェェェン」

もっとも、通常弾頭を載せたSRBMはバカスカ使われているのだが。

2. 巡航ミサイル [CM(Cruise Missile)]
主にジェットエンジンを積み、長距離を飛行出来るミサイル。
狭義としては対地ミサイルを指すが、広義としては対艦ミサイルも含む。
ロケットエンジン搭載型のミサイルと異なり、発射から着弾まで推進力を維持するので多彩な機動を出来るのがメリット。
音速以下で飛翔するものは低空飛行も可能となり、被探知性を低下させることが出来る。


【その他の分類】


1.極超音速ミサイル
音速の5倍以上の速度(極超音速)で飛ぶミサイル…というのは些か説明不足である。なにせ普通の弾道ミサイルも極超音速に達するのだから。
より具体的には極超音速で起動できるミサイルと言った方がより適切か。なお、機動式弾道ミサイルは含まれない。
現在のところ、「極超音速滑空体(HGV)」と「極超音速巡航ミサイル(HCM)」の二種がこの分類に当てはまる。
下記の通り、両者は全く別の特性を持つミサイルである。

HGVは極超音速で飛ばすグライダーである。
弾道ミサイルと同じようにブースターで飛ばした後、大気上層で揚力を利用することで不規則な機動を取ることができる*3
この揚力を使用するという関係で飛行高度は通常の弾道ミサイルよりも低くなる。
これらの特性により既存の中間段階用弾道ミサイル迎撃システムは迎撃困難とされる。終末段階の迎撃は微妙なところ。

HCMはスクラムジェットエンジンを搭載した巡航ミサイルである。
HGVと違いこちらは独立した推進装置を持ち、完全に大気圏内を飛行する。
ただしスクラムジェットエンジンは単体で起動出来ないので、HGVや弾道ミサイルと同じく別途ブースターが必要になる。
対地攻撃用途のほか、同様の推進方式でHGVやHCM自体を迎撃する研究も行われている。

実は元々アメリカのバラク・オバマ大統領が在任していた際に核のない世界の実現するためとして、ICBMに変わる強力な兵器かつ、核を使わない非核兵器として構想されたものだが、なんと開発競争では中国やロシアにリードを許す事になってしまった。
アメリカ「なん……だと……?」

特にロシアは2022年のウクライナ侵攻の際に極超音速ミサイルを実戦投入したと言われており*4、さらに「極超音速ミサイルに核乗っけてしまおう!」と言い出す始末。
「核無き世界」の実現のため生み出された物が更なる「核の危機」を招いてしまうのは皮肉な話である。

2.徘徊型弾薬
攻撃対象をロックオンしない状態で発射され、指定された地域を滞空・索敵し、目標を発見すると攻撃を仕掛ける兵器。カミカゼドローンとも呼ばれる。
長時間滞空する関係上、2023年時点ではロータリーエンジンやモーター駆動のプロペラ推進が主流。
形態は様々であり、特殊作戦向け対人攻撃型の「スイッチブレード300」や対レーダーミサイル型の「ハーピー」等、多種多様。
中には捜索情報をデータリンク出来るものもある。
基本的に使い捨てであり、使用後の再利用は考慮されない。


ミサイル万能論

他の兵器を全てミサイルに置き換えてしまおうという考え方。
ミサイルの発展に伴い、様々な万能論が提唱されてきた。
  • 空戦ミサイル万能論(機銃なぞ不要)
  • 地対空ミサイル万能論(戦闘機なぞ不要)
  • 地対地ミサイル万能論(爆撃機なぞ不要)
  • 対戦車ミサイル万能論(戦車なぞ不要)
  • 戦闘艦搭載ミサイル万能論(艦砲なぞ不要)

現在はいずれも「やはり他の兵器も必要だよね」という結論に達している。


ミサイルの欠点

さて、ミサイルは確かに強力な兵器だ。
しかしここではあえて、ミサイルの欠点について触れてみよう。

先述の「ミサイル万能論」は何故毎度の様に頓挫するのか。
それはミサイルというものが持つ根本的な欠点に由来する。
ミサイルがミサイルである以上、おそらく避けて通ることは出来ない問題である。

ではここで、冒頭のミサイルの定義をもう一度。
(2) ロケット兵器の内、追尾・誘導能力を有する物の総称。

これを実現する為に必要なものを列挙してみよう。
  • 弾体を飛ばす推進機構。ロケット兵器であるからには、大抵ロケットエンジンであろう。
  • 着弾目標を設定する・又は標的を感知する機構。追尾・誘導の一環として。
  • 方向転換・制御用の機構。↑と併せ、「真っ直ぐ飛べばよいロケット」との最大の違いがこれ。
  • 弾頭となる破壊兵器。大抵は信管つきの爆弾が搭載される。

…なんか色々必要そうだし複雑そうだね?

上記機構がどれも欠かせない以上、コンピューターなどの部品数はどうしても増えるし、組み立てる手間や時間も相応に必要だろう。
でもってミサイルは1発毎にこれら全てを弾として飛ばし、ミサイル本体ごと派手にぶっ壊す
無論、弾体の再利用は望むべくも無い。

そう、ミサイルとは、根本的に消耗品である弾体そのものにコスト(金や手間や時間)がかかる武器なのである。

ミサイル万能論の頓挫の際も、大抵はコスト面の問題が挙げられている。
現行兵器を全て置き換える感覚でミサイルにした場合、おそらくとんでもないコスト増になってしまうだろう。
かといって安易に兵器数を減らすのも、1兵器あたりの弾数を減らすのもそれはそれで問題がある(「分散配置がしにくい」「気軽に牽制射撃が出来ない」等)。

更にもっと単純な問題として、「何らかの形で目標の場所がはっきりと分かっていなければ効果は薄い」という問題もある。
対空ミサイルならレーダーなり赤外線なりで敵機を捕捉する必要があるし、リモコンミサイルなら目視で目標を確認する必要がある。
弾道ミサイルであれば地図なり衛星写真なりで敵国の土地や本丸を…というように。
では、逆に「敵の位置が全くわからない、或いは大雑把にこの辺にいる程度しかわかってない」なら?
具体的にはテロリストやゲリラ組織、犯罪組織などといった「本拠地は隠すもの」が当たり前、或いははっきりとした中枢すら持たないのもよくある相手だったとしたら。
そうなれば「敵の位置がはっきりわかっているのが前提」であるミサイルを乱発したところで高価な弾を無駄にするだけ。
こういった場合は「安価で大量に用意できる通常爆弾などを、居そうな所にばら撒いてあぶり出す」方が効果的なのである。

ミサイルは確かに強力な兵器だ。だが、限られたリソース内で頭数を揃えるのは、ミサイルonlyだとなかなか厳しいのである。



◆フィクションにおけるミサイル


第二次世界大戦より後の兵器が登場する作品であれば、割と頻繁に見かけられる。
サイズも、暗器並みに小型のマイクロミサイルから、惑星破壊用の超巨大ミサイルまでよりどりみどり。
巨大ロボ用のサイズに限っていえば、こいつなら大体撃てる

ただし必殺技としてはビームにお株を奪われがち。「全弾発射」系の技でぶっ放すか核ミサイル級の切り札(超必殺技)として叩き込む位か。

ARMORED COREシリーズ

割と使える武器。
ロックオンするまで時間がかかるが、マルチロックや連続ロック等様々なものがある為、ミッション中で要所で使い分けることで円滑に進められる。
一方、狙われてもミサイル回避が出来れば初心者脱出。通常から高機動まで全て避けられるようになろう。
初期ミサとエクステの4発同時発射(総弾数12)の相性はいい。密着して発射→エクステが無くなったらパージ。
ちなみに肩装備の本体ミサとエクステの属性を違うものにする(高機動ミサ+通常)と格段に避けづらくなる。

ACE COMBATシリーズ

空のACたるこちらでは機銃をサイドアームに添えて堂々のメインウェポン
その種類は対地対空どっちにも使える隠れた超兵器通常ミサイル、みんな大好き対艦ミサイル、マルチロック対応のn連装ミサイルなどなどより取り見取り。そしてどれも数十発以上は撃てる。
特に通常ミサイルとしてサイドワインダーを百発ぶら下げた戦闘機なんてのはこのシリーズではもはや常識。

メダロット(ゲーム)

攻撃行動の一つ。
「うつ・ねらいうち」があり、パーツ破壊後別パーツに貫通する特性をもつ。
回避されても爆風で追加ダメージが与えられる(初代のみ)。

3から絶対命中するようになった。威力も安定しており使いやすい。メダフォース「光学化」と組み合わせれば非常に強力。

同系統の攻撃に「ナパーム」がある。こちらはミサイルより威力は低めだが、貫通した時に追加ダメージが発生する。


マクロスシリーズ

板野サーカスの必需品(敵味方供に)。
マクロスシリーズのエースパイロットと呼ばれるキチガ○エース達は喜び勇んで弾幕ミサイル群に突っ込みたがる。
おまいら、そんなに自分の超絶テクニックを見せびらかしたいのか?

当然、○チガイエースパイロット達は弾幕ミサイルを避けながら、自身もミサイルをぶっ放しまくる。
ホンマもんの向こう岸に逝っちゃったエース達は、ミサイルをmm単位で避けまくる(mm単位で主翼展開。アフターバーナー全開)。

ちなみにこの世界にも近接信管は存在するが、化物エース達の前では「相対速度が速過ぎて動作しない」ことがマクロスプラスで判明。
ちなみに、現実の近接信管は100万分の数秒で反応する。


カプコンゲーム

逆転裁判シリーズ、および『ゴーストトリック』に登場する犬の名前。
両作品ともプロデューサーは「タクシュー」こと巧舟氏。
また『ゴーストトリック』に登場するものは犬種がポメラニアンと異なるが、当時巧氏の飼犬がポメラニアンだったため。
以下では逆転裁判シリーズに登場したものについて解説する。

初代『逆転裁判』の4話「逆転、そしてサヨナラ」で初登場。人物扱いではなくモノ扱い。柴犬だが、一応警察犬である。
イトノコ刑事が可愛がっている。

実は攻略に不要な存在であり、一度も持ち物(証拠品ファイル)に加えなくとも進行可能。

逆転裁判4』の限定版についてきたDVDのレーベルに、今までの登場キャラクターが並んでいるのだが、当初ミサイルはそれの極めて端に載る予定であった。
しかし、それを見たミサイルファンであるプロデューサーの

「ミサイル、一番目立つところにして!」

との信じられない一言により、たいへん目立つ場所に載ることになった。という逸話がある。


後に、『逆転検事』にてまさかの再登場を果たし、こちらではかなりの大活躍を見せる。続編の『逆転検事2』にも登場。


魂斗羅

敵の武器としてももちろん登場するが、SFC版『魂斗羅スピリッツ』からはプレイヤーがぶらさがって移動手段として使用するのが通例と化した。
ステージ4で対魂斗羅戦艦ドドリゲスのコアめがけて次々発射されるミサイルを飛び移り、攻防を繰り広げるシーンは語り草である。

また、魂斗羅ザ・ハードコアではエイリアン細胞を搭載した巨大ミサイルを止めるために垂直発射された小型ミサイルの上に載って追撃するというファンキーな演出が引き継がれた。

他にもネオコントラではアニマルCONTRA追撃の為に魚雷に乗って立ち向かうなど、何かもう切っても切り離せないようだ。

ニンジャスレイヤー

初代主人公フジキド・ケンジが、上記した『魂斗羅』のオマージュと思しき「ミサイルをサーフィンの様に乗りこなす」技を披露している。それも、複数回に渡り
割とトンチキ描写の多い忍殺でも屈指の異常な姿から、読者のみならず作中でも集団幻覚とか伝説めいた扱いをされた罪深き乗り物である。

勿論、通常兵器としてのミサイルも登場。
モータードクロに搭載され、ラオモト・カンから「感傷的な名前」と称された「アンタイ・ニンジャ・ミサイル『馬』」辺りは特に有名だろうか。

ちなみに「カラテ・ミサイル」という用語も登場するが、これは本作における波動拳かめはめ波のような「気弾」の別名であり、兵器のミサイルとは無関係。
本項最上部における(1)の用法、飛び道具全般を指す言葉としての「ミサイル」である。

メトロイドシリーズ

サムス・アランの基本武器として初代から登場している。
(ただし、最初からある程度持っているか0かは作品によって異なる)
弾数は有限だが、ビームでは効かない、あるいは効果が薄い敵にダメージを与える手段である。
作品が進むにつれスーパーミサイルのような上位や派生型のミサイルも多く登場している。

グラディウスシリーズ

パワーアップカプセル2個で獲得できる装備。
斜め下方向に発射される空対地ミサイル。地面に到達すると地形に沿って進むが、登坂は出来ない場合が多い。
獲得時の音声が「ミッソー」と聞こえることからプレイヤーの間では「味噌」と呼ばれることも。
シリーズを重ねるごとにミサイル系列として斜め上下方向に発射する2wayミサイルなど派生装備も数多く登場している。

科学忍者隊ガッチャマン

バードミサイルをぶち込んでやる!(ウィーン)
待て!(ガシッ)

科学忍者隊の所有する大型戦闘機「ゴッドフェニックス」に「バードミサイル」が装備されている。
作中初期は組織の目的が攻撃よりも偵察に主眼が置かれていたため、発射に制約が多かったが、切り札らしく相応に活躍した。
しかし、話が進むにつれて敵の装甲のインフレで効き目が薄くなり、大型・高威力化した「超バードミサイル」が装備されている。

コンドルのジョーが状況ガン無視でやたらとぶち込みたがることで有名。
それを受けてか、タツカプUASでもコンドルのジョーの超必殺技として採用されている。
判定が広く高威力だが、着弾までがかなり長く、敵味方問わず被弾するロマン技。

宇宙戦艦ヤマトシリーズ

単体で強力な破壊力を持つ兵器として、様々な大型ミサイルが登場している。
ガミラス帝国だと超大型ミサイル(全長約1km)やドリルミサイル等々。
白色彗星帝国の本星である都市帝国は、上部都市と下部惑星の境目にリング状の回転式ミサイル発射器を配しており大型ミサイルを連射できる。『さらば』ではヤマトを満身創痍にし、『2』ではアンドロメダはじめ地球艦隊を文字通り壊滅に追い込んだ。
ガルマン・ガミラス帝国は惑星破壊ミサイルを専用艦に搭載し(さすがに1艦につき1発限り)、対するボラー連邦は、あろうことか「恒星間をワープする惑星破壊ミサイル」を開発。
ディンギル帝国ハイパー放射ミサイルは、なんと難攻不落であったヤマトの装甲を一発で貫通し、撃沈せしめている。

一方、宇宙艦の武装としては砲が主流(ビーム砲等含む)。
主役艦であるヤマトからして艦の元ネタが砲艦であるせいか、「煙突ミサイル」や迎撃用ミサイル*5は搭載されているものの、劇中では砲撃の方が目立つ印象がある。
作品によってはたまに登場するミサイル艦も、大抵は先述の強力なミサイルを単発搭載か、駆逐艦クラスの小ぶりなミサイル艦が艦隊の一部に混ざる程度。

だが、そんな中で白色彗星帝国のゴーランドの艦隊は、大型重装ミサイル艦が主軸(もしくはミサイル艦のみ)という異色の構成となっている。
目に付く武装は全てミサイルで大小様々に100基以上、艦橋にまでミサイルを装備するという徹底振り。内部にはミサイル製造工場も備えているという。
そしてひときわ巨大な2発の艦首ミサイルは、艦隊での一斉発射により惑星をも破壊せしめる。
まあ、ヤマトの波動胞で艦隊がミサイル諸共消し飛んだけど

ちなみに、ディンギル帝国のルガール・ド・ザール(小説版では「ルガールⅡ世」)は、ミサイルランチャーを多数ワープさせて敵艦隊にミサイルの雨を降り注がせるという戦法も披露している。

宇宙鉄人キョーダイン

スカイゼルはスカイロケット、グランゼルはグランロケットに変形可能。もう一人が乗り物形態に変形して運搬及び発射台役を担い(スカイジェット/グランカー)、これで敵のダダロイドにとどめを刺す。
「敵を貫通し、その際に後部の爆弾を切り離して爆破する」という戦法をとる事が多い。
またロケット形態でも「手」がついており、スカイロケットは突撃パンチ攻撃、グランロケットは敵を掴み振り回して投げ飛ばす攻撃を行う事もある。

◆ミサイルがモチーフのキャラクター




追記・修正はミサイルを発射しながら……いや、ミサイルが発射するような出来事が起きない世の中が来る事を祈りながらお願いします。

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最終更新:2025年05月23日 18:08

*1 全面を装甲化すると重すぎて身動きがとれなくなるので、目的に合わせて優先順位を付けて装甲を付与する。大抵の場合、車体の上と後ろは狙われ辛い為、装甲が薄くなる傾向となる。

*2 もっとも大きいものは、トムキャット用のフェニックス(アメリカ製)だったのだが、ロシアが「R37」たるモノを開発したとか。

*3 戦闘機ばりに軽快な機動が出来るわけではなく、水切り石のように大気の表面を跳ねるような軌道を取れるという意味。

*4 「Kh-47M2 キンジャール」。ただし専門家の間では只の空中発射弾道ミサイルであるとの見方が強い。

*5 作品によっては「宇宙魚雷」とされる事も