タマゴタケ

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タマゴタケ - (2020/03/18 (水) 15:14:54) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/05/23(水) 22:17:55
更新日:2022/10/12 Wed 19:16:35
所要時間:約 5 分で読めます




「テングタケ科って毒が多いんだよね?」
「だいたいは毒だな」

余には毒などないぞ!

「でも美味しいんだよね?」
「死ぬほどな」


余も死ぬほど美味しいぞ
さあ愛でるがよい!

「じゃあ毒がなくて死ぬほど美味しいテングタケ科のキノコってないのかな?」


「ここにいるぞ!!」

「ハハ、そんな都合の良いのなんかあるかよ」
「デスヨネー」


(´;ω;`)






和名:タマゴタケ
学名:Amanita caesareoides(アマニータ・カエサレオイデス)
分類:ハラタケ目テングタケ科テングタケ属テングタケ亜属タマゴタケ節


タマゴタケはテングタケ科のキノコ。夏から秋にかけてコナラやクヌギなどの広葉樹林、時には針葉樹林にも生える。

かつて後述のセイヨウタマゴタケ(学名:Amanita caesarea(アマニータ・カエサレア))と同種と考えられていたが、後に別種と確認され日本のタマゴタケはスリランカのAmanita hemibapha(アマニータ・ヘミバファ)のほうだったとされ、学名が変わった。しかしさらに後の遺伝子解析で「実はこれでもなかった」となり、今度はロシアで見つかっていたAmanita caesareoides(アマニータ・カエサレオイデス)であると確認され、再度学名が変更されている。

ベニテングタケドクツルタケのように、
死ぬほど美味しいが毒キノコというのが多いテングタケ科の中では珍しい毒を持たないキノコである。

本当に毒を持ってないものだからなんと生食可能
我々には馴染み深いシイタケですら熱を通さないと腹を下すので生食可能というのはかなり凄い事である。


そして物凄く美味しい


味わい深く食べやすい。スライスしてサラダにくわえても美味しいが、キノコといえばやはり火を通して頂きたい。
タマゴタケは煮ると濃厚なダシがとれるため他の具材と一緒に煮たり炒めたりといった調理と相性が良い。
味噌汁なんかに加えるのも良いし、バター焼きもご飯がすすむ。

タマゴタケそのものを楽しみたいなら衣をつけてカリっと美味しい天ぷらも良いだろう。

野生のものを採取したなら、軸が中空なので虫などが入っていないかよく確かめよう。せっかくのごちそうが台無しになっては大変だ。 

西洋では特に人気のあるキノコの一つで皇帝のキノコともいわれる。
ちなみに、西洋のタマゴタケと日本のタマゴタケは分類学上は別種と考えられており、そちらはセイヨウタマゴタケと呼ばれている。
タマゴタケもセイヨウタマゴタケもどちらも共通して美味い。

こちらは皇帝のキノコと呼ばれるようになったのには諸説あり、
とあるローマ皇帝が愛したからとかロシアの皇帝がタマゴタケを食べようとしたら違う毒キノコでクリティカルヒットしたからとか色々ある。
どちらにしろ古くから愛されてきたキノコだといえるだろう。
日本におけるマツタケポジションといったところか、高級食材ではないけど


勿論それだけ美味しいと評判のキノコなのだからキノコ大好き日本人にも大人気なんだよね!






って言いたいところなんだが…











「良く来た人間。さあ余を愛でるがよい」

「ヒャッハー!! 汚物は消毒だぁぁぁ!!!!」

「にゃぁぁぁぁぁぁぁ!!?」



発見しだい蹴りとばされる

間違いなく日本のタマゴタケも美味しいのだが日本のタマゴタケは大体初見で蹴られることがたまに良くある。美味しいのに勿体ない。

ではなんで蹴りとばされるのか?
理由は簡単。見た目に問題がある


当然食べられたくないからか、逆にこういう見た目だから普通に生き残ってきたのか、



やたらド派手な色合いで

全身を赤々しく染め上げ

傘に放射状の模様をいれ

柄を黄色く飾りつけ


…と色々な特徴がある結果























見てくれこのあり様を

こいつをどう思う?









凄く…毒っぽいです…





ベニテングタケのようなテンプレ毒キノコを地でいく見てくれになってしまっている(小さいと分かり辛いのでクリックで大サイズの閲覧を推奨)。
そりゃこんなキノコが食べられるとは思わないよなぁ……
知ってか知らずか上手く警告色を演出しているものだと言える。


知っている人に鑑定してもらうにしろ、素人は最初から回避しがちなため、プロやキノコ愛好家くらいしか採取しないのが現状。
実際、日本では近年まで毒キノコ扱いされていたようである。

スギヒラタケのように可食だと思われてたのが実は毒だったというケースよりはレアではないが、
世にも珍しい、毒キノコだと思ったら食べられるキノコでしたというパターン。他の生物で言えばサンゴヘビとミルクヘビのような関係にある。


という訳で是非疑いの目を向けず採取すると良い…といいたいが、まずは落ち着いて欲しい。

赤い見た目からベニテングタケと間違えやすく(そもそも仲間だから似てて当然であり、雨などの影響で稀にイボがついていない場合があるので当然だが柄も見る必要がある)、
また傘の色がオリーブ色のキタマゴタケと呼ばれるキノコの中にはタマゴタケモドキというかの破壊天使並みの毒をもったキノコがあったり、
名前の似た毒キノコも多いとトラップは多い。
先に述べた通りテングタケ科は猛毒キノコが多い為、仕方ない。


その他の理由(※図鑑などをアテにした判別も成長や環境の違いなどを考えると危険)からも結局のところ、素人の採取厳禁。
キノコの知識をこれ以上ないぐらいまでに得るか、鑑定してもらいましょう。
一応極端に似ている種は発見されていないため、判別しやすい種ではある。

安全に食べるなら養殖モノを…と言いたいところだが、現在のところ栽培法は確立されていない。
美味いキノコであるためか研究している人はいるらしく、最初に成し遂げた人は一儲けできるかもしれない。


まぁそのなんだ。頑張れタマゴタケ!俺は大好きだぞ!!


因みにタマゴタケといわれるのは幼菌の頃には傘が壺に隠れており文字通りタマゴのように見える為。




これが成長すると壺を破って幼菌が顔を出すのだが…


なんだか卑猥



どう見ても一物です、本当にありがとうございました。 



追記・修正はタマゴタケの見た目を愛でられる方にお願いします。

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