味噌汁

登録日:2009/10/11 Sun 19:28:32
更新日:2025/04/16 Wed 18:18:49
所要時間:約 4 分で読めます




たとえ、一椀の熱い味噌汁を口にしたとき「うまい!」と感じるだけで、生き甲斐を覚えることもある。
池波正太郎

●目次

概要

味噌汁……日本人なら生涯に一度は必ず口にする料理。
白米ご飯と並ぶ日本の食卓に欠かせない日本人のソウルフードともいうべきもの。
少なくとも戦国時代から食べられていた。
最近はインスタントも存在しているためお手軽だが、味噌汁くらいは自分にもパートナーにもつくって欲しいものである。

様々な具材に魚介類のだし汁に味噌で味付けとシンプルながらも深い味わいが楽しめる、食卓の一品にして逸品。
各家庭により味噌、出汁、具材が異なりオリジナリティが楽しめるが、極めるならなかなか難しい。

たかが味噌汁だがされど味噌汁ともいう。
赤出汁、豚汁も基本的には味噌汁だが、これこそが味噌汁といえる物は存在しない。
何故なら同じ味がなかなか存在しないから。

健康にいい味噌と一緒に様々な具材(=栄養素)を毎日摂れることから「味噌汁は朝の毒消し」「味噌汁一杯三里の力」「毎日の味噌汁は医者泣かせ」といった言葉もあるほど。
実際に味噌の成分は高血圧予防に繋がり、尚且つ程よく塩分もあるので塩分補給にも◯。
汁物なので水分も摂れるし、体を温めてくれるというおまけ付き。


○味噌

  • 米味噌
  • 麦味噌
  • 豆味噌
  • 合わせ味噌

○出汁

2種類以上のだしを組み合わせることも。
  • 鰹節
  • 昆布
  • 煮干し
  • 干しシイタケ
  • あごだし
  • だしの素
    • 顆粒だし
    • 液体だし
    • だしパック

○具材

具材の組み合わせ、具材の切り方にも作り手の個性が出る。特にワカメ・油揚げ・ネギは定番。

また地方によっては、微妙と思える具を入れることもある。

和食だが実は洋風など意外な具もイケる。

また、隠し味として仕上げにお酢を少量加えると風味がまろやかになり、お酢の減塩効果によって味噌の量を減らすことができ、非常にお手頃で経済的である。
お酢さん凄いぜ!
ただしお酢さんを入れ過ぎると味噌汁が酸っぱくなってしまうので注意が必要。

是非、味噌汁を毎朝自分で作っている人は試して欲しい。


具材というほどではないが、風味づけとして山椒を入れることがある。江戸時代には薬味として、粒胡椒を入れて食べることもあったという。

他にも味噌汁に白米を入れる、或いは米に直に掛けてお茶漬けの如く食べるねこまんまもある。
出汁を吸って柔らかくなったご飯を啜るのは絶品である。
ただしお行儀の悪い行為なので人前ではやらないこと。


ところで一人暮らしのアニヲタ諸兄の中には「味噌汁は欲しいが一人分作るのめんどくさい」方もおられるだろう。
だが一人前なら鍋いらずで簡単すぐに作れるのだ。
小さじ1~大さじ1の味噌に花ガツオをひとつかみ、乾燥ワカメ、フリーズドライの油揚げや野菜、胡麻といった具材をお椀に入れてお湯を注いで混ぜればできあがり。
もっと手軽に顆粒だしを使ってもいいし、料理をする人ならネギや豆腐などあまりを通さなくていい具材を切って入れればバリエーションも楽しめる。
耐熱容器に水と具材を入れて電子レンジでチンしたものに味噌を加えてもよい。この方法だとキノコやほうれん草といった火を通さなければならない具材も使える。
なお豆味噌は溶けにくいので米味噌や合わせ味噌推奨。
家族と暮らしている方でもこの作り方なら温め直しで味噌汁の味が落ちることがないので採用する価値は十分ある。それに一人前なら家族がイチャモンつけそうなちょっと変わった具も試してみることができるぞ。

さらに「味噌玉」を作り置きしておけば、時短や弁当にも使える。
味噌玉とは大さじ1の味噌と顆粒だしと乾燥ワカメなどの具材を丸めて一つ一つラップで包んだもの。丸めるのが面倒ならタッパーに数百g分つめて平らにならしておけばよい。
あとは冷蔵保存。味噌は凍らないので冷凍保存でも大丈夫。
そして必要な時に必要な分お椀に入れてお湯を注い(以下略)食べる時に新たに具を加えのもありだろう。
実は味噌玉は戦国時代の時点から存在していた。
戦場で食べる陣中食(携行食)として、干したり焼いたりした味噌と具材(ワカメ、雑穀など)を丸め、竹皮や布で包んで腰に巻き付けていた。
また「芋茎縄」といってずいきを縄状に編んで味噌汁で煮詰めて乾燥させたものもあった。こちらはそのまま腰に巻き付けるほか荷物を纏めるのにも使える「食べられる縄」だった。
これらはお湯を注いで即席味噌汁にするほか、そのままかじって食べていた。

レパートリー

冬には大きな鍋で作ることもある。
  • 豚汁
  • 寒鱈汁

余談

俗説だが、基本的に味噌汁が上手な人は料理そのものが上手といえる傾向がある。
何故なら味噌汁とは出汁と味噌(と具材)の『塩梅』が特に大事な料理だからだ。
もちろん他の料理にもこの塩梅の要素は大事なものだが、
とりわけ味噌汁は日本食の基本として1年365日(うるう年は考えないものとする)常に食卓に出される事を想定されている。
そのため、上手に味噌汁を作るためには究極的には時期・天候・飲み手の体調etc...をも考慮して日々塩梅を考えなければならず、
極論を言ってしまえば「二度同じ味噌汁が作られる事はあってはならない」という程の気配りまでもが必要になって来てしまうのだ。
なんと奥の深い料理だろうか、味噌汁。

や愛する人の料理が美味しい理由もこれに通ずる話である。
料理は愛情というが、味噌汁は特にダイレクトにその事実を体現しうる料理なのである。

なので、そんな味噌汁を作ってくれる人達がいるのなら、ちゃんとお礼を言うようにしましょう。伝えなくちゃ伝わらないぞ。

逆に創作物などで料理が苦手ということを表現するために「出汁を取らずに味噌汁を作ってしまう」というのも頻繁に見かける描写である。
これも味噌汁が日本料理の基本中の基本だからこそ成り立つ描写といえよう。

また味噌汁と言うのは昔からの家庭料理として有名……つまり常識。
なので味噌汁ご飯を作る際にその量加減を間違える事は「毎日見ている物すら理解できていない」という事である。
北条氏政が味噌汁を二度掛けした際に「これでは民も理解できない」と北条氏康に嘆息された逸話が有名……と言いたいが正直これは眉唾物である。この手のsageは家を亡ぼしてしまった人間の通過儀礼だし。
とはいえそういった逸話が生まれ、なんとなく納得が行ってしまうほど味噌汁というのは家庭に根付いたと言えるだろう。



おばあちゃんが言っていたなあ……

美味しい味噌汁を飲むと皆が幸せな気持ちになれるんだよ、って。


追記・修正は、お味噌汁を飲んだらお願いします。

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最終更新:2025年04月16日 18:18