シイタケ

登録日:2016/09/23 Fri 05:17:00
更新日:2023/12/07 Thu 16:25:49
所要時間:約 6 分で読めます









シイタケ(椎茸)とは、キシメジ科に分類されるキノコ。
日本においてはトップクラスの知名度を誇り、食卓で見かける機会も多い、キノコの主人公・・・ヒロインとも呼べる存在である。

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【概要】

日本はもちろん、おとなり韓国や中国、東南アジアなど幅広く棲息するキノコ、英語名も「Shiitake」。
学名が「Lentinula edodes」なのは有名、ただ「江戸です」と言いたいのかなどの由来は不明。


その名の通りシイの枯れ木に生えるが、他にもクヌギやコナラ、栗の木に生えることも多い。
なお、ごくごく稀に針葉樹の根元に生える時もあるが、これはさすがに例外、基本は広葉樹の枯れ木に生える。
人工栽培方法が確立するまでは、貴重なキノコ(今のマツタケ並の高級食材)でありシイタケ栽培で一山当てようとして破滅した人も多かったようである。

その人工栽培方法としては原木栽培、菌床栽培と栽培キノコの主な生産方法が両方行われている。
特に原木栽培の歴史は江戸時代より400年続くもので、その方法も今日まで工夫され進歩し続けている。
その始まりは豊後国にいた炭焼き職人の源兵衛が、炭焼きで残ったシイの丸太にシイタケが出ていたのを見つけたことだともいわれている。

江戸時代のころの原木栽培は、原木に傷をつけてシイタケの胞子が付くのを待つという、かなり博打じみたやり方で生産量は安定しなかったが、明治時代に三村鐘三郎により大量に集めた胞子を水に混ぜたものを原木に塗り込む方法や、シイタケの菌糸が蔓延した榾木を切り出し原木に埋め込む方法が試みられ、さらに昭和に入って森本彦三郎がシイタケが培養された鋸屑(おがくず)を利用した栽培方法を考案した。

そして1943年、ついに森喜作によって「種駒」を植え付ける栽培法が発明された。
この「シイタケ栽培用種駒」の技術は「真珠養殖」「ヒメマス養殖」と共に、農林水産分野での三大発明と言われており、日本のシイタケ生産量を大幅に上げるものとなった。

そのシイタケだが、意外にもその種類(品種)は非常に数が多い。
農林水産省種苗登録株に登録されている菌株だけでも150を超えており、栽培方法まで違うものも存在する。

またシイタケは収穫する季節などによっても名称が変わり、
  • 春に収穫するものは「春子」
  • 初夏は「藤子」
  • 秋は「秋子」
  • 冬は「冬子」
さらに雨に多く当たり水分を多く含んだものは「雨子」、日光によく当たり水分が少ないものは「日和子」と呼ばれる。
その他、消費者のニーズや料理のバリエーションによって「冬菇」「香信」「香菇」などにも分かれている。

生産量が多いのは、生シイタケは徳島県、干しシイタケは大分県となっている。


【食材としてのシイタケ】

シイタケは食材としての価値が非常に高く、出汁をとるのに使ったり、煮物や佃煮、天ぷら炊き込みご飯、付け合せ等々、挙げていくとキリがないほど食卓では大活躍、精進料理にも欠かせない。
味の濃さという視点では、シイタケに勝るキノコは無いだろう。
ある意味、身近過ぎてありがたみを忘れられている面もある。

独特の風味やぐにぐにとした食感から、子供が敬遠することの多い食材だが、大人になって出汁や旨み(シイタケの場合はグアニル酸)の存在に気付くと、とたんに魅力的になるステキな食材。

シイタケを切らずにそのまま焼いてステーキにするのもGood。
また、シンプルにシイタケをオーブンで焼いて醤油をかけ、バターを乗せてぱくり、至福の瞬間である。




スーパー等でキノコ売り場に行けば、まず見かける採れたての生シイタケ。
…が、ちょっと待ってほしい。
時間のある方は是非乾物コーナーへ赴き、干しシイタケを手に取っていただきたい。


実はシイタケ、乾燥させることで旨み成分が増大する。
また、乾燥させることで細胞壁が壊れてしまう。
細胞壁が壊れると旨み成分を取り出しやすくなり、また味が染み込みやすくなるのだ。
ちなみに中華料理では、生シイタケが使われることはほとんどない。


やんっ、つめたいっ///

さて、シイタケの戻し方だが、たっぷりの水を入れたボウルにシイタケを入れ、冷蔵庫で最低5時間、できれば24時間以上寝かせよう。
5℃以下の低温にさらすことで、旨み成分の元となるリボ核酸がどんどん増えていく。

ちなみに長時間常温の水で戻してしまうと、苦み成分である疎水性アミノ酸が増えてしまう。
また常温下や熱湯で戻してしまうとうまみ成分であるグアニル酸を壊してしまう。なので絶対に冷蔵庫で戻そう。



お兄ちゃん・・・私、こんなに大きくなったんだよ・・・?


シイタケを戻すと、大きさは倍に、質量は5,6倍近くにまでアップする。
乾燥したものを戻せば大きくなるのはあたり前だが、シイタケを戻すとぷるんぷるんの弾力性のあるボディに大変身。
あんなに小さかった幼女は、諸君らの手でふっくらとしたナイスバディになるのだ!


もちろんシイタケを戻した後の水にも旨み成分がたっぷりなので、是非お味噌汁等の出汁に使おう。
少女が入った後の風呂水をすする…ゴクリ……

……おっと、ただしこの出汁を直接すするのはおすすめしない。
理由は後述。


余談だが、windowsの警告アイコンやXboxのロゴ等、丸にバッテン模様のことをシイタケと呼ぶことがあるが、これは傘に×印の切れ込みを入れたシイタケに由来する。

小さなシイタケを切らずにそのまま鍋の具などにする場合、切れ込みを入れることで味が染みやすくなり、また見栄えも美味しそうになるのでお試しあれ。
×印いがいにも、紅葉のように*形に切れ込みを入れるのもオツ。



【最後に】

最後に注意点を2つ。
まず、シイタケを加熱せずに食べると全身が痒くなったり紅斑ができることがある。
これはしいたけ皮膚炎と呼ばれる皮膚疾患で、干しシイタケを戻さずにかじったり、シイタケの戻し汁をそのまま飲んだ場合にも発症することがある。
そのためシイタケはしっかりと加熱し、出汁はきちんと沸騰させることが望ましい。
というか例外を除いてキノコは基本は加熱しよう
そもそもキノコや酵母はカビと同じ菌類であり、生で食えるのはマッシュルームくらいしかなくそれでも予断はできない。


もう一つ、シイタケにはよく似た毒キノコがいくつか確認されている。
中でも誤食キノコ御三家とも言われるツキヨタケは有名だろう。
詳細は当該項目を参照していただきたい。

シイタケっぽいキノコが生えてるからといって、素人が1人でキノコ狩りをするのは絶対にやめよう。
必ずキノコに詳しい専門家の方などに連れて行ってもらうこと。
素人ではまずがあっても回避できない。

お店で売ってるシイタケは基本的に安全…だが、道の駅などの即売所でシイタケに交じってツキヨタケが売られていたという事例もいくつかある。
滅多にない事例ではあるが、一応どこで採れたか確認しておくといいだろう。
キノコで注意しすぎて損することはない。



追記・修正は冷水風呂に24時間以上漬かった方がお願いします。

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最終更新:2023年12月07日 16:25