うみのイルカ

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うみのイルカ - (2017/04/04 (火) 22:49:46) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/10/11(土) 12:33:02
更新日:2023/12/12 Tue 05:47:55
所要時間:約 9 分で読めます




『うみのイルカ』は、岸本斉史の漫画作品・『NARUTO‐ナルト‐』の登場人物の一人。
同作の主人公・うずまきナルトも在籍した木ノ葉隠れの里の忍者学校の教師であり、ナルトを始め、同期の多くの忍びや、三代目火影の孫・木ノ葉丸なども彼の教え子である。彼らからの呼び名は"イルカ先生"。
黒髪ポニテと顔の真ん中についた一文字の傷がアイデンティティ。



【プロフィール】
忍者登録番号/011850
誕生日/5月26日(双子座)
年齢/23歳(初登場時)※
身長/178cm
体重/66.2kg
血液型/O型
性格/おおらか・お人よし・前向き
好きな食べ物/一楽のラーメン
嫌いな食べ物/まぜご飯
好きな言葉 /信頼
趣味 /湯治
忍者学校卒業年齢/11歳
中忍昇格年齢/16歳
担当声優/関俊彦(忍たまの土井先生と同じ)
※初期プロフィールではカカシより一個下と設定されたが、その後アカデミーに在籍していた時期等に矛盾が生じると年齢が引き下げられた。



【第一話での活躍】
初登場は古く、連載開始の第一話にまで遡る。
…というか、第一話では主人公うずまきナルトと並んで最重要人物の一人である。
少し長くなるが、本作品の根幹を成す重要なエピソードなので、第一話の全内容を紹介したい。

ストーリーは、ナルトが木ノ葉隠れの里にある火影の顔岩にペンキで落書きするところから始まる。
担任のイルカに見つかり説教をくらうナルト。しかしそれでも反省の色を見せないナルトに怒ったイルカは、
復習テストで「変化の術」の試験をするが、ムカついたナルトは、「おいろけの術」で反撃に出る(同術の最初の被害者は彼である)。

(イルカ)「この大バカものー!!! 勝手にくだらん術を作るなっ!!!」
…だが、イルカはモロに引っかかって鼻血を大噴出していたので、半ば逆ギレに近い。

その後イルカはナルトに「掃除が終わるまで家には帰さない」と自分の責任で顔岩を綺麗にさせるが、「家に帰ったって誰もいない」というナルトの言葉を聞いて、
彼のある気持ちを察したイルカは事情聴取も兼ねて一楽でラーメンを奢ってやることにする。

その翌日。ナルトは三度目の卒業試験に見事に落ち(苦手な「分身の術」だったせいもある)、試験官だったイルカを逆恨みする。
そして同じくその卒業試験に立ち会っていたミズキに唆され(この術を覚えたら卒業できると言われた)、初代火影の封印の書を盗み出した。
(なおこの時、ナルトは三代目火影を上記のイルカの如くおいろけの術一発で昏倒させた。…この術、結構高性能なんじゃ…?

その後、ナルトは影分身の術の修行を開始。
そこにイルカが姿を現す。(ナルト)「あー!! 鼻血ブー見っけー!!」

だが、泥だらけで必死に修行するナルトの姿、そしてナルトの発言からミズキが黒幕であることに感づくイルカ。
そこにミズキが襲い掛かってくる。

さらにミズキは、里で守られるあるをナルトにカミングアウト。

「12年前…バケ狐を封印した事件はしっているな」
「あの事件以来…里では徹底したある掟が作られた」
「ナルトの正体がバケ狐だと口にしない掟だ」
「つまりお前がイルカの両親を殺しー!! 里を壊滅させた九尾の妖狐なんだよ!!」
「お前は憧れの火影に封印された挙げ句-里のみんなにずっと騙されていたんだよ!!」
「イルカも本当はな! お前が憎いんだよ!!」

この発言を聞いて、感情面が不安定になり、九尾のチャクラを発現させかけるナルト。

しかし、イルカはミズキの手裏剣を身を呈して庇う。
自分も昔、両親を失った孤独から道化役で人の気を引いていたことをナルトに告白する。
「そうだよなぁ…ナルト…」
「さみしかったんだよなぁ…苦しかったんだよな…」
「ごめんなァ…ナルト オレがもっとしっかりしてりゃこんな思いさせずにすんだのによ」

その後、ナルトに変化してミズキの注意を引くイルカ。
「あの巻物を利用しこの里に復讐する気だ」「あのバケ狐が力を利用しない訳がない」と発言するミズキ。

しかしイルカは、「バケ狐ならな」「けどナルトは違う」
「あいつは…あいつはこのオレが認めた優秀な生徒だ」
「…努力家で一途で…誰からも認めてもらえなくて…そのくせ不器用で…あいつはもう人の心の苦しみを知っている…」
「今はもうバケ狐じゃない」「あいつは木ノ葉隠れの里の…うずまきナルトだ」

このやり取りを木陰で聞いていたナルトは涙を流す。
その後、巻物から習得した影分身の術で千人ほどに分身してミズキをフルボッコ。

その後、イルカは卒業の証として木ノ葉の額当てをナルトにつけてやり、めでたしめでたし。

「卒業…おめでとう」

ちなみに、忍者みんながつけてるこの額当て、作者がナルトのゴーグル書くのがメンドクサかったから考案したんだとか。
しかしこの額当ても、のちに作中で重要な役割を果たすことになる。


【以後の来歴】
これ以後、ナルトは忍者学校を卒業し、ストーリィは里外の任務などに広がってゆくが、その後も要所で登場。
しかしこの手のバトル漫画では珍しいことに、戦闘描写はほぼなく、精神面でのサポートがメインとなっている。

再登場は中忍試験の際、上忍からの下忍の推薦が行われる場面。

この時、ルーキー全員が上忍の推薦されたことに驚愕、ほとんどが教え子だったため試験受験は早すぎると口を挟む。
(これは中忍試験が"新人つぶし"の性格を持っていることを懸念したため)

しかしカカシは、
「イルカ先生…あなたの言いたいことも分かります腹も立つでしょう しかし…」「口出し無用!」
「アイツらはもうアナタの生徒じゃない…今は…」「私の部下です」
と、その主張を斥けた。

その後、イルカは中忍試験第二の試験での伝令役(実際には任務途中に勝手に巻物を見た場合にその人間を試験終了まで気絶させておく役割で、憎まれ役を自ら買って出た)としてナルトたち第七班の前に登場。
その際、三人に『中忍心得』の内容を説いている。

また、ナルトたちに対して「ムチャはするな」と心配げな素振りを見せるが、「今は忍者だ」というナルトの反論を聞き入れた。
その姿と死の森の難関の突破を見て、ナルトたちの成長を実感。先のカカシの言葉を思い出しながら、「この子たちの力を本当に分かっているのは…カカシさん…アナタの方かもしれませんね…」との思いを抱いた。

中忍試験途中で勃発した"木ノ葉崩し"の終息後、三代目火影の葬儀のシーンにも登場。三代目との対話を思い出す。
忍者学校では笑いの中心になっているイルカも、慰霊碑の前では涙を零す少年だった。しかし三代目は、木ノ葉隠れの忍たちは皆火の意志を持ち、それを持っているかぎり、この里にいる者は全て家族そのものだ、と慰めている。

またナルトから、「なんで人は…人のために命をかけたりするのかなぁ…」と問われ、
「互いに信頼し合い助け合う生れ落ちた時からずっと大切に思ってきた人たちとのつながり…」
「…そしてそのつながった糸は時を経るに従い太く力強くなっていく…」
理屈じゃないのさ! その糸を持った奴はそうしちまうんだ…大切だから…」

その言葉にナルトも、「何となく分かるってばよ」と応えている。
(その姿を見て、イルカは三代目の語った火の意思が次世代に受け継がれていることを実感した)

その後しばらくは目立った出番はなかった(ナルトにラーメン奢ってやったりしてたことはある)が、第四次忍界大戦勃発後にひさびさに再登場。
その頃ナルトは、八尾のキラービーとともに、チャクラを遮断する島で二人には秘密のうちに隔離されていた(尾獣を狙う敵に捕縛されるのを防ぐため)。
しかし戦争も佳境に入り、感知力の高まったナルトは外の騒ぎに感づき始める。
そこに説得役として送り込まれたのがイルカだった。

イルカは当初は誤魔化そうとしたが、正直に話して納得させようと、「この戦争はお前を守るための戦争だからだ」と説得。
だがナルトは、「この戦争は全部オレ一人でケリをつける!!」と聞き入れない。
これに対してイルカは、
「だだをこねるな!! オレにとってお前はなっ…大切な生徒の一人だ」
「そして…弟のようにも思ってる…
「敵のボスはお前を全勢力で狙ってる…みすみすそんな危ない所へお前を行かせたいと思うわけないだろ」

しかし、それでも聞き入れずナルトは出撃。その際渡された木ノ葉の額当ての中にイルカからの手紙が隠されていた。
この手紙はイルカが説得に失敗した時のために用意したもの。

「もし…そうなった時…うまく渡せるか分からないがどうしても伝えておきたい言葉がある」
「…行ってしまったお前に言える事はたった一言だけだ」
「絶対に生きて帰って来い!!!」

その後、キラービーには「ナルトを守ってやって下さい!!!」と頼み込んだ。
ビーはこれに拳を合わせる合図で応えている。「了解だバカヤローコノヤロー!!」
また、「この男が止められなかったんなら…誰が止めても無理♪」と推測。
「ナルトの心ン中に常にアンタが見えた…あいつの心理♪」とも付け加えている。


【余談】
NARUTO‐ナルト‐という作品は、主人公のうずまきナルトが様々な人物を闇から救い出すことで成立している物語でもあるのだが(本人の項目も参照してほしい)、ナルトにとってはイルカがまさにそうした救い手であった。
実際、後々復讐に憑かれるサスケと対峙した際に、
「もしかしたらお前とオレ(の立場)が逆だった(未来もあった)のかもしれない」「オレも昔は里の皆を恨んでた」「復讐してやろうと思ったこともある」と、
自分も闇堕ちする可能性があったことを自ら示唆している。

その意味でイルカとの関係は、ナルトにとって最初にできた、最も大切な繋がりの一つである。
ナルトがサスケに「元より(家族などの)繋がりを持たない」と指摘された際にも、
「イルカ先生と一緒にいるとき…想像して思うんだ…父ちゃんってのがいるのって…こんな感じかなぁ…って」と述懐している。
(その上でサスケとの繋がりを兄弟のようなものだ、とも。)
また、更に後々には前述したミズキとの一件でも「バケ狐」と呼ばれナルト共々里民達に恐れられていた九尾こと九喇嘛に対してもナルトは、
「今はもう…バケ狐じゃねェ…。 おめーは木ノ葉隠れのオレとコンビの九喇嘛だ。さぁ、行こうぜ!!」
と、正しくイルカの受け売りとも言える言葉で彼との和解を果たす事にも成功している。

総じて、『NARUTO‐ナルト‐』という作品全体の本質にまで関わる名バイプレイヤーといってよいだろう。
活躍の場は少ないが、読者人気も非常に高く、今でも人気投票では上位に食い込むほどの根強い人気を誇っている。

なお、当人は「道化役を演じていただけ」と自嘲してはいるが、人前では笑顔を絶やさず、時に厳しく、時に優しく、誰にとっても親しみやすいその人柄は、生来のものでもあるだろう。
木ノ葉丸たちへの授業で「五代目火影は先生かも」と冗談めかして語っているが、このような人柄の人間こそ火影には最も相応しいともファンブックに書かれている。


追記・修正はイルカ先生の再登場を願う人がお願いします。

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